2020年05月01日 TOKYO MX モーニングCROSS 田中康夫「パンデミック終熄なければ五輪は中止」勇気ある森喜朗会長発言を「日刊スポーツ」しか報じない日本の誤用・御用マスメディア+LOTTA写真館

[堀]田中さん、テーマの発表をお願いいたします。

[田中]テーマはですね、28日に日刊スポーツに載った森喜朗さん(TOCOG 公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長)の衝撃的なインタヴューの件であります。

[宮瀬]東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会の森会長はおととい、日刊スポーツのインタヴューで、来年に延期された東京大会について、2021年に開催されなければ中止になるとの考えを述べました。ただし一方で、予定通り来年に開催されることへの自信も表明しています。

[堀]ではまず田中さんのご意見をお伺いしたい。

[田中]冒頭にですね、(毎日新聞台北特派員の)福岡静哉さんの話で、やっぱり民主主義って、国民を守ることが民主主義でしょ?と。国民を守ってこそ国家も守れるんでしょ?と。そこが勘違いされていると思うの。それともう一つはね、(政府のコロナ対策は)スピード感が無いって堀さんが仰った。実はね、自治体にも専決処分てのがあるんですよ。つまり、議会で予算が承認される前に、首長の責任でこの金額はこれに使いますと。私も(長野県知事時代に)やった。その後、議会が承認するかしないか、かもしれないけれど、政府は1・7兆円も(収束後の観光需要喚起)「Go To キャンペーン」に使うんだったら、それを何に使うのか?「#ナゾノマスク」じゃないものに使うっていう専決処分ができないというところに、国家の決断力が無いってみんなが思ってるから、先立つものが無いから満員電車に乗っちゃうし、まさに住宅事情が狭いから公園に行ってしまうわけでしょ?という話なの。で、森さんはですね、4月28日の日刊スポーツで「来年の開催はできるんですか?終息しなかった場合どうなりますか?」って訊かれた後に「再延期は無いよ、その時は中止だ、戦争があったりした時でも中止になる」って仰ったんです。(森さんは)すごい当たり前のことを言ったのね。それに対してすぐに海外のメディアは、別に海外(のメディア)が偉いわけじゃなくて、フランスのAFPもイギリスのBBCも、アメリカのCNNもNYTもReuterもみんな書いたんですよ。どういうことを言ってるかといったら「森さんがこういう場合にはもうキャンセルだ、将来の延期は無い」って書いてるわけ。例えばNYTとかは皮肉っぽい見出しでね「なのに日本では未だに楽観的な意見がありますよ」って書いてるわけ。その「楽観的な」日本(のメディアは)どうだったのか?翌日私は全部の新聞をコンビニに行って買いました、スポーツ新聞も日刊紙も。森さんの発言は一行も載ってません。森さんの発言が、日刊スポーツが書いてることが本当なのかどうかも書いていない。それはどうしてかと言えば、ここに書いたようにこういう新聞社(読売新聞・朝日新聞・日本経済新聞・毎日新聞)が(東京オリンピックの)オフィシャルパートナーなんです。そして北海道新聞や産経新聞もオフィシャルサポーターなんです。そしてマーケティングの専任代理店は電通なわけですね。とすると、彼らはお金を出してるなら尚のことこの問題を真剣に考えようよと言うのが僕は当然じゃないかと思うんで、どうも日本は「誤送船団」になってるなと。間違った字の「誤送船団」になってて、海外は伝えていても日刊スポーツ以外伝えていないんですよ。ヘンじゃありません?堀さん、(こういう日本の新聞やテレビは)メディアじゃないんじゃないですか?

[堀]んーん・・・。

[田中]どうですか?じゃもう次にいきます、お答えし難いみたいなんで。

[堀]いやいや・・・(苦笑)。

[田中]本庶祐(ほんじょ・たすく)さんが、こないだBSフジの番組(FNNプライムニュース4月22日)でこういったことを仰った。「ワクチン開発は上手くいっても一年以上だよ」と。仮に一年でできたとしても世界中の人に供給しないといけないんです。日本だけじゃない。仮に日本だけに供給したとしても海外の人が来るオリンピックは難しいんじゃないかという前提でどうするか?なのに、(オリンピック組織委員会は)ワクチンができるから(開催可能だ)と言ってるわけでしょ?本庶さんは「感染症は検査が基本なんだ」と、これは何かと言えば、(変異しにくい二本鎖の)DNA(を持つウイルス)じゃないんですよ、インフルエンザもこのコロナ(ウイルス)も。一本鎖のRNA(ウイルス)という変異しやすいウイルスなんです。

[堀]そうですね。

[田中]だから「ワクチンを作っても後手後手」だって彼は仰ってる。そして彼は、司会者(反町理(そりまち・おさむ)フジテレビ報道局解説委員長)が「PCR検査(を増やすのは)は大変ですよね?」って言ったら、「いえいえ、1日1万件以上のPCR検査でも、普通の大学の研究室で(3人一組のチームが定時勤務で1日あたり)100検体できるから、できますよ」と。だから「基本は検査と治療です」と仰ってる。そして同席していた、「ヒゲの隊長」(佐藤正久参議院議員)が「韓国は1月にPCRセンターを立ち上げて、備蓄も体制も迅速・的確だった」と白旗をあげたんですよ。「(韓国の)良い所は見習わなきゃ」と仰ったの。じゃあ、日本はどうだったか?というと、日本は「クラスターだ、集団感染(という集団免疫)だ」と言った。でもこれも壁にぶつかったんですよ。そうでしょ?だから「検査と治療へ」とインパール作戦じゃなくて転進しなきゃいけない。で、今話題の「8割おじさん」というのが北海道にいらっしゃるそうなんだけれど、彼が4月12日にどういうツイートをしたか?よく読んでください。「乗り越えたら、僕たちきっとマルタ島3ヶ月だよ。ご褒美妄想は膨らむばかり」。努力してたら、あるいは成果が出たらよろしい。でも翌13日にNHKスペシャル「感染拡大阻止最前線からの報告」で東北大学の押谷仁さんと北海道大学の西浦博さんが出た。多くの方が(SNSなどで)書いてたけれど、これって結局、クラスター対策や集団感染では無理だというのを、NHKは彼らを追いかけて、批判もしてないけど、淡々と見た人に分からせた。じゃあその人がなんでこういうことを言ってるのかな?ということだと思うんです。なので最後に、これは北海道の『バカな対象、敵より怖い』っていう本、これはですね、北海道拓殖銀行が破綻した後に北洋銀行の頭取(だった武井正直さん)が(意気消沈していた拓銀の行員に)一緒にやろうと言った、その建て直しの人の本です。ですから、私はこれを捩(もじ)ってですね、あえて今日申し上げたいのは「バカな大将、敵より怖い」「アホな取り巻き、コロナより怖い」と、笑いが出ませんけど・・・、この問題を本当に考えなければ「#Tokyoインパール2020」になっちゃう。森さんはやっぱり、この危機感の上で仰ってるのに、なぜそれが一行も報じられない日本の誤送船団記者クラブなのかな?って、メディアにたずさわる方に申し上げたい。

[堀]田中さんの話を聞きながら、一方で意外だったのは、僕が森さんが東京五輪の再延期は無いよとお伝えしたのは、あれは外信の発信だったのかと。

[田中]そうですよ、堀さんがご覧になったのはそういうことだと思います。日本の活字メディアや地上波メディアでは、多分これ(森氏の発言)が出たのはこの放送が最初です。

*

[堀潤]皆さんおはようございます。

[宮瀬茉祐子]おはようございます。

[堀]時刻は7時をまわりました。気がつけば今日から5月ですね。

[宮瀬]そうですね。良いお天気で迎えられたわけなんですけれども、自粛が続くということです。

[堀]あと一ヶ月、持ちこたえられるのか?企業活動は商店はどうなのか?ゲストは田中康夫さんと春名風花さんです。

[田中康夫]おはようございます。

[春名風花]おはようございます。

[堀]よろしくお願いします。田中さん、初めてのリモートでの。

[田中]そうなんです。我が家のロッタも。

[堀]ははは。可愛い(笑)。

[田中]でも犬が登場すると最近、炎上するので。

[堀]ええー?!

[田中]「犬が登場して踊っちゃうと炎上するっていう令和のルイ16世」がいます(笑)。だけどね、(緊急事態宣言を)一ヶ月延ばすって言うけれど、一ヶ月の間に(商店や飲食店は)何軒潰れちゃうの?

[堀]そうなんですよ、心配なんです。

[田中]何件人々が亡くなっちゃうの?だから僕は本当にね、皆さんハッシュタグを付けて「#自粛と補償はセットだろ」と「#自粛と給付はセットだろ」って言ってるけど、本当に早くね「国民配当」としてのベーシック・インカムBIを導入しないと駄目ですよ。

[堀]そうですね。

[田中]10万円一体いつ来るんですか?本当に。「後手後手」どころか「駄目駄目」。

[堀]企業の給付金にしても調整金にしても3ヶ月先ですとか。今、手続きをしようにも申請件数に比べると認められてる件数が1割であったりとか。手続きも支給もスピード感に欠けますよね。

[田中]ドイツやスイスやカナダとか国民に対して本当に現金給付で「国民配当」してるわけでしょ。

[堀]そうなんですよね。昨日の東京都の感染者数ですが、このところ陽性患者の数というのがわりと抑えられてきたのかなという印象なんですね。新規感染者数が初めて4月4日に100人を越えました。しかしその後ですが段々段々減ってます。ただ、一番知りたいのはPCR検査を新たに受けてどれぐらいの方が陽性になってといういわゆる陽性率。でも今の仕組みだと保健所と民間の医療機関と公的医療機関とそれぞれがあってそれを保健所がまとめて伝える。PCR検査は感染が疑われる人だけじゃなくて、感染がこれから回復したかどうかを確認する為の検査と一緒くたに合算されているから、実際どれぐらいの方が感染されているのかを知りたい。

[田中]そうなの。しかしなんで検査数はどこのメディアも書かないの?何人検査をして何人陽性だったのか、あるいは偽陽性だったのか。これもう、データとして成立してないよね。

[堀]そうですよね。東京都の方でもCOVID-19の特設サイトで陽性率を出してるんですけど、どうしても全体のパイを見るには数日かかってしまう。それぞれの状況、保険の適用であったりとか民間か公的かっていうところが、そのあたり台湾の状況も含めてしっかりと聞きたいなと思っております。

*

[堀]「東京都 新たに46人感染確認」。そして「楽天 PCR検査キット販売見合わせ」。田中さんどのニュースが一番気になりましたか。

[田中]今の最後のなんだけども、だからと言ってPCR検査をしなければ前に進まないんですよ。後でオピニオンでも伝えますけれども、本庶祐さんが「検査は基本だ、検査と治療が大事」だと言ってて、同時に「ヒゲの隊長」の佐藤正久さんも「韓国は1月からやってる、日本は3ヶ月遅れてるんだ、韓国に学べ」って、あの(嫌韓・憎韓・極右な一部のメディアの読者や視聴者に持て囃されている)佐藤さんが言うくらいな状況なんですよ。

[堀]与党ですからね。

[田中]そうですよ。これが未だに「意識高い系」の「医者もどき」とか、「識者もどき」の人が「(PCR検査に国民が殺到すると)医療崩壊」とか言ってるのって、その人たちこそMRI検査か頭の中を覗いた方が良いと思うよ。

[堀]実際、国会で議論されている中で、政府としても「2万人の検査体制、2万件の検査体制にしたい」と。ところがなかなか1万人も越えてこない。「厚労省にしっかり指示をする」っていう風に言っていた国としても、やりたいけどやれないんですよね。

[田中]いやだから、ジミー大西さんじゃないけれど「やってるぅ!やってるぅ!」って言ってるだけでしょ?(笑)。

[堀]そうね・・・。

[田中]国民はみんな呆れてるどころか怒ってると思うよ。それでいてね、収束したら1.7兆円使って(観光需要喚起の)「Go To キャンペーン」をやるって言ってるんでしょ?今、これ(コロナ対策)に使うべきなんじゃないですか?まさにね「受験勉強もしてないし、合格発表も未だなのに、入学のご褒美旅行の計画を立ててる劣等生」が「今のニッポン」になっちゃってるんですよ。

[堀]目の前の医療体制・検査体制、そうしたものに対してと生活の保護。使うべきところはまだまだあるんじゃないかと。

[田中]夜の番組(MXテレビ『バラいろダンディ』)の梅沢富美男さんじゃないけれど、本当にヘンだと思うよ、この国。

 

田中康夫氏の「オピニオンCROSS neo」は05:47~
「オピニオンCROSS neo」は首都圏以外の全国・全世界の方々も、エムキャス「見逃しヴィデオ・オン・デマンド」ページにて放送後3日間ご視聴頂けます。スマホの方も以下のリンクからエムキャス視聴アプリのインストール・視聴が可能です。
https://mcas.jp/

 

NEW!「VERDAD」連載「田中康夫の新ニッポン論」Vol.82『「医療崩壊」脳』

「ソトコト」連載(浅田彰氏との)「憂国呆談」も5月1日発売です。
「サンデー毎日」「コロナ狂騒曲Part4」は5月12日(火)発売号に寄稿します!

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[堀]田中さん、テーマの発表をお願いいたします。

[田中]テーマはですね、28日に日刊スポーツに載った森喜朗さん(TOCOG 公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長)の衝撃的なインタヴューの件であります。

[宮瀬]東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会の森会長はおととい、日刊スポーツのインタヴューで、来年に延期された東京大会について、2021年に開催されなければ中止になるとの考えを述べました。ただし一方で、予定通り来年に開催されることへの自信も表明しています。

[堀]ではまず田中さんのご意見をお伺いしたい。

[田中]冒頭にですね、(毎日新聞台北特派員の)福岡静哉さんの話で、やっぱり民主主義って、国民を守ることが民主主義でしょ?と。国民を守ってこそ国家も守れるんでしょ?と。そこが勘違いされていると思うの。それともう一つはね、(政府のコロナ対策は)スピード感が無いって堀さんが仰った。実はね、自治体にも専決処分てのがあるんですよ。つまり、議会で予算が承認される前に、首長の責任でこの金額はこれに使いますと。私も(長野県知事時代に)やった。その後、議会が承認するかしないか、かもしれないけれど、1・7兆円も(収束後の観光需要喚起)「Go To キャンペーン」に使うんだったら、それを何に使うのか?「#ナゾノマスク」じゃないものに使うっていう専決処分ができないというところに、国家の決断力が無いってみんなが思ってるから、先立つものが無いから満員電車に乗っちゃうし、まさに住宅事情が狭いから公園に行ってしまうわけでしょ?という話なの。で、森さんはですね、4月28日の日刊スポーツで「来年の開催はできるんですか?終息しなかった場合どうなりますか?」って訊かれた後に「再延期は無いよ、その時は中止だ、戦争があったりした時でも中止になる」って仰ったんです。

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[田中](森さんは)すごい当たり前のことを言ったのね。それに対してすぐに海外のメディアは、別に海外(のメディア)が偉いわけじゃなくて、フランスのAFPもイギリスのBBCも、アメリカのCNNもNYTもReuterもみんな書いたんですよ。どういうことを言ってるかといったら「森さんがこういう場合にはもうキャンセルだ、将来の延期は無い」って書いてるわけ。例えばNYTとかは皮肉っぽい見出しでね「なのに日本では未だに楽観的な意見がありますよ」って書いてるわけ。

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[田中]その「楽観的な」日本(のメディアは)どうだったのか?翌日私は全部の新聞をコンビニに行って買いました、スポーツ新聞も日刊紙も。森さんの発言は一行も載ってません。森さんの発言が、日刊スポーツが書いてることが本当なのかどうかも書いていない。

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[田中]それはどうしてかと言えば、ここに書いたようにこういう新聞社(読売新聞・朝日新聞・日本経済新聞・毎日新聞)が(東京オリンピックの)オフィシャルパートナーなんです。そして北海道新聞や産経新聞もオフィシャルサポーターなんです。そしてマーケティングの専任代理店は電通なわけですね。とすると、彼らはお金を出してるなら尚のことこの問題を真剣に考えようよと言うのが僕は当然じゃないかと思うんで、どうも日本は「誤送船団」になってるなと。間違った字の「誤送船団」になってて、海外は伝えていても日刊スポーツ以外伝えていないんですよ。ヘンじゃありません?堀さん、(こういう日本の新聞やテレビは)メディアじゃないんじゃないですか?

[堀]んーん・・・。

[田中]どうですか?じゃもう次にいきます、お答えし難いみたいなんで。

[堀]いやいや・・・(苦笑)。

[田中]本庶祐(ほんじょ・たすく)さんが、こないだBSフジの番組(FNNプライムニュース4月22日)でこういったことを仰った。「ワクチン開発は上手くいっても一年以上だよ」と。

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[田中]仮に一年でできたとしても世界中の人に供給しないといけないんです。日本だけじゃない。仮に日本だけに供給したとしても海外の人が来るオリンピックは難しいんじゃないかという前提でどうするか?なのに、(オリンピック組織委員会は)ワクチンができるから(開催可能だ)と言ってるわけでしょ?本庶さんは「感染症は検査が基本なんだ」と、これは何かと言えば、(変異しにくい二本鎖の)DNA(を持つウイルス)じゃないんですよ、インフルエンザもこのコロナ(ウイルス)も。一本鎖のRNA(ウイルス)という変異しやすいウイルスなんです。

[堀]そうですね。

[田中]だから「ワクチンを作っても後手後手」だって彼は仰ってる。そして彼は、司会者(反町理(そりまち・おさむ)フジテレビ報道局解説委員長)が「PCR検査(を増やすのは)は大変ですよね?」って言ったら、「いえいえ、1日1万件以上のPCR検査でも、普通の大学の研究室で(3人一組のチームが定時勤務で1日あたり)100検体できるから、できますよ」と。だから「基本は検査と治療です」と仰ってる。そして同席していた「ヒゲの隊長」(佐藤正久参議院議員)が「韓国は1月にPCRセンターを立ち上げて、備蓄も体制も迅速・的確だった」と白旗をあげたんですよ。「(韓国の)良い所は見習わなきゃ」と仰ったの。じゃあ、日本はどうだったか?というと、日本は「クラスターだ、集団感染(という集団免疫)だ」と言った。でもこれも壁にぶつかったんですよ。そうでしょ?だから「検査と治療へ」とインパール作戦じゃなくて転進しなきゃいけない。で、今話題の「8割おじさん」というのが北海道にいらっしゃるそうなんだけれど、彼が4月12日にどういうツイートをしたか?よく読んでください。

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[田中]「乗り越えたら、僕たちきっとマルタ島3ヶ月だよ。ご褒美妄想は膨らむばかり」。努力してたら、あるいは成果が出たらよろしい。でも翌13日にNHKスペシャル「感染拡大阻止最前線からの報告」で東北大学の押谷仁さんと北海道大学の西浦博さんが出た。多くの方が(SNSなどで)書いてたけれど、これって結局、クラスター対策や集団感染では無理だというのを、NHKは彼らを追いかけて、批判もしてないけど、淡々と見た人に分からせた。じゃあその人がなんでこういうことを言ってるのかな?ということだと思うんです。なので最後に、これは北海道の『バカな対象、敵より怖い』っていう本。

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[田中]これはですね、北海道拓殖銀行が破綻した後に北洋銀行の頭取(だった武井正直さん)が(意気消沈していた拓銀の行員に)一緒にやろうと言った、その建て直しの人の本です。ですから、私はこれを捩(もじ)ってですね、あえて今日申し上げたいのは「バカな大将、敵より怖い」「アホな取り巻き、コロナより怖い」と、笑いが出ませんけど・・・。

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[田中]この問題を本当に考えなければ「#Tokyoインパール2020」になっちゃう。森さんはやっぱり、この危機感の上で仰ってるのに、なぜそれが一行も報じられない日本の誤送船団記者クラブなのかな?って、メディアにたずさわる方に申し上げたい。

[堀]田中さんの話を聞きながら、一方で意外だったのは、僕が森さんが東京五輪の再延期は無いよとお伝えしたのは、あれは外信の発信だったのかと。

[田中]そうですよ、堀さんがご覧になったのはそういうことだと思います。日本の活字メディアや地上波メディアでは、多分これ(森氏の発言)が出たのはこの放送が最初です。

*

[堀潤]皆さんおはようございます。

[宮瀬茉祐子]おはようございます。

[堀]時刻は7時をまわりました。気がつけば今日から5月ですね。

[宮瀬]そうですね。良いお天気で迎えられたわけなんですけれども、自粛が続くということです。

[堀]あと一ヶ月、持ちこたえられるのか?企業活動は商店はどうなのか?ゲストは田中康夫さんと春名風花さんです。

[田中康夫]おはようございます。

[春名風花]おはようございます。

[堀]よろしくお願いします。田中さん、初めてのリモートでの。

[田中]そうなんです。我が家のロッタも。

[堀]ははは。可愛い(笑)。

[田中]でも犬が登場すると最近、炎上するので。

[堀]ええー?!

[田中]「犬が登場して踊っちゃうと炎上するっていう令和のルイ16世」がいます(笑)。だけどね、(緊急事態宣言を)一ヶ月延ばすって言うけれど、一ヶ月の間に(商店や飲食店は)何軒潰れちゃうの?

[堀]そうなんですよ、心配なんです。

[田中]何件人々が亡くなっちゃうの?だから僕は本当にね、皆さんハッシュタグを付けて「#自粛と補償はセットだろ」と「#自粛と給付はセットだろ」って言ってるけど、本当に早くね「国民配当」としてのベーシック・インカムBIを導入しないと駄目ですよ。

[堀]そうですね。

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[田中]10万円一体いつ来るんですか?本当に。「後手後手」どころか「駄目駄目」。

[堀]企業の給付金にしても調整金にしても3ヶ月先ですとか。今、手続きをしようにも申請件数に比べると認められてる件数が1割であったりとか。手続きも支給もスピード感に欠けますよね。

[田中]ドイツやスイスやカナダとか国民に対して本当に現金給付で「国民配当」してるわけでしょ。

[堀]そうなんですよね。昨日の東京都の感染者数ですが、このところ陽性患者の数というのがわりと抑えられてきたのかなという印象なんですね。新規感染者数が初めて4月4日に100人を越えました。しかしその後ですが段々段々減ってます。ただ、一番知りたいのはPCR検査を新たに受けてどれぐらいの方が陽性になってといういわゆる陽性率。でも今の仕組みだと保健所と民間の医療機関と公的医療機関とそれぞれがあってそれを保健所がまとめて伝える。PCR検査は感染が疑われる人だけじゃなくて、感染がこれから回復したかどうかを確認する為の検査と一緒くたに合算されているから、実際どれぐらいの方が感染されているのかを知りたい。

[田中]そうなの。しかしなんで検査数はどこのメディアも書かないの?何人検査をして何人陽性だったのか、あるいは偽陽性だったのか。これもう、データとして成立してないよね。

[堀]そうですよね。東京都の方でもCOVID-19の特設サイトで陽性率を出してるんですけど、どうしても全体のパイを見るには数日かかってしまう。それぞれの状況、保険の適用であったりとか民間か公的かっていうところが、そのあたり台湾の状況も含めてしっかりと聞きたいなと思っております。

*

[堀]「東京都 新たに46人感染確認」。そして「楽天 PCR検査キット販売見合わせ」。田中さんどのニュースが一番気になりましたか。

[田中]今の最後のなんだけども、だからと言ってPCR検査をしなければ前に進まないんですよ。後でオピニオンでも伝えますけれども、本庶祐さんが「検査は基本だ、検査と治療が大事」だと言ってて、同時に「ヒゲの隊長」の佐藤正久さんも「韓国は1月からやってる、日本は3ヶ月遅れてるんだ、韓国に学べ」って、あの(嫌韓・憎韓・極右な一部のメディアの読者や視聴者に持て囃されている)佐藤さんが言うくらいな状況なんですよ。

[堀]与党ですからね。

[田中]そうですよ。これが未だに「意識高い系」の「医者もどき」とか、「識者もどき」の人が「(PCR検査に国民が殺到すると)医療崩壊」とか言ってるのって、その人たちこそMRI検査か頭の中を覗いた方が良いと思うよ。

[堀]実際、国会で議論されている中で、政府としても「2万人の検査体制、2万件の検査体制にしたい」と。ところがなかなか1万人も越えてこない。「厚労省にしっかり指示をする」っていう風に言っていた国としても、やりたいけどやれないんですよね。

[田中]いやだから、ジミー大西さんじゃないけれど「やってるぅ!やってるぅ!」って言ってるだけでしょ?(笑)。

[堀]そうね・・・。

[田中]国民はみんな呆れてるどころか怒ってると思うよ。それでいてね、収束したら1.7兆円使って(観光需要喚起の)「Go To キャンペーン」をやるって言ってるんでしょ?今、これ(コロナ対策)に使うべきなんじゃないですか?まさにね「受験勉強もしてないし、合格発表も未だなのに、入学のご褒美旅行の計画を立ててる劣等生」が「今のニッポン」になっちゃってるんですよ。

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[堀]目の前の医療体制・検査体制、そうしたものに対してと生活の保護。使うべきところはまだまだあるんじゃないかと。

[田中]夜の番組(MXテレビ『バラいろダンディ』)の梅沢富美男さんじゃないけれど、本当にヘンだと思うよ、この国。

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「おさぼり気味なLottaのInstagram」

 

 

「サンデー毎日」4月7日(火)発売号で「世界が危ぶむ井の中の蛙ニッポン」「田中康夫の令和風景論」「コロナ狂騒曲Part3」4頁寄稿しています!

アベ応援団メディア「夕刊フジ」4月6日(月)発売号で「アビガン、副作用が心配」「田中康夫氏『国会こそ三密』」と題して「風雲永田町」Vol.6271が掲載されました!

4月7日発売「サンデー毎日」「令和風景論」③「世界が危ぶむ 井の中の蛙ニッポン~隠蔽、改ざん、問題先送りの大罪
http://tanakayasuo.me/top/wp-content/uploads/2020/04/ce126dfcb7b9fd979087199d2237e262.pdf

4月6日売り「夕刊フジ」「鈴木棟一の風雲永田町」Vol.6271「アビガン、副作用が心配」「田中康夫氏『国会こそ三密』」
http://tanakayasuo.me/top/wp-content/uploads/2020/04/56ae3ccf1594b7506dfeb595134f53de.pdf

3月24日発売「サンデー毎日」「令和風景論」②「早期発見の前に早期調査を」
http://tanakayasuo.me/top/wp-content/uploads/2020/03/23bfa6706248d3a811f9ea4f974dda6b.pdf

3月12日発売「サンデー毎日」「令和風景論」①「先手先手どころか後手後手」
http://tanakayasuo.me/top/wp-content/uploads/2020/02/893f43627dd8e905a2cb7b1879b7e89e.pdf

3月27日発売「新ニッポン論」「日本の『眠度』」
http://tanakayasuo.me/top/wp-content/uploads/2020/03/4e54a7959d0c8b90a4b528cbaa69083b.pdf

2月28日発売「新ニッポン論」「医系技官という宿痾」
http://tanakayasuo.me/top/wp-content/uploads/2020/02/9a2eba52bc12fdae6b82d3671267690f.pdf

浅田彰氏との対談
3月5日発売「ソトコト」「憂国呆談」
https://sotokoto-online.jp/1068

2月5日発売「ソトコト」「憂国呆談」
https://sotokoto-online.jp/964

番組文字起こし・動画・音声
4月18日「ナイツのちゃきちゃき大放送」
https://nippon2014be.hatenadiary.jp/entry/2020/04/18/132605

3月23日「モーニングCROSS」
https://nippon2014be.hatenadiary.jp/entry/2020/03/23/054312

3月21日「ナイツのちゃきちゃき大放送」
https://nippon2014be.hatenadiary.jp/entry/2020/03/21/155539

2月24日「モーニングCROSS」
https://nippon2014be.hatenadiary.jp/entry/2020/02/24/062103

2月15日「ナイツのちゃきちゃき大放送」
https://nippon2014be.hatenadiary.jp/entry/2020/02/15/105422

 

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「註の新たな註」 「いまクリ」と「もとクリ」、その記憶の円盤が舞い続ける時空。

ようこそ現在から1980年の東京、そして日本へ❣「✽文庫本化に際しての、ひとつの新たな長い註。」でお約束した「註の新たな註」は、両書に登場する「字句の解釈」に留まらず、高度消費社会の幕開けから現在に至る時代背景を、関連する僕の拙稿等も紹介しながら絵解きしていくサイトです。

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