麻布十番事務所:参院選の選挙結果を受けての会見 2016年07月10日深夜


 

7月10日深夜


[NHK記者]それでは共同インタビューをさせて頂きます。では共同インタビューです。接戦となりましたが及びませんでした。この点はどうお考えになりますか。


[田中]投票所に足をお運び、そして私、田中康夫に一票を投じて下さった皆さまにまずは感謝を申し上げたいと思います。
この東京は(2020年に)オリンピックという大きな目標を迎える。けれども一方でオリンピックの年には(東京も)人口が減少して、急激な少子高齢社会に突入していく。地に足を着けた福祉や医療や教育というものをこれからの4年間ないしは6年間に行い、複雑な国の制度を分かりやすい形に変えよう、その事を皆さまにお話をしました。
ご理解を頂いた方もいらっしゃいますし、あるいは現実にそういう社会に直面しないと、今という時点では中々想像できないという方もいらしゃったかと思います。さまざまな分析はあるかと思いますが、議席を獲得できなかったことは事実でありますから、改めて投票してくださった方々に感謝申し上げたいと思います。


[NHK記者]今仰っていましたが、届かなかった要因は何だとお考えでしょうか。


[田中]それは、候補者は、本人は、私の考えてる事を一人でも多くの方に理解して頂こうと思いますから、その選挙戦でありましたし、また、多くの私どものスタッフやボランティアの方が一心不乱に活動して下さった事に感謝しています。少し分析が必要かもしれません。逆にそれはメディアの皆さんの方が、客観的に感じているのかなと思います。


[NHK記者]おおさか維新の会からの立候補でした。その辺りどういう風にお考えですか。


[田中]それは繰り返し遊説でも申し上げましたが、国政政党おおさか維新の会は、私が信州・長野県で行ってきた地域主権の確立、そして中央集権と既得権益の打破という点で同じ頂を持つ。そしてその頂を目指すときには、さまざまな登り方がある。その点で意思を共有していたと思います。
あともう一点は、憲法という事が争点隠しのようになっていましたね。おおさか維新の会の代表である松井一郎代表は、家族のあり方といった価値観を押し付けるものは憲法じゃないと。であるからして自民党改憲案に私は反対だという事を選挙中に明言をしております。
改憲という事が憲法9条という事だけに留まらないとして、私達は憲法26条の教育を受ける権利、そしてその下に義務教育はこれを無償とする(と明記されている)。フィンランドをはじめとするヨーロッパの少子高齢社会が(実現している)、乳幼児から大学までの教育の完全無償化という事こそが少子高齢化の切り札であるならば、私達は義務教育という四文字熟語の義務(という2文字)を取るという事こそ国民の権利をより明確にする。
そして国家の暴走を防ぐ為に国家に義務を課すという事が憲法ですから、今語られている憲法の議論というのは国民の義務を押し付けて国家の権利を声高に語る。松井代表が自民党改憲草案に自分は反対であると仰っているのも、価値観を押し付けるようなものは憲法ではない。私もそう思っておりますから、地域主権の確立、地方分権、そして憲法というものはどういうものなのか、国民の権利をより明確に規定するのが憲法、その点においては同じ考えでありましたから。


[NHK記者]届かなかった結果ではあるんですが接戦にはなった。今後の政治活動については今どういう風に思われているでしょうか。

 


[田中]それは私が例えば、原稿も色々と考えて締め切りが来て、まあパソコンなので、うんうん唸りながら打つわけですが、ただ、私は選挙中も申し上げてきましたけど、私の一つの原点は阪神・淡路(大震災の被災地)を50ccバイクに乗ってのボランティアです。

  

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そして信州・長野県の時も、私は県民益と申し上げました。今、国益を声高に語る方がいらっしゃいますが、私は、国民益があってこその国家益であって、国民益が今損なわれていると肌身で感じてらっしゃる方がいる。そして私が文章を書く時も、あるいはボランティアをする時も、あるいは政治や行政に携わる時も、やはり一人一人の悲しみや憂いを喜びや希望に変え、そしてその方々が喜んでくれた時に、それは私の喜びでもある。その意味においては私が活動するフィールドというものは表層的には違っても、私は一貫してると思います。その中で(今後も)活動していきます。


[NHK記者]ありがとうございます。共同インタビューは以上ですが各社質問はございますか。よろしいですか。


[ニッポン放送記者]ラジオ局のニッポン放送です。伺いたいんですけど選挙活動でツイキャスの配信ですとかツイッターフェイスブックSNSの活用を、あとは先月6月26日には秋葉原のAKBの劇場前で若者とのトークセッションもありました。若い世代に向けた発信にも力を入れていた部分もあると思うんですけれども、選挙活動を通して若い世代からの反応というのはいかがでしたか。


[田中]それは私の演説だけじゃなくて、朝の駅頭(でのチラシ配り)であったり、さまざまな(地域での)練り歩きをご覧頂いた(取材者の)方にはある程度ご理解頂けると思いますけれども、私としては、あるいは私どものスタッフも、年齢や性別や職業や、あるいは東京という広い地域の別なく、(真っ当に働き・暮らし・学ばれている)多くの方から非常にご期待頂けたと思ってます。

 


SNSに関しては、それも若者(が対象)という事ではなくて、基本的に私はガラス張りですから、遊説カーの中ではどんな道を(私が)選んで(運転者に指示して)、走って(停まって)、あるいは車中でスタッフと(どんな会話をしているか、食事を取っているか)、それも包み隠し事の無いオープンという事でありますから。
そして今回7つの公約として掲げたものも、

 


(何れも)理に適っている、フェアーという事です。そして私が終始一貫述べていた事は、世の中のルールはシンプルである必要がある。それは単純という事ではなくて、国の制度というのは複雑になっている。でもそれを非常に簡素な形に、つまり皆さんにとって分かり易い税制であったり、分かり易い福祉や教育の施策であったり公共事業、その事を訴えてきました。その一貫としてSNSもあると思っていますから、ある特定の方にという事ではなく、有権者一人一人皆一票を持っていて、それは都心部に住んでる方も奥多摩に住んでる方も島嶼部に住んでいても、あるいはお家から出るのもままならない方も、大変に足腰の元気な方も、それは私にとっては同じ一人の有権者ですから、それら全ての方々の為にSNSを活用しております。


[フジテレビ記者]すいません、フジテレビなんですけれども、知事経験者としてですね、次の東京都知事選挙について何か思う事ありましたらコメントをお願いしたいんですが。


[田中]東京都というのは大変に大きな国のような自治体なので、今回私が参院選に出たのもオリンピックという大変な大文字の大きな目標があると。それをきちんと行うという事は「国際公約」ですが、今申し上げたように2020年からは人口が減少していきますから、(立候補予定者の増田寛也氏が提唱する1億人という)人口が(今後も)保たれるという発想や、(独身者の9割が結婚を望み、既婚者が望む子供の人数が2人だから、0.9☓2=希望出生率1.8は実現可能と彼が真顔で述べる)希望出生率が1.8でありますとか、あるいはそのオリンピックの為に(岩手県で在任中に)借金を2倍に増やすなどとか、こういった形は持続可能な行政というよりも持続可能な社会という日本ではなくなりますから。  

 

田中康夫 Official Web site » 岩手県の借金を2倍に増やした「改革派知事」増田寛也氏が総務大臣時代、 その「功績」の労苦を参院予算委(2008・01・31)でヤッシーが尋ねた動画&文字起こし、関連原稿等


やはり有権者の方がそうした点、そして大文字のオリンピックがあるからこそ、今申し上げた足腰の地、小文字としての福祉や医療や教育、それこそが人が人のお世話をしてはじめて成り立ちますから、雇用になりますし、そこで日本が新しいモデルを示せばそれに順じてアジアも皆、少子高齢社会です。タイに至っては日本と同じ1.4の出生率ですから、日本が今迎えている逆ピラミッド構造をわずか2、30年後にはもっと早いスピードで迎えると。

 

田中康夫 Official Web site » 「構想の庭」OPINION INTERVIEW KYOTO 2016 Vol.2 に インタヴューが掲載され、「サンデー毎日」連載第26回でも「構想の庭」を紹介しました。


その時に今回申し上げた、日本はものづくり産業で、無謀な戦争をして焼け野原になった後にオンリーワン・自分達だけが作れるもの、ファーストワン・自分達が最初に作れるもので世界から尊敬を集めた。
私は(今度は)少子高齢社会の中で、この日本だけじゃなくて東京が医療や福祉や教育というものの足腰のコミュニティの再生をどうするのか、それがアジアにも日本が再びお手本となる事だと思います。そうした観点を お持ちの方が立候補され、あるいはそうした方を有権者が選ばれるという事を私は一都民として(考えております)。


[フジテレビ記者]田中さんは「意欲」はありませんか?立候補の。


[田中]私は今回、今、申し上げたように大文字のオリンピックを行う東京都ではなくですね、その東京に暮らす人々の為に、地に足の着いた小文字の部分、小文字・大文字という言い方も何か二元論的です(けど)ね。そうした、信州・長野県で私が行ってきた、あるいは県民の協力を得て(行ってきた成果)、福祉・医療・教育というものを国の制度が滞っているところを一緒に東京から変えていくという事で今回、立候補致しておりますから私は。よろしゅうございますか。


[記者]東京新聞です。出馬会見の時からですね、何故おおさか維新からなのかという事にかなり説明する事に言葉を割かれていらっしゃったと思うんですけど、その説明っていうのが今最終的に考えてみて都民の皆さんに十分に伝わったかどうか一つと、それから先程、争点隠しという風におっしゃってましたけど、憲法観みたいな事を十分に争点化できなかったみたいな事ってのは思いとしてはありますか。


[田中]今申し上げたように、憲法(論議)というのは即9条うんぬんだという風な捉え方があって、じゃあ9条をいじるのかいじらないのか、みたいな社会の見方、あるいは皆さんの報じ方がありますけども、その点に関して言うと松井(一郎)代表が(6月26日に秋葉原で)言ってる個人の価値観を否定するような憲法は違うと、反対だと、これは私と同じ考え方です。 

 


共同代表の片山虎之助さんが言っている緊急事態条項は必要でないと。(5月18日の)党首討論でですね、9条も変える必要はないと、これも私と同じですから、そして乳幼児から大学までの教育の完全無償化。これだけ(を)文章としてご覧になられたら、もしかしたら北欧の政党、あるいは、所謂皆さんが、東京新聞護憲派と捉えている方と同じですね。私はずっとイデオロギーとは無縁の社会の変革が必要だと思ってきておりますから、是非多くの都民のみならず国民の方に、今までの二項対立な護憲・改憲(護憲・壊憲)ではなくてですね、本当に国民の権利をより守る、より充実させる、それが憲法の基本だという事が、今後、更に皆さんの中で浸透する事を、私が立候補した意義(があるかと思います)。
大変、今日は、私どもの事務所は狭い所なのに長時間に渡ってお待たせをして、私は今来たので、(それでも)これだけライトを浴びて汗をかいておりますが、皆さんはよりこの狭い空間で長時間お待たせした事を大変心苦しい思いです。ありがとうございました。

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おおさか維新・田中康夫氏、国政復帰ならず 「投票してくれた方に感謝」
THE PAGE東京


 

 

皆様からのたくさんのご声援を頂き、誠にありがとうございました。心より厚くお礼申し上げます。

メディア出演、連載原稿など、これからの情報は「田中康夫 Official Web Site」(http://nippon-dream.com/)にてお伝えしてまいりますので、今後共何卒よろしくお願いいたします。

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