Fm yokohamaからこんばんは。田中康夫です。
昨日から今日へと、
曜日はJST日本標準時で水曜日へ。
一つ、前に進みました。
今週も、ようこそ「たまらなく、AOR」の世界へ。
1970年代半ばから80年代、そして90年代の初頭まで。
私たち、一人ひとりが、光り輝いていた時代の音楽。AOR。
それは、所謂「イデオロギー」とは無縁の、
都会的で、洗練された、しなやかなメッセージ。
慎み深いディーセントな誇りを抱いて、日々、
世の中と向き合い続ける貴方の1日の終わりに、
クワイエット・ストームな癒(いや)しを、届けてくれる
「たまらなく、アーベイン」な音色。
AOR。
それは、セピア色になりかけていた私たちの記憶のアルバムに、
ささやかだけど、確かな息吹を与えてくれる勇気と希望のメロディー。
それぞれの楽曲を聴く度に、一つひとつの想い出が、ほのかに蘇ってきます。
私たち一人ひとりは微力かも知れない。でも、決して無力な訳じゃない。
今晩は。田中康夫です。
5千枚あまりのYa’ssyレコードコレクションの中から
選(よ)りすぐりの楽曲を
ゆったりと、しっとりとお聴き頂く、
2年目を迎えた「たまらなく、AOR」。
クワイエット・ストームな今夜のプレリュードとしてお掛けするのは977年 Eric Carmen "Boats Against The Current"。
M1.Eric Carmen – Boats Against The Current 1977
元RaspberriesのEric Carmen、1977年 "Boats Against The Current"でした。75年のソロアルバム、"All by Myself"、シングルで全米2位となったラフマニノフのピアノ協奏曲第2番、モチーフとした楽曲が有名ですが、私的にはこの77年 "Boats Against The Current"。日本のアルバムには『雄々しき翼』と付いていましたが元々はこれはF・スコット・フィッツジェラルドの"The Great Gatsby"の中の一節なのですね。「怯まず・屈せず・逃げず」。季節が変わろうと状況が変わろうと夕陽の向こうのそのロマンスへ向けて僕は漕ぎ続けるんだ。船や飛行機の復原力stabilityというようなものを感じさせます。Beach Boysあるいは元Guess WhoのBurton Cummingsがバックボーカルに、そしてTOTOをその後結成するJeff Porcaroがドラムで参加をしています。胸が非常に締め付けられる"Boats Against The Current"。今の私の気持ちかもしれません。
続いては2曲。1985年 The RAH Band "Sorry Doesn't Make it Anymore"。そして1985年 David Bowie & Pat Metheny Group "This is Not America"、どうぞ。
M2.The RAH Band – Sorry Doesn't Make it Anymore 1985
M3.David Bowie & Pat Metheny Group – This is Not America 1985
W/Lyrics デトロイト編
映画PV1
戦場篇
映画PV2
最初にお掛けしたのはRichard Anthony Hewson。彼の頭文字を取ったThe RAH Band、1985年 "Sorry Doesn't Make it Anymore"でした。この番組のテーマソング"Perfumed Garden"もこのThe RAH Bandであります。"Sorry Doesn't Make it Anymore"、正に前向きに私達は生きる必要がと囁いています。そして続いてお掛けしたのが、元々は"The Falcon and the Snowman"という映画の主題曲、falconは隼ですね。Robert Lindseyのノンフィクション小説『コードネームはファルコン』これを映画化したものでTimothy HuttonあるいはSean Pennが主演をしてJohn Schlesinger監督の作品です。Pat Methenyはご存知のようにジャズギタリストでその彼のジャズ・フュージョンバンドPat Metheny GroupとDavid Bowieという意外な組み合わせで"This is Not America"という主題歌です。
この映画は主人公はキリスト教の聖職者を養成する神学校を中退して父親の紹介で巨大軍需産業に入社をしCIAと国防総省関係の部署に配属される。するとそのあまりにダーディな闇に恐れ慄く。「こんなの僕が誇りに思ってるはずのアメリカじゃないよ」。いくつかのプロモーションビデオPVを私のホームページでご紹介をしますが、一つはデトロイト、モータウンのデトロイトが廃墟となっていくそのアメリカの映像。そして多くの戦場へとアメリカの若者が自分の同僚が亡骸となってる横を歩いていく。日本に関しても”ディスイズノットニッポン"、"This is Not Japan"と思われる方がいらっしゃるかもしれません。2020年、東京オリンピックという大文字の目標が達成される年にその東京すら人口は減少していきます。であるならば私達は福祉や医療や教育、人が人のお世話をしてはじめて成り立つ領域で地に足を着けた小文字の充実が必要かもしれません。
人口1億人維持するんだ。その為に希望出生率を1.8にするんだ。あるいはその為だったら借金が自治体が2倍になっても良い。まあこうお考えの方もいるかもしれませんが、私達は量の拡大、そしてそれができなくなって量の維持なのではなく質の充実や質を深めていく進化が必要かもしれません。
憧れているフランスやイタリアも人口は6000万人ですしもっと言えば、無論戦争はいけない事ですが日露戦争当時の日本は今の半分にも満たない4800万人でした。それは『33年後のなんとなく、クリスタル』のテーマでもありますが、横浜も東京同様に空き家は12パーセント。そうしたものを使ったコミニティの再生の宅幼老所や保育ママ。国民益があってこその国家益かもしれません。そうした勘所の勘性を私達は地頭を持っていくべきだ、非常に社会的な問題にもしなやかな形で語り続けていたDavid Bowieは、この楽曲を聴くと改めてその事を今語りかけてくれている、そんな気がします。
続いてはは2曲。1979年 Peter McCann "Just One Woman"。そして1976年 Boz Scaggs "We're All Alone"。
M4.Peter McCann – Just One Woman 1979
M5.Boz Scaggs – We're All Alone 1976
live ver.
Jennifer WarneやWhitney Houstonに楽曲を提供しているPeter McCann。1979年 "Just One Woman"が最初の曲です。そして1976年 "We're All Alone"。オハイオ州生まれテキサス育ちのBoz Scaggs『Silk Degrees』のアルバムからです。
まあBozはオハイオ州で生まれてテキサスで育った、それが以前にお掛けした"Slow Dancer"にも見られるようにそれぞれのその地域に根ざしたコミニティ、人間には60兆もの細胞がある。その一つ一つの細胞が活性化されいてこそ全体が国民益でありあるいは元気なんだ、一つ一つの細胞が衰えてしまっていては大手町であったり永田町であったりそうした所がいかに元気でも細胞は骨粗しょう症になってっちゃうんだよ、そういう意識を無意識の中に持ってるのがBoz Scaggsかもしれません。
今夜も私、田中康夫の選曲でお届けしてきた「たまらなく、AOR」
お聴きになりたい楽曲を始めとするご提案は
お掛けしたAORの楽曲をジャケット写真と共に紹介するサイトも、
FM yokohama HPの番組紹介ページからどうぞ。
私、田中康夫の新しい公式サイトhttp://tanakayasuo.me/ でも
更なる楽曲の余韻をお楽しみ頂けます。
「たまらなく、AOR」今回のエピローグは1983年 Boys Town Gang "When will I see you again"です。ご存知Gamble & Huffの楽曲、74年にThree Degreesがフィリーソウルの代表作としてヒットをさせます。Boys Town Gang自身はサンフランシスコのハイエナジーサウンド、所謂ゲイの世界を歌ってきている人で既に亡くなったPatrick Cowleyと同じようにプロデューサーであったBill Motleyも人生を走り抜けた人であります。この楽曲を聴くと私は正に悲しい時も嬉しい時も一分一秒は同じ速度で過ぎていく。ならば目を逸らさず肩肘を張らず声高に語らず自然体へ前へと、最初にお掛けしたEric Carmenの"Boats Against The Current"のように長いものに巻かれず生きていく。それは「イデオロギー」とは無縁のAORが常に皆さんに語り掛けている事かもしれません。
来週も、火曜から水曜へと、またひとつ、曜日が前へと進む時間帯に、みなとみらい横浜ランドマークタワーから、あなたの元へ、クワイエット・ストームな音色を、お届けしましょう。1983年 "When will I see you again"。
それでは、また。
M6.Boys Town Gang – When will I see you again 1983
When Will I See You Again Lyrics
Hoo-oo ha-a ha-a hoo-oo
Precious moments
When will I see you again
When will we share precious moments
Will I have to wait forever
Will I have to suffer
And cry the whole night trough?
When will I see you again
When will our hearts beat together?
Are we in love or just friends?
Is this my beginning
Or is this the end?
When will I see you again?
When will I see you again?
When will I see you again?
Hoo-oo- a hoo-oo
Precious moments
Are we in love or just friends?
Is this my beginning
Or is this the end?
When will I see you again?
When will I see you again?
When will I see you again?
When will I see you again?
When will I see you again?
When will I see you again?
When will I see you again?
When will I see you again?
When will I see you again?
When will I see you again?
When will I see you again?
- 作者: マイケル・ジャクソン,田中康夫
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2009/11/13
- メディア: 単行本
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