2016年08月16日 FM YOKOHAMA「たまらなく、AOR」 シビル/バーバラ・メイソン/ピーシズ・オブ・ア・ドリーム/コラージュ

田中康夫 presents Fm yokohama 「たまらなく、AOR」ロゴ

昨日から今日へと、
曜日はJST日本標準時で水曜日へ。
一つ、前に進みました。

今週も、ようこそ「たまらなく、AOR」の世界へ。

1970年代半ばから80年代、そして90年代の初頭まで。
私たち、一人ひとりが、光り輝いていた時代の音楽。AOR

それは、所謂「イデオロギー」とは無縁の、
都会的で、洗練された、しなやかなメッセージ。
慎み深いディーセントな誇りを抱いて、日々、
世の中と向き合い続ける貴方の1日の終わりに、
クワイエット・ストームな癒(いや)しを、届けてくれる
「たまらなく、アーベイン」な音色。

AOR
それは、セピア色になりかけていた私たちの記憶のアルバムに、
ささやかだけど、確かな息吹を与えてくれる勇気と希望のメロディー。
それぞれの楽曲を聴く度に、一つひとつの想い出が、ほのかに蘇ってきます。

私たち一人ひとりは微力かも知れない。でも、決して無力な訳じゃない。
今晩は。田中康夫です。
5千枚あまりのYa’ssyレコードコレクションの中から
選(よ)りすぐりの楽曲を
ゆったりと、しっとりとお聴き頂く、
2年目を迎えた「たまらなく、AOR」。
クワイエット・ストームな今夜のプレリュードとしてお掛けするのは1989年、シビル、Don’t make me over。

M1.Sybil – Don’t Make Me Over 1989

本名Sybil Anita Lynch。シビルの名前で活躍を続けている彼女は1960年代の半ばにニュージャージーで生まれています。正確な生年月日が様々錯綜していますが、今お聴き頂いたDon’t make me overは、アメリカのR&Bチャートで2位、そしてイギリスにおいても19位。その他の国でも非常にヒットをしました。アルバムタイトルはSybil。そしてこの後、続けてお聴きを頂くのが彼女のMake it easy on me。こちらは1990年の楽曲でアルバムはSybilization。シビルにですね字を掛け合わせた縁語のような形になっています。そして続いては1985年に再リリースをされたバーバラ・メイソン、Yes I’m ready。2曲続けてどうぞ。

M2.Sybil – Make It Easy On Me 1990

M3.Barbara Mason – Yes I’m Ready 1985

1964 ver.

live ver.

1973 ver.


最初にお掛けしたのは1990年、シビルのMake it easy on me。そして1985年、バーバラ・メイソン、Yes I’m readyでした。このバーバラ・メイソンはですね、1983年にAnother manという、まあこれはディスコのミディアム・スローでですね、少し踊り疲れた時のようなブリッジ・タイムに最適だったと言われてる曲です。バーバラ自体は1947年に生まれて、そして前回の東京オリンピックが開かれた1964年に、彼女が17歳で自身で作ったこのYes I’m readyが全米チャート5位まで上がります。この楽曲は1979年にK.C. & ザ・サンシャイン・バンドのK.C.とテリー・デザリオがデュエットでリメイクをしています。バーバラ・メイソン自身もその後幾度か録音をしていて、そして私が今、手元で、今日お持ちをしたのが1985年の彼女の録音です。

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当初に比べると非常にアップ・トゥー・デートな洗練さが出ているかと思います。17歳でデビューをした彼女自身は、ソウル業界の中でそれなりの地歩を固めて来たのですが、彼女自身がディスコの音楽というものに今ひとつ馴染めなかったというようなところがあり、いわゆるソウルがディスコと言われた時代に少し乗り遅れてしまった、そんな感じもあります。まさに早熟であった彼女。白人で言うとステイシー・ラティソーのような感じになるのかもしれません。
続いても2曲。1981年、ピーシズ・オブ・ア・ドリームのWarm weather。そして1983年、同じくピーシズ・オブ・ア・ドリームのIt’s time for love。どうぞ。

M4.Pieces Of A Dream – Warm Weather 1981

M5.Pieces Of A Dream – It’s Time For Love 1983

2曲続けてPieces Of A Dream。最初に1981年のWarm weather。こちらは最初に波の音がします。そして2曲目が1983年のIt’s time for love。こちらは雷の音がするという、なにか夏に相応しい・・・。彼ら自身は1975年にア・タッチ・オブ・クラスというグループ名でデビューをするのですが翌年にピーシズ・オブ・ア・ドリームと変更しています。これは同じ1975年に発売されたジャズ・サックス奏者のスタンリー・タレンタインのアルバムPieces Of A Dreamに触発されたからだと言われています。そしてグローヴァー・ワシントンJrに目を掛けられ着実な地歩を固めてきたピーシズ・オブ・ア・ドリームです。

今夜も私、Ya’ssy Yasuo Tanakaの選曲でお届けしてきた「たまらなく、AOR
お聴きになりたい楽曲を始めとするご提案は

aor@fmyokohama.co.jp

お掛けしたAORの楽曲をジャケット写真と共に紹介するサイトも、
FM yokohama HPの番組紹介ページからどうぞ。

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私、田中康夫の新しい公式サイト http://tanakayasuo.me/ でも
更なる楽曲の余韻をお楽しみ頂けます。

「たまらなく、AOR」今回のエピローグは、1985年 コラージュの Shine the lightです。このコラージュはですね、ディスコ・バンドと一般的には目されていますが、今日お聴き頂くような非常にミディアム・スローなShine the lightであったり、あるいは逆にエレクトロ・サウンドであるRomeo Where's Juliet?というような幅広い楽曲を出しています。そしてレーベルはConstellationというレーベルです。これはディック・グリフィーが1980年代の初頭に作り、そしてキャリー・ルーカスであったり、そしてご存知クライマックス。こうした人々が所属をしています。その後、MCAの傘下になっていく。この非常に短い年月で収束をしたConstellationレーベル。こちらから出ているのがコラージュです。

来週も、火曜から水曜へと、またひとつ、曜日が前へと進む時間帯に、みなとみらい横浜ランドマークタワーから、あなたの元へ、クワイエット・ストームな音色を、お届けしましょう。1985年 コラージュ、Shine the light。

それでは、また。

M5.Collage – Shine The Light 1985

When you walk into the edge of those
Dark and lonely woods
And when I ask how was your day
And you answer, "Not so good"

And when nothing seems to be working out
Quite the way it should, I will shine the light

And when the skies up above you fill
With gray and stormy clouds
And there's not a single face you know
In the maddening crowd

When you know that you don't make your way
But you just can't see how, I will shine the light

I will shine the light, I will shine the light
I will hold you in my arms
Until everything's alright, I will shine the light

And when your worries, they won't let you sleep
And rob you of your days
And you've looked in all directions
But you still you can't find your way

Oh, when you just need someone to remind you
That it's all gonna be okay, I will shine the light

I will shine the light, I will shine the light
When you're staring down your demons
Waiting in your darkest night, I will shine the light

Sometimes we jump into the great unknown
Some roads, we all will have to walk alone
But waiting there in the end is a heart that calls you friend
That's me, clapping the loudest, welcoming you home

So when your heart is heavy like a stone
From carrying its load
And you look into the mirror
And see someone you don't know

Or when the shadows are closing in on you
Like a hand around your throat
I will shine the light, I will shine the light

When you've given into your fear
When you've lost your will to fight
Let me know what I can do
Let me try to make it right

And I will shine the light, I will shine the light

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『たまらなく、アーベイン』 田中康夫

たまらなく、アーベイン

 

 

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