2018年2月27日 TBSラジオ「生島ヒロシのおはよう一直線 平昌オリンピック・北朝鮮交渉 働き方改革は過労死推進革命! 帝国主義時代にワープする日本 他」 ゲスト 田中康夫

f:id:nippon2014be:20180213104438p:plain

f:id:nippon2014be:20180227191525p:plain

[生島ヒロシ]さて、この時間のTBSラジオニュースです。国会ではですね、来年度予算案の今日の衆議院通過を目指す与党と、働き方改革関連法案の提出断念を迫る野党が昨日の夜協議を重ねましたが物別れに終わりまして、予算案の採決は明日以降に先送りとなったということなんですね。与党側は来年度予算案の今日の採決を野党側に提案していたんですが、立憲民主党などは裁量労働制に関する厚労省の不適切なデータ処理問題などを理由に、求めていた働き方改革関連法案の提出断念に与党が応じないことから反発。予算審議を拒否する姿勢をみせていたという事ですが、協議が整わなかったことで与党側は今日の衆議院予算委員会と本会議見送り、予算案の採決明日以降と。まあずいぶんこれも取り上げられていますけどね。

[田中康夫]まぁでも、自由な働き方って言うんだったら、今、既にフレックス・タイムとかね時間単位の有給とか、あるいは自分の自宅でパソコンでやるリモート・ワークとかあるんだから、その辺のことも全部トータルで話せばいいのに、なんか不思議だよね。それと、確かにデータそのものは精査してるから撤回しないって言ってるけど、そのデータの計算の仕方がそもそもみんな変だったところが、なんかこんなところを政府側もメンツ張らないで・・・。

[生島]ホントですよね。詫びることは詫びたんだけど、意固地ですよね。

[田中]うん。

[生島]さて次のニュースです。安倍総理はイギリスのメイ首相と電話会談をしまして、北朝鮮関連船舶による海上での違法な物資の積み替え、いわゆる「瀬取り」への対応で連携していくことで一致したということですね。非核化を前提としない限り、意味ある対話を行うことはできないとした上、北朝鮮への最大限の圧力の必要性を改めて強調。「瀬取り」への対応で緊密に連携していくことで一致したということです。一方、小野寺防衛大臣はですね、アジア太平洋の安全保障を担当するアメリカ国防総省シュライバー次官補と会談。シュライバーさんはですね、平昌オリンピック後に米韓の合同軍事演習を再開させると、北朝鮮に圧力をかけ続けると述べたということですが。韓国側は、決めるのは自分たちだから米韓合同軍事演習をですね今回は先延ばしするみたいなニュアンスのことを言ってる人もいましたけれども、アメリカ側は強硬ですね。

[田中]ただ、トランプ氏もね、前向きな対話を引き出すための圧力って言ってるわけですよ。だからすなわちこれね、とんでもないことだけども核を持っちゃったわけだよね。

[生島]だよね。

[田中]じゃあ、持っちゃった国とは、対話というか話し合いをしない限りは答えが出てこないってところだから。残念ながら日本の報道はどうしても、圧力って言葉だけがね最後に強調されるんだけど、中国も韓国も、あるいはロシアも前向きな対話を引き出すためにどうするかって話してるんで、ここがちょっと日本はもう少し冷静になった方が僕はいいと思うんですよね。

[生島]第一生命は健康診断の結果を提出すると保険料が最大2割安くなるという新しい保険を発売するという。

[田中]そうそう。

[生島]来月下旬に発売される予定なんですが、契約する際に健康診断の結果を提出すると、保険料は最大でおよそ1割、血圧などの数値が良好ならばおよそ2割安くなる仕組みということです。診断を受けた人は受けていない人よりも脂肪や三大疾病のリスが低く、保険金の支払いが抑えられるということで可能になったということなんですね。顧客の健康増進が期待できて保険会社にとっても収益が安定するメリットがあるということで、保険業界では顧客の健康状態によって保険料が変わる商品の開発が進んでいるだろうということですね。

[田中]今までこういう保険がなかったってことの方が不思議だけど、僕も年に2回は血液検査と尿検査をして、あと1回は内視鏡検診をやってるんだけど、やっぱり大企業はこれを義務付けるべきだろうし、小さな会社に対しては逆にこの部分の費用を国が出してあげるくらいな、これが本来、予防医学だよね。

[生島]康夫ちゃん、大学生53%、読書時間ゼロだっていうんですけど・・・。

[田中]そうなんですよ。これはねぇ、驚い・・・。まあ昔、僕の頃もほら「何してたの?」って女の子に、まだ当時、携帯も無い頃に電話すると「読書を」って言うから何かと思ったら女性誌読んでたら「読書」って(笑)2、30年前も言ってたけど、今やそれすらネットだからっていうね。

[生島]ねぇ、ちょっとどうなんでしょう。やっぱり本を読むことによっていろんなことは学べるじゃないですか。自分と違う人生も本から学べたりするじゃないですか。
良いんですかね?

[田中]そういう、自問自答の時間ってのがね、人の考えを聞いて考えるってのがなくなってきちゃってるから、すごい短いフレーズだけ、ネットですごく情報は入ってきてるつもりでいるんだけど、ちゃんとそれも分かってなかったりしてね。

[生島]ちょっとまあ正直、心配ですね。で、漫画の売り上げも電子が紙を上回っているという。

[田中]そうなんですよ、うん。

[生島]時代の変わりってのはすごいスピードですね。

*

[生島]そんな中で、羽生君はですね、子どもたちに夢を与えたいと、基金を設立したいと。そして2020年東京オリンピックに出演したいと。「連覇で始まる2大プロジェクト」を『女性自身』が特集していますけどね。結弦君はスケール感というか、自分がメダルを取ることもそうですけど、自分が社会的にも影響力が大きいから日本の将来の子どもたちにも何か影響を与えたいとかって意識、すごい高いですよね。

[田中]まああと、僕は個人的には小平奈緒選手。

[生島]長野の。

[田中]松本市にある相澤病院ってね、相澤孝夫さんて理事長は日本病院協会の会長でもあるんだけど、すごくちゃんとした地域医療と先端医療をやってて、僕も知事の時に「この病院を見習わないといかん」てことをだいぶん言って。そしたら、なかなか頭ん中変えられない医師の方からは「何だよ」って。「えこ贔屓かよ」と。そうじゃないんですよ 。たいへん立派な病院なんで。

[生島]その小平選手が、なかなかサポートしてくれる会社が無いときに、地方の病院で、例えば選手をサポートするために年間1000万円とか。で、いろいろな海外へ行った
りとか、もっと掛かるわけでしょうけど、そういうことをですね二つ返事でやってくださるってすごいなあと。

[田中]病院の宣伝のためにやってるわけじゃないって繰り返しおっしゃってますけど。

[生島]いやいやたいしたもんですね。皆さん本当にみんなが綺麗な花を咲かせてくれたと。言葉の力もありますよね。

[田中]うん。だから本当に、ハーフ・パイプのね平野歩夢さんも19歳で、みんなすごいよね言葉が。日本の若者がこんなにちゃんとしたしゃべり方をして。

[生島]そんな中で、日本の大学生、読書時間5割がゼロって。

[田中]これはねぇ、やっぱりアレだよね、やっぱり自分自答するために読む。あとやっぱり小学校でも音読ってことをさせないとね。

[生島]音読ね。やっぱり読むということ重要ですよね。

[生島]今日は作家の田中康夫さんとお送りしています。服装は外見よりも内面じゃないのと、例のアルマーニ制服騒動で。

[田中]これはまず、校長が誰にも諮らないで独断でやっててね。エルメスとかに断られて逆にアルマーニ、逆にブランド・イメージどう?って話だけど(笑)。でも、公立でしょ? もちろん泰明小学校も銀座の真ん中で歴史あるけれども、でも公立の学校を維持するためにあれもほら、全域から来れる、住民票なくても来れるみたいな、本末転倒だよね。あるいは、公立でなんでこの標準服と称する制服を作るかってのも変でね。そういう議論に行って欲しいよね。アルマーニ云んだらっていうところで止まってないでね。

[生島]あと、毎日新聞の一面トップにですね、オリンピック壮行会非公開、JOCの規制を改善して欲しいと、今日、私立の大学が政府に要望するということですが。

[田中]なんかそうなんだってね。壮行会を大学でやる時に、一般公開するとこれが大学の入試用の宣伝になるからって、JOCは頭堅過ぎじゃないの。

[生島]そういうことなんだ。

[田中]そういうことって変でしょ?そんな妙な精神論はありえんと思うけどね(笑)。そんなことが今まで続いていたってのも謎だよね。

[生島]確かに考えすぎって思っちゃう、一般的な感覚からするとね。もうちょっとこう、おかしなことをすっきりさせて欲しいですよね。

[田中]ホントに。

*

[生島]生島ヒロシの『おはよう一直線 今朝のニュース・ピックアップ』。さて今朝は田中康夫さんに気になるニュースに触れていただきましょう。

[田中]このね、民泊でアメリカ国籍の男性に女性が殺された、で、規制緩和って、例えば野沢温泉とかで、小っちゃい頃ほら、民宿、それはちゃんとそこに家族も住んでてお料理も出してくれる。この民泊って本当に誰が泊まるかのチェックする人もいなくて、しかも、これは小さな、本当に町に根ざしたような旅館とか、そういうところの民業圧迫でしょう。

[生島]ですね。

[田中]これを規制緩和って言っている今の日本の行政があり方ってのは、ちょっと考えないといかんじゃないかと。

[生島]リスク高いですよね。

[田中]こういう事件が起きてから見直すなんてのはね、想像力を持つことがリーダーの役目だと私は思うんだよな。まぁ、本を読まない人が多くなっちゃったってのもあるけど。
あと今ね、三菱東京UFJ銀行は4月、エイプリル・フールの日から「三菱UFJ銀行」に・・・(笑)。

あと、みずほフィナンシャルグループ、ベア・アップしないって言う。まあそりゃあ確かに銀行、お給料いいでしょうと。その代わりストレスあるかもしれないんだけれども、でも逆に言うと、2%成長とか、給与は上げようってところが、経団連の幹部の企業もこうなってるってのも、政治の力が弱まっているのか何なのか。明日に希望を持つ社会になかなかならないってのはね。

[生島]昔、僕らの頃は年が改まれば給料は上がってましたもんね。

[田中]はい。

[生島]いい時代でしたね。

[田中]あと、働き方改革っていうけど、前向きな言葉だけあるんだけれども、現実問題でこれ、裁量労働制って好きな時にお前たち働くぞーって上司に言われて、そっかー
って言ってたら、その代わり俺が与えた仕事が終わるまでは帰れないよってのが「裁量」だからね。だから大杉漣さんみたいに過労でこうなられるのは不幸なことなんだけど、生島さんとか僕らも自分で自分の時間、忙しくても暇であっても自分で決めるじゃない。でもこの裁量労働を入れましょうっていうのは組織の一員だからね。自分で自分の働き方を決められない人たちにこれをしちゃうっていうのは、ましてやデータが一般労働の労働者の残業時間の方が長くなる結果を引き出したデータだったんだから、これを精査するから撤回はしませんってのも変で、これはもう1回全部最初からやり直しだよね。

[生島]その方が良いと思いますね。やっぱり組織中で自由にってのは、現実問題ね・・・。

[田中]そう。だから晴耕雨読って、農業をなさってる方も大変だけど、一応自分で決められるんだよね。だからバカンスって概念が出てきたのも、タイム・カードがある前、出来上がる前からだんだん、給与所得者というのは自分で自分の時間決められないから、ちゃんとまとまった休みを取らせないとストレスがたまるよってところから来てるんで、そうした議論をしないままフレックス制もありますとか、あるいはテレ・ワーク的に自分の家でパソコンやって仕事を会社行かなくてもできますとか、いろんな制度があるのに、そこのことをすっ飛ばして単に裁量労働ってことだけ入れましょうっていうのは、僕はこれはね、違うと思うんだよ。

[生島]よく言われる、仏作って魂入れずっていう・・・。

[田中]そう。

[生島]そういうことですよね。

[田中]だからこれは多分、学者の人も経営者の人も、現場の想像力が無くて来てるわけでしょ。そうすると、帝国主義の時代にねワープしちゃってんじゃないかなっていうね。

[生島]あと帝国主義って、中国ですけども。いわゆるですね、習近平さんもずーっとやりますよって感じですよね。

[田中]これはねぇ、確かにまあ、あれだけデカイ国を運営するために習近平氏に期待してた部分もあると思うけど、これはいかんよね。でもこれ、中国だからって思ってるけど、どうもアメリカでもロシアでも日本でもトルコでも、こういう流れのリーダーみたいになってきてるってのは、先ほどの働き方改革があって帝国主義の時代に戻ってっちゃうのと同じで、人間は進歩しているのか、本読まない大学数が半分っていうんで劣化しているのか、悩むところですね。

[生島]悩むところですね。

 

2月19日ツイート

裁量労働制の人と一般労働者との労働時間を比較した厚生労働省の調査で、一般労働者には「1カ月で最も長く働いた日の残業時間」を尋ね、
裁量労働制の人には単純に1日の労働時間を質問し、一般労働者の残業時間の方が長くなる結果を引き出していたことが分かった。
https://twitter.com/loveyassy/status/965412508168105984

「同一賃金・同一労働の死角」「モーニングCROSS」文字起こし 2016年10月26日
http://nippon2014be.hatenadiary.jp/entry/2016/10/26/155148

「職務給・職能給」 「VERDAD」「田中康夫の新ニッポン論」2016年12月号
http://tanakayasuo.me/archives/19986

クリエイティヴなホワイトカラーの働き方」「モーニングCROSS」文字起こし2016年12月8日
http://nippon2014be.hatenadiary.jp/entry/2016/12/08/190547

日本のフォックスTV 讀賣テレビに関する@higevision  さんツイート
https://twitter.com/higevision/status/966556805760393216

裁量労働制とはこういう制度 佐々木亮
https://news.yahoo.co.jp/byline/sasakiryo/20180222-00081906/

データ比較問題からみた政策決定プロセスのゆがみ 上西充子
https://news.yahoo.co.jp/byline/uenishimitsuko/20180221-00081859/

裁量労働制の方が労働時間が短いかのような答弁は何が問題か 上西充子
https://news.yahoo.co.jp/byline/uenishimitsuko/20180212-00081528/

裁量労働制の労働者の方が一般の労働者よりも労働時間が短い「かのような」答弁のデータ 上西充子
https://news.yahoo.co.jp/byline/uenishimitsuko/20180203-00081208/
https://news.yahoo.co.jp/byline/uenishimitsuko/20180206-00081326/
https://news.yahoo.co.jp/byline/uenishimitsuko/20180210-00081457/
https://news.yahoo.co.jp/byline/uenishimitsuko/20180210-00081478/

f:id:nippon2014be:20161101171742p:plain

 

ファディッシュ考現学(新潮文庫)

ファディッシュ考現学(新潮文庫)

 
昔みたい(新潮文庫)

昔みたい(新潮文庫)

 
恋愛自由自在 (角川文庫)

恋愛自由自在 (角川文庫)

 
サースティ (河出文庫)

サースティ (河出文庫)

 
H (河出文庫)

H (河出文庫)

 
神戸震災日記(新潮文庫)

神戸震災日記(新潮文庫)

 
ムーンウォーク --- マイケル・ジャクソン自伝

ムーンウォーク --- マイケル・ジャクソン自伝

 
たまらなく、アーベイン

たまらなく、アーベイン