2016年10月25日 文化放送「吉田照美 飛べ!サルバドール 一発逆転!飛べサルクロスカウンター Yurikoファースト」?な東京都政&老獪なロシアとの北方領土交渉」 ゲスト 田中康夫

[吉田照美]『一発逆転!飛べサルクロスカウンター』火曜日は今の話題を舌鋒鋭くコメントするゲストが登場。今週お越し頂いたのはこの方です。
[室照美]元長野県知事で作家の田中康夫さんです。よろしくお願い致します。
[田中康夫]よろしくお願い致します。
[吉田]3月29日以来のご出演という事なんですけど。
[田中]もっと呼んで下さいよ(笑)。
[吉田]田中さんが来てくれないんじゃないですか(笑)。
[田中]さっきのニュースも、稲田様はほら、元々アタシと一緒に「TPPは国柄を変えるからいけない」って。
[吉田]言ってたよね。
[田中]TPPオッケーでPKOってんだけど、その前に、なんかタレントさんがハワイ行くようなサングラス掛けて、あのお洋服で・・・。トモチン知らない仲じゃないんだけど。
[吉田]うーん。あの格好は違和感だよね。

[田中]まず、TPPやPKOの前にTPOだろっていう(笑)。
[吉田]そうだねうまい(笑)ありがとうございます、頂きました(笑)。
[田中]で、前の大臣も今度の大臣も、ちょっと防衛大臣が泣き虫ってのはね。
[吉田]ねぇ。あんな事で。
[田中]軍事費って。軍事費って勇ましいお言葉を使いながら。
[吉田]ホントだなあ。
[田中]で、あの南スーダンって知ってます?
[吉田]え?どういう状況なんですか?本当は。
[田中]私も行った事はもちろんありませんけど、私が前住んでた世田谷の家のお向かいがスーダン大使館だったんだけど(笑)。
[吉田]あ、そうなのね?!。
[田中]まあ、いいや(笑)。それでね、南スーダンって、こないだ(稲田さんが)行った時も、メディアの人が、日本の記者は3人だけだったでしょ、代表取材。
[吉田]あ、そうでした、そうでした。
[田中]で、(稲田大臣が乗った車列が)前後装甲車、みたいな。
[吉田]そうだ。
[田中]だからあそこは、フリーランスとか普通のアメリカやヨーロッパの記者でも、向こうにとってけしからん事を書くとメディア用の刑務所がある・・・。
[吉田]あるの?!そんなのがあるの?!

[田中]あと、政府軍と反政府軍ってのも民兵も入ってるから、軍服かどうかも分かんないから。
[吉田]見分けがつかねーんだ。
[田中]うん。

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http://www.nytimes.com/2014/04/04/world/africa/from-a-quiet-rebel-base-plotting-an-assault-on-south-sudans-oil-fields.html?_r=0

[吉田]そんな状況下でしょ。でも「衝突」って事で済まされないよね。
[田中]ねえ。また「美談」になっちゃうんですかね。
[吉田]恐ろしい事ですよね。
[田中]うん。
[吉田]さあ、田中さんから今日はですね、今気になるニュースを2つ挙げて頂きました。1つ目は「小池百合子都知事が掲げる都民ファースト?」2つ目は「どうなる?!ロシアとの北方領土交渉」という事なんですが。
[田中]はい。
[吉田]まずは「小池百合子都知事が掲げる都民ファースト?」。まず、ここまでの小池さんの腕前というか手腕というか、田中さんとしては評価はどういう評価を下すんですか?

[田中]まあ、それは確かに八面六臂で、小池さん以外の方が成ったんだったら豊洲の問題もこんな風に出てこなかっただろうしね。
[吉田]これは間違いないですね。それはね。ホントですよね。
[田中]彼女は2008年に『東京WOMEN大作戦』って本を出してて、その中でね「アスベストの処理をしながら建物を新築し、さらに、営業も築地で続けるのはかなり手間暇も掛かるだろうが、工法を工夫しながら現在の場所で建て直すのが一番だ」って。
[吉田]2008年にはそう仰ってるんですね。
[田中]そうそうそう。で、「豊洲東京五輪用のメディア・センターなど、食との関係の薄い分野で活用すれば」って言ってるから、初心を良い意味で貫徹してるのかもしれない。
[吉田]あぁ、そうですね。ホントだ。
[田中]うん。ただね、僕、すごい不思議なのは、オリンピック・パラリンピック調査チームって、ほら、色んなチームが出来てるじゃないですか。
[吉田]あぁ、ホントホント。
[田中]で、97ページの調査報告書って出たんだけど、上山信一さんっていう方が特別顧問で、あの方はとにかく情報公開って仰ったじゃないですか。
[吉田]そうですね。
[田中]ところが、この調査報告書を作ったメンバーの名前って、この、97ページに載ってないんだよね。
[吉田]え?なんでだろう。
[田中]わかんない。
[吉田]え?その理由は分かんないの?
[田中]同時に調査をした人達とか、特別顧問だけじゃなくて下調べした人が一杯いるじゃない。
[吉田]そうね、それをはっきりさせないとね。
[田中]そこは全然載ってないの。
[吉田]そうだね、そこをやっぱりクリアーにして頂きたいですね。
[田中]あと、行政だから些少の金額かもしれないけど、特別顧問とかの報酬はいくらかって事も載ってないでしょ。
[吉田]ああ、そういうのも知りたいですね。
[田中]で、見たら「条例に基づいて支給する」って書いてあんだけど。
[吉田]う、うん(笑)。
[田中]その条例って昭和31年に出来たやつだから。
[吉田]ありゃりゃ。
[田中]どういう金額なのか・・・。
[吉田]はっはっは、ホントだね(笑)。今と沿うようなものにはなんないよね、恐らく。
[田中]うん。
[吉田]知りたいね、そういう事も。
[田中]一個思うのはほら、「都庁の全職員を粛正」って言ったじゃないですか。

[吉田]そう。最初「粛正」っていう言葉は、「清」の方かと思ったから、すごい事になるのかと。
[田中]あれ「しゅくせい」ってだって、北朝鮮かなんか、昔のソヴィエトのヨシフ・スターリンかと思った(笑)。
[吉田]最初はみんな一瞬思いましたね(笑)。「正」の方だったんだよね。
[田中]だから、私もほら、長野の時に最初の日に名刺を折った人いたじゃないですか。
[吉田]あれはすごかったね。
[田中]でもね、あの人は(当時のメディア報道で騒がれた事とは)違ったんですよ。あの人は「いや、アンタね」って、僕は昔からディスコに女の子に名刺配るのが仕事だったから(笑)。
[吉田]まあまあまあ、イメージはね(笑)。
[田中]そのまま知事になっちゃったからね(笑)。
[吉田](笑)。
[田中]そしたら、「あなたも同僚なんだ」と。だから「こんな仰々しい事、余所余所しい事やめて下さい」って。「では」って言って、カメラがワァーって居たから、まあ多分、今までカメラなんか来た事無いからさ、当時の(長野)県庁は。で、「やっちゃった」あそこだけ流されちゃった。
[吉田]あー。
[田中]で、みんな「(あの人を)替えろ」って全国からファックスだの電話だの。
[吉田]そうなるわね。
[田中]まあ、メールも2000年だから始まったぐらいだけど、ボコボコ来たの。でも私は「それ、違うな」と思って。というのは彼は「一緒に仕事やろう」という意味で言ってたわけ。
[吉田]あぁ、そういう意味合いで。
[田中]ただね、すごかったんですよ。彼が「『脱ダム』宣言」を支えてくれたの。知ってる?
[吉田]そういう事だったの?!それ知らなかった。
[田中]知らなかった?
[吉田]へー!?
[田中]ちょっと、小池さんの話に行く前に。なにかったらね、実は「県のダム9つ止めます」と。で、「河川改修します」と。ところが、国が南アルプスの下にダムを20年間計画して、毎年調査費払ってた訳。そしたら彼が来て「これ、県も調査費で3割負担してるけれども、ここで県が発電をやって中部電力に売電するって言うけど、これ採算とれません」って。

[吉田]なるほど。
[田中]「だから調査費やめましょう」って言ったの。
[吉田]えぇー!?
[田中]で「良いよ」って言ったら、国交省も実はそのダム、作りたいダムもあるだろうけれど「これはいらない」と密かに思ってた訳。
[吉田]へー!?
[田中]それで、国交省の人が「良いきっかけを作ってくれた」って。で、国交省が中止にしたの。
[吉田]そういう流れだったんだ。
[田中]だから、小池さん、今多分、一生懸命「職員!」って言って、目安箱みたいな物を作るって言ってるけど、やっぱり最初から北風吹かせたら・・・。それでそういう(目安箱みたいな)ところに来る人は今まで傍流だった人、良い人も居るかもしれないけど・・・。でも、主流にいるけれども守旧派、の心をもう一回変えてあげるってところをどういう風にやってくのかなと。
[吉田]なるほどなるほど。
[田中]それともう一個は、ほら、アスリートの人は「アスリートファースト。レジェンド。素晴らしいスタジアムの遺産を作って下さい!」って言うけど、都民の人は、「オリンピック、国際公約かもしれないけど、無駄なお金の、借金の負のレジェンドやめてよ」って思ってるから。両方、ある意味じゃ、アスリートファーストと都民ファーストって、ちょっと、なかなか一致しないとこもあるじゃないですか。
[吉田]そこはそうだよね。
[田中]で、そうすると、段々段々なんかこうね、Yurikoファーストみたいな・・・。
[吉田]それはどういう意味なんですか、Yurikoファーストってのは。
[田中]いや、なんとなく、小池さん、見栄えもあるし、発言もあれだから。
[吉田]そうね。確かに今、Yurikoファーストになっちゃってるかもね。
[田中]メディアがずっと映してんだけども。
[吉田]口では都民ファーストって小池さんは言ってるけど。
[田中]そうそう。でも、豊洲だって、まだ作り始める前だったら出来るけど、あそこまで出来ちゃって、あそこをメディア・センターって訳にもいかないでしょう。

[吉田]いかないよね。どうすんのかな。
[田中]あるいは宮城の人だって、結局ほら、バッハさんが来て、なんとなく・・・。
[吉田]釘刺されちゃったからね。
[田中]ねえ。宮城の人、ぬか喜びさせられちゃった。
[吉田]っていう思いが残っちゃうかもね。でも、どういう落としどころに田中さんの見通しとしては、小池さんやると思いますか。まもなく結論を出すんでしょ、これ。
[田中]今月中にね。だから、例えば、ローマの女性市長も「こんな借金抱えてるし・・・」って言ってオリンピックやめて、ボストンもやめて、今残ってんのね、ブタペストとパリとどっかだけでしょ。だけど、「それ」は言えないでしょ。
[吉田]「それ」は言えないかな。
[田中]だからやっぱり、着地点を皆さんに示した上でギチギチってやってくなら良いけど、今ね。
[吉田]そうだな。まあまあでも多分、落としどころっていうのは都民ファーストにならないような気がするな。
[田中]で、倉庫を一杯作っちゃった魚業者の人が、(豊洲が)使えないって事で万が一不渡とか出たりすると。
[吉田]そうだよね。
[田中]これはまた可哀想になっちゃうから。
[吉田]って話になっちゃいますからね。
[田中]だから、Yurikoファースト、どうなのかな?って思ってたら、なんとこないだオリラジの、オリエンタルラジオの中田さんも同じ事を。
[吉田]え?!どういう事言ってたの?
[田中]なんかテレビでね、僕と同じような事を言ってて、ワァって。
[吉田]えー、あそう?!
[田中]「なんか小池ファーストになってませんか」みたいな。
[吉田]そうなんだ。
[田中]うん。
[吉田]パーフェクト・ヒューマンだね、さすがにね。
[田中]だから、一生懸命膿を出すだけじゃなくて、さっき言ったように北風と太陽で職員のやる気を起こして・・・。
[吉田]っていうのは大事な事だからね。
[田中]うん。職員ってほら、なんでかって言うと「冷温停止」なんですよ。つまり、先輩が決めた事を自分が変えたら、天下った先輩に累が及んじゃうんじゃないかって思う訳よ。
[吉田]っていう事なのか。
[田中]だから「官対民」って言うけど、でも、「官」の人もみんなローン抱えて子供の教育も悩んでる訳じゃない。
[吉田]なるほど。
[田中]その人をもう一回「民」に。その人も都民だし。
[吉田]そりゃそうだね。
[田中]ね。国民だし。「民」に戻してあげるっていうところをどういう風にやるのか。なんか進駐軍が最初からゴワーってやって来ちゃったじゃないですか、上山さんとかが。
[吉田]そういう形になっちゃったからね。
[田中]そこがね、意外と都庁の職員の人も良い意味でのプライドがあるから。
[吉田]そりゃそうだろうな。
[田中]ちょっと心配。
[吉田]分かりました。そして2つ目です。「どうなる?!ロシアとの北方領土交渉」。これは田中さんの見方はどういう見方をされてるんですか。
[田中]これね、共同通信の調査でも「北方領土の進展に期待せず」っていう国民が60%なのよ。

[吉田]すごいな。
[田中]で、この間、ずっと錯綜してるんだけども「日本の帰属に拘らず平和条約締結検討」って言ってるでしょ。で、あるいは、「二島返還」。でも「二島」ってご存知のように歯舞・色丹って北方領土の7%な訳ですよ、面積的に言うと。じゃあ残りの2島は沖縄本島の3倍もある訳じゃないですか。で、しかも北海道新聞が書いたんだけども「ロシア側はそこは日米安保の対象外にしてください」と言っていると。そしたらその後、日経が慌ててというか「ここを共同統治地域にしましょう」って書いてる訳。でも、「共同統治」って、あそこにはロシアの人がね1万7000人近く住んでるし、元島民の人やお孫さんが仮に移るとしても、じゃあそこで裁判権とか警察権って誰が持つのか?

[吉田]はい。そういう問題がちゃんとあるよね。
[田中]あるいは「共同統治」って事になると、日米安保の対象外になっちゃうかもしれないし。じゃあそこは自衛隊が行くのか、ロシア軍がそのまま居るのか?で、今までこういう事例って、バヌアツってほら、南の方の島、あそこがイギリスとフランスが、あそこが独立する前に、島を共同統治ってのはあったらしいんだけど、ちょっとケースとして違うでしょ。よく言われてるのは、アメリカが今、選挙であんな具合になっててオバマさんもレーム・ダックだから、この機会にって。で、それが逆に言うと中国への牽制球になるって言うけど、中国とロシアはご存知のように、アムール川の所、あれはずっと紛争しててドンパチやってたのが、2004年に中露の国境協定が出来た訳よ。その時には面積も2等分してる訳よ。だからロシアはものすごく譲歩してる訳。そうすると今回「二島返還」って言葉だけど、(返還面積は)7%。で、中国とロシアは一緒に南シナ海で未だに軍事演習してる訳でしょ。そうすると、中国への牽制球に果たしてなるのか?と。
[吉田]本当だ。
[田中]で、平和条約結ぶって事は、現状の、ロシアの国境を認めますって事になる訳よ。そうすると一番問題は、ご存知のウクライナとの所のクリミア半島はロシアのものですって認める事になると、これはアメリカだけじゃなくてヨーロッパや他の国も黙ってはいなくなっちゃうでしょ。
[吉田]なるほど。っていう事になる訳だ。
[田中]で、一方で産経新聞が書いてたんだけど、稚内からトンネルか橋でロシア側に繋いで、それで大陸横断鉄道だと。そこまで新幹線持ってきてって。で、それで「シルバー世代のお金持ちがパリまで列車に乗って行けます」と。「その為に日本は一兆円出します」って言ってるけど、だけどさ、今まで「保守」っていう人達は、日韓トンネル
掘ろうって言ってた政治家が居た時には「けしからん!」と。「日本と朝鮮半島を繋ぐのか」って言ったのに、ロシアとの所、そんなトンネル繋いで1兆円日本の援助って言うけど・・・。

[吉田]ふっふっふ(笑)。
[田中]そりゃ、プラハの春のような、向こうが侵攻してくる事はないだろうけど、その経済効果どうなの?って。
[吉田]そうだよね。うん。これ、見通しとしては田中さんはどういう風に見てんですか?最終的に。
[田中]いやだから、私はほら、これ、実はなんと日本共産党が、全然私、縁無いけど、日本共産党(の志位和夫委員長)がこないだ菅さん(菅義偉官房長官)の所に行って(国会内で会談し)「中途半端な二島返還とかおかしい」と。「四島は元々日本に帰属するんだ」と。そして「平和条約をそんな状況で結んだら、それは世界の笑い者だ」みたいな事を言って、菅さんも「承りました」って言ってるんだけど。
[吉田]うんうん。
[田中]だから菅さんも悩んでらっしゃると思うな、俺は。
[吉田]そうなんだ。実のところはね。
[田中]だから、国民がほら、元々ね「進展に期待せず」ってのは、進展して欲しいかもしれないけれど中途半端は嫌って事だから。
[吉田]いかんって事だからね。
[田中]昔のね、日比谷焼き討ち事件のようにはならないにしてもだよ、あまり前のめりはどうなのですか?って気は致しますね。
[吉田]分かりました。是非田中さんには、また政界復帰をお願いしたいっていう、裏でも言ってるんですけどね。
[田中]いやぁ・・・また番組呼んで下さい(笑)。
[吉田]はっはっはっは(笑)。
[田中]一生懸命しゃべります(笑)。
[吉田]言葉を濁したという事で(笑)。元長野県知事・作家の田中康夫さんでした。ありがとうございました。
[田中]はい。こちらこそありがとうございました。

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