2015年05月11日 TOKYO MX 「モーニングCROSS 田中康夫 そんなに画期的!?認定こども園」

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◎憂国呆談 season2 volume23◆ソトコト 【2012/5月号】 尼崎の宅幼老所に見る少子高齢化社会のあり方、気象庁の津波予測、休眠口座の活用法まで!

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◎2013/6月号 田中康夫の新ニッポン論 ②「宅幼老所」◆月刊VERDAD ‐ベルダ‐

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◎2012/11/29 人の体温が感じられる1億総中流社会を◆日刊ゲンダイ

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田中康夫氏の依頼に応じて宇沢弘文氏がお書き下さった「未来への提言~コモンズから始まる、信州ルネッサンス革命~」はこちら!

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[田中康夫]はい。「そんなに画期的?!認定こども園」というテーマでいってみたいと思います。

[脊山麻理子]内閣府は8日、幼稚園と保育所の機能をあわせ持つ認定こども園が4月1日時点で2836ヵ所となり、去年4月時点からほぼ倍増したことを発表しました。

[黒田治]これは、状況が変わったんですよね。認定こども園っていうのはですね、保護者が働いているかどうかに拘わらず0歳から5歳児が通える施設なんですけども、こども子育て支援新制度の目玉の一つ、4月から変わりました。で、待機児童解消策として政府は普及を目指しているわけですけども、ただですね、全国的に増えているんですけど東京は減っていんですよね。認定を返上して幼稚園などに戻った施設も128ヶ所あったんですけれども、返上が相次いだ東京都は都道府県で唯一こども園の数が減少してるような状況なんですが、田中さんこれは。

[田中]するとね、現場の自治体や経営者がいけないのかっていう論調になっちゃうんだけど、あえて僕はここで「認定」って書いたのは黒字にしたの。認定とか不認定とか、いわゆる非正規とか、これがもう霞ヶ関の発想なんですよ、上から目線なんですよ。どんなサービスがあるかでしょ?で、逆に言うと、これはまさに教育基本法で幼稚園って文部科学省の管轄です、と。そして児童福祉法という厚生労働省の管轄で保育所です、といういわゆる縦割りの。で、それぞれに族議員が付いていたり、それぞれの団体があると。でも母親達からすれば、サービスを原点に考えて下さいってことだったと思うんです。だから私はね、例えばフランスで、フランスは出生率が2.03です、EUトップです。それでも人口は減っていくんだ、日本は1.4だ。

[黒田]1.43ぐらいですね。

[田中]1.43です。詳しい。そうです、鋭い。で、フランスは同じカソリック圏で、ヨーロッパで、なんでフランスだけ出生率が高いかというと、みんな女性も働いている。で、そこはね、保育所とかがある、認可不認可じゃなくて。同時にですね、保育ママっていう制度を作ったんですよ。これは何かというと、共稼ぎのお家の子、でも家で在宅介護と同じように家に二人、一人は障害がある、三人兄弟がいる、例えばそこに、普通の、子育てが終わったようなママ達が、おばちゃんが行って、その子供をちゃんと見てあげると。これに対してその費用の半分は国が出しますという制度を作ったんですよ。だから何が大事かというとね、福祉に限らず、組織の為じゃなくて、個人を信用して行う。だから、キチンとした保育施設を作る必要もある、でも、そういうきめ細かい、個人の訪問介護と同じような形をフランスは導入したんですね。で、もう一個はね、今回のも、なんでみんなが辞めていくようになっちゃったかというと、例えば老人の施設もそうなんですけども、デイサービスとかも、これは新築で土地を持っている人でないと国が認めませんっていう、ずっと制度だったの。で、しかも4000万円以上の立派な建物を作ると3000万円は補助してあげますよって話だったので、元々土地を持ってる農業団体だったり建設団体であったりが、老人施設を作るようになってきたんで、これは保育においても同じ形なんですよね。で、富山県で、ある人達が最初に始めて、富山県も支援をした宅幼老所というのがあるんです。で、これは何かというと、幼保一元化という縦割り行政で、団体統合、族議員がうんだら言う前に、老保一元化と。つまりデイサービスのところに、保育士の人が一人居たら、0歳から3歳、あるいは5歳までのお子さんを預かれると。そうするとお年寄りと一緒に孫のような世代が一緒にお昼ご飯を食べて一緒にお昼寝をすれば、お互いの知恵や元気の素を貰えて、老人も元気になると。

憂国呆談 season2 volume23 ソトコト 2012/5月号表紙 浅田彰 田中康夫 

◎憂国呆談 season2 volume23◆ソトコト 【2012/5月号】 

[田中]たった一人保育士が、あるいは二人居るだけでできるという形をしたので、私も知事のときにこれを、そういう、真面目にやっている(福祉の現場の)若者達から聞いたんで始めようとしたの。そしたらこういうのは、例えば、古い駅前の商店街の空いたお家、あるいは住宅の空いたお家を改修・改装をしてやるということには国は当時お金を出さなかったのね。

[黒田]これ、東京都の舛添さんなんか、こういう考え方を今・・・。

[田中]ですから、これは、実は富山県と長野県、長野県は350ヶ所、手前味噌ですけど、そういう制度を、つまり県が支援しましょうと。これは、また消防法で100平米以上あるところには、防火のダンパ を付けなきゃいけないとか、あるいは緑の、あのホールのような非常口のランプつけなきゃいけないとか、そういう決まりだけは強いのね。なのでそれを変えて行きましょうという形で、まさに老保一元化ということを言った。これはまさにハコモノ行政を脱却するということなんですよ。だから、今までの団体でしか作れなかったのを若い人達がNPOを作って社会福祉法人を辞めた人達がやる。そうすると、遠くにデイサービスがあったり遠くに幼稚園や保育園にバスに乗っていくんじゃなくて、ちっちゃいつっかけ履いて行けるようなところに地域分散型で、そして世代分断型ではないというね。これこそやっぱり21世紀の新しい福祉のあり方だと。

[脊山]ゆたかさんから。

[堀]このあたり駒崎さん。

[駒崎]保育士不足は特に東京都では深刻です。保育所を作ろうと思ってもですね、今は保育士が不足しているから作れないという状況になっています。その大きな理由は処遇の低さです。全産業平均から言うと月10万円ぐらい低いという状況でですね、保育士資格を持っている人は多くても保育士として働かないという状況になっていますので、保育士の処遇を上げなければいけない、しかしその為に予算が必要だと。

[田中]だから、フルタイムでなく、先程のフランスのような保育ママのようなね、パートってのが良い意味での誇りを持った形でできるようにする。だから例えば、待機児童が多いというので、横浜市は370億円を投じて建物を作って民間に作らせた。でも、民間はもしこれが採算が合わなければ370億円かけた建物から撤退してっちゃうわけですよ。で、逆に言えば、そうすると潜在待機児童が出てきてしまった。だからもちろん待機児童を減らす為に横浜の取り組みもあるんだけども、あるいは国の取り組みもあるけど、その前に隗より始めよで、普通の商店街の空いた店舗に老人と子供が居て元気な声が聞こえたら街も元気になるわけですよ。そしてそれは、ほとんど600万円くらいの費用で改修して明日からでも始められる。やっぱり脱ハコモノ行政の発想、そして脱縦割りの文科省厚労省というんじゃなくて、これは実は国も認めて、3年前から(全国的に)宅幼老所ってできたんです。でもこれはね、厚労省の中の部署が違うんで、統一したパンフレットが未だに無いんですよ。

[黒田]これ、認定こども園自体は全体的に見ると2836ヵ所で倍増してますけど、一番、人口が増えてる東京都のところの認定こども園が減ってるって、これはやっぱり問題ですよね。

[田中]だから、それはやっぱり事業者にとっても良い制度の運用になれていない。利用者にとっても不満が残るものだ、だからやっぱりそれは机上の空論を変えるということが、とても大事です。ですからまずは、認定という言葉から発想を変える。

[駒崎]仰ること、非常によく分かります。一方でこの2015年からこども子育て支援新制度って新しい制度ができまして、田中先生が今仰ったような保育ママ的な人がですね、子供の家に行ってあげるような新しい類型もできました。居宅訪問型というんですけれども、主な対象の人が障害児です。こうしたように、改革もある程度進んできてはいるので、まだ課題はあるんですけども、引き続き、是非、国のおしりを叩くような形で国民がこの問題に関心を持ち続けて貰いたいなと・・・。

[田中]もちろん。でも、10年後に(新制度が)できたら、その子供は成人しちゃってんだからねっていうのは、親の叫びだよね。

 

2015年05月11日 東京MX 「モーニングCROSS 全篇」 

 

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