2015年11月03日 FM YOKOHAMA 「たまらなく、AOR」 文化の日 男性シンガー=ソングライター特集

田中康夫 presents Fm yokohama 「たまらなく、AOR」ロゴ

 

昨日から今日へと、
曜日はJST日本標準時で水曜日へ。
一つ、前に進みました。

こんばんは。そしてようこそ「たまらなく、AOR」の世界へ。

1970年代半ばから80年代、そして90年代の初頭まで。
私たち、一人ひとりが、光り輝いていた時代の音楽。AOR
それぞれの楽曲を聴く度に、一つひとつの想い出が、蘇ってきます。

一緒に過ごした彼女。
横浜カントリークラブの先、相鉄線の緑園都市に移ったばかりのキャンパスへ、
週明けの朝一で送り届ける車内に流れてきた愛おしい一曲。

本牧海釣り施設がオープンしたばかりの、確か1978年。
海風が強かった日の午後、
腕前を自慢したくて付き合いだしたばかりの彼女と出掛けてはみたものの、
何故かその日は鯵も鯖も、そして海の女神も僕には微笑んでくれず
ちょっぴり呆れられてしまったほろ苦い思い出の一曲。

AOR
それは、セピア色になりかけていた私たちの記憶のアルバムに、
ささやかだけど、確かな息吹を与えてくれる勇気と希望のメロディー。

私たち一人ひとりは微力かも知れない。でも、決して無力な訳じゃない。
今晩は。田中康夫です。
今夜も「たまらなく、AOR」。プレリュードとしてお掛けするのは1978年 Brian Elliot "Let’s Just Live Together"

M1.Brian Elliot – Let’s just live together 1978

1978年 Brian Elliot "Let’s Just Live Together"でした。このBrian Elliot、ミュージシャンがすごいんですね。AirplayのギタリストのJay Graydon、TOTOJeff Porcaro、CrusadersのWilton Felder、そしてLarry Carlton、Lee Ritenour。アルバムはワーナー・ブラザーズなんですが、まさにBurbankと書かれたワーナーの、ずーっと並木がある通り沿いに、その明るさに相応しいBrian Elliotからお掛けしました。
11月3日「文化の日」の深夜、今回は男性のシンガー=ソングライター6曲をお届けして参ります。「自由と平和を愛し、文化をすすめる」ことを趣旨として昭和23年 1948年に公布施行された「文化の日」。実はこの日は昭和21年 1946年に日本国憲法が公布された日で、この日本国憲法は平和と文化を重視していることから、国民の祝日に関する法律文化の日と定められたと言われています。
続いては3曲続けてお掛け致します。1曲目は1977年 Bruce Robertsの"I Don’t Break Easily"。そして1978年 Frank Weber "As The Time Flies"。1980年 David Pomeranz "The Old Songs"です。

M2.Bruce Roberts – I Don’t Break Easily 1977

M3.Frank Weber – As The Time Flies 1978

M4.David Pomeranz – The Old Songs 1980

 3曲続けてお掛けしました。最初の曲はBruce Roberts 1977年 "I Don't Break Easily"。Carole Bayer Sagerとの作品を多数出してるこのBruce Robertsは"No More Tears"、そうです、Barbra StreisandとDonna Summerが1979年にヒットさせた曲の、この楽曲の作者としても知られています。

またJanis Ian、彼女とはニューヨークのハイスクールの同級生でもあるとの事。2曲目、本日の3曲目にあたったのは1978年 Frank Weber "As The Time Flies"でした。彼は私の中では、非常にニューヨークの真っ当なまさにDecentな慎み深い、誇りはあるけれども決してarrogant、上から目線ではないピアノ・マンだと思います。
そして1980年 David Pomeranz "The old songs"。実は私の最初の作品『なんとなく、クリスタル』、映画化をされた時にサウンドトラックが当時のワーナー・パイオニアCBSソニーが合作で発売をします。

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Label:CBS/Sony – 28AP2010
Format:Vinyl, LP, Compilation
Country:Japan
Released:1981

Tracklist
A1 Paul Davis – I Go Crazy
A2 Randy Vanwarmer – Call Me
A3 Toto – 99
A4 The Isley Brothers – Young Girls
A5 Boz Scaggs – We're All Alone
B1 Steve Gibb – Tell Me That You Love Me
B2 David Pomeranz – The Old Songs
B3 Boz Scaggs – You Can Have Me Any Time
B4 Jimmy Messina – Seeing You (For The First Time)
B5 Willie Nelson – Moonlight In Vermont

この中に彼のこの"The old songs"が収録され、これがきっかけで彼の"The Truth Of Us"という日本盤が発売にもなりました。

続いてはSteve Gibb "Tell Me That You Love Me" 1979年です。先週お掛けした彼の"She Believes In Me"。Kenny RogersあるいはJohnny Mathisの曲を彼がカバーしてたの?こういうメールを何人かから頂きました。いえいえ、この楽曲自体を作曲したのがSteve Gibbです。そしてSteve Gibbは、私の『なんとなく、クリスタル』、数多くの楽曲が出てきますが、その中でJASRACにきちんとお金を払って歌詞を全文載せたのが唯一、この"Tell Me That You Love Me"です。442ある註の371番目にSteve Gibb、彼の事がTK Records、所謂マイアミ・ソウルを出していた会社のCloudsレーベルから出ている、この事も記されています。
Steve Gibb "Tell Me That You Love Me"。

M5.Steve Gibb - Tell Me That You Love Me 1979

So far away on a cold, lonely night
If I could only hear your voice
then id be alright

Tell me that you love me
tell me that you care
I just want to hear your voice
Come floating through the air

Telephones are lonely
Tel; l me you're alright
I just want to feel you near
When I lay down tonight

I'd give anything to see your face
Just to share the silence of your eyes
Your love is something no one can replace
While I'm gone I don't want you to cry
Please don't cry.

Tell Me that you love me
Tell me you're okay
Telephones are lonely
It sound so far away

Tell Me that you need me
Tell me it's alright
I just want to hear your voice
when i lay down tonight

I'd give you anything to taste your kiss
Just to feel your body touching mine
It hurst me to be wanting you like this
So tell me that you love me one more time
One more time ...

Tell me that you love me
Tell me you're alone
I just want to hear you voice
I'm so far from home

Tell me that you love me
Tell me that you care
I just want to hear your voice
Come floating through the air

Oh, tell that you love
Tell me that you care
I just want to hear you voice
Come floating through the air

Telephones are lonely
Tell me you're alright
I just want to feel your near
When I lay down tonight

Steve Gibb "Tell Me That You Love Me"でした。
文化の日の深夜、私、田中康夫の選曲でお届けしてきたFm yokohama「たまらなく、AOR」この番組のメールアドレスは

aor@fmyokohama.co.jp

お掛けしたAORの楽曲を紹介するサイトもFm yokohamaホームページの番組紹介ページからどうぞ。

f:id:nippon2014be:20160726223028p:plain

たまらなく、AOR - Fm yokohama 84.7  

心に届く言葉というのがそれぞれにあります。先日もカナダの新しいサーヴァント・リーダーとして誕生した43歳のJustin Trudeau。彼はこんな事を述べてます。「希望によって恐れを打ち負かした。(中略)なによりも、カナダはこれくらいで良いという諦めに打ち勝った」。

自治的多文化主義、まさにAORな精神ですが、その多文化主義をカナダに定着させた恋多きダンディな人生を全うした元首相Pierre Trudeauの子息であります。

そしてその翌日の10月20日、81歳を迎えられた美智子皇后は「先の戦争終結から70年を経、この1年は改めて当時を振り返る節目の年でもありました。(中略)平和な今の時代を生きる人々が、戦時に思いを致すことは決して容易なことではないと思いますが、今年は私の周辺でも、次世代、またその次の世代の人々が、各種の催しや展示場を訪れ、真剣に戦争や平和につき考えようと努めていることを心強く思っています」。

 

皇后陛下お誕生日に際し(平成27年) - 宮内庁

 

深い慈愛に満ちた言葉です。

最後に本日お掛けするのは、そうした私達の気持ちに相応しい1979年 Peter McCannの"All You Got To Do"。「きみだって出来るさ」という感じですね。まさに「ささやかだけど、たしかなこと」。私達一人ひとりが「出来るときに、出来ることを、出来る場で、出来る限り」、その大切さを改めて心に刻む文化の深夜でありたいと思います。

来週も、火曜から水曜へと、またひとつ、曜日が前へと進む時間帯に、みなとみらい横浜ランドマークタワーから、あなたの元へ。Peter McCannの"All You Got To Do"。

それでは、また。

M6.Peter McCann – All You Got To Do  1979

私、田中康夫の新しい公式サイトhttp://tanakayasuo.me/ でも
更なる楽曲の余韻をお楽しみ頂けます。

 

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