2018年3月3日 TOKYO MX 田村淳の訊きたい放題!全入時代の高等教育の問題点 日本だけ取り残された北朝鮮問題 羊頭狗肉な働き方改革 意味不明な9条壊憲 ゲスト 古谷経衡 田中康夫

 

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[田村淳]こんばんは、田村淳です。
[阿部哲子]阿部哲子です。
[田村]さぁ、始まりました『田村淳の訊きたい放題!』。早速、本日ゲストのご紹介です。元長野県知事で作家の田中康夫さんと文筆家の古谷経衡さんです。
[田村]よろしくお願いします。
[阿部]まずは一週間のニュース・フラッシュです。
[田村]色々ありましたが古谷さん、この中だと気になるのはどれになりますか。
[古谷経衡]②と⑤が気になるんですけど、あえて2つ選びました。北朝鮮のニュースって毎度日本でやりますけども、北が対話する、あるいは強硬姿勢を見せるっていうシーソーみたいなですね、対話-強硬-対話-強硬というのは、これは繰り返すわけですよね常に。だからなんかね、一喜一憂しすぎ日本の報道が。なんかこう、米朝対話用意だったら態度を軟化させてくるんじゃないかって言う。今度ミサイル飛ばしてきたらやっぱりヤバいんじゃないかって言うんだけど、常にずっとそういうことをやってるんです。ずっとシーソー。それは他の国もそうなんです。アメリカもそうだし日本もそうかもしれない。イランだってそうかもしれない。全部の国がやってるんで、一朝一夕に、北が米朝対話の用意って言って、おおっ?!とかって言わないで、ちょっと引いて見たらどうですか?変わんないですからね。
[田村]政治的手段、手法の一つだと思ってもっと構えて見ないと。
[古谷]そうそう、一喜一憂しすぎ。これで南北が、北に飲み込まれるっていうのもおかしいし、逆に北が解放されるっていうのもそれは全然今ないですかね。
[田村]なるほど。
[田中康夫]だからベルリンの壁が崩れるような、朝鮮半島の一体化ってのはそんな急に来るわけでは断じてない。トランプ氏が言ってるのも、前向きな対話を引き出すための圧力って言ってるんですよ。あるいはプーチン氏は、もう外交の対話しかないって1年前から言ってる。なぜかって言うと、多分、核を持ったと豪語してるけど、多分、核を持っちゃっているわけでしょ。
[古谷]持ってますね。
[田中]そうすると、なんだよって言ってる人達は、なんでバラク・オバマ氏の時に核を持たせるまでの間を結果的に先進国は放置してたんだよって話なわけで、持っちゃったならば、だってパキスタンだってインドだって持ってしまえば、イランだってってとこがあるから、だから大きな流れは対話に行くんですよ。
[田村]なるほど。
[田中]なのに、知ってる?日本って対話じゃないよって言ってたでしょ。だけどマイク・ペンスさんって副大統領も、やっぱり対話をするって言ったら、日本の外務大臣は対話なんていう言葉は使ってないと、対話が外交用語でdialogue(ダイアローグ)なんだけど、彼はtalkと言ったと。talkってことは接触っていう意味だって言ったの。そんな新しい英語の辞書ができたと思ったら・・・。

田中康夫YouTube公式チャンネル「だから、言わんこっちゃない!」

Vol.237『実は、英語だと共に「Forces」! 詭弁だらけの島国ニッポンの改憲議論w』

Vol.236『「対話はしないが雑談はする!」 もはやアメリカからも「お荷物扱い」?「害無・誤植w外務」太郎ちゃん(涙)』

河野外相、北朝鮮との対話「得るものないと共通認識」
「対話」と訳したメディアがあったが、正確には「接触」というふうに訳すものだ
2月17日
https://www.asahi.com/articles/ASL2L02QJL2KUTFK00F.html

ペンス氏、米朝対話の可能性示唆 「北朝鮮が望めば」2月12日
https://www.asahi.com/articles/ASL2F2HJDL2FUHBI005.html?iref=pc_extlink

政府、雑談名目なら応じる 2月27日
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2018022601002085.html

2月27日「共同通信」会員サイトにアップされた
洞察力に富む2本の記事はこちらでお読み頂けます。
➡政府、雑談名目で応ずる 米と歩調、拉致交渉探る
http://tanakayasuo.me/top/wp-content/uploads/2018/03/f17b7928a4ed44d0501d9ca8cf60ce30.pdf
➡日本政府、置き去り懸念 PDF2
http://tanakayasuo.me/top/wp-content/uploads/2018/03/f53240cb49430ce509b5c62d6b7cc357.pdf

[一同]はっはっは。
[田中]一昨日、これ、共同通信しか流さなかったんだけど、なんて言ったと思います?対話はしないが雑談ならば行うって言ったの。
[一同]へー?!
[田中]英語ではchatって書いてあったの、でもそんなこと言ったら日本は拉致でまだ帰って来ない人がいるのに、向こうも話し合うって時に、対話はしねえけど雑談ならするって、外務省と外務大臣が言ってなんなの?って。世界は多分、中国だけじゃなくてロシアもアメリカも韓国も、持ってしまったものを暴発させないために、圧力っていうのは軍事じゃなくて引き出す対話って言ってるのに、日本だけ取り残されてる気がして不安でしょうがないんですけど、逆に。

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[古谷]北朝鮮って、国連加盟国190カ国ぐらいの中の165カ国と国交を持ってますから、孤立してるように見えて結構太いパイプを持ってるんですよね。
[田中]あともう一個、北朝鮮レアアース。携帯電話の、今、中国が9割の市場を持ってるんで中国が価格決めてるんで困ったってみんな言ってるの。中国の6倍のレアアースがあそこには眠ってるんですよ。
[田村]え?眠ってるですか?
[田中]そうです。で、北朝鮮にはウランとかマンガンとか世界の半分が眠ってるんで、これ、北朝鮮が言ってるんじゃないの。アメリカの資源探査衛星が出してるデータで、そんな北朝鮮を大喜びさせるようなデータをアメリカが出すわけないでしょ。逆に言うと自動車の触媒に必要だった白金・プラチナを持ってた南アフリカを、アパルトヘイトはけしからんけど君たち変わってくれって、世界中が言ったのと同じなのに、僕は日本は本当に経済の意味でも、経団連なんかもっと何か違うこと言ってほしいと思うけどね。
[田村]でも変わらない国なんでしょ、ひとつのアプローチが急に変わったりしないわけですよね。
[田中]それを変えるためにこの番組があって。
[田村]いやー・・・(笑)。
[田中]田村さんも発言してるんでしょ?
[田村]全然ニュースにならないんだよね(笑)、この番組で出てくる事って。物凄いね。
[田中]そうなの。
[田村]新しい切り口のことがあるぞと思うけど、全然、他の人から・・・。
[田中]だから如何に記者クラブの人が鈍感力かっていうね。
[古谷]もう一つ、9条。9条2項維持っていうのは、実はこれ、良いことだみたいなことを言ってるんだけど、戦後の保守派とか右派がこれには 最も反対しないといけない。なぜかというと戦後の右的な人って、9条2項こそがガンであるみたいな話をずっとしていて、石破案を本当は推進しないといけないんですけど、なんかあんまり石破さんが人気なくて9条2項維持+自衛隊も付け加えるんでいいじゃんみたいなことを言ってて、あれあれ?っと私は思いました。
[田中]これはね、安倍さん一生懸命やってるって人たちからすれば逆にすごい怒らなきゃいけないし、逆に安倍さん怖いよって言ってた人とか、2項残してくれるからちょっと安心ってのは両方鈍感すぎるの。なんでかって言うと、日本の役人の言葉、英語に訳したら簡単なんですよ。自衛隊ってSelf Defense Forceというわけです。そして軍隊ってforces。ということは両方forceで同じなの、forcesって「軍」なんですよ。だから僕は逆に憲法は、もし変えるんだったら、変える必要はないって思うけど、1項で専守防衛ですと、日本は。日本のことは守りますと。そして2項では、自衛隊阪神や東北(の被災者支援活動)で喜ばれたように天変地異があった時には世界中で真っ先に駆け付けますと。つまり人を殺しに行くんじゃなくて人を助けに世界では貢献しますと。

 【関連リンク】 15/3月号 憂国呆談 season2 volume56◆ソトコト15/3月号パリのテロ襲撃事件から、「イスラム国」の存在、話題作『21世紀の資本』、戦後70年の節目まで。

【関連リンク②】新党日本の地上(じべた)十策「10」 「サンダーバード隊」創設!

【関連リンク③】[田中康夫メッセージ] 2007.05.24 憲法9条に「サンダーバード」の役目を via 田中康夫Official Web Site

【関連リンク④】 2010.10.21 戦争を起こさず国益を勝ち取る戦略と戦術 日刊ゲンダイ 連載『にっぽん改国』 via 田中康夫Official Web Site

[田村]なるほど。
[田中]でもそれは消防や警察の人だって傷つく事あるわけで、緊急の人も。でも、自衛隊をforcesって2項で言ってて、それは持ちませんって言ってて、3項で防衛のforceは持ちますって多分、英語の人からしたら・・・。
[古谷]ははは。
[田村]すごい憲法だって(笑)。
[田中]だから英語の達人の河野太郎さんは是非、この番組に呼んで訊いてみたらどうでしょうか(笑)。
[田村]いやぁなかなか自民党の人、来てくれないんですよ(笑)。自民党で来てくれた人ごくわずかですよね。見てます?自民党の方。いつでもお越し下さい。田中さんはこの中だと・・・。
[田中]なんでオリンピックに出る人の壮行会、3番なんだけど壮行会を学校でやるのを公開したり報道しちゃいけないって。
[田村]なんでJOCがそんなことまで規制するのかって。
[田中]翌年の受験者が増えるから、増えるから商業利用だとか言ってるんでしょ。でもそりゃ、国としてメダルの数を競い合うんだったら、必ず政治でもあるわけじゃん政治とスポーツは。これすごい妙だし・・・。
[田村]ですね。
[田中]あともう一個は、カーリングの人たちも、カーリング・チームを維持するのは大変だからって300万目標にクラウド・ファンディングしたけど、4万円も集つまんなかったんでしょ。そうするとITのプロの評論家っぽい人はやり方が下手だったんだと。だけど違うと思うんですよ。後半の大学関連のニュースにも繋がるけど、小さなスモール・スポーツ 、あるいは基礎研究のスモール・サイエンス、そうしたところに国は5万でも50万円でも出すって事が必要で、こうなったら急にまるでなんかね、よかったねっていう電話ラッシュみたいなのはちょっと・・・。
[古谷]僕は冬季五輪でカーリングの方がね、サッサッサって掃くでしょ、あれで4mぐらい違うってのを初めて知ったの。
[田中]そうそう。
[古谷]それだけです。
[一同](笑)。
[田村]今まで知らなかったけど、メディアが取り上げて知るってのは大きい事ですよね。
[古谷]あれでそんなに伸びるかなと思ったら伸びるんですってね。
[田村]何にも無いのにあんなに滑らないでしょ。
[古谷]すごいですよね。
[田村]まあ、JOCのあり方みたいなことはちょっと考えないと。どこまで権限を持っているのかっていう。
[田中]一番遅れてるよね、JOC
[田村]ですよね。
[田中]高野連かお前らは、・・・はい。
[鈴木奈々]何?何々??
[田村]高野連も共に、ですけど(笑)。僕は高野連の事については何も言ってませんが(笑)。JOCに関してはなんかちょっと権限を持ちすぎなような気がして。
[田中]だって、選手ファースト・国民ファーストって言って、自分たちがファースト・クラスで選手にエコノミーに乗ってんでしょ。
[田村]そうなんですよ。
[田中]役員が。
[田村]JOCは活躍した選手が日本に帰ってきてCMとか出る場合、特例もあるそうなんですけど、ほとんどの場合100万円以上の収入があった場合JOCを通さないと そういうお金は貰えないっていう。後はJOCに流れ込むという話聞きましたけど。
[一同]えぇー?!
[田中]と、と、と、とんでもない置屋だね、置屋商売じゃん。
[田村]そうですよね。ホントに選手の為になってるんであればね、お金も。
[古谷]それは人民が立ち上がらないといけないですね。
[田中]そう(笑)。
[田村]そうなんですよ。
[田中]だからJOCの役員になっていくような選手も、そういう栄達が上手い人がなってっちゃうから。本当に生涯一現場の人の気持ちが分かる人であって欲しいよね。
[田村]いやぁ、ただね、ここで話した事をすぐヤフーの人、ニュースにするべきだと思いますけど!(笑)。誰が不倫したとかどうだって良いでしょうが、もう。伝えるべきことを伝えるメディアの仕事を僕たちはやっていきます。


[田村]僕が気になった今週のキキタイテーマはこちらです。「18歳人口激減で大学はどうなる?高等教育の問題点を考えよう」。今週は高等教育の問題点について考えていきたいと思いますが、鈴木さんは如何ですか、大学に行っておけば良かったと思いますか。
[鈴木]今の自分は芸能界の仕事をしてるから大学に行かなくてもやっていけるなと思うけど、この仕事に就いてなかったら大学は卒業していた方が良いと思いますね。
[田村]やっぱり学歴は大切だって・・・。
[鈴木]大切だと思います。やっぱり大学を卒業しないと取ってくれない会社とか今増えていると思うんですよ。だからこの世は・・・。
[田村]この世は(笑)。
[鈴木]この世には大学卒業とか、そういう学歴って大切なんだろうなってすごい感じますね。違うのかな?
[古谷]学歴が大切か大切じゃないかってのは永遠のテーマで、持ち家か借家かって永遠に論争してるじゃないですか。
[田村]どっちが良いのか。
[古谷]うん。ヤフーとか雑誌とかね。結論つかないですけど、これはライフスタイルの問題なんですね。引越して転々としているのが良い人とずーっとここに住みたい人。だから大学も、まあ医者になるためにはね、医学部行かないと国家試験を受けられないからそういう人はともかく、僕はサラリーマンをやったことがないからだと思うんですけど、僕はあんまり感じないんですよ。ただ、無いのかというと学歴によるフィルタリングみたいな、まあ、あると思いますね。無い無いって言ってる会社ほどあると思います。
[田村]ですねー。
[田中]だから専門的な、例えば建築家の安藤忠雄さんだって東大や早稲田出てるわけでもないけども独学で学んで、あれだけになって東大の教授で逆に建築を教えていたわけで、その人の持っている能力や努力かもしない。だから奈々チャンのおっしゃってるのは確率としてはね、そこで勉強してきた人の方が会社は使えるかなぁと思っていいんだけど、その確率は外れっぱなしって感じでもあるんだよね、まあ会社でもね。難しいところだね。
[田村]だからこれは永遠のテーマって古谷さんもおっしゃいましたけど、僕は今回、大学受験してみて思ったのは、僕は法学部に入りたくて、法律を勉強したくて大学を志し 始めたんですけど、でも周りで、この1年間でものすごい数の大学生と話したんですけど、なんで大学行きたいのって話すと、明確に、何かこういう目標があるから入るって人がものすごい少なかった印象なんです。大学に入ってからやりたいことを考える人が多かったんで、僕の大学の行き方とは違うなっていう印象があったんですけど、でもやっぱり日本で、自分が社長だったとして人を選ぶ時に、まあこの大学とこの大学出ている人の方が処理能力とかはできるのかなと思って、選ぶひとつの基準としては相当デカい割合を・・・。
[田中]そうだね。失敗しないための確率論。
[田村]そうですよね。
[田中]だけどそれも崩れてきちゃってるかもしれないし。
[古谷]僕、大学に行きたかった理由って、僕は文学部だったんですけど、その中の歴史学科だったんですけど、歴史を勉強したいっていうのもあるんですけど、僕の一番の目的はやっぱり大学に入って、大学デビューしてリア充になりたいっていう。
[一同](笑)。
[古谷]ホントにそれが目的だったんですよ。ただ、それを2年ぐらい続けてやっぱり無理だっていう時に、初めて大学の学究っていうものの素晴らしさに気づいたっていうクチ なんですよ。最初は歴史とか、別にそんなの自分で本読めばいいじゃんと思ってたんですよ。でも、なんかリア充になれないと思ってやっぱりが大学って大事だなって思ったんですけどね。
[田村]最初はリア充目的で入ったけどでも。
[古谷]そう。
[田中]まあ、みんなが行くからっていうことだったんだよね。
[古谷]そうですね。
[田中]だけどそれは、就職だってリア充になりたいと思ってテレビ局を受ける男はいまだにいるわけじゃん。モテると思って。
[田村]そうですね。
[田中]新聞社よりはモテんじゃないかって。
[田村]いまだにテレビ局を目指してモテると思って入ろうとする人って、ホント時代遅れだなって(笑)。何かやりたいこととか作りたいことがあってテレビ局入るんだったらまだしも 、モテたいからテレビ局っていうのは、いや、テレビ局の人間モテないですからね。こんだけ傾いてる産業ないんだから(笑)。そこまで言っちゃった(笑)。
[田中]だから高校の段階で、明確に自分はいい調理師になりたい、あるいは良い美容師になりたい、AIが出てきて、多分、調理師と美容師のすごい人は多分、我々が生きてる間は安泰なんだよね。他の仕事はみんなAIになっちゃうかもしれない。
[田村]取って代わられる・・・。
[田中]さっき奈々さんが言った、明確に何かないからとりあえずもう一回判断する期間で・・。
[古谷]だから高校の指導部は生徒に、どの学校に行きたいからどの進路にしたいからとかじゃなくて、まず国立大学の合格者のパーセントをうちの学校であげたいと。次は有名私立のパーセント、医学部のパーセントを上げたいという、それが進路指導であって別に君がどういう人生を送りたいかっていう話は僕は一度もされたことないですね。
[田村]なるほどね。
[古谷]うちの高校の場合は如何に全生徒の中の国公立大学の合格者を増やすかっていうこと以外を話されたことないですね。
[田村]へー。
[古谷]別に工学部だろうが文学部であるが経済学でだろうが、とにかく国立に行けばうちの学校としての得点だっていう。
[田中]そういう発想でしょ。大学もそうだよね。どれだけ就職させたか、どれだけアレしたかって言うんで文科省のお金を貰うっていう風になってるんだけど。
[古谷]まったくそうです。
[田中]この表でね、2032年までに全18歳人口が減っちゃうよって言うんだけど、文科省はね、実はここまでしか出してないのよ。でね、ちょっとこれいいですか。 20年後には実は日本の18歳人口、80万人。すなわち、1/3減るんですよ。例えば団塊世代って今もう70歳。その人たちの時には大学進学率が少なかったけど、その人たちが18歳になった時には日本の大学の数は国公私立317だったの。で、今、18歳人口が全然少なくなっているのに2016年の段階で777も国公私立が、学校があるわけよ。

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[田村]へー?!
[田中]で、その学校をどうする?っていうけど、文科省はこの問題を、普通、産業だったらスクラップ&ビルドどうしますかって話なのに、なんか謎だよね。
[田村]そうですね、だって18歳の人口はどんどん減ってるのに大学が増えるって、鈴木さん。
[鈴木]だからどうすればいいんですかね、大学だって増えてって・・・。
[田村]経営していかないといけないでしょ。
[鈴木]だけど人口が少ないわけじゃないですか。
[田村]子供の数が減っていっているわけですから。
[鈴木]どうやって大学、やっていく・・・。
[田村]鈴木大学の経営者だったらどうします?
[鈴木]人入って来なかったらさ、お金にならないですよね潰れますよね。
[田村]そうです。どうします?
[鈴木]え?!借金。
[田村]借金?!(笑)。
[鈴木]借金するしかないでしょ(笑)。
[田村]借金してまで人に教えたい(笑)。
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[田村]今週のキキタイ、高等教育の問題点について考えていこうと思いますが、鈴木さんがねCM前におっしゃってましたけど、大学が増えて子どもが減るんですよ。だけど 鈴木さんは借金してまで人を教えるとおっしゃいましたけど、田中さん、実際の問題で借金してまで子供に教育をするみたいな大学は、経営的に絶対無理なわけじゃないですか。どうなっていくんでしょう、この国の大学というシステムは。
[田中]だからそれを本来示すのが100年寿命世代の役目なんだけどねぇ。
[阿部]そういう大学の経営の危機から基礎研究の危機にまでなってるんですよね。2011年度の科学技術白書では、主要な科学論文誌に発表された論文で引用された件数の多い論文の国別順位で日本は過去4位だったんですが、この10年間で10位にまで転落しています。基礎研究の低下が著しいそうです。この基礎研究というのは、用途を直接的に考えずに仮説や理論を作るために行われる研究で、技術の種を発見する、直接お金にはならないんですけどとても大切な研究なんですよね。

[田村]大学でいろんな教授がいろんな研究してるから、それが元になって大発明みたいなものが起きるわけですよね。最近、京大の不老不死を研究している教授に会いましたけど、でも、不老不死なんて本当にあるんですかって聞いたら、その教授は長らく生きながらえるクラゲを見つけて、死にかけちゃまた小いちゃくなってまた増えていくみたいなクラゲを発見して、そこからなんか種があるんじゃないかって研究をしている。でもそういう研究が少なくなっていくってことですよね。
[田中]だから日本のノーベル賞を取った人たちは去年、大隅さんも、彼の研究もお金が儲かる仕事じゃないかもしれないけれど大事なこと、あるいは益川さんって物理学賞を取ったおじいちゃまとかは、そういう小さい、スモール・サイエンスのそういう若手の研究者に年50万円でもいいから研究費が来ることで、設備が買える、でももしかしたらすごい化けるかもしれない、でも化けないと馬鹿にすんじゃなくて、そこから生まれる・・・。
[田村]いろんなものに可能性を感じてほしいですよね。
[田中]そう。なのに文科省は例えば、工学部で今後教えることは車の運転の技術にしろとかなんとか、そんな審議会を作ってるわけよ。
[古谷]そういうのって、先の戦争の時と僕は似てると思ってましてね、例えば日本軍が非常に重視したのは直接敵を攻撃する砲撃技術とか装填技術とか、そういう製品開発みたいなことはものすごくやったんだけど、例えば、基礎的な、すぐにはできないんだけど、例えばマイクロ波とか電探と言われてましたけど、そういうものとかと兵站技術とか兵站理論とか前線医療とか、そういう直接役に立たない、直接敵を撃破しないところをすごく軽視して、あの戦争が負けてくると、やばいやばいって言ってるんだけどもう手遅れっていうね。そういうパターンが多い気がするんですけどね。
[田中]例えば、IPS細胞の山中さんの研究所、ここには国は300億円毎年ずっと10年出しますとか言ってるんだけれども、もちろんそういったところはいろんな製薬会社とかそういうとこからもお金が来る。でもそれでも知ってる?山中さんが嘆いているのはIPS研究所の正職員は10%と。残りの90%は任期付任用っていって雇い止めになっちゃうかもしれない。そうするとその人達は、自分、明日どうなんだろうと思うと。もしかしたら大変失礼な言い方だけど小保方さん的にフライングでも実績作んなきゃっていう具合になっちゃってるので、これは研究者はみんな言ってるわけですよ。

 

▼2012年10月12日

ノーベル賞受賞の山中伸弥さん「iPS細胞研究所の9割は有期雇用で不安定。正社員化へ頑張りたい」

2012年10月10日に放送されたNHKクローズアップ現代ノーベル賞受賞 山中伸弥さんインタビュー」より

――国際競争が激化する中で、特許を巡る戦いもあります。山中先生は研究と同時に、特許戦略というのを積極的に取り組んできたわけですけれども、いま海外に負けないように特許を取っていくことが、なぜそれほど大事なことなのでしょうか?

山中 特許というのは一般的には、技術を独占する民間企業であったりが技術を独占して、自分たちだけで研究を進め、開発を進めるためのものなんですが、私たち京都大学は、逆に、独占させないために、京都大学が特許を取ることが重要であると考えています。

公的機関である京大が特許を取ることによって、いろんな企業であったり、研究者が自由にリーズナブルな条件でこの技術を使える、そのために頑張って特許の取得に力を入れています。

――しかし、海外と競争していくうえで、いつも山中先生は、資金面、人的な面、とりわけアメリカと比べると、日本が劣ることをいつも気にされていらっしゃったのですが、文部科学省は来年度から10年にわたり、合わせてiPS研究、京都大学のiPS細胞研究所にあわせて200から300億円程度、10年にわたって助成します。そして、実用化研究する別の6つの研究所にも5年にわたって合わせて150億円助成というような方針を打ち出していますけれども、これで多角的な競争に打ち勝つ財力、あるいは資金面というのは整うのでしょうか?

山中 非常にありがたいと思っています。いま言われた研究費というのは、ノーベル賞のアナウンスメントがある前から、ずいぶん前から文部科学省が計画を進めていただいていたことですので、今後、ノーベル賞の受賞によって、その要求が財務省にもできるだけ認めていただきたいなと思っています。

ただ10年ということで、特許の専門家等を10年雇用するお金のメドはだいぶついてきたんですが、しかし、じゃあ10年後はどうなるんだ、今、30歳の特許の専門家の人は、10年たつと40歳になってしまいます。そこで終わりだったとしたら、彼らはもう、本当に次、行く場所がなくなってしまいますので、なんとかそういう、日本の国のために、特許を一生懸命やっている人々、またそれ以外の研究支援者の方を、どうしたらいわゆる正社員のような形で雇用できるようにできるか、それが私が今後、国にお願いしていきたいことの最大の一つです。

――iPS細胞研究所の9割の方が、任期付きの職員だということで、非常に雇用の先行きが安定した状態にはないということを心にかけていらっしゃるということですね。

山中 そうですね。やはりできるだけ、いわゆる企業からいうと、正社員を増やしたいと。今、iPS細胞研究所は正社員、1割しかいません。9割は有期雇用の方ですので、非常に不安定。そういう方たちのおかげで今回、ノーベル賞につながったわけですから、なんとか彼らに適正な雇用、正社員としての雇用を、全員というわけではないと思うんですけれども、しかしできるだけ多くの方に、そういう条件を提供したいというふうに頑張っていきたいと思います。

[田中]そうするとね、山中さん、有名なんだからマラソンだけじゃなくてお金集めてと。研究者は本来そんな雑事にとらわれないで研究に没頭すべきで、それをやってるのは何かっていったら、実は現役で文部科学省とか経済産業省からそういう期間に出向してきて副学長であったり理事になっている人たちで、その人たちが何もしないで毎年300億円来たって、現場がそういう状況だからこれも大学もほら、努力したところにはお金だしますって結局、袖の下はないにしたって、文科省とか国の御都合のいい大学にはお金出しますって話になってったらね。
[阿部]大学にお金が入るという話で、私学の助成金の話に参りましょう。増額される主な要件です。特色ある研究への取り組み、地域連携や国際化などの改革、教育の質が高評価を得られると私学の助成金は増えます。一方、減額される場合は定員割れした場合、50%割れると不交付です。そして5年程度の連続赤字、教育の質が低評価だと減額されるというパターンがあるんですね。
[田村]でもね、どうにか救わなきゃいけない大学、資金を投入しなきゃいけない大学、この大学には入れなくてもいいっていうジャッジ難しいと思うんですけど。
[古谷]まあでもね僕はね、名前は言わないけど有名大学と有名大学の名前をパクって設立してある西日本の大学が・・・。
[田村]それ特定出来そうだね(笑)。
[古谷]西日本のある大学なんだけど、それは解体されましたね。
[田村]へー。
[古谷]なんかね、そのなんとなくね、名前で僕は危なさが分かる。
[田村]あっはっは。
[古谷]要するにね、類似商品なんですよ。
[田村]なるほど。ちょっとあやかろうみたいなのがあると・・・。
[古谷]ちょっとどころか完全にあやかろうとしてるんですけど、あれはもうだいぶ前に潰れましたね。
[田村]田中さんはどのように考えますか。
[田中]やっぱり国立大学も、全部独法化されて文科省からいっぱい人が来てるわけ。昔は事務官が居たんだけど、そういう幹部クラスにいて、でもその人たちが言うことは結局、良い大学は何か?就職率が良いとか、あるいはそういうレベルの「数字」でしょ。でも本当の目利きとか鼻利きって、まさに大隅さんじゃないけど、こいつもしかしたら伸びる研究者かもしれない、そういう学生のカリキュラムになってるかもしれないって、目利き鼻利きじゃないから数字ばっかり追って、結局ね・・・。
[古谷]結局だから、本当にその人が優れた人物かっていうのは、もしかしたら大学4年終わってから後、分かるかもしれないし、大学の枠外に、もしかしたら突出するかもしれ ないし、それはもう高校とか中学校もそうかもしれないんですけど。天才ってやっぱり学校制度の外から生まれますから、大学もそうなんじゃないですか。一部企業に上場したっては一つの指標ですけど、それがイコール優秀かっていうのはどこまでいっても分かんないわけですから。
[田村]うーん。なるほどね。
[古谷]この枠外から出てくるのが天才とか革新者であってね。僕はそう思いますね常に。
[田村]どうですか鈴木さんお二人の話聞いて大学。
[鈴木]奨学金地獄になってる人がいるって聞くと・・・。
[田村]今日ね、そこの話までしたかったですけどね。
[田中]これもね、文科相が牛耳るようになって、奨学金どのくらい返済させたかっていう、取り立ての率でここにいる職員が評価されるようになっちゃったから。
[田村]なるほど。
[田中]なんだかなっていう。
[田村]取り立てるのが上手いからって言うと、それはでもねまぁ実際、その奨学金を・・・。まあ借りてるわけだから返さないといけないんだけど・・・。
[田中]返済するのは筋ではあるけれども。
[田村]だけどそれでね、こんな自己破産する人が増えて。
[鈴木]そうそう。
[田村]何のために学んだのかってよく分かんない。
[田中]あと5年待ってあげようと、良い忖度をして欲しいよね。
[田村]そうですね。
[古谷]だから、まだ育英会の方が、まだ多少マシだったので10年以上前は。僕の時は育英会だったんですけど。一種二種ってあって、まだね、ちょっとマシだったね。
[田村]本当に学びたくてね、学びたい人にちゃんとお金が奨学金として流れりゃいいですけどね。
[古谷]だいたい、高すぎるんですよね授業料が。
[鈴木]高すぎる。
[田中]そうだ。授業料が高い。
[古谷]私立の大学って、文系だと思うんですけど、これ、薬学部と理工系だと。
[田中]そう。もっとだよ。
[古谷]医学部なんてとんでもない(笑)。
[田中]桁が二桁違う。
[田村]大学への不満が奨学金制度とかね・・・。
[田中]それで大学は一杯ビル持ったりしてるじゃん?空いた土地。
[田村]確かに。
[田中]不動産業をやってるのには課税しないといかんよね。
[田村]はっはっは。
[田中]真面目な街の不動産屋さんが嘆くよ、これは。
[田村]ということで今週のキキタイでした。
[阿部]お知らせの後は「あなたの時代はどうでしたか?お子さんのいる方は必見です。変わりゆく受験の形について考えます。
*
[田村]僕が受験に落ちたことを想定して・・・。
[阿部]まだ分からないですから(笑)。
[田村]いやでも、完全に落ちたことを想定して(笑)。ということはこの番組のスタッフが俺が大学受験失敗するっていうことで収録を撮ってるってことですよね。
[阿部]そうですね(笑)。
[田村]あれだけ頑張って下さいねって、裏ではVTRこんなの作っているって人間って怖いですね、恐ろしいですよ山田ディレクターは(笑)。恐ろしい。
[田中]身内に本能寺の変ってね(笑)。
[田村]今日のAbemaTVで合否が発表されますから。もう僕は知ってるんですけど。
[鈴木]うわぁ(笑)。
[田中]余裕の表情だから。
[田村]・・・っていう表情です。
[鈴木]どっちどっち?気になる(笑)。


[古谷]あのいいですか?僕はそれこそ山田洋次監督のね『学校』っていう素晴らしい作品があって、あれは今でも僕は傑作だと思ってるんですけど、あの映画っていうのは、教育とか学びっていうのは何なんだろうということをすごく問うてるんですよ。それで今、VTRの中でも能動的に主体的に学ぶべきだとか、学びなさいっていうのが良いんだ、ということですけど、必ずしもね人間って18歳19歳の時に、能動的主体的に学べるかっていうとね、実は歳取ってからようやく能動的主体的に学ぶっていう事が必要になってくる場合もあるし、気付く場合もある。だから山田洋次の『学校』というのは、みんなあの夜間学校なわけだったですよね。今や夜間学校だけじゃなくて例えば、放送大学っていう素晴らしい機関があるし、あと大学の夜学部っていうのも、まあちょっと少なくなってきてますけどあるので、僕はだから、能動的主体的に学ぶというのは上から言うよりも、いつかね、人間ってやっぱり年取ってくると気付くんですよね、30、40になると。
[田中]良いこと言うねぇ。大事なことなんですよ。淳さんが学校に行きたいっていうのも見栄じゃないんですよ。多分、実社会でいろんなことしてきて、まさに能動的に主体的に働いてきた中で何か自分だけじゃなくて、違う見方が出来るために学校があると思ったんでしょ。我々もさっき、能動的主体的じゃないから、みんなも大学行くから入っちゃったんだよね。僕なんてそのクチで、でも今考えるとね、法学部って言いながら阿呆学部だったけど、ちゃんと六法全書で勉強して司法試験でも通っておけば、もっと悪徳弁護士なって儲けられたんだろうなとか(笑)。
[一同]ははは。
[田中]淳さんの場合はそうじゃないから、大学、みんな誰でも入ります、全入ですっていう時代なんだけども、同時にそこがリカレント教育って言うんですよ。

御年を召した人が老人学校、大学っていうのに行くだけじゃなくて、もう1回大学で若い子たちと一緒に勉強し直したいっていう人、多いじゃないですか。
[田村]そこでネットワークも出来ますからね。だって、今、普通に生きてても18歳19歳の子と繋がってなんかしようみたいなことできないけど、大学入ったらそれができるなと思ったし、法律を学びたくなったしっていう。
[田中]いろいろ是非諦めずに一生懸命・・・。
[田村]まだ落ちてないです(笑)。

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