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2016年11月15日 TBSラジオ「生島ヒロシのおはよう一直線 今朝のニュースピックアップ トランプ次期大統領人事に着手 TPPの行方」 電話ゲスト 田中康夫

AIIB TPP アメリカ大統領選 アラン・ムーア ドナルド・トランプ ヒラリー・クリントン 反グローバリズム 政官業学報 日米同盟 生島ヒロシ 米国第一主義 蔓延する新自由主義

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(今朝のニュースピックアップは06:03頃~)

[生島ヒロシ]今日、ニュースに触れて頂くのは作家の田中康夫さんですね。康夫ちゃん。

[田中康夫]はい。おはようございます。

[生島]おはようございます。いやぁ、ビックリぽんでトランプさんですけど、人事に着手したようですね。

[田中]いや、僕は元々ね、史上最悪の不人気投票と言われていたんだけれども、トランプ氏の方が良いと考えていたし、実は(アメリカ東部で投票が始まる直前の日本時間の8日午後に生放送の)TBSテレビの「ゴゴスマ」でも出演者の中で一人だけトランプ勝利を予測したんですけどね。ところが多くの日本のメディア、海外のメディアも「自由と民主主義の先生だったアメリカがどういう選択だ」って言ってるんだけど、僕は逆にこれはアメリカの人々は疲弊して崩壊した中産階級、実は労働者階級だけじゃない人達がですね、非常に賢明で健全な選択をしたんじゃないかと思ってるんですよ。というのはね、景気回復して、まぁ日本も景気回復してるって言ってるけど所得回復をしていないわけでしょ。

[生島]ええ。

[田中]アメリカも同様。で、それがこないだのイギリスのEU離脱ブレグジットBrexit)であったり今回の大統領選だったと思うの。というのはね、2004年を100と仮にすると、アメリカの平均実質所得は97と下がってるんですよ。で、いわゆる中間層と呼ばれるところは逆にさらに下がって95。下位所得層10%は92で、上位5%のみが、かろうじて上がってるとはいえ101。ただ、日本だと企業経営者、どんなオーナー経営者でもせいぜいが年収数億円、それだって多いんだけれど、アメリカってほら、異常な程CEOと呼ばれる人が数十億、百億でしょ。

[生島]そうそう。

[田中]しかも本来、ビル・クリントンって人もイギリスのトニー・ブレアって人もリベラルを掲げたんだけど結局、新自由主義レーガノミクスサッチャリズムの追従者になっちゃったと。つまり、民主党労働党と共和党・保守党の違いが無くなっちゃったんじゃないのっていう事だと思うんですよ。

[生島]うんうん。

[田中]で、しかも(2008年8月の)リーマン・ブラザーズの(倒産)ショック、リーマン・ショックで救われたのは巨大金融機関だけじゃないの?って。あの時にね、実はトランプ氏は共和党から出てきたので小さな政府論者だって思ってる人が(いまだに)いるの。でも、小さいとか大きいとかじゃなくて効率ってのが大事で、今までの共和党のティー・パーティと呼ばれる若者達は、自動車産業や金融機関への救済反対でね、景気刺激策とかオバマ・ケアの医療改革なんて大きい政府だからやめろって言ってたわけよ。でも、今回トランプ氏は何を言ってるかって言ったら、さび付いたベルトであるラストベルト地帯、まあ工業地帯とか石炭地帯の復権を言ってるし、景気刺激策としての公共事業、バラ撒き公共事業なんじゃなくて、彼はアメリカの橋とかトンネルが補強してないから壊れちゃうような、そういった所にお金を使おうって言ってるわけだしね。

[生島]うんうん。

[田中]もう一個言うと、オバマ・ケアもちゃんと良い弱者の部分はやるよって言って、元々、選挙中も彼は国民皆保険って日本のような保険にしようよって(共和党の候補なのに)言ってた人なんですよ。

そうするとね、いわゆる共和党か民主党かっていうイデオロギーではないような具合になってる。で、僕は昨日もテレビ(TOKYO MX「モーニングCROSS」)で言ったんだけど、実はバラク・オバマ氏も世界の警察官とか保安官やめようよって言ったわけですよね。アメリカが全部世界を牛耳って、軍事でやるのやめようって言ってたんだけど、トランプ氏も同じ事を言ってるわけじゃないですか。それぞれの国でやって下さいと。で、もう一個は「脱・金融資本(主義」「脱グローバリズム」)だって事を言ってきてる。今回、少し金融寄りの政策に修正したんじゃないかって株価が上がったりしてるけど、元々、(リーマン・ショック後の2009年1月に就任した)オバマ氏の時に出てきた「ドッド・フランク法」っていう金融機関の締め付け策ってのはかなり共和党の抵抗があったんで骨抜きの法案(に)な(っている)ので、その法案を少し緩和するって言っても、それは大した影響じゃないと思うんですよ。もっと言えば、彼が実は、メディアは低所得で低学歴で白人の男性の労働者で50歳以上(がトランプ支持者だ)みたいな事を言ってたけど、僕は今回、これだけ入れたというのはアメリカでもハイスクールとか大学出ても4割の人が仕事が無い、大学院卒もそう。でも他方で一握りの大学院卒だけが初任給一億円貰うような巨大金融機関がある。ここに対しての静かな異議申し立てだと僕は思うんですよね。

[生島]そんな中ね、僕は一つ気になったのはTPPの行方ですよね。

[田中]はい。

[生島]これなんかはどう見ます?

2016/11/14 11:12オンエア前日の答弁 共同通信速報

◎★TPP発効「状況は厳しい」と首相
 安倍晋三首相は14日の参院TPP特別委員会で、TPPの発効見通しに関し「状況は厳しい状況になってきたことは率直に申し上げて認識している」と述べた。

2016/11/15 10:03オンエア当日の答弁 共同通信速報

◎★東アジア連携に軸足に移ると首相
 安倍晋三首相は15日の参院環太平洋連携協定(TPP)特別委員会に出席し、アジア太平洋地域の経済圏づくりで、TPPの手続きが進まなければ、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)に軸足が移るとの見方を示した。

[田中]TPPに関しては、これは例えばね、皆さん「えっ」って言うかもしれないけれど、TPPってウルグアイ・ラウンドと同じような全部の国が入るって言うんで、これ、なかなかね、ドーハ(開発)ラウンド(多角的貿易交渉)と同じでまとまらないところがある。で、他方でアメリカも今、中国が作ったアジアインフラ投資銀行(AIIB)に入るんじゃないかって(報じられている)。カナダも(既に)入ってる、ヨーロッパも入ってる、60カ国以上入ってる(57カ国が創設メンバー・30カ国余りが加盟申請中)。一方で、僕はやっぱりTPPよりも各国同士がお互いにルール・メイキングをするんだったら日本がFTAを各国と(個別に)結んでいく。その結果として(ブロック経済ではなく自由経済としての)TPPとか全体がRCEP(東アジア地域包括的経済連携)が来るなら良いんだけど、全体のものを作るのはなかなか難しいでしょ。まずは一人一人、一軒一軒の。だから中国なんか、例えばこの間に多くの国とTPPじゃなくてですね、FTAをね9カ国と、つまり実はTPP参加の12か国中の9カ国とFTAを(個別に)結んでるのでね。この辺を(長いものに巻かれがちな)日本は発想の転換をして新たな(自分自身での独自の)ルール・メイキングにしていかないといけないんじゃないかなって言う気がしますね。

[生島]分かりました。

[田中]だから、ヒラリー・クリントンさんってのは巨大金融機関・巨大軍需産業・巨大製薬会社・巨大化学会社の、青天井の企業献金を貰って、もしかしたら彼女はアフガン戦争やイラク戦争湾岸戦争で疲弊した厭戦気分なアメリカの人達が「いやぁ、またシリア戦争やるんじゃないの」って思われちゃってたっていう気がしますね。

[生島]なるほどね。

[田中]だから、ちょっと意外と僕はトランプ氏は、まあ、親族をねホワイト・ハウスに入れるとかってのは論外だと思うんだけれども(笑)、それ以外の部分では、だから逆に(バーニー・)サンダース氏が「中間層の怒りをきちんと捉えたトランプが良い事をするんだったら協力する」ってメッセージを出しているんですよね。

[生島]おぉ、サンダースさんが。

[田中]だから、この辺りが、つまり(メキシコ国境に)壁をつくるの(も実は大半)はフェンスだ、と(言ってるし)。つまり麻薬持ってきたり不法就労・不法移民は戻って貰うけれど、それ以外のまともに来た移民の人達に関しては私は(対応を)慎重に考えるってのも昨日あたり言ってるのでね、なかなか、私達が捉えていたよりもしたたかな経営者なんじゃないかっていうね、気もしてます。

[生島]分かりました。ありがとうございました。

[田中]はーい。

[生島]田中康夫さんでした。

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