田中康夫の「だから、言わんこっちゃない!」Vol.320『実は東アジアのシンガポール! 21世紀の「開発独裁」国家・北朝鮮を大胆予測!Part2』

 

金正恩の「ペレストロイカ」は 北朝鮮の「シンガポール化」を目指す 日本が直面する試練! 「虎穴に入らずんば虎子を得ず」 「蚊帳の外!」OR「蚊帳の中?」

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「明るい北朝鮮」と呼ばれてきたシンガポールで、2018年6月12日に開催される米朝首脳会談。Y’assyは浅田彰氏との「憂国呆談」でも昨秋から終始一貫、“米朝関係は雪解けする”と語ってきました。ドナルド・J・トランプ大統領金正恩委員長との首脳会談を即決したのは3月9日。その前日に出演のTOKYO MX「モーニングCROSS」でも、「朝鮮半島“置いてけ堀”っぽいニッポン外交&経済」と題して今回の首脳会談を“予測”しています。

他方、「ならず者・北朝鮮」を和平交渉の舞台に、と唱和していた自称「リベラル派」wも含めた「意識高い系」は「左右」の別なく、いざ実際に進展し始めると足を引っ張る“懐疑的”発言を、したり顔で語っています。

朝鮮半島を巡って交錯する膨大なる情報の中から、どれを取捨選択すべきか、羅針盤としての「まとめサイト」を開設しました。

田中康夫の「だから、言わんこっちゃない!」Vol.320『実は東アジアのシンガポール! 21世紀の「開発独裁」国家・北朝鮮を大胆予測!Part2』と題してお届けをいたします。

昨日のモーニングCROSS、まだモーニングCROSSの動画もご覧いただけると思います。また、昨日はPart1を届けをいたしました。

その前から朝鮮半島問題というのを扱っておりまして、朝鮮半島問題のまとめサイトという形でもですね、本日からアップをしておりますので、合わせてですね過去の私の発言などをご覧いただければと思います。昨日も簡単に振り返ったように、私の友人でもある小野寺五典防衛大臣はですね、「北朝鮮大量破壊兵器廃棄まで圧力維持」と言うことを述べたと。しかしながらですねこの圧力というものに関してですね、ジェームズ・マティス氏はですね、あるいはトランプ氏はですね、この「圧力」と言う言葉に関してもですね、強い言い方で「圧力という言葉を使いたくない」というふうに述べてきておりますし、マティス氏も同様になってきていると。どうもなんか日本は、OSの転換は難しいかな?という気もします。ご存じのように2時間近くですね、ドナルド・トランプ氏がキム・ヨンチョル(金英哲)党副委員長との会談を終えた後に、庭で記者たちにお話をしたと。アメリカの記者もやっぱり日本の記者と同じレベルもあるなと、確かにそれはそうですね。アメリカだってイギリスだってわけわからないレベルのテレビ番組はたくさんございますし、それをみんな見ているわけでございますけれども。彼の方がすごいんですよね。「あなた達も出張することになるよ」と。マイク・ポンペオ氏がこの2日間「会談はとてもうまくいった」と、「金正恩委員長と6月12日にシンガポールで会う」 と。

 

朝鮮戦争終結も協議した」トランプ氏の発言全文 日本経済新聞

米朝会談揺さぶる「タカ派」の暗闘 日本経済新聞

「今はお互いのことをよく知ろうとしている段階だ」とマイク・ポンペオが「2日間取り組んできた」と、「我々は相手のことをよく知ることができた」と。「あなた達も出張することになる。6月12日にシンガポールにいなければいけないからだ」。まあ砕けた言い方ですよね。日本ってぶら下がりでこういう感じにならないで、なんか飯食ってる時だけこういうような感じで、あるいは「オフレコだ」とか言うけれども、その後にすぐ「これはプロセスだ」と、「1回の会合で済むとは決して言わない私は」と、「だが関係はできつつある」と。「重要な進歩だ」と。そりゃそうですよね一歩踏み出さなければしょうがないわけでございますから。ところが今回もですね、多くの日本のメディアは必ずですね「11月の中間選挙を睨んで史上初の米朝首脳会談実現っていう短期的でわかりやすい成果を優先した形だ」って、じゃあいつ会談すればいいんだよ、今だろ?って、まあどっかの予備校じゃなくてもですね、まずはやんなきゃしょうがないでしょってことでしょ。これだけ国務長官が CIA長官の時から極秘で飛び、向こうのナンバー2の党副委員長がワシントンまで来て、それで「まだもうちょっと」つってら『永すぎた春』という三島由紀夫さんが書いた恋愛の物語と同じようになってしまうでございますから、まずは会ってみてそれで気が合わないかもしれないって、昔は結納を交わしてから初めてセックスしたかもしれないけれど、今はその前にみんな『半分、青い。』だって「キスしようとしたら火がついちまったぜ」って話でございますけれども、日本の記者達が、というか日本のメディアというものが『半分、青い。』どころか「全く全部青いよ」って、それも青天ということじゃなくて、もう本当に「頭ん中がグレイに曇っている青すぎるよ」って話かなと思うんですね。

 

✽未だに河野オムレツ太郎ちゃまマンセーなオツムの方々が溜飲を下げる「情強」wな論考2本

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米朝首脳会談が実現しても「成果」は期待できない理由 真壁昭夫

体制を保証?トランプの「譲歩」はヤバすぎる 「個人崇拝のカルト国家」の存続を許すのか 高橋浩祐

で、彼はこういうふうに言ってるわけです。「私は北朝鮮が非核化を望んでいると思う」と、「その過程ではその他のことも実現したいと思っている」と、「これは疑いもない」と。で、ここ、面白いんですよね、「金正恩委員長への手紙で、彼の誠実さに疑問を持っていた」と。つまりトランプ氏が書いた文章は、「お前、誠意ねえんじゃねえか」って書いてたって言うんですけれども、「疑問なくなったのか?」って記者が聞くとですね、「私の手紙は北朝鮮からの手紙に答えたことだ」と、「北朝鮮側が言ってきた手紙に関して答えたことで、それを君たちメディアが忘れているんじゃないの?」と、「メディアは「会談の計画があったのに、私がそれをキャンセルした」と言っているけれども、私は会談自体をキャンセルをしてない」と、「北朝鮮側の厳しい声明に対して反応して、会談を取りやめたのだ」と。「ポストポーン(postpone 延期 後回し)したのだ」と、「私はもう機会は完全に失われたと思っていた」って言うけれど、ポストポーンなんですよね、「だけど今からディール(deal 取引 交渉)する」って言ってるわけです。書簡を渡すだけのナンバー2との会談が結果的には2時間になったと。「彼らが本気で前進をしたいと感じているから、私はこんなに話を、話し込んだんだ」て言ってるわけです。で、「我々はほぼ全てのこと」、(記者から)「在韓米軍の規模に関しても議論したのか?」という質問に、「我々はほぼ全てのことに関して議論をした」と。「経済制裁もそうだ」と。で、「私はキム・ヨンチョル氏に「非核化はゆっくりやっても良いよ」と伝えた。早くもできるしゆっくりもできる」そりゃそうですよ、戦争を止めるのはできますけれども核をちゃんと、不可逆的に検証可能にやっていくということは、「完全に」と言う言葉を除いたとしたって、翌日に全部済むわけがない。東京電力福島第一原子力発電所を見てごらんなさいよ。廃炉にするのに毎日6000人の人が働いてですよ、「何年かかるかわからない」ということを篠山紀信氏は『すごい廃炉』という、ふざけて言っているんじゃなくていろんな意味で、気が遠くなるし大変なことを真面目に現場でやっている、まともな人たちがいて、だけどここにこれだけのお金をかけなきゃいけないようなことが起きてしまうということ物を作ってしまったことへのですね、いろんな意味で『すごい』と言っていたわけでございますね。で、「金正恩委員長は非核化に本気だと思うか?」と、「そう思う」と。「金正恩委員長もそうなった場合に何が起きるのか見てみたいと思っているんだ」と。「彼も注意深い」と、「彼がそそくさと駆け出して対応をすることはない」と。「だが私はキム・ヨンチョル氏に「正直に言おう」と、「我々は経済制裁を科している。とても強い制裁だ。君たちが行動するまで経済制裁を解除することはない。経済制裁はどのくらい強力なのかはあなた方が知っているはずだ」と伝えた」と。「ある時点で経済制裁が解除できる日を楽しみにしている」と言っているんですけれども、ここの部分はちょっとですね、経済制裁というものが完璧っていうんじゃなくて、そうでもなさそうだっていうことについては前から申し上げているところであります。で、「拉致問題に関しても含めた人権問題に関して議論をしたのか?」と、「話してない」と、「首脳会談では協議するのか」と、「あり得る」と。「おそらく取り上げて詳細について話すであろう」と言っているわけです。けれどもここがまた不可逆的が掛かってくるということは以前から申し上げている通りです。これはやっぱり昨日も申し上げたけれども、「この問題は私が取り組むべきものではなかった」と。「もっとその前に早く解決すべきだった」と。「北朝鮮の核問題は重大な局面まで来てしまった」と。それはそうです。「バラク・オバマ前大統領だけじゃなくて、その前の大統領たちもこの問題を解決すべきだった」と。「今でなくもっと前に解決すべきだった」と、「経済支援は米国が資金提供をすることはない」と。「韓国がすると思う」と。「正直に言うと中国もすると思う」と。「日本もすると思う」というふうに言ってるわけですね。「アメリカは北朝鮮からとても遠い。日中韓はとても近い隣国だ」と。「我々は6000マイルも離れている」と、「日韓には支援を準備するように伝えた」と、もう1回言ってるわけでございまして、日本側はそこはノーコメントと相変わらず言ってますけども。「日中韓は何かいいことが起こるのを楽しみにしている」と。「日本は・・・」ここで初めて、いつも毎回ですね、「韓国は協力するだろう」と、日本も後で、「中国もだ」と。日本は後からですけど、ここでは順番として「日本はそうだ。韓国もそうだ。中国も同様だと思う」と言ってるんですね。ロシアのラブロフ外相とキム委員長の会談に(対して記者から質問があり)、「昨日、懸念していたでしょう?」って、「いや、懸念はしたよ」と「好ましいとは思わないけど、でももしかするとこれはポジティブとも言えるんだよ」と、なかなかトランプ氏ってすごくなってきてますよね。しかも「肯定的な会談だったかもしれない」って言ってるんです。で、もう一個ですね、「我々は戦争を終結することに関して今日、キム・ヨンチョル氏と話をした」と、「この戦争はずっと続いている」と。「70年間も続いている」と、「中国は前向きな結果を望んでいる」と。「私は習(近平)主席とも良い関係にある」と。もう1個はリップ・サービスではなくてですね、「北朝鮮は立派な国になる可能性がある。韓国もそれを援助するだろうし、日本も多いに援助をするだろう。中国も大いに手助けをするだろう」と、「私は非核化はゆっくりで良いと伝えた」と。「制裁は続くがゆっくりで良いと伝えた」。制裁があるけれども、飢餓の人たちが続出をして餓死してるっていう話は、日本の昔のようにですね人減らしみたいな話は、今のところ入ってきていないわけですね。これは2本の映画があって、高橋浩祐さんはですね、極めて懐疑的に見ていて「こんなもの、向こうの言われた通りに喋っているだけだの映画じゃねーか」と言っている映画があるんですけれども、この女性の監督っていうのは、元々、ヨーロッパにいた韓国系の女性の監督、私まだ見ていませんけれども(この映画を見た)堀潤君から聞くとですね、なかなか、実は侮れない北朝鮮言論統制ということではなくて、っていうことがあるんだと思うんです。「私は多くの追加制裁のメニューがある」と。「ただ、これに対してキム・ヨンチョル氏はあえて尋ねなかったけど、私は「対話が決裂するまでは多くの追加制裁を発動しない」と言った」と言うんです。「良い対話をしているのに発動するのはおかしい」って言っているんですね。これなかなかなもんでございます。

さて、そこで「シンガポール北朝鮮ってどう違うのよ?」と。シンガポールのことは読売新聞も朝日新聞もですね「明るい北朝鮮」と書いたんですね。日本にいるですね「情弱」というか「平和な皆様」は「シンガポールはとてもいい街」と言って、なんかエイベックスのなんとかさんであったりですね、あるいは村上ファンドのなんとかさんであったりですね、あるいはDeNAでサイトをやっていたお姉ちゃんであるとかですね、その辺が「税金も払わない、安くて良いし、日本でいるより節税だ」って言ってシンガポールに住んでると思いますけれども、シンガポールは申し上げておきますけども、「明るい北朝鮮」ですから。

 

東南ア 強まる言論統制 シンガポール、反政府に法廷侮辱/カンボジア、外国メディア追放 日本経済新聞

シンガポール:法が言論・集会の自由を侵害 ヒューマン・ライツ・ウォッチ

インターネット上で言論統制を強化する「明るい北朝鮮」と呼ばれる国シンガポール BLOGOS

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ここに国土の面積、面積はいくつ(って数字で)書いてあってもよく分からないんでこういうふうに書きました。63の島からできていて東京23区とほぼ同じ面積がシンガポールです。これに対してもちろん北朝鮮の方が大きくて、ギリシャと同じくらいの面積で、ギリシャの島も全部入れた。人口はどれくらいかって言うと、シンガポールはあのちっちゃいところにですねノルウェーと同じくらい。なので人口密度は世界2位。ちなみに1位はモナコ公国でございます。北朝鮮の人口は大体台湾にいる人と同じぐらい 。で、政治。これは両方とも基本的に一党独裁政治だっていうことですよね。人民行動党と。で、しかも投票が義務制ですシンガポールは。他の政党もありますけれどもゲリマンダーWikipedia - 英語:Gerrymanderとは、選挙において特定の政党や候補者に有利なように選挙区を区割りすることをいい、本来的にはその選挙区割りが地理的レイアウトとして異様な場合を指していう。)のような選挙区を作ってるんでどんどんどんどん人民行動党に都合の良いものになっているので政権交代なんてのはひっくり返っても起きないという形でございます。ガス抜きとして他の政党があるという形です。北朝鮮朝鮮労働党だけです。GDPはどのくらいか?と。フィリピンの国としてのGDPとほぼ同じなのがシンガポールです。でも番組でも申し上げたように、フィリピンからメイドの人が一杯来てるわけですね。北朝鮮は国民1人あたりがCIAの調査で1800USドルぐらいっていうんですから少ないでございますよね。もちろん、シンガポールは徴兵制。北朝鮮先軍政治といって先ず軍備である、と。ここからなんでございますけれども、これは堀(潤)さんも驚いていましたけれども、LGBT、これはシンガポールではご法度でございます。女性の同性愛に関してはどうかってのは分かりませんけれども少なくても男性の同性愛はアウチでございます。麻薬も、持ってたら死刑でございますね。これは他の国の人もみんなオーストラリアから来たようなおにいちゃんが持ってたってだけで死刑になっちゃってるわけです。まあ北朝鮮LGBTがどうかって・・・結構許されてるんじゃないかな?って気がしたり、あるいはクスリっていうかヒロポンみたいなものがあるんじゃないか?と言われているわけですね。(シンガポールは)経済はご存じのように金融資本主義です。大事な点は北朝鮮は今まで計画経済であったと。でもこの古い体制を多分、中国と同じような緩やかな市場経済にしていこうとしてるってことです。それが不愉快な軍部であったり今までの既得権益の人たちは北朝鮮にもかならずいるわけで、そのアンシャン・レジームと彼はペレストロイカをして戦おうとしてるってことですね。風紀。まあ「シンガポールはきれいな街」ってみなさんおっしゃるけれども果たしてそうか?と。罰金があるからですよね。チューイング・ガムを捨てただけで罰金になっちゃうわけですよね。たしかに「fine=素敵な」街かもしれない。昔、サーファーの雑誌で『Fine』っていうのがありましたけれども、「Fine City」と呼ばれている。でもこの「fine」てのは「罰金」のこと「科料(とがりょう)」のことを「fine」って言いますからね。駐禁をとられちゃうのと同じ。つまり、シンガポールは「そういう街ですよ」って皮肉で言われていることです。北朝鮮(の風紀)がどのような具合かはわかりません。でもシンガポールはみなさんご存じのようにネットだってブログとかホームページをアップするのに認可制ですからね。言論の自由なんて無いわけでございますよね。そして、「国境無き記者団」の発表では日本が今72位になって「ずいぶん落ちちゃったなあ」と、「鳩山由紀夫さんの時から比べると」と言われますが、シンガポールは151位でございます(笑)。北朝鮮は180位という形になっているということです。さてそのシンガポールとこれ、結構似てるところはあるなと。まさに「ルビンの壺」なわけですね。「ルビンの壺」だから皆さんはこの白いところがシンガポールと思って北朝鮮は黒い方と思ってるかもしれないけれど、実は相似形だったりするということです。さてシンガポール北朝鮮一党独裁だけじゃなくて一家族独裁という点でも共通をしているわけです。

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自由主義圏の開発国家と呼ばれているのがシンガポールです。シンガポールはご存じのようにマレーシアからですね華僑系というものがマレー人主体のマレーシアから分かれるという形で出来上がったと。そしてあの島だけになっていると。1959年から初代首相、亡くなるまで2011年まで内閣顧問というリー・クアンユー李光耀)という人、この人の腕利きは大したもんだったかもしれないけれど先ほど申し上げたように、日本の共謀罪だとかなんとか以上の強権的でもあったということですね。北朝鮮はですね、ご存じのように1948年、つまり朝鮮戦争は終わっていないんですけども、1回休戦状態になってソヴィエトの管理化にあった後にですね、この金日成(キム・イルソン)によって初代最高指導者として1948年に北朝鮮という国として独立をしていく、朝鮮民主主義人民共和国だということですね。で、社会主義圏のペレストロイカを今行おうとしているということです。で、シンガポール、ゴー・チョクトン(吳作棟)という人が首相になりました。でもこの人は国内で「この人、中継ぎよ」と「リー一家のクローン人間よ」って言われてたわけですね。キム側の方はですね、キム・ジョンイル金正日)氏、1994年からですけどこれはまあもちろん、血縁でございますから続いていると。そして現在、シンガポールはリー・シェンロン(李顯龍)、これはリー・クアンユー氏の息子でありますね。2004年から首相ですから中曽根さんや小泉さんやですね、安倍さんよりも長く当然やっている(笑)。で、この方は中国語、英語、マレー語、ロシア語ができると言われています。キム・ジョンウン金正恩)氏は2011年から。彼はもちろん朝鮮語、英語、ドイツ語、フランス語、そしてロシア語もできると言われているわけです。まさに、欧米社会というものを我々よりも彼は留学をしていたわけですから知ってるわけですね。そんな人が自分たちが殺されちゃうかもしれないようなことの無謀な戦争や喧嘩なんかをやるはずがないということなんでございます。で、だんだんだんだん市場経済化に向けていく。そして先ほど申し上げたようにですね、大変な立派なホテルに泊まれると言われているけども「泊まれるお金がねぇんじゃねぇか?」と。マリーナ・ベイのところのって言われていますけれども、あるいは「元々外貨準備高がねぇ」みたいにですね言ってる人たちがいます。「そりゃ違うんじゃないかな?」と私は思うんですね。確かに飛行機はシンガポールまでどうやって来るのかな?ってちょっと思ってますけども、これはマイク・ポンペオ氏が言っていたように彼は具体的に航続距離のこととかそういうのも、諳(そら)んじていたというよりも、数字をあげるから偉いわけじゃなくて非常に理知的に大局をつかんで、的確な質問や的確な答えをメモも見ずにしていたということでマイク・ポンペオ氏は舌を巻いてそれをトランプ氏に伝えているわけですよね。日本に、どこにそんな政治家がいるのかな?ということです。

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で、以前からお見せしているフリップを少し変えました。北朝鮮と国交関係を結んでいる国は現在174カ国です。ヨルダンが止めましたと言ってますけども1カ国増えて174カ国です。G20の中で国交を結んでいないのは日本とアメリカとフランスぐらいです。で、フランスは双方の首都に代表部を置いていますから実質、日本とアメリカぐらいなんですね。「国交を断絶せよ」という無体なことをコロンビア大学外務大臣として述べたというですね河野”オムレツ”太郎さんという、私のところもちょっとチェックしますかね、私のツイッターはまだ生きている(ブロックされていない)と思いますけれども、文字起こしとですね田中康夫officeのツイッターのアカウントはですね、ブロックしているという、まさに「見ざる聞かざる言いまくり猿」という方がいらっしゃいますけれども、これだけの国が国交を結んでいるわけです。で、ISISと違いますからね。国連に入っているんですから、国連に入っている国と国交を結んでる国に対して「国交を断絶しろ」っていうのはこれ、とんでもない越権行為だって日本は思わない。これ、本来だったら外務大臣として失格でございます。で、前から述べているようにこれはアメリカの資源探査衛星が出しているデータですから、盛った話ではないと。タングステンもウランも世界の埋蔵量の合計の半分ある。つまり半分は北朝鮮タングステンもウランも眠っているってことです。レアアースは現在中国が9割を市場供給していますけれども、その中国よりも6倍近い埋蔵量があると。更には金や鉄鉱石であったりですね、鉛であったり亜鉛であったり黒鉛であったりですね、マグネサイトであったり・・・、まあたくさんある。で、こうしたモノの主要輸出先は中国だけでなくてインドだけでなくてタイだけでなくて実はオランダも入っているっていうことですね。親日的だと言われている、実はオランダはこうした外交をしている。そしてこうしたものに関しての新たな(経済制裁)発動はしないとトランプ氏は、「対話を続けている限りにおいては」と言ってんですから「対話の為の対話は意味が無い」んじゃなくて、ホテル代なんか今とりあえず誰かが立替払いを韓国と日本にトランプ氏が命じたとしても、そんなもの外貨準備高がゼロになるなんてことはあり得ないということです。で、このお話をするとですね、「田中康夫、お前はこんな天然資源があるからと言って北朝鮮に媚を売るのか」みたいな、CPUの悪い方がOSの古い方が情弱な方がいますけれども、そうじゃありません。リビアイラクも石油はたくさんあったかもしれない。でも核は持ってなかった。そして石油はアメリカにおいてもベネズエラにおいてもサウジアラビアにおいても膨大に出ているわけですね。それはまさにサブスティテュート(代わり、代役、代替物)があるということです。でもこのレアアースタングステンやウランはどうですか?世界の半分のタングステンとウランが北朝鮮に眠っていて、レアアースに至っては中国の6倍も埋蔵していると。北朝鮮の代替物が、実はこれからの社会において無いということなんです。風力、太陽光、波力だけで暮らしていけるわけがニャいというわけです。で、そこで私が書いたのが、「これは南アフリカと一緒だ」ってこの瞬間思ったんですね。南アフリカは1986年に立木義浩さんと一緒に私は3週間くらい出掛けました。当時はアパルトヘイト下でした。ただ、当時はアパルトヘイトでも映画館はカラードの人も黒人の人も白人も一緒に入ることはできる。海も昔は海水浴の場所が分けられていたのが分けられない(一緒に泳げる)コースイミングの場所もできてあった。バスに関してはですね、黒人の人が乗るバスでソエトから通うようなバスはですね、PUTCOという、これはまあイタリア系のマフィアみたいな会社が営業していて、これはどこまで乗っても同じ値段と。白人系のバスは値段が距離によって変わってくみたいな国。

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一番驚いたのはその南アフリカに日本の自動車会社が全部ノックダウンの工場を持っていたということです。ノックダウンというのは現地生産の工場です。でも南アフリカで作った車はアフリカのナミビアとかその辺には行けたとしてもですね、輸出できたとしてもエジプトだのオーストラリアには輸出できなかったんですね。なのになんで南アフリカに日本の全ての自動車会社メーカー、これは欧米の会社も皆そうです。メルセデスBMWも当時のフォードであったりGMも工場を持っていた。それは南アフリカには自動車の触媒、これからは電気自動車になったり水素自動車になれば分かりませんが、自動車の触媒に不可欠なプラチナ・白金、この白金が安定供給できるのは当時、ソヴィエト社会主義共和国連邦南アフリカ共和国の2つしか無かったということです。すなわち自由主義圏は南アフリカの白金を使うしかなかったということです。で、私はこれを知った時に南アフリカというのはどんなにみんなが「とんでもねぇアパルトヘイトをやってる」、そりゃアパルトヘイトはけしからん制度ですよ。でもそんなことを言ったら日本だって昔は婦人参政権は無かったわけですしね。「アパルトヘイト、けしからん」と言いながら他の国にだって小さないじめや差別はたくさんあるわけでございますよね。神戸のように、まさに「いじめに関してのそれを破棄しろ、書類を」みたいな、頭下げてた訳分かんない公立学校がある・・・みたいな。すると南アフリカはどんなに「いじめ」られても自殺をしない国だったってことです。「アパルトヘイトがけしからん」と言われても。南アフリカも、当時もワインは輸出されていたし、自動車会社が南アフリカにお金を落としてたってことです。そしてデクラークという白人の優秀な大統領と、そしてネルソン・マンデラと、当時はケープタウンの獄中、ケープタウンの沖合いの島の獄中にいたわけです。あるいはデズモンド・ツツという南アフリカキリスト教のですね司祭、この3人によって変えられていった。でも今南アフリカは果たしてどうなってるか?ご存じのようにですね、全く退廃をしてきてしまった。「コカコーラを突っ込めばエイズにセックスの後ならねぇぜ」っていうような人がですね、大統領をやっていると。ジェイコブ・ズマというような人だということであります。で、南アフリカに行った時にヨハネスブルグに行き、そしてサンシティという所にも行き、ケープタウンに行ってそれからずっとダーバンとかポートエリザベスの方まで上がったんですが、ケープタウンというのは皆さん、ご存じのように遠洋漁業の場所でございます。ここである日本人の漁船の方とも、ま、デカい漁船ですね。で、ここには三井物産の人たちもみんな駐在をしている、一組の。で、当時、1986年でfaxが殆どないんで原稿をヤッシーが送るのにfaxをお借りして、値段も高くてすごい大枚を払いましたけど、ヨハネスブルグでも。で、彼のお家がある。ここにいわゆるメイドの女性の人がいる。これは南アフリカには10部族いるのでコサっていう、確か部族の女性でした。庭師、ガーデナーの男性がいる。この人はズールーという部族の人でした。2人は口もきかない。たまたまお互いの相性が悪いだけじゃなくて10部族同士がいがみ合う。でも元々南アフリカはどういうところか。「南アフリカで生まれ育った人は色の違いに関係なくシュドゥ・アフリカンズ(Sud Africans)である」ということをあるジャーナリストが言いました。でも元々はピグミーとかホッテントットと呼ばれていたような人たちがいるところにアフリカの中部から皆下りてきたり、強制的に連れてこられたり、オランダやイギリスの人間が入ってきたり、という形だったわけですね。その中である意味、日大の体育会みたいなもんでございます。体育会のピラミッドになっているアパルトヘイトだったから大きな騒動は起きてなかったということです。当時も白人で道で暮らしているというような人もいました。ドランカーもいました。で、今そのアパルトヘイトが無くなると10部族が争うようになって内紛的な具合になってしまっているということですね。

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北朝鮮はじゃあ、どうであるか?というと、「明るい北朝鮮」がシンガポールだと言いました。そして北朝鮮という場所はバッファー(緩衝)になるということです。どういうことかわかりますか。すなわち、南北の統一ということは多分、金正恩氏も実は望んでいないと思います。アメリカも望んでいない。中国も望んでいない。ロシアも望んでいない。日本は全然、蚊帳の外ではなくて蚊帳から虫に食われたら大変って蚊帳の中に入って出れないというですね、チキンな状態であります。とすると、米軍も全部居なくなるわけではなかろうと思います。それは韓国も大変である、日本も大変である、わずか50キロで対馬海峡だってことをやたらと煽っている人たちがいます。となると、金正恩氏はミハイル・ゴルバチョフ氏のペレストロイカをやってって旧体制の軍人であったりそういう人たちを、ノーメン・クラツーラの官僚を変えていく。市場経済を入れていく。でもソヴィエトはあまりに大きかったんで、ジョージアであるとかアゼルバイジャンであるとかあるいはトルクメニスタンであるとか、一杯別れていっちゃった。ウクライナもできちゃった。あるいは大きいのでその後にゴルバチョフ氏がだんだんリベラルだったんで力を失い、そしてヴォリス・エリツィンという人が出てきたけれども、エリツィンもキッチン・ドランカー的なところがあって、上手くいかなくてそして、彼に上手く取り入ったウラジミール・プーチンという人を彼は大統領に選ぶけれども、以前にも申し上げたように『世界のドキュメンタリー』っていうNHKのBSでやっている番組でもよく取り上げられているようにですね、「こんな人間選んでしまって失敗した」と、「KGBの奴を」っていう形になっているわけですね。でもそれだけ強権的な彼ですら野党の存在を全部壊滅するわけにはいかない。ジャーナリストを殺しているかもしれない。野党の人間を逮捕しているかもしれない。でも一応、選挙はやっていかなければならない。北朝鮮のこの規模であるならば、キム氏が序々に序々に非核化をしていく、そしてそれは不可逆的であるという形になっていった形の時に、彼の下でまだ35だとか38だとか年齢不詳ってのもすごい話でございますけれども(笑)、あと30年彼の体制が続いていくなかであの国は、そこにシンガポールと同様に、もう今もあるカジノをもっとカジノ的に外貨も稼ぐかもしれない。そしてこの天然資源においても外貨を稼げるかもしれない。カードを彼の国は持つということです。そしてあの場所が緩衝帯としてあることで韓国、中国、ロシアってものが三つすくみじゃなくて、お互いに、あそこが統一されてしまったらなんていうか、ガードレールが無くなってしまう。ショック・アブソーバーが無くなってしまう。エア・バッグが無くなってしまうというような形であるとすると、エア・バッグとしての北朝鮮というものは残っていくということです。さて、その段階で17人の拉致問題担当大臣が1度として北朝鮮に行ったこともなければ接触したこともない。なにかミサイルと称するものをですね、ミサイルっていうかですね、あれはなんか鉄砲玉みたいなもんです。飛ばすと「抗議をした」っていうけども、北京にある北朝鮮の大使館にfaxを送ってるだけだという。それを「抗議」と称している。そして日本には北朝鮮を担当する部署すら外務省の中に無かったっていう、「お寒い」状況の中でどうなってくのか?

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これはもう以前にお話をしたように、小泉純一郎さんと金正恩氏のお父さんが日朝平壌宣言、2002年9月17日、その後、もう一回小泉さんは北朝鮮に行ってますけど、「お詫びをします」と。「日朝国交正常化をします」と。

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そして4番目に書いてあるように、「双方は適切と考える期間に渡り、無償資金協力、低金利の長期借款供与及び国際機関を通じた人道主義的支援等の経済協力を「日本がする」っていうことでございます。また民間経済活動を支援する見地から国際協力銀行等による融資、信用供与などが実施されることが、この宣言の精神に合致する」って書いているんですよ。宣言ですから両方のトップがしています。慰安婦日韓合意というものは、これは外務大臣で、しかも両方別々に合意といって文書を出したに過ぎません。どっちが牌・レベルかといえばこちら日朝平壌宣言なわけですね。そしてここの一番問題が、あの時安倍さんが官房副長官で小泉氏とお昼の時に「向こうの食べ物には何が入っているか分からない」からって水も持っていって、自分達の食べ物を食べる時も多分、盗聴器も付いているだろうということで拉致問題に関してきちんと「キム氏から謝罪の言葉を述べてもらい、拉致被害者を帰すという言葉を取らなければ駄目ですよ」って安倍さんが強く小泉さんに仰ったのが向こうに聞かれていて、そして「私共の跳ね返りのモノがしたことを大変申し訳ない」と謝罪をキム氏がすると。そして拉致被害者が5人は戻ってきたんですね。でもここに書いてある内容は「今後も」とは書いてないんですよ。「日本国民の生命と安全にかかわる懸案問題については、朝鮮民主主義人民共和国側は日朝が不正常な関係にある中で生じたこのような遺憾な問題が今後再び生じることがないよう適切な処置をとることを確認する」と書いてあるんです。ですから前から申し上げているように、不可逆的という言葉を慰安婦だけではなくて、核の問題に関しても不可逆的という言葉をあまりに日本が使っていった時に、さて、日本が逆おっとり刀で待ってたら向こうが「話しても良いよ」ってやってきたからって、一体、何年後になるですか?その間に横田めぐみさんはどうなんですか?他の人たちはどうなんですか?その家族は歳を取らないで済むというんですか?もう40年間経ってしまって、40年政府を信じてきたことは、これは別に安倍さんの責任じゃないわけです。それ以前からですよ。事なかれで外務省というところが延ばしてきた。横田早紀江さんや横田さんの、今、病院に入っているお父さんは一日泉州の思いでいる。にもかかわらず小野寺防衛大臣も友人ですが、強いことを言ったけれど、日本はこれを書いちゃってるんですよ。でも日本は、私も含めて、日本のメディアも日本の国民もその時、最後まで小泉さんを支持したんですよ。そしてこれは不可逆的って言われたときに果たしてどうするのか?まさに虎穴に入らずんば虎子を得ずということをもう一度考え直すべきだと思いますし、これだけお話をしてもですね、「北朝鮮は信じられない」とか「何を言ってんだ」とか言う人は、本当にとんでもなく(拉致被害者の方々や家族を)見殺しをしようということであるし、日本が蚊帳の中から出れないで自分でですね、なんか蚊帳の中で日本が衰退して安楽死をしてっちゃうのか?っていう話ではなかろうかと思います。ということで今回は35分、新記録でお届けをばいたしました。本日からこの朝鮮半島まとめサイトも出来ましたので、今までの全ての「田中康夫のだから、言わんこっちゃない!」あるいは番組でこれの件に関してのYouTubeあるいはその他の浅田彰さんとの『憂国呆談』であったり、私が書いてきた朝鮮半島関係の原稿、あるいはその中で私がなるほどなと思うような部分に関してはですねお届けを、一覧になっておりますのでご覧頂ければというふうに思います。

そして実は特別でございますけれども、やっぱりすごいなと思うのはサッカー・ジャーナリストの大住良之さんがお書きの文章、日経新聞に載ったんでございますけれどもこれはもう本当に愚の根も出ない、じゃないや出ちゃうくらいに鋭い、日本のサッカーがなんでダメダメなのかということを大住さんが書いたものも特別に今日は付けておきますので、またご覧頂ければと思います。

 

✽✽おまけ
「オールスター」のサッカー日本に勝算は見えぬ  サッカージャーナリスト 大住良之

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「註の新たな註」
「いまクリ」と「もとクリ」、その記憶の円盤が舞い続ける時空。

ようこそ現在から1980年の東京、そして日本へ❣
「✽文庫本化に際しての、ひとつの新たな長い註。」でお約束した「註の新たな註」は、
両書に登場する「字句の解釈」に留まらず、
高度消費社会の幕開けから現在に至る時代背景を、
関連する僕の拙稿等も紹介しながら絵解きしていくサイトです。

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