2018年7月12日 TOKYO MX モーニングCROSS 田中康夫 羊頭狗肉な水管理・国土保全 造るから治す・護る、そして創るへ。松本元死刑囚四女遺骨は”海に散骨”発言をめぐって

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[堀潤]田中さん、ヴォランティアの活動も含め、あと行政の対応、政府の対応さまざまですがどうご覧になってますか。

[田中康夫]冒頭で映像が流れた愛媛県の西予(せいよ)市と大洲(おおず)市というのは、肱川(ひじかわ)と言うんですね。つまり蛇行する川なんです。なのに上流にダムがあるという形なんですけど。私は以前にもそこに視察に行ったことがあって。(註:全長103kmだが、源流から河口まで僅か18kmの一級河川 wikipedia:肱川国土交通省は水管理・国土保全局というふうに河川局は名前を変えたわけですよ。でも、本当の管理とか国土保全って誰の為なのか?っていうところがね非常に問われるんで、オピニオンCROSSでもお話をしたいと思います。ただまあ、「先手先手で(時間との闘いを)全力でやってる」って国は豪語してるから、良い日が訪れることを望むしかないですね。

[堀]ホントに先手かな?どうかな?っていうのがね・・・。

*

[堀]さて各紙一面見ていきましょう。まずは読売新聞です。「西日本豪雨 死者179人に(12日11時57分現在 死者195人 共同通信発表)不明61人 捜索続く」。そして気になるのは「8ダム満杯 緊急放流」ということで、今もですね、水が流れ出ているのを堰き止めている溜め池や、そしてダム、水かさが増しています。そして何故そういうことが起きるのかということの1つに、今日の田中さんにこの後オピニオンCROSSで特集していただきますけれども。やはり山から流れてしまった木々がいろんな状況を堰き止めて、自然の溜め池をつくってしまったりとか、これ問題ですよね。

[田中]林野庁の予算ってのは3000億円台なんですけれども、その中で森林を間伐したり、広葉樹という保水力のある木、これの(整備)予算はわずか7パーセントなんです。

[堀]ちょっと足りないですね。

*

[宮瀬]では続いて「被災地で窃盗未遂 少年ら逮捕」というニュースです。

[堀]こちらのニュースは女性が54パーセントで比較的若い世代の方が関心が高かったですね。ヴォランティアで(被災地の現場に)入る時も、皆さん必ず自分の身分がどういうものであるのかって分かるようにネーム・プレートを付けたりとか、そういう形で入ってくださいねっていうふうに言われていますからね。

[田中]いやだけど逆に、善意で個人で組織に属さず何か物資をと思って女性の生理ナプキンであるとか、私のように口紅とか下着を持っていったら疑われちゃうってのもね・・・。

[堀]田中さんの場合はね、田中康夫さんが来たなで分かると思いますけれども。

[田中]「全国指名手配」ですから(笑)。

[堀]ちゃんと分かるような状況を作るべきだということですね。

*

[堀]オウム真理教の教祖松本元死刑囚の遺骨について四女側が”海に散骨”する意向を示しました。東京拘置所側の説明は本当に松本死刑囚は本人の口から言ったのか?四女に渡してくれと。これに関しては国もうやむやにしておくのは責任放棄じゃないかと思いますけどね。

[田中]この問題もあるけれども同時にね、死刑になった人間の中には自分達が何故サリンを、どういうふうに作ったのか、どういうふうに行ったのかってことを日本の政府は調査していないんじゃないですか?むしろアメリカの民間の研究者やアメリカの機関の方がね(拘置所まで)聞きに来ている。これはやっぱり僕は公文書を改竄しちゃう国と同じで、彼らがやったことはとんでもない。でも同様のことが起きないようにする為の公文書の作成ってのをね行おうとしないという国はね・・・。

[堀]実を言うと滝本弁護士側も麻原元死刑囚以外の死刑囚に対しては死刑を執行しないで欲しいってことを訴えていたんですよね。やはり全容解明というのは果たして本当にされたんでしょうか?

*

[堀]さあそれでは参りましょう、田中さんテーマの発表をお願いします。

[田中]「羊頭狗肉な日本の水管理・国土保全」。

[堀]はい。いきましょう。ホントに心配。お年寄りも多いし。

[田中]で、ここに書いたようにね、造作の「造る」から「治す・護る」。そして創造の「創る」にしなくちゃいけない、ということを、私は治山と治水に関してはずっと言ってきたんだ。その話をしたいと思います。時間が多分、無くなっちゃうと思うんでYouTubeで夕方からまたちゃんとしゃべります。

[堀]はい。田中さんのYouTubeチャンネル(田中康夫YouTube公式チャンネル「だから、言わんこっちゃない!」)で。

[田中]で、私は今までダムをずっとやってきたのにダムでは防げないんだということを、京都大学名誉教授の今本博健(いまもとひろたけ)さんという方が私の師匠なんですけどね。

[堀]「『脱ダム』宣言」。

[田中]今回も「ダムがあったから洪水が防げた」とか「ダムが無ければもっと被害が拡大した」と言ってるんだけれども。日本の国土の66.5パーセントは森林です。これは高知自動車道大豊町というところ。これ、つまり森が整備されていないからこういうことが起きているんで、この上にはダムも造れないんですよ。つまり日本の森というのは何かと言うと、針葉樹というのは保水力がありません。戦後、造林したのは針葉樹です。これが半分なんですね。そしてここに書きました。国土交通省の予算は6兆円近い。農林水産省の予算も2兆円以上。でもその農林水産省の中の林野庁の予算ってのは3000億円もないんです。国土(面積)の0.1パーセント足せば、「憲法改正」ができるような数値(3分の2=66・6%)で、フィンランドに次いで世界第2位の森林(面積)なんです。これこそ財産なんです。林野庁の予算の、森林の整備、間伐とか造林に使っている予算は8パーセントです。残りは大規模林道であったり、あるいは谷止工と呼ばれる小さな沢にコンクリや鉄を打ち込むということを行っているんです。この予算構造を変えなくちゃいけないってことを僕はずっと言ってきた。森林の整備ってのは人件費がその中の3分の2なんですよ。そうすると青息吐息の山間地の土木建設業の人や林業関係者の雇用になるので、僕は知事時代に土木建設業の人に100時間無料で(信州木こり講座という)講習を受けてもらって森林整備の資格を取ってもらって、そして県の森林整備の予算を2.5倍にしたんです。そうすると林業組合の人たちじゃなくて、そういう土木建設業人の仕事にもなっていく。やはり構造を変える必要があるということなんですね。でも先ほど来申し上げているように「ダムが無ければ無理なんだ」っていう人たちがよくいる。じゃあ、ダムができるまでに何年かかるのか?八ッ場ダム(やんばダム)というのはまだ造っています。でも「八ッ場ダムが無いと洪水で大変ですよ」言ってから63年経ってはじめて造り出したんです。そうすると先ほどの造作の「造る」だけじゃなくて「護る・治す」ということを考えれば、護岸の補修であったり浚渫(しゅんせつ)であったり、あるいは森林整備であったり、つまり大規模なICUで緊急手術をするのに63年掛かる間、何をしてきてるかって言うと、何もしてきてない。実は今回、京都の桂川という嵐山の辺りが、前回は大洪水で家が浸水したのに今回はそうならなかったのは何故かというと、あそこの河床掘削(かしょうくっさく)ということを、実は国土交通省は初めて行ったんです、1968年から初めて。地球は生きているから(上流から下流に砂や石が)流れてくるわけです。そして一平米あたり機械を使えば1万円で出来るんです。

[一同]んーん!

[田中]それは地元の青息吐息の人たちの産業になるわけです。なのに巨大な、こうした(ダム)を造る。そして今、人口も減っていくのに、実は各都道府県も4000億円くらい(ダム建設費用の)負担をしてるんですよ。そして「これは利水にもなります」と言って、「ここからお水を取ります」と言ってる。でも、日本の水田面積は昭和30年代の半分です。

[堀]そうか・・・。

[田中]でも慣行水利権というのがあって、その水は上水道に使えないんです。

[堀]ええー?!

[田中]工業用用水にも。

[堀]そうか・・・。

[田中]明治29年から変わっていない。こここそデューデリジェンス(Due Diligenceとは、行為者の行為結果責任をその行為者が法的に負うべきか負うべきでないかを決定する際に、その行為者がその行為に先んじて払ってしかるべき正当な注意義務及び努力のこと - Wikipedia)をしなければいけないのに、大元を何もしていないわけです。

[堀]今はじゃあ、その水はどうなってるんですか?

[田中]川の中に(ダムという)構造物を造れば新しい水利権が生まれるという法律なんです。

[堀]へー?!

[田中]水は全員のものでしょ?

[堀]うんうん。

[田中]そして今回もね、「水道を民営化しなきゃ」と。災害が起きた時に民間の会社がああやって給水車を出しますか?

[堀]水道法が改正されましてね、民間事業者の参入を促した。

[田中]ヨーロッパも他の国々も再公営化をしてるわけです。公営化ということは税金の無駄遣いじゃないんですね。今回も先ほどお話をした肱川、水があふれて10名近い方が亡くなった。「大洪水になる」って気象庁が言ってたわけでしょ。「宴会」をしてた人もいたかも知れないけれど・・・。(気象庁は7月5日14時に大雨としては異例の緊急会見を東京と大阪で実施し)その時点から逆に、ダムから放水をする量を減らしてるんですよ。減らしてって最後に「ダムが満杯になったので、安全基準の6倍の水を出しました」と。「お伝えをしたけれども、皆が行動してくれなかったからだ」って四国地方整備局は昨日だか一昨日だか会見をしてるわけですよ

[堀]んーん??

[田中]「周知は適切だった」と「受け手に行動を起こして貰えなかった」と。

[堀]なるほど、言ったけど・・・。

[田中]でもね、(ダムの緊急放水で発生した死亡案件)で刑事責任が問われたことは一度も無いんです、日本では。同様にダムの水の流し方を間違えた為に新潟でもですね2004年に(新潟・福島豪雨の際に刈谷田ダムと大谷ダムの放水のタイミングを間違えて)洪水が起きて人が亡くなったんです。唯一あるのは、皆さんご存じの狛江市の(1974ン年の多摩川水害で山田太一氏の作品)「岸辺のアルバム」というところで水害があった。でもこれは家が流されて自分達の子供の写真のアルバムが流れちゃったということで、(最高裁からの差し戻し控訴審で1992年に住民側が東京高裁で勝訴した)民事訴訟でしかないんですね。つまり刑事責任が問われない日本の河川管理ってのは一体なんなのか?そこで私はずっと言ってきたのはアメリカやヨーロッパや韓国においても、必ず川の流れって河川改修しても自然だから同じようにぶつかるんですよ。そこには鋼矢板を、鉄板を2枚入れてるんです。そうすると堤防は決壊しないんです。日本の堤防は土底原則といって土と砂だけなんです。僕はずっと国土交通省に、「なんで同じようなこと(諸外国同様の鋼矢板の設置)をやらないんですか?」と聞いたら「土と砂以外が入っているのは、不純物である」と言ってるわけ(笑)。

[堀]んー、「自然とは言えないんだ」と。

[田中]トンネルを東京湾に通す時は鉄を使ってるでしょ?

[堀]おかしいね。ダブル・スタンダードですね。

[田中]「(川の流れに対して)縦には使えるけど(堤防の中で)横には使えない」って言ってるわけ。

[堀]はっはあ、なるほど。

[田中]だから、このあたりは・・・、スーパー堤防のことも話そうと思ったけれども時間が無くなったんでそれはYouTubeで。

[堀]今日、何時からでしたっけ?

[田中]夕刻以降、毎日やってますけど夕刻以降に流します。

[堀]是非チェックをしてみて下さい。

田中康夫YouTube公式チャンネル「だから、言わんこっちゃない!」間違いだらけの日本の治山特集

Vol.350『観れば納得! 危機を煽りながら基本を怠るダム至上主義者! いまだに天動説な国交省水資源・国土保全局が牛耳る 間違いだらけの日本の治水Part1』

Vol.351『もいちど納得! 羊頭狗肉な日本の堤防行政こそ諸悪の根源! いまだに天動説な国交省水資源・国土保全局が牛耳る 間違いだらけの日本の治水Part2』

Vol.352『治水とは何か!2人の泰斗に教わったヤッシー!ダムを知り尽くしたればこそ脱ダムに目覚めた今本博健・京大名誉教授と宮本博司・元近畿地方整備局河川部長!間違いだらけの日本の治水Part3』

Vol.353 『国土の66%を占める日本の森林 なのに林野庁予算は僅か3千億円! 間違いだらけの日本の治山Part1』

「オピニオンCROSS」は首都圏以外の全国・全世界の方々も以下、エムキャス「見逃しヴィデオ・オン・デマンド」ページにて放送後3日間ご視聴頂けます。 

[堀潤]田中さん、ヴォランティアの活動も含め、あと行政の対応、政府の対応さまざまですがどうご覧になってますか。

[田中康夫]冒頭で映像が流れた愛媛県の西予(せいよ)市と大洲(おおず)市というのは、肱川(ひじかわ)と言うんですね。つまり蛇行する川なんです。なのに上流にダムがあるという形なんですけど。私は以前にもそこに視察に行ったことがあって。(註:全長103kmだが、源流から河口まで僅か18kmの一級河川 wikipedia:肱川 ) 

大洲市肱川山鳥坂(やまとさか)ダム建設予定地を視察 2008/6/24(火)25(水)

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http://nippon-dream.com/archives/tanaka_dam_yamatori.htm

✽現地での発言をお読み頂けます

愛媛新聞」インタヴュー記事
http://nippon-dream.com/archives/pop_dam080626.htm

[田中]国土交通省は水管理・国土保全局というふうに河川局は名前を変えたわけですよ。でも、本当の管理とか国土保全って誰の為なのか?っていうところがね非常に問われるんで、オピニオンCROSSでもお話をしたいと思います。ただまあ、「先手先手で(時間との闘いを)全力でやってる」って国は豪語してるから、良い日が訪れることを望むしかないですね。

[堀]ホントに先手かな?どうかな?っていうのがね・・・。

*

[堀]さて各紙一面見ていきましょう。まずは読売新聞です。「西日本豪雨 死者179人に(12日11時57分現在 死者195人 共同通信発表)不明61人 捜索続く」。そして気になるのは「8ダム満杯 緊急放流」ということで、今もですね、水が流れ出ているのを堰き止めている溜め池や、そしてダム、水かさが増しています。そして何故そういうことが起きるのかということの1つに、今日の田中さんにこの後オピニオンCROSSで特集していただきますけれども。やはり山から流れてしまった木々がいろんな状況を堰き止めて、自然の溜め池をつくってしまったりとか、これ問題ですよね。

[田中]林野庁の予算ってのは3000億円台なんですけれども、その中で森林を間伐したり、広葉樹という保水力のある木、これの(整備)予算はわずか7パーセントなんです。

[堀]ちょっと足りないですね。

「商魂そのもの」と論評 田中康夫氏に謝罪求め提訴

[宮瀬]では続いて「被災地で窃盗未遂 少年ら逮捕」というニュースです。

[堀]こちらのニュースは女性が54パーセントで比較的若い世代の方が関心が高かったですね。ヴォランティアで(被災地の現場に)入る時も、皆さん必ず自分の身分がどういうものであるのかって分かるようにネーム・プレートを付けたりとか、そういう形で入ってくださいねっていうふうに言われていますからね。

[田中]いやだけど逆に、善意で個人で組織に属さず何か物資をと思って女性の生理ナプキンであるとか、私のように口紅とか下着を持っていったら疑われちゃうってのもね・・・。

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[堀]田中さんの場合はね、田中康夫さんが来たなで分かると思いますけれども。

[田中]「全国指名手配」ですから(笑)。

[堀]ちゃんと分かるような状況を作るべきだということですね。

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[堀]オウム真理教の教祖松本元死刑囚の遺骨について四女側が”海に散骨”する意向を示しました。東京拘置所側の説明は本当に松本死刑囚は本人の口から言ったのか?四女に渡してくれと。これに関しては国もうやむやにしておくのは責任放棄じゃないかと思いますけどね。

地下鉄サリンから23年、オウム事件と日本社会の変化 ピーター・タスカ

【独占インタビュー】オウム「中川死刑囚」が語った「金正男VXガス暗殺事件」の真相

闇に葬られた「オウム・北朝鮮」の関係:サリン製造技術から警察庁長官狙撃事件まで

[田中]この問題もあるけれども同時にね、死刑になった人間の中には自分達が何故サリンを、どういうふうに作ったのか、どういうふうに行ったのかってことを日本の政府は調査していないんじゃないですか?むしろアメリカの民間の研究者やアメリカの機関の方がね(拘置所まで)聞きに来ている。これはやっぱり僕は公文書を改竄しちゃう国と同じで、彼らがやったことはとんでもない。でも同様のことが起きないようにする為の公文書の作成ってのをね行おうとしないという国はね・・・。

[堀]実を言うと滝本弁護士側も麻原元死刑囚以外の死刑囚に対しては死刑を執行しないで欲しいってことを訴えていたんですよね。やはり全容解明というのは果たして本当にされたんでしょうか?

*

[堀]さあそれでは参りましょう、田中さんテーマの発表をお願いします。

[田中]「羊頭狗肉な日本の水管理・国土保全」。

[堀]はい。いきましょう。ホントに心配。お年寄りも多いし。

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日経新聞記事「国土強靭化、予算の焦点に」

[田中]で、ここに書いたようにね、造作の「造る」から「治す・護る」。そして創造の「創る」にしなくちゃいけない、ということを、私は治山と治水に関してはずっと言ってきたんだ。その話をしたいと思います。時間が多分、無くなっちゃうと思うんでYouTubeで夕方からまたちゃんとしゃべります。

[堀]はい。田中さんのYouTubeチャンネル(田中康夫YouTube公式チャンネル「だから、言わんこっちゃない!」)で。

田中康夫YouTube公式チャンネル「だから、言わんこっちゃない!」

[田中]で、私は今までダムをずっとやってきたのにダムでは防げないんだということを、京都大学名誉教授の今本博健(いまもとひろたけ)さんという方が私の師匠なんですけどね。

なぜ私がダムに反対するのか-淀川の常識・利根川の非常識- 今本博健(河川工学・京都大学名誉教授)
https://yamba-net.org/doc/20120529.pdf

「ダムが日本を滅ぼす」今本博健 - 草島進一書評

ダムが国を滅ぼす 単行本 – 2010/8/18 今本 博健 (著), 「週刊SPA!」ダム取材班 (著) 対談「今こそ“官治”から“民治”への転換を!」田中康夫×今本博健

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https://www.amazon.co.jp/%E3%83%80%E3%83%A0%E3%81%8C%E5%9B%BD%E3%82%92%E6%BB%85%E3%81%BC%E3%81%99-%E4%BB%8A%E6%9C%AC-%E5%8D%9A%E5%81%A5/dp/4594061427

[堀]「『脱ダム』宣言」。

「『脱ダム』宣言」全文 (画像クリックで外部サイトに接続します)

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[田中]今回も「ダムがあったから洪水が防げた」とか「ダムが無ければもっと被害が拡大した」と言ってるんだけれども。日本の国土の66.5パーセントは森林です。

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[田中]これは高知自動車道大豊町というところ。これ、つまり森が整備されていないからこういうことが起きているんで、この上にはダムも造れないんですよ。つまり日本の森というのは何かと言うと、針葉樹というのは保水力がありません。戦後、造林したのは針葉樹です。これが半分なんですね。

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[田中]そしてここに書きました。国土交通省の予算は6兆円近い。農林水産省の予算も2兆円以上。でもその農林水産省の中の林野庁の予算ってのは3000億円もないんです。国土(面積)の0.1パーセント足せば、「憲法改正」ができるような数値(3分の2=66・6%)で、フィンランドに次いで世界第2位の森林(面積)なんです。これこそ財産なんです。林野庁の予算の、森林の整備、間伐とか造林に使っている予算は8パーセントです。残りは大規模林道であったり、あるいは谷止工と呼ばれる小さな沢にコンクリや鉄を打ち込むということを行っているんです。この予算構造を変えなくちゃいけないってことを僕はずっと言ってきた。森林の整備ってのは人件費がその中の3分の2なんですよ。

ダムによらない治水対策の成果と取り組み!
http://yassy.system-a.org/keiei/chisui/seika/seika.htm

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[田中]そうすると青息吐息の山間地の土木建設業の人や林業関係者の雇用になるので、僕は知事時代に土木建設業の人に100時間無料で(信州木こり講座という)講習を受けてもらって森林整備の資格を取ってもらって、そして県の森林整備の予算を2.5倍にしたんです。そうすると林業組合の人たちじゃなくて、そういう土木建設業人の仕事にもなっていく。やはり構造を変える必要があるということなんですね。でも先ほど来申し上げているように「ダムが無ければ無理なんだ」っていう人たちがよくいる。じゃあ、ダムができるまでに何年かかるのか?

 

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[田中]八ッ場ダム(やんばダム)というのはまだ造っています。でも「八ッ場ダムが無いと洪水で大変ですよ」言ってから63年経ってはじめて造り出したんです。そうすると先ほどの造作の「造る」だけじゃなくて「護る・治す」ということを考えれば、護岸の補修であったり浚渫(しゅんせつ)であったり、あるいは森林整備であったり、つまり大規模なICUで緊急手術をするのに63年掛かる間、何をしてきてるかって言うと、何もしてきてない。実は今回、京都の桂川という嵐山の辺りが、前回は大洪水で家が浸水したのに今回はそうならなかったのは何故かというと、あそこの河床掘削(かしょうくっさく)ということを、実は国土交通省は初めて行ったんです、1968年から初めて。地球は生きているから(上流から下流に砂や石が)流れてくるわけです。そして一平米あたり機械を使えば1万円で出来るんです。

世界的景勝地で初の水害対策 京都・桂川の災害復旧工事

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[一同]んーん!

[田中]それは地元の青息吐息の人たちの産業になるわけです。なのに巨大な、こうした(ダム)を造る。そして今、人口も減っていくのに、実は各都道府県も4000億円くらい(ダム建設費用の)負担をしてるんですよ。

「脱ダム」アーカイブ・参考資料
http://www.nippon-dream.com/?p=6773

10/07/15 ああ、ダムありきの“恥水”対策よ
http://www.nippon-dream.com/?p=403

サンデー毎日」連載「ささやかだけど、たしかなこと。」第5回 鬼怒川決壊の「真犯人」はだれか!?予防医学としての治水こそ新しい公共事業
http://www.nippon-dream.com/?p=15069

脱ダム政策の哲学と実践
http://www.nippon-dream.com/wp-content/uploads/nodams.pdf

しなやかな国土強靱化
http://www.nippon-dream.com/wp-content/uploads/56b252dcd6798974c9eb9ce7789e6ae72.pdf

巨大公共事業で地元は潤わない 
http://www.nippon-dream.com/wp-content/uploads/b90708120d9bd21e7b86863a8b31a25a.pdf

「間違いだらけの日本の治水・治山」まとめサイト

「脱ダム政策の哲学と実践」まとめサイト

【モーメント】田中康夫羊頭狗肉な水管理・国土保全 造るから治す・護る、そして創るへ。」+社虫太郎(@kabutoyama_taro)さん「脱ダム」論考

[田中]そして「これは利水にもなります」と言って、「ここからお水を取ります」と言ってる。でも、日本の水田面積は昭和30年代の半分です。

[堀]そうか・・・。

[田中]でも慣行水利権というのがあって、その水は上水道に使えないんです。

国土交通省 資源としての河川利用の高度化に関する検討会(平成27年12月3日開催)資料2 慣行水利権について (PDF:692KB)

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http://www.mlit.go.jp/river/shinngikai_blog/shigenkentou/dai04/pdf/s02.pdf

水利権 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B4%E5%88%A9%E6%A8%A9

[堀]ええー?!

[田中]工業用用水にも。

[堀]そうか・・・。

[田中]明治29年から変わっていない。こここそデューデリジェンス(Due Diligenceとは、行為者の行為結果責任をその行為者が法的に負うべきか負うべきでないかを決定する際に、その行為者がその行為に先んじて払ってしかるべき正当な注意義務及び努力のこと - Wikipedia)をしなければいけないのに、大元を何もしていないわけです。

[堀]今はじゃあ、その水はどうなってるんですか?

[田中]川の中に(ダムという)構造物を造れば新しい水利権が生まれるという法律なんです。

[堀]へー?!

[田中]水は全員のものでしょ?

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あまり報道されない「水道民営化」可決。外国では水道料金が突然5倍に
http://blogos.com/article/310613/

社会的共通資本
http://tanakayasuo.me/archives/22210

何故、19世紀の1860年からジェネラル・デゾー(現ヴェオリア)と、1985年の更改時からセーヌ川左岸はリヨネ-ズ・デゾー(現スエズ)と契約したパリ市が2010年、両社との委託契約を終了させ、浄水から給水、料金徴収の全てを再公営化したのでしょう? 老朽化した設備更新を理由に水道料金が高止まりする中、1977年から18年間に亘って市長を務めたジャック・シラク氏と両社の「関係」も問題視され、ステイクホルダーstakeholderで構成される円卓会議が財務の透明化と説明責任を担う再公営化が、皮肉にもウォーター・マフィアの符牒(ふちょう)で知られる両社が本社を構える地元自治体で敢行されたのです。

所有者・従事者・利用者の何れもが1人の「人間」として分け隔てなくサーヴィスを共有し得るのが社会的共通資本。運営会社へ対等に発言可能な航空会社が利用する空港と、か弱き市民が利用する水道が、同じ土俵でコンセッションの議論をなし得ぬ理由です。

田中康夫YouTube公式チャンネル「だから、言わんこっちゃない!」Vol.187『ちょっぴし真面目なお話(涙)Part3 今や行政の「民営化」は錦の御旗に非ず!』
 動画&資料

[堀]うんうん。

[田中]そして今回もね、「水道を民営化しなきゃ」と。災害が起きた時に民間の会社がああやって給水車を出しますか?

[堀]水道法が改正されましてね、民間事業者の参入を促した。

[田中]ヨーロッパも他の国々も再公営化をしてるわけです。公営化ということは税金の無駄遣いじゃないんですね。今回も先ほどお話をした肱川、水があふれて10名近い方が亡くなった。

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[田中]「大洪水になる」って気象庁が言ってたわけでしょ。「宴会」をしてた人もいたかも知れないけれど・・・。(気象庁は7月5日14時に大雨としては異例の緊急会見を東京と大阪で実施し)その時点から逆に、ダムから放水をする量を減らしてるんですよ。減らしてって最後に「ダムが満杯になったので、安全基準の6倍の水を出しました」と。「お伝えをしたけれども、皆が行動してくれなかったからだ」って四国地方整備局は昨日だか一昨日だか会見をしてるわけですよ。

ダム放流「徹底的に検証する」と首相

安倍晋三首相は13日、西日本豪雨の際にダムの放流により愛媛県肱川が氾濫し、犠牲者が出たことに関し「国土交通省で徹底的に検証し、改善点があれば改善していく」と述べた。視察先の同県宇和島市で記者団に語った。

愛媛 ダム放流「下流域の被害は予想もやむをえず」

大雨の際、洪水調節機能を失った肘川水系の野村ダムと鹿野川ダム

野村ダムと鹿野川ダムの放流による肘川の水害

4人犠牲の愛媛・大洲、ダム放流量は安全基準の6倍だった…

 

「もう放流はしないでくれ」水没の街にみたダム行政の”限界”【西日本豪雨】画像全11点

 愛媛 肱川の氾濫被害に疑問の声 ダム放流の検証委設置へ 国交相

[堀]んーん??

[田中]「周知は適切だった」と「受け手に行動を起こして貰えなかった」と。

[堀]なるほど、言ったけど・・・。

[田中]でもね、(ダムの緊急放水で発生した死亡案件)で刑事責任が問われたことは一度も無いんです、日本では。同様にダムの水の流し方を間違えた為に新潟でもですね2004年に(新潟・福島豪雨の際に刈谷田ダムと大谷ダムの放水のタイミングを間違えて)洪水が起きて人が亡くなったんです。唯一あるのは、皆さんご存じの狛江市の(1974ン年の多摩川水害で山田太一氏の作品)「岸辺のアルバム」というところで水害があった。でもこれは家が流されて自分達の子供の写真のアルバムが流れちゃったということで、(最高裁からの差し戻し控訴審で1992年に住民側が東京高裁で勝訴した)民事訴訟でしかないんですね。つまり刑事責任が問われない日本の河川管理ってのは一体なんなのか?

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[田中]そこで私はずっと言ってきたのはアメリカやヨーロッパや韓国においても、必ず川の流れって河川改修しても自然だから同じようにぶつかるんですよ。そこには鋼矢板を、鉄板を2枚入れてるんです。

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[田中]そうすると堤防は決壊しないんです。日本の堤防は土底原則といって土と砂だけなんです。僕はずっと国土交通省に、「なんで同じようなこと(諸外国同様の鋼矢板の設置)をやらないんですか?」と聞いたら「土と砂以外が入っているのは、不純物である」と言ってるわけ(笑)。

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「福岡・大分両県を(2017年7月に)襲った記録的豪雨で氾濫した河川や浸水した地域は2012年の『九州北部豪雨』と重なる部分が多」く、筑後川水系花月川も「同じ場所で越水や護岸・堤防の損壊が4ヶ所あった」と「西日本新聞」は報じました。

改修を重ねても河川の流れは簡単には変わりません。故に欧米諸国のみならず隣の韓国でも、過去に決壊した場所、決壊が予想される場所には堤防の両肩から基礎まで、鋼矢板(こうやいた)を縦に2枚打ち込む強化策を導入しています。

日本は異なります。建設省河川局が国土交通省水管理・国土保全局へと名称変更した現在も、「土堤(どてい)原則」に固執しています。堤防内に土と砂以外の“不純物”が混じるのは認められぬ、と真顔で彼らは語るのです。

http://tanakayasuo.me/top/wp-content/uploads/2017/07/27cb7c766956f952aa0f1cc4b5b8a1ad.pdf

「鬼怒川決壊の『真犯人』は誰か!? 予防医学としての治水こそ新しい公共事業」 「サンデー毎日
http://www.nippon-dream.com/wp-content/uploads/20150928170844.pdf

[堀]んー、「自然とは言えないんだ」と。

[田中]トンネルを東京湾に通す時は鉄を使ってるでしょ?

[堀]おかしいね。ダブル・スタンダードですね。

[田中]「(川の流れに対して)縦には使えるけど(堤防の中で)横には使えない」って言ってるわけ。

[堀]はっはあ、なるほど。

[田中]だから、このあたりは・・・、スーパー堤防のことも話そうと思ったけれども時間が無くなったんでそれはYouTubeで。

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[堀]今日、何時からでしたっけ?

[田中]夕刻以降、毎日やってますけど夕刻以降に流します。

[堀]是非チェックをしてみて下さい。

Vol.352『治水とは何か!2人の泰斗に教わったヤッシー!ダムを知り尽くしたればこそ脱ダムに目覚めた今本博健・京大名誉教授と宮本博司・元近畿地方整備局河川部長!間違いだらけの日本の治水Part3』

なぜ私がダムに反対するのか−淀川の常識・利根川の非常識− 今本博健(河川工学・京都大学名誉教授)

https://yamba-net.org/doc/20120529.pdf

ダムが日本を滅ぼす 今本博健インタヴュー

変わらぬダムに物申す ダム懐疑派になった元長良川河口堰建設所長・宮本博

まともに見ようよ〜川と地域と私たちの生活 宮本博

ダムができると水害がなくなるとの錯覚があるが、ダムで水害を「真に」防いだ例は皆無といっていいほど少ない。ダムで水害を防げないのは、ダムの洪水調節機能に限界があるからである。(今本博健京大名誉教授・河川工学)

http://www.pref.aichi.jp/uploaded/attachment/46402.pdf

ダム治水からの脱却を「東京新聞」「こちら特報部」7月13日付けを踏まえての論考

 

田中康夫YouTube公式チャンネル「だから、言わんこっちゃない!」間違いだらけの日本の治山特集

Vol.350『観れば納得! 危機を煽りながら基本を怠るダム至上主義者! いまだに天動説な国交省水資源・国土保全局が牛耳る 間違いだらけの日本の治水Part1』

Vol.351『もいちど納得! 羊頭狗肉な日本の堤防行政こそ諸悪の根源! いまだに天動説な国交省水資源・国土保全局が牛耳る 間違いだらけの日本の治水Part2』

Vol.352『治水とは何か!2人の泰斗に教わったヤッシー!ダムを知り尽くしたればこそ脱ダムに目覚めた今本博健・京大名誉教授と宮本博司・元近畿地方整備局河川部長!間違いだらけの日本の治水Part3』

Vol.353 『国土の66%を占める日本の森林 なのに林野庁予算は僅か3千億円! 間違いだらけの日本の治山Part1』

 

TOKYO MX「モーニングCROSS」(07:00~08:30)は首都圏以外の全国・全世界の方々も以下、エムキャス配信ページ・スマートフォン専用アプリにてご視聴頂けます。

 

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「註の新たな註」

「いまクリ」と「もとクリ」、その記憶の円盤が舞い続ける時空。ようこそ現在から1980年の東京、そして日本へ❣

「✽文庫本化に際しての、ひとつの新たな長い註。」でお約束した「註の新たな註」は、両書に登場する「字句の解釈」に留まらず、高度消費社会の幕開けから現在に至る時代背景を、
関連する僕の拙稿等も紹介しながら絵解きしていくサイトです。

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