[菊池成孔]ラジオをお聴きの国民成城マツモトキヨシドンキホーテの皆様、たった今明日が今日に、今日が昨日に更新されました。日付変更のご気分はいかがですかな?本日は酔い止めのトラベルミンをホストとゲストが二錠ずつ処方させて頂きますので酔い覚ましの喜びむしろ「宵った」方がお得でありましょう。さて、新しい国土のNew Orderと言えば政治よりも経済よりも文化よりも宗教。来年十周年を迎えるWindows'95年以降のインターネット国に乱発される神々達の八百万ぶりは言わずもがな。二言目には神回神7神の雫使徒十二本目はChateau d'Yquem人情紙風船髪結いの亭主はカミーユ・クローデル、ではありませんが、今回ばかりは正真正銘の神光臨にてホストが東銀座鳴神でメインの肉ごと噛みまくることは紙に明記されるほど明らかでございます。
この国で「先生」と枕詞がつく肩書き数あれど、今夜ばかりは小説家としての田中康夫先生にお越し頂いており、あまつさえ選曲までして頂くわけですが、これが驚くべきことではなくむしろルーツバックであることは先生のフリークには言うまでもないことでしょう。日本で最初のBGM選曲の書『たまらなく、アーベイン』の刊行は1984年。後の「Club King-日本選曲家協会」の設立に2年先駆けておりますし、それ以上に選曲とおしゃべりは田中先生の大学時代のアルバイトでした。というわけでAMラジオを選択された者たちに賢者の誉れあれ。日本人の娯楽の殿堂金曜深夜零時へようこそ。こちら力道山刺されたる街、港区は赤坂より世界にお届けしております。お相手は彷徨えるジャズミュージシャン私、菊池成孔が務めさせて頂いております。菊池成孔の粋な夜電波シーズン8AW、ラウンドミッドナイト週末の始まり終末の姿はそして『33年後の、クリスタル』族の姿は如何なるものとなりしや。田中康夫先生そして愛娘ロッタちゃんとご一緒にそれでは参りましょう。
[菊池成孔]はい、というわけで改めましてご紹介させて頂きます、田中康夫先生です。
[田中康夫]はい、よろしくお願致しま~す。ども~。
[菊池]えぇ僥倖の。
[田中]憧れのもう、菊池成孔さまに。
[菊池]とんでもない、なにを仰いますか!
[田中]いやいやもうホントに。
[菊池]こちらこそ。
[田中]「メル友」ということで。
[菊池]はい!フッフッフ。
[田中]もーDEEPな方の間では有名になっとりますけどもね。
[菊池]いえいえいえ、はっはっは。
[菊池] まぁなんといいますか今日はとにかくあの、緊張で何も喋れなくならないように頑張ろうと思います。
[田中]いえいえ、そしてもう我が家の四歳のロッタまでお招きをいただいてますけども・・・。(ロッちゃんほら)
[菊池]ロッタちゃんの声聞きましょうか。
[田中](ロッちゃんロッちゃん)
[菊池]ロッタちゃん、一言どうぞリスナーの皆さんに。
[田中](んーロッちゃんほら)
[菊池]アガってますねぇ。
[田中]ちょっとアガってます(笑)。大人しいコなんでございますけどもね。
[菊池]はい、っていうことで今日は「AOR-新旧対決」ということでAORのリバイバル派の若手そしてAORの創成期のオリジネーター達の楽曲を聴いてみたいと思います。まずは新・・・リバイバルの方ですね、まだ録れたて来週発売です、北欧のAORですね、えー、Ole Børud でアルバムSteppig UpからタイトルチューンのSteppig Upをお聴き下さい。
Ole Børud - Stepping Up - Live 2014
[菊池]はい、えーSteely Dan、Airplay、Ned Doheny、Pagesといったら、モノを想起させる・・・。
[田中]ん~。
[菊池]はい、あのー。
[田中]これが今のAOR?
[菊池]そうです、これは・・・。
[田中]てことは70年代80年代のAORは今でもあるということ・・・。
[菊池]ずーっと続いてますね、結果的に、はい。最近のAORリバイバルの中のヒーロー、若手のヒーローの一人ですね、はい。なんとノルウェイですけど、いかがですか?聞いた感じ。
[田中]いやっ、ホントに。
[菊池]はい。
[田中]私の今度の本もね「これまでの・いまの・これからのニッポンのお話よ」ってロッタが突如日本語が喋れるようになってね、あのぉ帯の裏側で喋ってますけど。
[菊池]はい。はい。はい。
[田中]そういう感じですね。
[菊池]そういう感じですよね、はい。ってわけで。
[田中]でもとても慎み深い音で。
[菊池]そうですね。
[田中]「ディーセント decent」に。
[菊池]はい、まさにdecentですね、はい。えぇ素晴らしい、超文学者級の。
[田中]なにを言ってんですか。
[菊池]コメント頂きました。
[田中]はっはっは。
[菊池]というわけでCMです。
[菊池]はい、えー「菊池成孔の粋な夜電波」ジャズミュージシャンの菊池成孔がTBSラジオをキーステーションに全国にお送りしております。今週はですね『33年後のなんとなく、』いまね、読点を意識しましたけど。
[田中]はい。
[菊池]『33年後のなんとなく、クリスタル』がえーもう時期発売となります小説家の田中康夫さんをお迎えしております。
[田中]はい。もう、お招き頂いて光栄でございます。
[菊池]とんでもないです。
[田中]もう、ロッタも今日夕方からソワソワしていて。
[菊池]はっはっは、いえいえ。
[田中]今ここに来たらちょっとオネムっぽいですけど多分そのうち・・・。
[菊池]そーですね、はい。
[田中]また元気になると思います。
[菊池]もう、なんと言いましょうか僥倖というね。私、1980年から33年の間、一度も欠かさず田中先生のことを、康夫ちゃん以外の(笑)、呼び名で呼んだことが一度もないんですが。
[田中]いやぁ、でも58になっても康夫ちゃん、って呼んでくれる女性の方とかいらっしゃるから。
[菊池]それはすごいですね。
[田中]それはありがたいですね。
[菊池]康夫ちゃん以外考えらんないですけどね。ただ、ま、今日は番組の進行上、康夫ちゃんと言ったら(笑)。
[田中]いやいや、康夫ちゃんでいいですよ。康夫ちゃんですよ。
[菊池]いえいえ、田中先生で。
[田中]常に等身大、ですから。あのあれなんですよ、私、昔ほら山国で「知事」っていうのを「千々」に乱れてやってた時にカモシカヤッシーっていうね元祖ゆるキャラ。安齋肇さんが、ソラミミストの。
[菊池]そうですね。
[田中]がデザインしてくれた。あのヤッシーの中に潜り込んでいたのが菊地さんの門下生なんです。
[菊池]そうなんですね、はい。私の音楽の授業、リズムの授業を受けてました。松田くんね。
[田中]そうそう。松田くん。それで、わずか11人の野球部員の学校がその時、甲子園に出て。で甲子園に行って、彼が炎天下一緒にかぶりものかぶって。私も1人でなんか、荷物いっぱい持って行って。で、そうしたら、かぶりものが甲子園の中にいるのはいけません!って。その日、私たまたま私それで大阪から、伊丹から飛行機で帰ってきて、TBSの当時「アクセス」っていうラジオをやってましてね。
[菊池]はいはいはい(笑)、 伝説の番組ですよね。
[田中]そしたら「なんかこんなのが通信社配電で入ってますよ」って。「かぶりものを連れてきた田中康夫知事に厳重注意を」って言うから「えぇーっ?」って。僕、生放送で。だって」その横に高野連の理事の人が2人座っていて、かわいいねー、なんかうちの孫に見せるから一緒に写真撮っていい?、って言ってましたよ」ってオンエアーで。これ、言ったもの勝ちですからね。言ったら、初めて「当方も至らぬことがあり、以後お互いに気をつけましょう」って。高野連に怒られた人いっぱいいるけど、高野連から一応そういうお手紙いただいた人は珍しいっていう。
[菊池]そうですね(笑)。
[田中]その中に入っていたのがもう、菊地成孔門下生ですよ。
[菊池]そうですね。そのことを後から知ってびっくりするわけですけども。でも、元祖ゆるキャラの話ですよね。
[田中]んーまぁちょっと早すぎんだね。やることがね。
[菊池]そうですね。もう一言で言ってしまうと、テーマ的には・・・。
[田中]だからこないだ言われましたよ誰かに。だからもうその、放送とかも、なんかしゃべったのそのままこう、瞬間燻製みたいにしておいて、1年後とかにちょうどみんなが・・・。
[菊池]解凍ね(笑)。
[田中]んーいいんじゃないの?みたいな。
[菊池]はっはっはっは。
[田中]ふっふっふ。
[菊池]リーディングじゃなくて、ローディングしろ、っていうね(笑)。
[田中]だからまあ、その意味で言うと、33年前に書いた時には誰も注目してくれなかった一番最後の合計特殊出生率と高齢化率をね、去年くらいになったら・・・。
[菊池]急に。
[田中]だんだんだんだん。
[菊池]そうですね。
[田中]いやぁ、あの本のいちばん最後の注は、おぉこれがあったんだ!とかって言われてきて。
[菊池]あれがまあ、なんというか、えーいわゆるロバート・キャンベル氏命名の『もとクリ』。
[田中]はい、『もとクリ』。
[菊池]『なんとなく、クリスタル』。
[田中]えぇ、で、今度のが、あの、菊地さんにもう素敵な文章を書いて頂いて。
[菊池]いえいえいえ。
[田中]推薦文をいただいたのがあのー、『いまクリ』ってって。
[菊池]『いまクリ』ね。
[田中]まぁ他にも、なかにし礼さんとかロバート・キャンベルさんとか、壇蜜さんとか。10人が並んでて。帯がね、すごい、普通あの帯のことを「腰巻き」って業界用語で言うんですけど、腰巻きどころかもう、バストアップの胸巻きになっていて。
[菊池]そうですね(笑)。
[田中]で、カラーでね。後ろにはロッタの写真まで載っけて。うん。これ、河出書房新社から、千駄ヶ谷の出版社ですけども、矢来町の辺りにある新潮社とか紀尾井町にある文藝春秋の人は「いまどきこんな帯にこれだけの10人、些少とはいえお金払ってカラーパノ、もう、総天然色の帯って。
[菊池]タダでもやりましたけどね。
[田中]よっぽど河出書房は税金対策してんのか、もう自暴自棄なのか?っつって言われてますけどもね。
[菊池]是非手にとって頂きたいものですけども。まぁ、あの・・・。
[田中]25日くらいから書店に並んで参りますけれども。
[菊池]はい。はい。今日はだからネタバレんなっちゃいけないで・・・。
[田中]いえいえ、いいんじゃないですか。
[菊池]そうですか?
[田中]うん。
[菊池]今日僕、すごく考えてなにせその・・・。
[田中]ーん?
[菊池]田中康夫先生が小説家だってこと自体に驚いてる若い人も一杯いると思いますし。
[田中]んー。
[菊池]尚且つ・・・。
[田中]まぁ田中康夫は田中康夫なんだよね。
[菊池]まぁそうですね。それよりも選曲家だったていう。わたしファンとして知りたいところなんですけど。
[田中]あぁ。
[菊池]伝説としてしか知りませんが、一橋時代にはえー元祖ディスク・ジョッキーとして。
[田中]ディスク・ジョッキーていうか、あの、ま、当時ほらあの銀座の四丁目の角に丸いビルの三愛っていうブティック・・・。
[菊池]三愛ありますね。
[田中]それからあの、今武蔵野館って昔からある映画館の中に三愛があってそこで音楽を掛けてて。
[菊池]はい。
[田中]で、レコード選ぶのも、ま当時は、あのだから、日本盤を選べっていうんで自分で買ってきたのも掛けたりなんか・・・。
[菊池]はい。はい。
[田中]していたっていう、そらもう菊池さんの足元にも及びませんけど。
[菊池]いやいやいや、とんでもないですいやいやいやいやもうあの、僕らにとってはレジェンドっていうかね。
[田中]いえいえ。
[菊池]要するにパイド・パイパー・ハウスに先生が通ってらっしゃったとか、いう話は書いて。
[田中]あの、註付けないと、パイド・パイパー・ハウスってのはですね、今や無い、あの、南青山の・・・。
[菊池]そうですね。
[田中]ところから骨董通りに入って右側という。
[菊池]まぁ伝説のレコ屋ですよね。
[田中]はい。はい。
[菊池]まぁ、そこに入り浸ってたのは読者なら知ってるわけですけど、やっぱ知らないってのはその前っていうか、選曲してその時は選曲もされて、ちょっとなんていうんですか、おしゃべりとかもされてたんですか?
[田中]一応、この下手な・・・。
[菊池]いやいやいや、とんでもないです。もう「こんな下手なんて」。国会で喋った方が。
[田中]とあるディスコにも学生んとき見習いで入ったんですけど、ちょっとそこのディスコと、ちょっとケミストリーが相性が合わなくて・・・。
[菊池]はい。
[田中]止めましたけどね。
[菊池]はい。はい。なるほど。
[田中]んーん。
[菊池]そんな仕事もされてたということで、今日はやっぱ音楽、元選曲家という元祖選曲家ですね。
[田中]まぁあの、『なんとなく、クリスタル』って最初の本も音楽が出てきて、実はあれあの時に当時のCBSソニーと・・・。
[菊池]はい、ここにあります。
[田中]それからワーナーパイパニアという・・・。
[菊池]これあとでホームページに写真を載せます。
[田中]今は名前は無い、えぇ、それがあのー、『なんとなく、クリスタル』のサントラ盤ていうのを作ったんですよね。
[菊池]作りましたね。奇跡のサントラ盤と言われてますね。
[田中]で、二つの会社が一緒に一枚を作ったっていう、ね。
[菊池]そうです、はい。
[田中]なーんか、もう・・・。
[菊池]邦楽史上稀にみる・・・。
[田中]そう、東京メトロと小田急と、なんか相互乗り入れしてるみたいな感じなんですけど。
[菊池]そうですね。
[田中]であのー、実はスティーブ・ギブという、Cloudsレーベルというところから、まぁ、TKレコード、って「TK」って書いてあってこれがむかーし今もう無いんですけど、あの下町走ってたので「太平交通」ってのが・・・。
[菊池]ははははは。
[田中]「TK」ってのが横に書いてあってもしかするとそこの社長は、TKレーベルが好きなんじゃないかていうのが・・・。
[菊池]ははは。
[田中]そういうあの、ソウルファンの間で言われたって言う。
[菊池]まぁこれは、えぇーっと今、目の前にこれなんつて手に取ってますけど。
[田中]はぁはぁ。
[菊池]これがサントラの今Vinylが今目の前にあってこれ自体が大変なお宝ですけど。
[田中]ふ~ん。
[菊池]もっとお宝化してるのが、かとうかずこさん主演のVHSですよね。
[田中]あんの?そんなの僕知らなかった。
[菊池]あると聞いたことがありますけどね。
[田中]ほんと?まぁあれはなんか松竹が最初に・・・。
[菊池]あれはえっとね版権がクリアできないんで。
[田中]はーん。
[菊池]音楽の。選曲全部・・・。
[田中]ふーんなるほど。
[菊池]そっ!
[田中]なかに掛かってる・・・。
[菊池]そそそそ。
[田中]・・・曲の。
[菊池]そうです。
[田中]あー。
[菊池]なんですよ、って言われてますね。好事家の間で。
[田中]あー、でなんか僕はなんか独立系のプロダクションとか、まぁ東宝とかかなぁ?と思ったんだけど、最初にその、「歌舞伎の」松竹から・・・。
[菊池]はっはっはっはっは。
[田中]オファーが来たって言うんで。
[菊池]歌舞伎の松竹って、まぁ実際そうですけど(笑)。
[田中]それでなんか、僕もまだ学生で知らないうちに、河出書房の人が松竹に決まっちゃった、っつうんで、なんかレイヤーカットの、ねぇ、長い髪型の人が主人公だったのに。
[菊池]そうですね。
[田中]ショートヘアが出てきちゃった、つぅ私、ショートヘアの人付き合った人って膨大な数ん中でも殆ど少ないんですけど・・・。
[菊池]はっはっはっは。
[田中]まぁいいや~。
[菊池]さらりと仰いますけどね(笑)。
[田中]零時過ぎの相応しい番組の構成になってきましたけども。
[菊池]いえいえとんでもないですよ、あとね・・・。
[田中]うーん?
[菊池]その話の流れで言えばさっきもオンエアー前に言いましたけど、あの私、あのー田中康夫ハンターのですね、私がとうとう手に入らないものの一つに『レシピ・セックス』があるんですよね。
[田中]あっこれはそうそうそう。あのー・・・。
[菊池]あれがどうしても欲しいんです。はっはっは。
[田中]いやだからよく、みんなねマニュアル的にHow to SEXみたいなこと言ってたんで、違う!と。
[菊池]はい。
[田中]マニュアルじゃ無い、と。レシピだ、と。
[菊池]レシピという言葉が流行る遥か前ですよね。
[田中]そう。
[菊池]殆どの日本人がレシピってなんだ?って。
[田中]私が一緒に出て、野坂なつみちゃんとかね、野村ヨッちゃんの奥様ですけど。
[菊池]そうですね。
[田中]というような人達が出たり。
[菊池]えーっクリスタル映像に出てた人ですよね。
[田中]あぁ、あと『たまらなく、アーベイン』という・・・。
[菊池]はい。
[田中]・・・本が。
[菊池]『たまらなく、アーベイン』。
[田中]さきほど冒頭でも仰って下さった・・・。
[菊池]日本で最初の選曲本で無いですかね?
[田中]あー。あれはね、いまだにあれなんですよ、そのぉなんかほら、こぅネット上のショップで。
[菊池]はい。
[田中]大体まぁ、絶版になったものってみんなほら、百円とか十円とか五十円、あれだけはあの特に単行本の『たまらなく、アーベイン』は・・・。
[菊池]大きい方ね、はい。
[田中]えぇ、定価を上回る値段で売買されている・・・。
[菊池]そうです、『たまらなく、アーベイン』はっつかねぇ、ホントに最初のあれがDJ本、今選曲の本って一杯あるんですけど。
[田中]ふ~ん。
[菊池]多分あれが最初、だと思いますよね。色んなことがとりあえず田中先生、(やる事が)早過ぎるんで。
[田中]でも『なんとなく、クリスタル』と同じなんです、つまりね、昔はね、音楽にはこういうメッセージがあるとかってねライナーノーツが書いてたわけ、だけどどんなに「バイリンギャル」ってね、なんか二つ病気貰ってきちゃったのか、みたいなね。
[菊池]ははははは。
[田中]・・・人だって、われわれだって日本の曲聞いてわからない歌詞の言い回し。
[菊池]今のところはカットだと思いますけどね(笑)。
[田中]んなことは無いよ、全然今までTBSで5回は言ってると思いますよ。
[菊池]でもそれ、「リンギャル」でしょ?(笑)。
[田中]ん、あー、最近うるさくなったんですかね?
[菊池]そうですね(笑)。
[田中]あー、もっと自由にならないといけませんですよ。
[菊池]いやぁホントにうるさいですよ今は。
[田中]いやいや、だからそのメッセージって何よ?って思ったわけ。
[菊池]はい。はい。はい。
[田中]それであれは百枚アルバムを朝昼夕方盤と。
[菊池]そうですね、朝昼夕方に分けてね。
[田中]うん。だからあと全部朝に雨の日曜日のときに、午前中にお茶飲みながら聞くの、夕方ね、あの、日が沈んでいく海岸を彼女とドライブしているとき、とかね。
[菊池]はい。要するにTP、時間帯と他のTPOに合わせた・・・。
[田中]そそそ。
[菊池]選曲という。
[田中]それでまぁ、それぞれショートストーリーになってて。あと後ろにその、また註のようなもんで、これと一緒に聞くといいなんてレコードがねぇ。
[菊池]そうですね。
[田中]千枚くらい載ってたっていう。
[菊池]いやあれは欲しい奴は一杯いるんじゃないですかね?
[田中]あれは言われますね、あのーディスコ改めクラブみたいなところに、今になってもたまに家内のW嬢ことメグミと行くとですね・・・。
[菊池]ふふふふ。
[田中]なんかあのー、以外と三十代四十代ぐらいの人でも、あれで僕AOR聞いてます、みたいなね。
[菊池]いや、多いと思いますよ。
[田中]うん。
[菊池]あれがAOR指南になった人はかなり多いんじゃないかなぁと思いますけどね。あと「アーベイン」って言葉は・・・。
[田中]あっ、そう。
[菊池]「アーバン」だっていうことに気づ、あのぉ気づくのに平均的な日本人が20年くらいかかってますから。
[田中](笑)。
[菊池]ふっふっふ。今やっと、やっと今HIPHOPのラッパーとか「urbane」って言い出してますけど、あれ。
[田中]そうなの?
[菊池]はい。ただ、あの当時「urbane」、多くの人がドイツ語だと思ったと(笑)。
[田中]なるほど!(笑)。 あれはね大学の最後のときに、『JJ』で連載してください、って言われて。最初の『JJ』の連載が『たまらなく、アーベイン』ってつけて。
[菊池]はい。はい。はい。
[田中]それがその後、単行本にする時に・・・。
[菊池]そうですね。あれは「urban」だっていう事を特に強調したまま、「urbane」のままなんの無説明で進んでたじゃないですか。
[田中]んーん。
[菊池]ああいうとこはさすがはあの、田中康夫クオリティですよね。
[田中]いぇ、まさにまぁ「なんとなく」でやってたんですけどね。
[菊池]はっはっは、いえいえいえ。
[田中]んー。
[菊池]はい。えー、ではそんな田中先生に
[田中]うん、なぁに?
[菊池]・・・今日は。
[田中]えっ?
[菊池]えー、もぉ、とにかく
[田中]そうなの。
[菊池]・・・番組が四時間欲しいんですけど、一時間しか無いんで2曲だけってことですね、泣きの二曲でお願いしたんですけど。
[田中]で、まぁいろいろ考えたんですけどもねぇ。
[菊池]はい。
[田中]やっぱり菊池さまに「フフーン」って笑われないような曲を。
[菊池]そんなことありませんよ?!はっはっは。
[田中]・・・と思って、でまぁちょっと一曲目は・・・。
[菊池]どうやったら「フフン」って笑えるんですか?!はい。
[田中]またイギリスの方で、まぁもぉあのー、2003年に若くして亡くなられたRobert Palmer。
[菊池]はい。パリで亡くなりましたね、この人ね。我々の世代だとしても知っててもあれでしょうね、あの、Power Station以降ってことに。
[田中]んー、あー。
[菊池]なりやすい。
[田中]でもこの、あのーSnake Davisっていう人がサキソフォン。
[菊池]はい。はい。はい。
[田中]・・・を担当されてて。
[菊池]そうですね。
[田中]もともとアルバムのレーベルがIslandっていう。
[菊池]Islandです、この人ね。
[田中]これはあのー、ね、まぁ皆さんは大体Bob Marleyなんかでご存知だと思いますけど。
[菊池]まぁ、殆どの人があのーレゲエ系だと。
[田中]レゲエ系だと、元々はKing Crimsonとか。
[菊池]そうです。
[田中]Emerson, Lake & Palmerとか出てる。
[菊池]そうですね、はい。
[田中]で、この人のちょっとEvery Kinda Peopleという私の好きな曲です。
[菊池]はい、えー、そうですね。これはなんていうかな・・・。
[田中]うん。
[菊池]この人はいろんなスタイルに、こうなってった人ですけど。
[田中]うん。
[菊池]イギリス人でソウルを歌うっていう意味に・・・歌うんだけどえーっとTom Jonesとかより全然上品ていう。
[田中]そうだね。
[菊池]タイプですよね。
[田中]うん。でちょっと艶っぽいの。
[菊池]そぅやっぱそうですね。はい。
[田中]うん。で・・・。
[菊池]ファン多いですよね。
[田中]多い。
[菊池]これはRobert Palmerのwhat's goin' onって感じの曲ですよね。
[田中]あぁ。
[菊池]言って見れば、Mercy Mercy Me (The Ecology)歌ってますから、そもそもえっとーあれが好きな・・・。
[田中]最近ネット上なんかでYoutubeで彼のこれが載ってると、とてもいい曲なんですねつまり、肌の色とかに関係無く人間同じだよって、そんな下らない争いをしたって意味が無い、みたいな事言ってて、これはあの聞くと、特にその手のスチール写真がずっと動いていくあのーYoutube見ると、泣けてきます、よ~。
[菊池]そうですね。しかもcoloredが歌詞に出てくる順番の最初がyellowだっていうね。
[田中]そうそうそう。
[菊池]そこもちょと泣けるとこです。
[田中]ん。
[菊池]まぁなにせデビュー盤のバックはあの南部Metersがバックを務めてるという。
[田中]おぉ~。
[菊池]イギリスの黒人志向の人ですが、えー、彼のえー、What's Goin' Onと言っても良いアルバムDouble FunよりEvery Kinda People聴いてください。
Robert Palmer- Every Kinda People Lyrics
[菊池]はい。まぁモータウンのサウンドにま、スティールパンがあるところがIslandていうかね。
[田中んーん。
[菊池]感じがしますね、まぁソウルフアンだったらWhat's Goin' OnとMercy Mercy Me (The Ecology)混ぜた曲だな、っていう感じもすると思うですけども。
[田中]あぁ。
[菊池]まぁ、Islandで10枚くらい出していてウダツがあがらなかったRobert Palmerの初のヒット作ですね。
[田中]うん。
[菊池]全米16位です、えーEvery Kinda People、邦題『愛すべき人達』かな、「愛し..」あ、『愛しき人々』だ。
[田中]うん。
[菊池]はい。田中康夫先生の選曲でございます。CMです。
[菊池]はい、「菊地成孔の粋な夜電波」。ジャズミュージシャンの菊地成孔がTBSラジオをキーステーションに全国にお送りしております。今週は『33年後のなんとなく、クリスタル』がもうじき発売となる、小説家の田中康夫さんをお迎えしてお送りしております。引き続きよろしくお願い致します。
[田中]はい、こちらこそ〜。
[菊池]はい。えーそうですね、本の話も。
[田中]お話?
[菊池]チラッとしましょうか。
[田中]うん。まあ、あのー私めでたく2年前に選挙で敗退をして・・・。
[菊池](苦笑)。
[田中]で、まぁ・・・。
[菊池]あ!あのね、これ余談ですけど・・・。
[田中]うん、どうぞ。
[菊池]今日初対面、ですが。
[田中]そうなの!皆さん、多分初対面って知らないんですよね。今日出てくる時に私あの、交際14年で結婚して今4年のですねW嬢こと片仮名でメグミが。
[菊池]はい。はい。はい。
[田中]「菊地さんといつも会ってんでしょ?」って言うから。
[菊池]そんなことないですよ(笑)。
[田中]いや、初めてなのよ、つって、うん。
[菊池]はいはい。あのー2010年、ま、震災の前の年が『なんとなく、クリスタル』30周年ということで、私一人でキャンペーンを張りましてですね。
[田中]ふふふふ、いやそう。だから、いろんな所でほら、菊地さんがねぇ、褒めてくださってるって。
[菊池]はい。
[田中]高橋源一郎が「これは現代のマルクスだ」なんて言う、遥か前ですからね。
[菊池]そうです。
[田中]菊地成孔の嚆矢ですよね。
[菊池]はっはっはっは、いやいや、とんでもないです(笑)。
[田中]そして、このあろうことかこの番組で、突如なんか、私の文章を・・・。
[菊池]そうなんですね、なんか・・・。
[田中]御朗読頂いたっていう。
[菊池]ちょうど手元にあったんですよ。いつも懐中に入れてますからね。
[田中]ほお〜。
[菊池]でまぁ、その時に、まぁあの20世紀っていう時代、世紀は、やっぱりその、古典をみんなが読まなく、あたらなくなってしまったんで。
[田中]あぁ。
[菊池]でまぁ、情報が増えてしまって、まぁ19世紀までには考えられなかった「読んでもいないけど、読んだ気になる」って現象がすごい増えたじゃないですか。
[田中]なるほどね。
[菊池]あるいは逆に「読んだのに忘れてしまっている」というような、まぁなんかトラウマとかいろんな事で。
[田中]うん。うん。
[菊池]そんななか、もう一回古典にあたっていかないと。
[田中]うん。
[菊池]あの、擦り減っちゃうんで、人々が。
[田中]うん。
[菊池]どんどん古典にあたろうと、ただ、ホメロスにあたれっていうわけにいかないんで、『なんとなく、クリスタル』って名前知ってますか?、って。あ、私、博報堂大学ってね広告屋がやってるなんかあるんですよ、カルチュアル・スタディみたいなのが。
[田中]うん。うん。
[菊池]そこに講師として呼ばれた時に、そこにクリエイターがバーッと広告屋がいまして、えーみなさん『なんとなく、クリスタル』って小説は知ってますか?って言うと、8割方挙手するんですね。
[田中]うん。
[菊池]著者はどなたか知ってますか?って言うと『なんとなく、クリスタル』知らなかった奴まで手を挙げるんですよ。
[田中]うん。
[菊池]じゃ、読んだことありますか?脚註の1番、伝説の脚註の1番、何だかわかりますか?私、あの「ターン・テーブル」。
[田中]「ターン・テーブル」ね。
[菊池]あの、脚註の1番が「ターン・テーブル」だってことの凄味をですね、やっぱり20世紀の人間は知らないなって思って。
[田中]ふっふっふ。なるほどね。
[菊池]ほいで問い質したところ、ま、ほとんどの人間が読んでないんですよね。
[田中]うん。
[菊池]なのでね、そん時に配りました。
[田中]そら恐縮で、まぁ・・・。
[菊池]ふっふっふ。で、1回目に配って、4週にわたるレクチャーだったんですけど、感想を言わせるっていう回だったんですよ。
[田中]うん。
[菊池]ほとんどの30代以下の、いわゆるロスト・ジェネレーションって言われてる人々が、まぁありきたりな事言うんですよね。バブルの頃はあーだったこうだった、っていう話をするんで、それだけかい?!っていうことだったんですけど。
[田中]ん。だから、まぁまさにその、表層的なね捉え方じゃなくて。
[菊池]はい。
[田中]生き方、だから日本ってのはいつもこの国の「カタチ」ばっかり言うわけですよ。
[菊池]そうですね。
[田中]小選挙区にすればね、政治改革ができるって、ちっともなってないわけだからね
[菊池]なってないですね、はっはっは。
[田中]この国の「あり方」が問われ、ていうか、社会の「あり方」。
[菊池]ヤバい、堅い話に(笑)。
[田中]いやいや。それがま丁度、33年で元々なんか書いて、ってずっと。『文藝賞』50周年だから、って言われて、どうしようか。でも、やっちゃ場のような所の永田町とかにいたからか、なかなかできないよねぁって。
[菊池]ふっふっふふ。
[田中]逆に絵本でも書こうか、ったんだけど、丁度あの、物理的にも精神的にも余裕ができてきて。
[菊池]はい。これ、やっぱり私思うんですけど『なんとなく、クリスタル』と一緒に売ったほうがいいんじゃないかなっと思いますね。
[田中]ま、それは書店の人も、新装版の文庫本と一緒に。
[菊池]ですよね。もう中に入れちゃえば、はっはっは。
[田中]うん。ホントはそうそうそう、2冊一緒にして帯付けるのも。
[菊池]ってな1冊目やっぱり読んで欲しいですよね。読んでない方に。
[田中]うーん。
[菊池]私やっぱり『なんとなく、クリスタル』の読点の位置、「なんとなく」と「クリスタル」の間に読点が入ってるっていう。
[田中]「、(点)」がね。
[菊池]そう、点が入ってる。えーそれによってあの時代、点一発でですね、あの時代の気分をほとんど表現してしまってるということの意・・・。
[田中]これはその、江藤淳という人が「だからこれが弁証法なんだ」って言ったんです。
[菊池]そうですね。だからその衝撃のあの、要するに『なんとなく、クリスタル』ってのは、ま、まずその「、(点)」の位置、それから最後のページっていうのの衝撃波っていうか、最後のページで別次元に飛びますよね、バーンと。
[田中]んー。
[菊池]あのことがやっぱりそのー、あまりに過小評価されてるままなので。ま、今ですよね今でこそやっぱ「最後のページがヤバい」っていう、最後に出生率が出てくる。
[田中]出生率が出てくる。
[菊池]出生率が出てくる、うん。あのー物語が・・・。
[田中]これ、誰も日本の人は当時、インタビュアーで指摘した人いなかったですよ。
[菊池]してる人いなかったでしょうね。
[田中]海外から来たジャーナリストのほうが皆ここに言及したんですね。
[菊池]でしょうね。
[田中]だけど、そこに記されている出生率や高齢化率は、とても楽・・・、今、その時は僕は「こんな風になってくんだ、右肩上がりじゃないんだ・・・」って思ったんだけど。
[菊池]はい。
[田中]もっとそれを上回るかたちになって。
[菊池]まぁ予言ですよね。典型的な予言の的中っていうかたちですけれども。
[田中]うーん。
[菊池]で、まぁ実際そうなった世の中に、こう放つ「33年後」ですけど。
[田中]ま、あの、最後がその、AORの音楽が。
[菊池]そうそうそう(笑)。
[田中]・・・出てきて、僕がずっと大学ん時から行ってる美容院が表参道の交差点にあって「STILL WATERS」というまさに「静かなる水面」という象徴的な。そこでまぁどうもイギリスのインターネットラジオが掛かってて、先程の・・・。
[菊池]ま、最後の・・・。
[田中]ロバート・パーマーとかね。
[菊池]この『33年後のなんとなく、クリスタル』の、ま、これ自体はページ数が273ページ。えーとー元々の『なんとなく、クリスタル』が224ページなんですけど、半ページが半分が脚注ですから割る2で。
[田中]うん(笑)。ま、入ってる分量も今回全然、今回原稿用紙500枚以上ですから。
[菊池]112ですよね。ま、軽薄短小と言われた時代の幕開けに112ページ、まぁ中、長編とは言えない量で、今度は堂々たる長編273ページがくるわけですけども、これ以下「もとクリ」を読んだ人対応の話になりますけど、あ、もう読んでるんだ、という人はね。まずは読みましょうって話なんですけど「もとクリ」を。
[田中]うん。うん。
[菊池]読んでる人に、ま、私なんかもそうなんですけど、とにかくゲラ頂いて、最初の衝撃は『なんとなく、クリスタル』の登場人物が実在だった!っていうことですよね。リアルだっていう。
[田中]そう、で私がロッタ連れて散歩してると、その中の「江美子」に会ってしまうという、「ヤスオ」という片仮名の人がね。
[菊池]殆どの9割9分の読者が、あれは架空の、文字通りクリスタルな、架空の登場人物だと思うわけで、あれが実在するリアルな物語だとは誰も思わない、ですよね。
[田中]んで、「由利」ってのはその当時、だからもう、本が売れて、いろんな雑誌がまさに『噂の真相』をフン!って笑ってたような、あの、出版社の雑誌が、みんな「由利探し」になって。
[菊池]そうですね、ありましたね。
[田中]「由利」は学校がそのまま書いてあったんですけど、もう一人の「江美子」ってのは学校をそこだけ変えてあったんで。
[菊池]はい(笑)。
[田中]都心部の学校だったのに八王子の方の学校になってたんです。この子だけはあのー、詮索されなかったって。その人と出会うところから出てくるんですけどね。
[菊池]そうですね、はい。
[田中]うーん。
[菊池]ま、音楽家、まぁ私も音楽家であり・・・。
[田中]はい。
[菊池]音楽史家の、えーあれで多分これオンエアなんかで口にしたりされたりするの初めてだと思うんですけど。
[田中]ふーん、何?
[菊池]その段で行くと、淳一さんはえー河内淳一さんですよね?
[田中]うーん、まあ、あの当時いろんな人が「これは私だ!」って。
[菊池]自分だって(笑)。
[田中]ま、淳一ってのはミュージシャンなんですね。で、そ「由利」と一緒に暮らしてた。
[菊池]はい、暮らしてるのね、主人公と。
[田中]でまぁ今回あのーその「33年前、あなたは何をしてましたか?」てのがですね、書店に貼るポスターとかに入ってるんだけど。
[菊池]はい。
[田中]そうすっと、いや0歳だった、とか5歳だったとか、二十歳だった、生まれてない、とか。
[菊池]はい。
[田中]でもやっぱこの30年くらいってのは日本が非常に変わったわけですよ。
[菊池]ま、激変したわけですよね、はい。
[田中]まあ最近、だって音楽にとってみたって、昔はその、輸入盤ってビニールでシールドされったわけですよ。
[菊池]はい。はい。はい。そうですね。
[田中]試聴はまずできなかったわけですよ。
[菊池]そうですね(笑)。
[田中]で、知ってるアーティストの次のが出た、っても、ジャケット写真を見たり、あぁ後ろのプロデューサー、レコーディング場所、参加のギターとか、で、自分の頭の回路の中でそこに記されてる瓶詰めの情報の、あの、クレジットを見ながら缶詰の自分の中のものと照合しながら買って「当たった当たらなかった、って。それで、ね、ベストカセットまで作ってあげてたのに。
[菊池]そうですね(笑)。
[田中]今はもう誰でも、あの、聞けてしまってアルバム買うどころか、試聴どころか、ねぇ、好きな曲だけダウンロードして。
[菊池]私あの、さっき言った博報堂大学で講義する際に『なんとなく、クリスタル』に登場する楽曲を、YouTubeでプレイリスト作りましたからね。一気に全部聞くんだ、っていう。
[田中]んーなるほど。
[菊池]はい。
[田中]まぁ広告業界の方って、とても時代を先駆けている人と、逆にそう思い込んでて。
[菊池]ははははは
[田中]一番後れてる方とかいたりするから。
[菊池]はい。(笑)。
[田中]まぁ授業すんの大変だったと思いますけど。
[菊池]ままま、博報堂をdisろうってわけじゃないんですけど。
[田中]いやいや一般論として言ってるんでね。
[菊池]そうですね。
[田中]また、こういうところで、必ずそういう固有名詞に過剰に反応する人とかいるんですよね。
[菊池]まぁいますねえぇ。
[田中]これがやっぱりその、形式知になってきた社会で。
[菊池]ほっほっほっほっほ。
[田中]暗黙知で頭働かせないと、だから私がその、あのーニコ動とかでやってるのが、無料なのに「あとは自分で考えなさい。」っつうと、「失礼なタイトルだ!」って怒ってくる人が(笑)、 何を言ってんだって。じゃ、君のその、朝起きてからの歯磨きの仕方まで全部あたしが横に付いてなきゃいけないの??っていう話なんでね。
[菊池]はっはっはは。今みんな怒ってますよね。イライラ社会ですけどね。
[田中]うーん。
[菊池]とりあえずまずは『なんとなく、クリスタル』の・・・。
[田中]だんだん時間が少なくなってきたね。これ、番組延長してくれんだよね。フランスとかだと面白いところは番組延長すんのにね。
[菊池]2回分にしますか?(笑)。
[田中]いやいやいや(笑)。
[菊池]2回3回分、十分録れ高あると思うんですけどね。
[田中]ふっふっふ(笑)。はい、どうぞ。
[菊池]まずはさっき言った、実在だったってことが驚きましたし、ま、もし河内淳一さんだったとしたら皆さんKUWATA BANDの方ですからね。ほんとに、これ、このことはほとんど表沙汰になってないことだと思いますけれども。そして、もうひとつは、一人称がですね・・・。
[田中]うん。
[菊池]当然、これは続編だとしたら、一人称は「由利」になるはずなんですけど、もう何の断わりもなく一人称が「ヤスオ」で始まるという、この・・・あとは・・・。
[田中]あー、そっか。親バカ。
[菊池]今ロッタちゃんが水飲んでます。
[田中]ロッタはあの本の帯のところでね「パパとママのうざいくらいの愛を一身に受けて成長中よ♡」って(笑)。
[菊池]この写真はいい写真ですよね、ほんとに(笑)。
[田中]これは的場さんていうね、信幸さんってあの、「飛行犬」っていうのを撮るんです。犬がちょうど飛んでる瞬間を撮る、淡路島にいらっしゃる方で、彼が撮ってくれたロッタの写真です。
[菊池]はっはっは、あー、なるほど。
[田中]うーん。
[菊池]これはまぁ私あのー浅田さんと言うことが偶然かぶっちゃったんですけど、プルーストってね。浅田さんもね、このー・・・。
[田中]いや、喜んでましたよ。いやあぁ、菊地成孔とオイラ同じこと言えるようになった!って。
[菊池]そんなこと言うわけないじゃないですか(笑、もぉ。そんな幇間芸みたいなことやめてくださいよ、もうほんとに、はっはっは、もう。
[田中](笑)。
[菊池]私、浅田さんとかぶったんで「アチャー」と思ったんですけど
[田中]えぇ。
[菊池]あのープルースト、これ、これは殆どプルースト的な小説。
[菊池]あ、今ロッタがお水を飲むとこでね。
[菊池]ああ、聞かせましょう。
[田中]静かでしょう?ロッタって、ほんとに。
[菊池]そうですね、鳴かないですね。
[田中]ロッちゃん?
[菊池]結局、あのー273ページあるんですけど、何が起こるかっていうと、デートが1回とホームパーティーが1回と、髪切る、ぐらいですよね。要するに、大きなイベントとしては。
[田中]あぁ。
[菊池]そこがすごいっていうか。私数えたんですけど。
[田中]はい。すごいねマニアだねほんとに。
[菊池]まぁですね。最初にね「LAUBURU(ローブリュー)」に行きますよね。
[田中]はい、バスク料理。
[菊池]あの、これはもう、ある程度東京でフランス料理食べたことがある人間なら「LAUBURU」ってすぐわかるわけですね、これ説明で。
[田中]ほうほうほう。
[菊池]わかるわけなんですが「LAUBURU」の名前は出てこない、から、田中先生にしてはめずらしく実名が出ないな、と思いながら読み進めると
[田中]最後のお菓子のところで出てくるよね。
[菊池]出てくる。で「LAUBURU」で「由利」さん『なんとなく、クリスタル』の主人公と田中康夫先生がデートっていうか、まぁ食事をされるわけですが。
[田中]うん。
[菊池]その「LAUBURU」の着席からえー、ガトー・バスクでデセール食べ終わるまでに27ページ費やしてるんですよ。
[田中]うん。
[菊池]この時間感覚ってのは、もうプルー、日本人の文学者にはいないっていうか(笑)。
[田中]ああぁ。
[菊池]要するに、ビストロで食事したことがある人の始まってから終わるまで、親しい人とね、ソーテルヌぐらいまで、チーズぐらいまでいったら、まあ軽く3時間ぐらいいきますよね。
[田中]うん。
[菊池]あの時間感覚っていうのが小説の中で描かれたことはないと思うんですよね。
[田中]あぁ。
[菊池]描き切れなかったと思いますよ。
[田中]それは過分な評価で。
[菊池]いやいやいや。これが
[田中]でも、同じようなことを仰った編集、女性の編集者がいた。
[菊池]あー、ほんとですか。
[田中]うーん。だからこういうのは海外の小説にはあるのに、日本にはないんだよねえ。
[菊池]そう、そうなんですよ。プルーストにありますよ。まぁあの文字通り『失われた時・・・』に。ま、浅田先生も含めてですけど『失われた時を求めて』だ!というふうな大鉈は振るってはおられないと思いますが、まぁやっぱり何せあれが出てきますしね、マドレーヌが出てきますし。
[田中]うーん。
[菊池]えぇまぁ、この食事のシーンとかも含めてですね。その後に出てくるホームパーティーのシーンは、さらにページがもう3倍ぐらいありますからね。
[田中]あぁ、ここは直美っていうね、今でも現役のモデルの子の。
[菊池]ここの、この時間感覚だけでも、全然日本文学の中でも、単なる風俗小説とかじゃなくて、もう、純文学の中でもさらに異端っていうか。こんな時間感覚はまぁ滅多に見かけないですよ。これ、ビストロで飲み食いするのが好きな人にとっての、リアルだと思うんですよね。
[田中]んーん。
[菊池]うん、これはあのー、他の小説家では文人では誰にも無理な境地だな、と思いながら拝読させていただきましたけど。
[田中]それはもう恐縮でございます。
[菊池]いやいや、とんでもないです(笑)。
[田中]ま、南アフリカにね、あの、「由利」が行ったりとかね。
[菊池]そう。それもうオチですから言っちゃダメですよ!、それ、はっはっは。
[田中]えっ、何で?オチでもないよ。
[菊池]大オチじゃないですか、それ。
[田中]いいんじゃないの〜。
[菊池]「由利」がどうなるのか、みんな気にして読むんですから。最後、由利がアフリカ行っちゃうって(笑)。
[田中]いやいや、行ったままじゃないもん、全然。日本にはいるけれども、そこにも同じく行くって。
[菊池]それは、実在の人物で、先生が御存知だからで(笑)。読者は知らないわけだから。
[田中]ぁあー。
[菊池]めちゃめちゃ多分、「由利」がどうなるんだろう?って思いながら読むわけですからね。
[田中]んー。
[田中]えぇ。「由利」がアフリカ行っちゃうって、最初に今ボーンと言っちゃったらもう、楽しみなくなっちゃうじゃないですか(笑)。驚きのラストですよね。
[田中]あ、そう?
[菊池]あのー驚きのラストですよー。
[田中]ほんと?
[菊池]「由利」がどれぐらいアパレルで働いてるのかと思ったら、最後はアフリカに行くっていうところが。
[田中]いやいや、あの、でもそういうふうに言うと、なんかすごいスラップスティックに聞こえちゃうけど、全然そうではない、からね。
[菊池]まぁもちろん、滑らかに繋がってるわけですけどね。
[田中]んー。
[菊池]まあまあ、でもこれは話のオチですからね。
[田中]でもこれいいの?こんなに話してて、曲だって選んできたのかける時間あんの?
[菊池]あぁ無くなってますね。
[田中]もう、無くなっちゃったから、これ何?やっぱもう2回分にするんですか。
[菊池]はっはっは。
[田中]そうすっとまあ制作費も浮くとかって言って、ほらねぇ。
[菊池](爆笑)。
[田中]あのー分社化したラジオの社長から、よし偉い!お前ら、経費削減できて、って (笑)。
[菊池]「分社化」とか言っちゃダメです、先生!はっはっはっは。
[田中]だって、みんなどこもやってるじゃない。
[菊池]やってますね(笑)。
[田中]よくわかんないんだけど「ホールディングス」って、そんなに重たい荷物持てる人達なのかよ、そこの役員は!ってねえ、ほんとに。うっわ。
[菊池]言いたい放題だな(爆笑)。
[田中]ホールド・ミー・タイトだよ、ほんとにね(笑)。
[菊池]ですね。じゃまたリバイバル派から。
[田中]リバイバル派から、いきますか。
[菊池]リバイバル派から聴いて頂いて。
[田中]はい。
[菊池]はい、Mayer Hawthorneっていう人なんですけど、えぇーっともう既に今っぽいっていうか元々この人hiphopがやりたくて。
[田中]ほぉ。
[菊池]はい。西海岸のhiphopの非常に重要な・・・。
[田中]これアメリカの方?
[菊池]アメリカです。
[田中]でもなんか、Nathaniel Hawthorneの、なんかひ孫とかなんですかね?
[菊池]ね、Hawthorneみたいなねあのー感じですけど。
[田中]うーん。
[菊池]まぁあのー単なるhiphop好きなアメリカ人ですが、えーhiphopの才能は無かったんですけど、同じデモテープに入っていたAOR風な遊びのトラックが認められて。
[田中]うん。
[菊池]ほんで今や、えーNew AORの旗手という。
[田中]ほぉー。
[菊池]という感じですね。えー
[田中]なんかロッタが早く聴きたいっつって今下を歩いていましたけど。
[菊池]あー、じゃ早速田中先生に味見して頂くことにしまして。
[田中]はい。
[菊池]Mayer Hawthorne でKaila。
Mayer Hawthorne - Kaila (Bonus Track)
[菊池]はい、えー音楽が流れ出すとですね、ロッタちゃんが急に元気になりますっていうことで音楽好きのお嬢様ですね。
[田中]えーやっぱりディスコ・クラブが好きだった夫婦の下に生まれるとそうなるんですかね。
[菊池]はっはっはっは、そうかもしれないですね。
[田中]もぅね、ロッタもあのホントにあれですよ、私がまだ議員だった頃はあの、羽田-伊丹の飛行機にバルクカーゴっていう空気調節しちゃうのの、それに年間何十回も乗ったんで、あたし、あの犬のマイレージ作ってって。
[菊池](笑)。
[田中](笑)。
[菊池]犬マイレージ、ヤバいですね、はい。えーなのでロッタちゃんあやしに専念されておりました田中先生、いかがでしたでしょうか?曲の方は。
[田中]っでこれもだから、またホントに、まぁフィリー系のなんか。
[菊池]フィリー系ですね、はい。
[田中]入門編みたいな感じで。
[菊池]はい。このくらい今若い人がAOR最近・・・。
[田中]あーそうなんだ、やっぱりそういう時代なんですね。
[菊池]そういう時代ですね。CMです。あ、無い?もう終わっ一回やったっけ?
[田中]もう終わっちゃうんだ、終わっちゃうんだ。もうこれ時間で終わっちゃうんじゃ・・・。
[菊池]あー一回、紹介してんだ。あーじゃCMじゃねーんだ、はい。
[田中]うん。
[菊池]ってなわけで、もうホントに残念ながら時間となって参りまして。
[田中]二回分にはならなくなったんだ。
[菊池]二回分にしますか。どうしますか。
[田中]稟議書かなんか廻さないといけないのかな。
[菊池]えーと今ですね、サブの全員が下を向いて、はっはっは。
[田中](笑)。
[菊池]はっはっはっは。
[田中]でもほら電波媒体なんだから、ねぇ「粋な夜電波」で。
[菊池]僕等的にはどっちでもっつってますけどね。
[田中]どっちでもって、投げやりだね。なんかね。
[菊池]ま、曲は四曲っか無いから、今回は一時間にしときましょうか。
[田中]んふっふ、そうですか。
[菊池]またー改めて。
[田中]次呼ばれんの33年後とか言うんでしょ?(笑)。
[菊池]っはっはっは。
[田中]すごいねロッちゃん、どうするよぉ、ロッちゃん、もう。お水飲んでますけどね。
[菊池]飲んでますね。
[田中]うん。次の曲?
[菊池]あの音楽流れるとね、ホントにお立ち台て感じですね。
[田中]ふっふっふ。
[菊池]お立ち台じゃないけど、田中先生の時代は、お立ち台はもっと後ですけどね。
[田中]う~ん。
[菊池]まぁ、音楽で踊るに掛けた話、えー、掛かった話ではありませんが、何時なんだ明日か私がやってます「HOTHOUSE」えっとーbebopでカップルダンスを踊るという。
[田中]ほぉ。
[菊池]パーティをずっとやってまして、これがえーと「HOT HOUSE 横浜」あー、初めて横浜開催んなります。えーこういうご時世ですから詳しいことはネットで拾って下さい。
[田中]うん。
[菊池]はい、えーと生演奏とDJ。ジャズのbebopというね、ダンス、ダンスをむしろ止めてしまったという音楽で踊っていこうというパーティがありますので。
[田中]う~ん。
[菊池]えぇ是非。じゃぁホントに名残惜しい感じですけど最後の曲でまた・・・。
[田中]ホント?いやぁ良かったぁ放送事故んなんないで良かったって思ってんでしょ、だーかーら生放送でやろうよっつたのに言ったもん勝ちだって言ったじゃん、生放送の醍醐味は。
[菊池]まぁそれは一応あのスタッフにナゲましたけど、全員下を向いたので。
[田中]うそ?ホント?
[菊池]はっはっはっは。はい。
[田中]あぁ~ああんあー。
[菊池]なんか、あ、あったんですかね?
[田中]そ、前例の無い、前例の無いことをやるってのがやっぱり。
[菊池]はい。
[田中]メディアなんで、前例の無いことやりませんじゃ・・・。
[菊池]そうですね。
[田中]役人と一緒になっちゃうんだな。
[菊池]いやいやいやいやいや。前例、今日十分前例に無い事やったと思いますけどね、はっはっは。
[田中]ふっふ。いやいやいや。
[菊池]はい。えーまぁ一般的には「マーク・アーモンド」と言うと
[田中]はい。
[菊池]えー80年代New WaveのSoft Cellっというバンドのヴォーカリストだという風に・・・。
[田中]そうらしいですね。僕は全然そう思わなくて、これはもう、あの奇しくも先程のあのーRobert PalmerもこのMark-Almondも、1978年のアルバム・・・。
[菊池]はい。great vintageですね、78年は。
[田中]いやーでも、プロデューサーがTommy LiPumaですからね。
[菊池]Tommy LiPumaですねー。
[田中]んであとー、エンジニアがAl Schmittとかね。
[菊池]はい。
[田中]Ralph MacDonaldがやってるとかね。
[菊池]はい、まぁ今から聴きますけど、メンバーがRalph MacDonald、Steve Gadd、John Tropeaだというのが・・・。
[田中]そうなの。
[菊池]とっても思えないぐらいに。
[田中]うん。
[菊池]なんかスティーミーっていうかナロウな演奏ですよね。
[田中]でも、これはねまさに「Other Peoples Rooms」っていうジャケットがもう、ジャケットで私は。
[菊池]今回ジャケットですよね。
[田中]気に入ってしまった。
[菊池]「Double Fun」もヤバいですし「Other Peoples Rooms」もヤバいし。
[田中]これはあのー、Horizonていうレーベルでね。
[菊池]はい。Horizon。
[田中]Seawindとも一緒ですけどね。
[菊池]そうですね。
[菊池]これはなんってったらいいのかなAORっていうよりもだいぶしぶいですよね、後半ちょっとあのーブラジリアンめいた・・・。
[田中]うん。これがその『33年後のなんとなく、クリスタル』のなかに・・・。
[菊池]はい。出てきます。小説の中に出てきます。
[田中]出てくる曲です。
[菊池]えーと、Mark-Almondで、まぁ78年のAORのgreat vintageですが、えーOther Peoples Roomというアルバムからタイトルチューンの・・・。
[田中]Other Peoples Roomsなんだね。
[菊池]「Rooms」か。
[田中]うん。
[菊池]あ、ホントだ、Other Peoples Roomsだ。
[田中]ん~ん。
[菊池]はいはいはい、色んな部屋をってことですね。
[田中]ん~ん。
[菊池]はい、えーそのタイトルチューンを聴いて頂きたいっと思います。はい、というわけでよいしょ。
[田中]え、で聴いてるうちにもうバイバイって感じ?
[菊池]感じ、終わりですね。
[田中]あらまぁ。
[菊池]はっはっはっはっは
[田中]ロッちゃん、どうするぅ?
[菊池]ロッタちゃんの・・・(爆)。
[田中]せっかくワインも持って来たし、ケーキもあるから宴会しないとね、ロっちゃんのご飯も持ってきたよちゃんと。
[菊池]そうですね。
[田中]んー。まぁロッちゃん、あのちゃんと写真に載りますからね。
[菊池]はい、勿論です。
[田中]ホントに来たってことは分かる・・・。
[菊池]ロッちゃん、このままいったら写真集ですよ。
[田中]すごいね、この情報公開番組もね。
[菊池]はっはっはっはっはは。
[田中]ん~。
[菊池]あとは動画持ってくれば良かったですね、ロッタちゃん動画。
[田中]あ、そうか!
[菊池]そうです。
[田中]失敗した!
[菊池]犬の動画なんてもうhit数のなんていうか、一番あのイイとこじゃないですか。
[田中]そーだよー、ロッちゃん、じゃ、もう一回明日ぁあの取り直しますか?
[菊池]はっはははははは。取り直し。
[田中]うん。
[菊池]はい、分かりました。えーというわけで、ジャズミュージシャンの菊池成孔がお送りして参りました、えー「粋な夜電波」お別れの時間でございます。えーそれではまた来週、来週はえーっと日本語ラップ特集となります。えー金曜深夜零時にお会いしましょう。えーお相手は菊池成孔でした、そしてゲストは・・・。
[田中]もうだから、そういう風に決まってるから。
[菊池]はい。
[田中]二週出来ないってことでしょ?もう決められた事をそのままやるってこれはもう、計画された公共事業理論と同じになってるからさ。
[菊池]ははは。違う違う。
[田中]菊池成孔がそれじゃな?!ロッちゃん
[菊池]違います、違います!
[田中]パパ泣いちゃう。もうだってもう菊池さまLOVE!だもん。
[菊池]いえいえいえ、とんでもないです。
[田中]だから、ハート一杯付けてメール送ってて(笑)。
[菊池]いやもう、ホントですねぇ、いやなんかもう自分が・・・。
[田中]なんなんだよ、このオヤジ達って思ってるでしょうね。
[菊池]ホントですね、なにやってるって感じでしょうね。ま、小説はとにかく文学、滅多に本なんか読まないような方でも是非、えーホント繰り返し申し上げますが、古典にあたるべきです現代人は、じゃないと鬱病なるんで。
[田中]んー。
[菊池]古典にあたりましょう。えー『なんとなく、クリスタル』そして『33年後のなんとなく、クリスタル』。点の位置が変わらないってところ注目。
[田中]はやくも古典になっちゃったんだ、これ。
[菊池]えぇ。まぁ。
[田中]新刊発売と同時に?
[菊池]「33年』のこっちは、新刊ですよ。
[田中]いやいや、でもまぁ古典になるっていうのはそらもう有り難いレジェンドだからねぇ。
[菊池]古典の33年後の続編ですよね。
[田中]いやでもね、あの、書店の人が、菊池さんに帯を書いて貰ってー、ってもう目がハートパッパッパって飛んで行くって感じなの。
[菊池]それねぇ。
[田中]すごいね、菊池成孔この「電波力」ってのは。
[菊池]そんな筈無いですよ、もう。
[田中]昼間行っても夜でもないのに電波飛んでるよ?(笑)。
[菊池]はっはっはっはっは。まぁ、物好きが多いですよね、はい。
[田中]えっ?
[田中]物好きが多いですよ本読みには。
[田中]いやいやいや。
[菊池]っはい。てなわけで、えー私も帯に名をつ・・・。
[田中]いやいや、ということでもう、菊池成孔におんぶに抱っこで。
[菊池]とんでもございません。
[田中]ロッタと一緒に、ロッタを抱っこしながらお届けを致しました
[菊池]はい。是非読んで頂きたく、もうメールでね。
[田中]うん。
[菊池]一通だけ。
[田中]一通。
[菊池]たくさん来てるんですけど、もうとても今日読む時間が無かったんで。
[田中]うん。
[菊池]一通だけ。
[田中]どうぞ。
[菊池]最後に読ませて頂きます。「菊池さん田中康夫さんどうもはじめまして、えー、田中康夫さんご出演と聞いて放送とても楽しみにしております。ところで、あ、失礼、埼玉県の「悩める塩焼きそば」さんですね。
[田中]っふっふ(笑)。
[菊池]27歳女性の方です、ところで田中康夫さんは猫ちゃんは好きですか?気になるのでどうしても教えてください」
[田中]いや別に、嫌いではないですが。
[菊池]はい。
[田中]それはどちらかと言えば、ワンワンですね。
[菊池]なるほど、っはい。
[田中]ん~。
[菊池]えぇ~非常に、あの今までのトーンと違う柔らかな犬派発言で、へっへっへ。
[田中]はっはっは。
[菊池]はっはっは。・・・思いましたけど。
[田中]いぇいぇいぇ。
[菊池]えーっとまた是非あのーいらして、下さい。刊行後の反響なども含めて。
[田中]はい。
[菊池]申し訳ありません、よろしければ。はい。
[田中]ホントに、ということで。
[菊池]もっとドンドン。
[田中]前説が長かったMark-Almond。
[菊池]あ、いえいえいえ、とんでもないです。
[田中]いかないと・・・。
[菊池]いや、音楽番組にしたいですよね。
[田中]んーん。
[菊池]音楽の話を田中康夫さんとずっとしていくってことは画期的だと思うんですよ。
[田中]あぁ。
[菊池]はい。
[田中]これじゃ、どっかのライブでライブ・ハウスでやりますか。
[菊池]いいですよ、はい。
[田中]っていうのもね。
[菊池]何時間でもいけますよ。
[田中]で、みんな動物好きなの連れてくるってね。
[菊池]はっははっはっは。犬だらけですね、結局は。
[田中](笑)。
[菊池]結構、毛だらけにで。
[田中]そうするとまた、こういうのあれなんですかね、なんかねそこでほらあの、動物の病気が感染したとかいって保健局がでてきたり。
[菊池]はっはっは
[田中]なぁーんか、舛添要一さんが出てきちゃったりすんですかね、東京の場合は。
[菊池]ふっふっふ舛添要一さん(笑)。
[田中]いや東京都知事はだって保健所も・・・。
[菊池]そうですね。
[田中]管轄ですからね。
[菊池]確かに。そうですね、はい。
[田中](笑)。
[菊池]『大沈入』のね解説を書いた人。
[田中]はい。
[菊池]はい、というわけで話は尽きぬという感じですけども、この後放送後に二次会がありますんで。
[田中]はい。
[菊池]えぇ我々はそちらの方を楽しみにして。
[田中]はーい。
[菊池]皆さんの方は放送だけお楽しみ頂くということですね。
[田中](笑)。
[菊池]はい、ではまた来週。ありがとうございました。田中さんありがとうございました。
[田中]はい、どうも。
[菊池]ロッタちゃんもありがとうございました。
[田中]はい。ゴキゲンヨウロッタぁ。
Mark Almond Other Peoples Rooms
●set list
Steppig Up/Ole Borud
Every Kinda People/Robert Palmer
Kaila/Mayer Hawthorne
Other Peoples Rooms/Mark-Almond
[菊池成孔]菊池さま長沼さまスタッフの皆様こんちゃーす。バードアイ松田です。この松田さんって方が田中康夫先生の、元祖ゆるキャラ、えー、なんだっけ、カモシカヤッシーの中に入っていた当時の、えっとー、田中先生のなぁーんてのかな、舎弟というか運転手もやってた人で、で私の、えっと、ポリリズムの授業をずっと受けていたあたしの生徒なんですけども、えー、先日の康夫ちゃん神回では私の、なんかの名前を出して頂き歓喜恐縮です。中略、僕は長野県知事時代の彼がいろんな偉い人とサシで話してる様子を傍で見ましたが、(安藤忠雄さん玉村豊男さん田崎真也さんなど)あんなに相手の話を聞く康夫ちゃんは初めてです(笑)。えー、後略、って感じなんですけどね。はい、あのー、奥様の写真を添付されてるんですけど(笑)、この写真はご本人からの断りを貰ってませんので見なかったことにします、さして頂きますけども、あんなに相手の話を聞く康夫ちゃんは初めてです、っていうところに軽い衝撃を受けましたよね、えー、あれだけ人の話を聞かないゲストは初めてだったんですけども(笑)、はっはあのー、まぁ喋らせてくれないだろうなっと思ったん、ですけどね、ま、ビッグファンとしてま、対談とかそういうそのー誰かがあのwitnessというか第三者として、えー、雑誌やなにかねぇ、編集者が立会いの下に対談として対々で話し合うとしたら、まぁ、まぁそんな機会は無いですけどね私と田中康夫先生があのビッグファンとしてえー、番組に来て頂く、まぁご本人はねこう、欠席裁判になっちゃいけないんですけどご本人も喜びそうだから言ってしまいますけど、「ご招待ありがとうございます」って番組で何回も言ってきたんですけど、招待は一回もしてないんで、はっはっは。「出させてくれ!」ってメールが何通も来たんですよね(笑)。それの、その結果まぁ、「出させてくれ!」なんて言葉遣いを勿論、文学者だからしませんけども、じゃぁどんな言葉遣いで来たかっていうと「夜電波出演キボンヌ」って書いてあってですね(爆)、キボンヌかよ!って思ったんですけど、えー、キボンヌってメールが三通ぐらい来たんで、それでまぁこれはもうじゃ、出せません、とは言えねぇなっていうんで、えー、来て頂いてまぁあのもちろんこちらも嬉しいわけですけどね。えぇ。当然のことながら出るまではものすごい数のメールが往復されましてメル友っということで紹介させて頂きましたが、収録が終わった後一通もメールは来ていませんので、えっと、メル友じゃなくなってしまったんですけども(笑)。はっはっは、あのー、やっぱねビッグファンとして人を迎えるとどうしてもね、あのー、そんでも聞いて頂い、あの、あんなに話、人の話を聞いた回は初めてだって側近だった松田さんに仰って頂いたんで、まぁー良かったなっと思うんですけどね。まぁーあの、いい意味でも悪い意味でも、でもまぁ悪い意味って殆ど無いですけどいい意味でなんですけど、まぁーなんというか、駄々っ子っていうかあのー、「One Way」の方なんで、例えば受け、中で言ったなんだっけな、「バイリンギャル」とか受けてんですけどあれ、80年代からずっと仰ってる30年越しのギャグなんで、はっは、あのー、今聞いても我々には新鮮味無いんですけどね、でもまぁ初めて聞いた人は喜んだりするんだけど、まぁ大体パターンが決まってて、とにかくあのー、この国の国情とかいろんなマスメディアとか硬直してる、っていう話をして、それで最後は、もっと出せ、っていう(笑)。はっは話をするだろうなっていう、それで、いやもう出せません、ってルーチン通りに進めるとこっちが旧体制だってこっちがって、私は言われませんでしたけど、局側が旧体制だっていう、ちょと辛口な話をしてえーまぁなんていうんですかね、えー、国情・時事で、まぁ安全圏内のこう、毒を吐くとAMラジオをなんか聴いてる人が喜ぶんだってことを熟知されてる、というかまぁ、そこで止まってるといいましょうか、それをこう阻止出来なかったですよね、ま要するにね、プロレスの出来ない方なんですよ、ブロディと同じでプロレスが出来ないんですよね、居一方的にもの凄い魅力的な状態で大暴れして魅力的な状態で相手を封じ込めて去って行ってしまう方なんで(笑)、あの、まんまとやられてしまったな、と思ったんですけど、まぁ私としてはまぁ今まで聴いたことない田中康夫っていうモノをラジオで、「選曲する田中康夫」とか、「自分の作品の話をされてその話に耳を貸す田中康夫」とかいうものが、一分間でもあのー、一時間の中で持てたら、まぁ成功だ、と思ってえー、番組に命がけで臨んだんですけどね、まぁ番組の、ジャッジは色んな方ぁー様々だと思いますけど、これ松田さんのジャッジが嬉しかったんで読んでしまいましたけどね。まぁもし田中さんが暴走されて、でまっ、当たり前ですけど人の話聞きませんから、自分のワイン出して散々産地の説明して、じゃっ私のシャンパン出したら、ありがとう、って持って帰っちゃいますからね、はっはっはっは。対々でやらしてくれないんで、だからまぁーそのやり、もう私はもうファンですからずっと見てますんで、そのやり方だろうなって思うんで、一個だけセリフ用意してて、こらーどうしようかなっ、頭んなかそれでグルグル回っちゃってね、田中先生あれが旧体制然としてるこの、あのー、ここらへんがもう丸っきりあのー古い政党みたいだっ、というような言いか、事を仰いますけども、相手の話を聞かずにどんどん話をかぶせてくるのが一番古い政治家っぽいですけど、ていうセリフでですね、えーへっへっへ、黙らせようと思ったんですけど、さすがにそれは出来ませんでした、ので、今後の反省にしようと思いますけどね(笑)。まぁでもホストとゲストの関係ですから、やり込めたってしょうがないですからねっ。えーまぁ散々田中節を味わって、えーまっ、僥倖というかね。とはいえですね非常にあのー。
えー、菊池さんスタッフの皆さんこんばんは。先週の田中康夫さんゲスト回、カトちゃん岡村ちゃんに続く日本の三大ちゃんづけ呼ばわりされたはっはっは、呼ばわりが生まれた瞬間に立ち会えた気がしてとても面白かったです。あー、これはお馴染みのDSK東京さんですね、ありがとうございます。えー、普段ゲストが出演すると、ゲストより菊池さんの方が話す量が多いのに、もう、ゲストの康夫ちゃんの方が話す量が多いというのはバンドネオン走者小松亮太さん司会の番組に菊池さんが出演したときのことを思い出して、印象深かったです。ありましたねぇー、小松亮太さんもねよくお喋りになる方なんで。えー、番組に康夫ちゃんの再登場を希望したいのですが、菊池さん的に康夫ちゃんや小松さんのような人はどうなのでしょうか?えぇーー、そうですね、また出て頂ければ一番ありがたいですけど、まぁでもとにかくブロディだからなぁ、大暴れして帰るだけなんではっはっはあのー(笑)、二週連続ってのを食い止めただけでもえー、スタッフと一緒にあのー手と手を取り合って泣きたい気分ですよねっ、ホントにね。あのままだったらホントに二週いくとこだったんでね、えーまっ、もう一度登場しても多分同じ事が起こると思うので、あちらの方からまた「キボンヌ」というメールが来た場合には、考慮させて頂くということで、えー、いう感じでしょうかね、はい。でもね、やっぱあれはやりたいですあの、一切政治の話もさせない、安全圏内の毒舌AMラジオのリスナーが大好きあれももうこの番組のマナーとは関係無い、なのでDJとして選曲をどんどんしていってこの曲がどんなにいいかっていう解説だけをさせる、っていう番組に田中康夫さんが来たらすごいluxeだと思うんですね、はい。んな感じでございます。