田中康夫の「だから、言わんこっちゃない!」Vol.241『見ざる・聴かざる・ディスりまくり猿! 危機拡大wというニッポンの「危機管理」(涙)』

田中康夫の「だから、言わんこっちゃない!」Vol.241『見ざる・聴かざる・ディスりまくり猿! 危機拡大wというニッポンの「危機管理」(涙)』と題してお届けをいたします。
危機管理って一体何なのかという事はですね、別に火消しという事ではなくて単にその場をやり過ごせれば良いわけではありません。無論、拡大しないように収束させる必要がありますが、同時に、収束させて二度と同じような事が起きないようにする道筋を作らなければいけないのであって、単に頭隠して尻隠さずではいけないという事です。今回、非常に象徴的なのはですね、例えばロイターにおいては首相の夫人の名前も第一報の中で記されました。あるいは新華社通信、また中国かとおっしゃるかもしれませんが、それ以外のですねフランスのメディアにおいてもですね、今回の佐川宣寿氏の辞職も促されたんでしょうけれども、この件の時にですね首相夫妻の写真を使っているという(海外)メディアが非常に多かったんですね。すなわちこれは財務省の問題なのではなくて日本全体の問題であると。ものづくり産業においてもですね、古くは三菱自動車に象徴される、そして今回日産自動車川崎製鉄、様々なところの問題が出てきて日本という信頼性が失われてんじゃないのか、日本というものは欧米的なロジカルとは違う意味においてですね、人情味がありながらも、きちんと日本的な、理詰めの中で考えて失敗のないようにしていくチーム・ワークというものがほころびてんじゃないのか、その象徴的な問題ではないかと捉えられていると思います。実はご存知のようにドナルド・トランプ氏がですね、11日日曜日のですね日本時間の午前2時半くらいに、相変わらずなツイッターをされました。

これは極めて象徴的です。ちょっと読んでみたいと思います。

 

Spoke to Prime Minister Abe of Japan

 

安倍晋三首相と話をしたんだよと。で、カンマがあってですね、

 

who is very enthusiastic about talks with North Korea

 

北朝鮮との「talk」、「talk」は「対話」でなく「接触」だとか「雑談」だと言っていた香ばしい河野太郎さんというですね、わけのわからないお兄ちゃまがいらっしゃいますけども、この場合は「対話」ですね。そしてアメリカが一貫して言ってきた事は、対話の為の対話では意味がないなどとはアメリカは言ってないわけですね。対話を引き出す為の対話が必要だと。その対話を引き出すための対話という点ではそれは「接触」と訳してもいいかもしれない。あるいは公式会談ではないので「雑談」と訳してもいいかも知れませんけど、この区別すらできていなかった。そして極めてここがですね日本のメディアはあまりきちんと書いてませんが、 who is very enthusiastic about talks with North Korea、北朝鮮との対話というものに関して極めて熱心だという風にあたり障りなく訳してますが「enthusiastic」ってのは皆さんご存知のようにですね、ヤッシーも一応英語で東大オープンで3位でございましたから、「熱狂的」だ、もっと言うと「狂信的」だ、すなわちまったくこんな状況になるとは思っていなかったのに突如米朝対話と、しかも韓国の代表団が来た時にOKやろうじゃないかと言って5月末にはやるぞと。日本のメディアは相変わらずそれまでに解決すべき問題がたくさんあるのにパフォーマンスだなどと馬鹿な事をどこのメディアも書いておりますけれども、比較的冷静なのが時事通信とですね、日経新聞じゃないかなっていう風に私は見ておりますけれども。

 

NYタイムズ
トランプ氏は鄭氏が車寄せに向かった際、安倍晋三首相に電話を入れ、会談内容を報告した。タイムズ紙はトランプ氏の即断は側近だけでなく同盟国の不意を突き、「安倍氏は蚊帳の外に置かれた」と指摘した。

この「enthusiastic」っていうのは、「慌てふためいて」「どうなのどうなの教えてちょうだいよって電話で興奮してたんだよ」っていう、ドナルド・トランプ氏はちょっとバカにしてるんですね、残念な事に。私は安倍さんは非常に努力してきている部分がたくさんあると思ってますよ。安倍さんにも幾度か、実はお話をして提言・諫言・助言をしてきたつもりではございます。まあその部分は別に、私の個人の話ですからこれ以上話する必要もなかろうと思いますし、ネトウヨの皆様がですね、虎ノ門ニュースの方がまた涙目で発狂されるかもしれませんけれど。で、しかもその後に何を話しているかと言うとですね、

 

Also discussing opening up Japan to much better trade with the U.S. Currently have a massive $100 Billion Trade Deficit. Not fair or sustainable. It will all work out!

 

と言ってるわけでございまして、後半の方はですね、北朝鮮の話を色々聞いてきたけど、もうこれ動いちゃってるんだからっさって。それで一応教えてあげたんだよね後で、みたいな。で、もうこんなにスゲエ貿易赤字もあるんだからこっちの問題、こんなものは持続的にならないぞ、我々の関係としては、と。公正でもないし、っていうお話をしたんだよって言ってて、この点に関してもどんどん進んでいくよって言ってるんですから、まあこれをきちんとですね、批判なんじゃなくて、おい日本全員で目を覚まそうよと言えないというのはとっても大きな問題だと思います。で、こういう中において今申し上げたようなですね危機管理、昨日はですね、トカゲの尻尾切り、でもトカゲの尻尾を仮に切るんだとしたならば、佐川さんの前の国税庁長官であった迫田英典さん、この迫田さんが理財局長の時に道筋は建てられたわけですね。

迫田英典 - Wikipedia

佐川宣寿 - Wikipedia

佐川さんが、もちろん佐川さんは会見もしなかったしずっとホテル住まいだったなんて、私はちょっと呆れてはいますけど、でも彼があの時に、私の段階で最終的に決済だと。つまり彼のあの言葉の中には、その前にもうずっとレールが敷かれていたんじゃないかと。組織の一員である私がそこでこの問題をひっくり返すわけにはいかなかったんだという彼の精一杯の言葉があったわけでして、ここに言及したメディアがないというのも大きいな問題。ましてや彼はですね2017年の1月5日に退官をしていまして、今はTMI、なんか小室哲哉さんかい?みたいなTMI総合法律事務所顧問に就任して逃げ切りを図っているというわけでして、少なくても尻尾を切るんだったらまず彼というところであります。そして今言われている事はですね、まさに橋下徹さんの文法と同じようにですね、麻生さんがいけなかったみたいな形になってて、麻生さんはこのやろうと思ったと思いますけど、このように麻生さんを追い詰めていくと、財務省をここまで追い詰めていくという事も財務省の中の人間ももうやってられないという形でありましょうけど、同時に麻生さんがここでテーブルをひっくり返した場合、麻生さんで終わるかという大きな問題があるわけです。

内閣人事局制度というのが、私はこの制度自体はいけないとは思っていません。各省庁の中で、みんなが仲良しクラブで年次で決めている人事が、それは活力のある組織ではありません。しかしその人事を決めていく人間が、きちんとしたフェアな信賞必罰ので
きる人間が決めていかなければ、自分が好きか嫌いかなどという事だけで人事を決めていったのでは、これはだって皆さん、どんな知り合いだってそれは相性はあるかもしれません、お芝居でも。でもお互い素晴らしい才能があるならば、自分にないものを認め合うという事がとても大事なわけでして、この点が謎である。そして佐川さんを温存しようとして遅れてしまったと。まあ、よくある三菱自動車のように、隠して先送りすればなんとかなるんじゃないかと思ったのが爆発してしまったかもしれないけれども、でもその時に佐川氏だけであって、あるいはもっと違う現場の人間が処分をされていった時に、その現場の人間を任命したのは適材適所だと言っていた麻生さんじゃないかって言うんだけど、いや麻生さんで止まるんですかっていう話になってくる。その事が海外のメディアにおいて載っている写真が、まあ佐川さんの顔は不運で御座いましょうからフランスでとんでもない、女性の体を食べてしまった佐川君とは違うわけでございまして、違う写真が載っているという事は何なのかという事も考えねばならないと思います。

以前から私がずっと申し上げて参りましたけども、おそらく米朝対話が行われるであろうと。でもこの間、日本はずっと何を言ったかっていうと文在寅(ムン・ジェイン)という大統領はポピュリストでパヨクで全く意味がないと言ってたのに、今回はっきり言って、文在寅氏の下ですべてが動いてしまったという事であります。一見、文在寅氏と相性が合わないように見えたかもしれないけども冷静冷徹な考えの下で、アメリカ国益として、北朝鮮との対話を韓国を含めた上で行おうと思っているという事であります。そして今日本で伝えられている事は、中国が米朝対話になってしまったんで、中国の習近平氏の独裁体制が、習近平氏がもう無期限でできるなどというのは私は全然、民主主義でないと思っておりますけれども、でもそんな形はどこにあるかと言ったら、トルコにもあるしプーチンのロシアにもあるし、あるいはもしかしたら日本にもオーナー企業のようなところではあるのかもしれないわけですね。だから中国は今大変だなどと言ってるけど、人の振り見る前にですね、我が振り直せというですね、事を考えれば、日本だけが本当に置いてけ堀になってしまっているという事であります。で、これは同様にですね、ご存知のようにヘンリー・キッシンジャーという人、今回の政権もですねヘンリー・キッシンジャーという、もう90いくつのお年寄りがですね、未だに動いて中国あるいは北朝鮮とも事前交渉してきたという事をもっと日本は深刻にクリティカルに考えるべきだったんですね。そしてリチャード・ニクソンという大統領が、まさに電撃的に訪中をした。国交結んだのはその後日本のほうが田中角栄氏の下で早かったわけです。でも日本が先に国交を結んだ事でアメリカはへそを曲げてしまったかもしれませんけれども。リチャード・ニクソン氏が訪中をした時というのは佐藤栄作政権でした。長期政権でありました。しかし佐藤政権が訪中の事をですね聞いたのはわずか3分前だったと、訪中発表をアメリカがする前に。その事によって日本は本当に置いてけ堀になってんじゃないかという形になってしまったという事ですね。まぁこの事は毎日新聞の『余録』が比較的同じ事を書いてました。

 

余録「ある朝、目覚めたら米中が手を握っていたと考えると… 毎日新聞

同様な事をですね、独ソ不可侵条約の話を出してくる人がいますけど、これはこんがらがってしまうので、独ソ不可侵条約は何かと言ったら、フランスやイギリスと困っているドイツがソビエトと手を結ぶと。敵の敵は味方みたいなもんで、ソビエトにとってもですね、満州の方のノモンハンがある日本というものがあるから、とりあえず東の方の問題も、西の方はドイツと手を結ぼうと。そしてその上でポーランドを半分こずつしようと。リトアニアとかエストニアとかラトビアもウチにもらうぞっていう、そういう話でしかなかったわけですから、それが第二次世界対戦につながっていったわけでして、とすると今回の米朝対話は第3次世界対戦に繋がるかと、まったくそうではないという事です。

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米中国交、米中訪問という事と同じような、大きなドラスティックな平和に向けての解決だという事でありまして、この辺りがですね残念ながらこの『余録』の方もですね、よもやニクソン・ショックのような事は無かろうが・・・とかですね、あるいは日米間の連携がこれまで以上に大事ですけど、イニシアティブを誰が持っているかと言ったら、もはや韓国とアメリカと北朝鮮になっているわけで。その横に後見人としてですねロシアと中国がついているという形ですから、まさに拉致問題を抱えている日本はこういう形で良いんですかっていう事をずっと私はモーニングCROSSで、去年の9月段階から述べてきた、その度にですね、ツイッターのタイムラインでバカものという大変香ばしいお言葉をいただきましたけれども、こうやって考えてみると日本はですね、本当に危機管理というものがない、出口を、自分でドつぼを作ってしまった、と同時にですね、こうやって順繰りに佐川さんだけで終わらない部下の職員、そして麻生さん、そして迫田さんはどうするのかという話になってくる。そしてですね、今まで小佐野賢治さんだって、あるいは籠池泰典(康博)さんはそうかもしれません、小佐野賢治さんにしてもですねリクルートの江副さんにしても、民間人も証人喚問させられたわけでございますね。そしてあの時に、首相の事を殺めるような人間は証人喚問だと竹下亘国対委員長が言ったにもかかわらず今回、森山裕さんは、私もよくTPPの時に存じ上げて、本当にいい鹿児島のおじ様なんですけども、薩長土肥があるんであったら薩摩っ子がですね、ここで良い意味での逆命利君をするべきではないかと述べました。すなわち佐川さんの証人喚問をいたしますという風に言う事によって本丸を食い止めるというのが本来逆命利君、主の命令とは違う事をしながら、主を利するというのがですね逆命利君であるにもかかわらず、薩摩っ子のですね森山さんはこの大切なですね、絶好のチャンスというものもふいにしてしまって、ますます燃料を投下していくと。

「佐川氏は一般人になった。招致は難しい」自民・森山氏 朝日新聞

燃料投下するのは山本一郎さんが香ばしくお得意なのかと思いますけど、今回山本さんはですね、最初の段階で燃料の投下方法を間違えてしまったので皆さん黙ってらっしゃる。まさに虎ノ門ニュース系の方とかですね、あるいはそれに連なるようなツイッター族の方々が、ずっとこの二日くらい黙っていらっしゃって、日曜日になってサンデー・モーニングの内容だけでですね必死にまた行われている、というのは殆どなんかもう、先の対戦中の日本のですね、哀れな現象なのではないかという気がいたします。いずれにいたしましても鉄鋼とアルミニウム、鉄鋼とアルミニウムって皆さんおっしゃる。日本はこの問題をお願いします、お目こぼしをと言ってますけどいいですか皆さん、アメリカに入ってる鉄鋼はインドも中国も日本からの半分でしかないんですよ。そして韓国から入ってる鉄鋼は日本の2倍なんですよ皆さん。でも個々の問題は、そしてメキシコやカナダは一番多いですけど、メキシコやカナダも、これは我々は同盟体だからって言われてるんですね。信頼する同盟国であったはずの日本の鉄鋼とかアルミニウムが最もやり玉に上がってきているというのは一体どういう事なのか、そして先ほど申し上げたように「very enthusiastic」という単語をですね、あの綴りを間違えがちなトランプ氏が綴りを間違えずに書いてしまったという事はどういう意味なのかという事を、明日以降もまた引き続き明日はですね、困ったちゃんの朝日新聞問題を取り上げながらお届けをいたしますので、ちょっぴり意気消沈をしている虎ノ門ニュース系の方も明日もぜひ必読じゃなくて必聴くでございます。

田中康夫YouTube公式チャンネル「だから、言わんこっちゃない!」

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