2016年12月07日 「田中康夫のあとは自分で考えなさい。」第170回 DeNA会見を巡って


ニコニコ生放送「田中康夫公式チャンネル」(毎週水曜16時から) 「あとは自分で考えなさい。」12月7日放送分「DeNA」会見に関する部分の抜粋(15分44秒) http://ch.nicovideo.jp/yassy

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この放送回のブロマガ「だから、言わんこっちゃない!」

翌12月8日オンエア「オピニオンCROSS」冒頭でもDeNA問題を語っています。

[大森]左下ではDeNAの社長の会見がニコニコ生放送の・・・。

[田中]なに、メガネなんか掛けちゃってんの?

[大森]これ多分・・・。

[田中]これは違う人だよね。

[大森]はい。

[田中]まあ、ちょっとDeNAに関して聞いてみましょうか。「DeNAどうよ?」。

(来場者に問い掛けアンケート)

[大森]「DeNAどうよ?」。DeNAで、まさに今、社長さんが記者会見しておりますけれども、DeNAでやってらっしゃってたキュレーションメディア「MERY」(メリー)をはじめ、色々ありましたけれども全部落としましたね。

[田中]全部終わっちゃったの?いつ始めんですかね?どうやって始めるんだろうね。そうするとだって資金源が無くなっちゃうていう。

[大森]そうですね。

[田中]すごいよね。

[大森]「何をした」って・・・。(という質問のコメが)

[田中]「何した?」て未だに知らない人がいるの?このチャンネルを見ながら(笑)。

[大森]あー、でもわかんないですよ。

[田中]だって、新聞でもみんな扱ってるし、記事を(ブロマガに)載っけてあるから、いかにブロマガ見ねぇでタダで見にきてるかって事で、お前らちゃんと勉強しろ(笑)。リテラシーが無いんだったら勉強しろっていう事でさ。本当に。まあすごいよね。

[大森]簡単に言うと剽窃(ひょうせつ)ですね。他のサイトの記事とか他のニュースから文章をもちろん、画像まで引っ張ってきて、それをちょっとリライトして自分らの記事だと。

[田中](ブロマガの)下の方で扱おうと思ったんだけど、今、大森さんが読んじゃったから。ブロマガのずっと下の方見て下さい。これですね、いわゆる、胡散臭いなと思ってたこの「キュレーション」ってやつだね。朝日の記事だけペーストしてるんで、まず、11月30日、それまでもネット上で出てたんだけどね、朝日がボコっと書いて。

 

「IT大手のディー・エヌ・エー(DeNA)が、医療・健康情報サイト「WELQ(ウェルク)」の不正確さを指摘され、公開を中止した問題で、DeNAが報酬を払って外部ライターに記事の執筆を頼んでいたことが30日、分かった。閲覧されやすい書き方を指南するマニュアルもつくっており、DeNA自体が記事の作成に関わっていた。

 ウェルクは「内容に誤りがあるのではないか」といった批判が相次ぎ、29日夜にすべての記事の公開をやめた。誰でも自由に記事を投稿できる「キュレーションサイト」をうたっており、DeNAは掲載の場を提供しているだけだとして、サイトに「正確性、有益性などの一切に責任を負うものではありません」と表示。記事に全く関与していない、との立場を取っていた。

 ところが、関係者によると、少なくとも一部の記事については、DeNAが外部のライターに報酬を支払って記事を書くよう依頼していた。ネット上で企業とライターらを仲介する「クラウドソーシング」というサービスを通じて依頼していたという。

 DeNAは依頼の際に、独自のマニュアルを示していた。関係者によると、専門サイトを参考にしつつ、表現を書き換えることなどを指南。検索サイト「グーグル」で上位に表示される手法も伝える内容だったという。検索されやすいキーワードを組み合わせたり、記事を長くして小見出しをいれたりすることを指南していたとみられる。

 ウェルクでは記事と一緒に広告が表示されており、掲載された記事が多くの人に読まれるほどDeNAに広告料が入る仕組みだ。マニュアルには、読者を呼び込んで収入を増やす一方で、他のサイトの「丸写し」という批判を避ける狙いがあったとみられる。」

[田中]「~と言われているって必ず最後につけましょう」って言ってたっていうんだからすごいんだよね(笑)。

[大森]ははは(笑)。それだけで済んじゃうと思ってるのがすごいですよね(笑)。

[田中]ね。で、何をしていたかっていうと、とにかく四半期の営業利益10億円以上。で、ずっと下の方の記事に、これやっぱり東洋経済の記事がなかなか。

[田中]その下にtechcrunchってところが「DeNA守安氏「認識が甘かった」」。

[田中]認識が甘いとかの話じゃないのにね。すんごいぬるい会見(単独インタヴュー)を、(これじゃ)ヨイショなのか(告白なのか)よくわからない。東洋経済のこれは良い記事なので、東洋経済はやっぱりすごいなと思いましたね、これ。ちょっと読んでみたいと思います。本田雅一さんてITジャーナリストの人。まあ、山本一郎さんなんかもね、色々書いておりますけれど。これ、すごいんだよ。その中で、皆さんご存知のように、いわゆる医療のヘルスケアのところ、で、これ、何をやっていたかって言うと、この中にほら、「肩がこるのは霊が憑いている」とかわけ分かんない。

[大森]ひどいな(笑)。

[田中]ひどい話なの。しかもね、報酬。例えば・・・。

 

「たとえばグルメ情報などの発注要領では、執筆者へのメール内容から”グルメサイトの検索結果などからコピーしたお店の紹介リストをコピペする方法”を推奨。その報酬額としては1件約100円しか設定されていなかった。それらの情報をとりまとめる編集者への報酬と合わせても175円。他サイトからの文章やアイデアの盗用を推奨することなく、これだけ低廉な価格での記事は製作できないからだ。」

[大森]あ、南場さんが。

[田中]南場さまも出てきた?

[大森]南場さん、出てきましたね。

[田中]ほお。で、これ、すごいんだよね。だって「プラットフォームが月間で5000万を超えている」と。で、この手の、最初MERYは、ファッションだから無いって言ってたのに、MERYもあったって事がバレちゃったんだよね。

[大森]MERYも元々問題視されてましたからね。

[田中]そうなんですよ。それでとにかく、皆さん色々見て頂ければ、ネット上ですごいけど、「肩こりは霊が憑いている」と(笑)。ありうるか?!それを医療サイトっでって・・・。オカルトサイトならともかくだよ。それをまるで医療という名前の下でやってるんで、最終的に医療関係者から「酷すぎるんじゃないか」って話が出てきて、ネット上でも出てきて。まあ色々見てみて下さい。だけどこれね、大事な事は、やっぱりあれなんだよね、「グーグルって一体何なのか」っていう問題になるわけよ。で、これがね、ウォール・ストリート・ジャーナルに面白いのが。

[田中]「そのグーグル検索は本当に有益か?」っていう記事がアメリカのであったの。これはなかなか。つまり、私が言ってるのは(この番組のタイトルの)「あとは自分で考えなさい。」ってのを未だに「不親切だ」とかね、馬鹿なことを言ってる人がいるけれど、つまり、リテラシーって何かって言ったら、行間を読むって事じゃない?「read between the lines」って言葉を皆さん、中学で習ったでしょ。だから、そこの情報を、それが「新聞に載ってるから本当だ」とかね、いう事じゃなくて、「産経に載ってるから本当だ」とか「朝日に載ってるから本当じゃない」とかいうレベルじゃなくて、みんなの噂話にしたって、そこに真実はあるかもしれない。だからつまり、「文春砲」って言うけどね、週刊文春とか、今は週刊新潮はどうなのかわからないけど、つまり、噂話、飲み屋で聞いた話しだって、耳に引っ掛かった事をちゃんと裏取りして書くって事じゃない。「飲み屋で話てる、酔っ払ってる話だから違うね」って話じゃないわけよ。だって記者会見でだって本当の事を言わない政治家とか企業経営者は一杯いるわけだから。「記者会見で言った事だから本当だ」って思ってたらいけないわけだよね。これがやっぱり、前から言ってるけど、ヤッシーの(「脱・記者クラブ」宣言 http://yassy.system-a.org/hisyo/governor/declaration.htm の)頃からそうだけど、みんな(会見の際に)パソコンに向いて記事を打ってるわけだ。で、リアルでその場で記事書かなきゃいけない。でも、本当はこうやって(視線を発言者に向け、腕組みをしながら)聞いてて、大事なところだけ、キーワードだけメモすれば良いわけでしょ?だってみんな、ICレコーダー2台も持ってるわけじゃない。ICレコーダーを持ってたら、その人はこうやって「はぁん」って感じで見ている時に、ちょっとその口調とか、表情とか、まあ、汗かきの人はずっと汗を拭うかもしんないけどさ、そういう問題じゃなくて、汗を拭うシーンってのは必ずほら、カメラマンが撮るからね。謝罪の時に汗流しちゃいけないんですよ(笑)。だからなるべく涼しい格好をしていくべきなんだけど(笑)。とかあるじゃないですか。だからやっぱり、その辺、ウォール・ストリート・ジャーナルのこの記事はなかなか良い記事だよね。すごい記事。

[大森]特に僕なんか、ウェブサイト製作をお仕事にしてる身からすると、やっとこういう部分について・・・。

[田中]出てきたなって感じだよね。

[大森]やっと出てきたかなという感じというか、ひとつこれ、潮目が変わるんじゃないかなと思いますね。

[田中]うん。だからこのね、ヤフーの方にも載ってたであれだけど、徳力基彦さんて人、アジャイルメディア・ネットワーク。この人が書いてるのが・・・。

[田中]これなかなか良い記事ですよ。で、守安氏のテッククラッチのインタビューのところも一応書いているんだけど、これ、甘いよね本当にね。彼(徳力基彦さん)が言ってる。

 

「どうも記事を見る限り、守安さんも今回の問題の本質をまだ甘く見ているのでは無いかと言う不安がどうしても消えないので、DeNA社内にいるはずの良識派の方々を応援する意味でも、遅ればせながら自分の考えを整理してみることにしました。」

[田中]って書いてて、これ9月頃から噂になってたのね、これ。

[大森]そうですね。

[田中]特に医療を扱うWELQに関しては。

[大森]特にそうですね。前々からDeNAがやってるキュレーションメディアについては色々「記事を盗まれた」とかっていうのがtoggeter辺りに上がっていて・・・。

[田中]ああ・・・。

[大森]で、やっぱりそれも含めて「またDeNAか」と。「モバゲーの時代の頃から同じ事やってるな」みたいな事を我々も言ってたんですけど(笑)。

[田中]うん。

[大森]さすがにやっぱり医療でやっちゃったっていう事もね。

[田中]これね、辻正浩さんてのが書いてるんだけど、DeNAのキュレーションメディアWELQ、つまり、医療サイトだよ。医療健康サイト。「死にたい」と検索された際に上位に上がるようにSEOを打ってると。で、「死にたい」って何かっていうと、「死にたい」と思う人、これすごいよ。

[田中]って(笑)。つまり、本当にこれさ、「霊感商法」を馬鹿に出来ない話じゃない?「霊感商法」は、まだその場で会ってて・・・。つまり、振り込め詐欺と一緒だよねこれ。それをDeNAという上場会社がだよ、渋谷のヒカリエに会社のあるところがやっているって事よ。で、さっきも言ったように、「肩がこる」って言うと「霊が憑いてるんじゃないですか」とか。「霊感商法」を始めてた人が怒るべきだね(笑)。「俺たちをパクったか」って(笑)。これ、かなり深刻な内容ですよね、DeNAは。

[大森]よくSEO対策とかって見ますけど、本当にそういった部分を悪い意味でフル活用をしていたなという印象がすごく強いですね。

[田中]すごいよねこれ、本当に。

[大森]それをこんな大企業が、任天堂と一緒に仕事をするようなデカイところが・・・。

[田中]・・・こんな事をして良いのか?!っていう。

[大森]そういうエグいやり方をしてるのはちょっとなと。傍から見ていてあんまり良い気持ちではなかったですね。

[田中]うん。でやっぱりこれ、ちゃんとあれなんだよね、「DeNAの「WELQ」はどうやって問題記事を大量生産したか 現役社員、ライターが組織的関与を証言」って。

[田中]その段階では(命ぜられていた彼らや彼女らが)言えなかったってのは、(一人ひとりの人間とは)弱いものかもしれないけれども。でもやっぱり、これは(こうした形で世間に事実として)出てくるって事は大事で、これに対して今の会見の内容がどうなのか?ってのはね、逆に言うと、それを鬼の首取ったように言っている記者クラブ的メディアってところだって、彼らだって「~と分かった」って(警察や検察からのお貸し下げ情報で)書いてるわけ。警察から貰った情報で書いてて、裏取り出来てなくて書いてるわけじゃないですか。だからヤッシーの、百条委員会を作られた時の話なんかは全くそうだよね。(長野県)議会側が、ヤッシーがちょっと仕事(振り)がなって思って、(1人の幹部県職員を)別の職場に持ってったらね、根に持ったっていう(その)人が捏造の事を言ったわけですからね。それによって百条委員会まで作られちゃったのに、その記事を書いた人は、「俺が違う」って言ったのに、裏取りしないでやって社長賞貰ってたんだからね(笑)。その地元の新聞の編集局長賞かな(笑)。それはどうなったんでしょうかね、本当に。

百条委員会・不起訴処分を受けての長野県議会会派 信州さきがけ・トライアル信州 声明文 2007年9月4日

[大森]まあ僕らも色々SEOとかやってるんで当然の事ながら色々グーグルさんには大変お世話になってるんですけれども、グーグルさんはグーグルさんで色んなやり方で、こういう、いわゆる他からの記事を持ってきちゃうブログとかを、結構色んな形でブロックはしたりしてるんですけどね。でも、DeNAさん達は、それを上手く掻い潜って、ああやって検索結果の上に載せてくるような・・・。

[田中]DeNAにはそういうオツムを使う人がいて、「グーグルがやってる事にはこういう傾向と対策」、まあつまり、偏差値坊やや、偏差値少女がDeNAに入るようになってやったって事だよね。「傾向と対策」(旺文社)って昔ね、「傾向と対策」って算数の、数学のがあったけどさ(笑)。それをやったって事なんだけど。だからさ、ニセサイトはアメリカの大統領選でも一杯あったかもしれない。元々、それが出てきたって事は、今までのいわゆる、ずっとヤッシーが言っている事で、(大学のゼミで同級生だった)学習院の井上(寿一)学長も同じ事を言ってて、つまり、ヤッシーがこないだから言ってるのは、まさに「政官業学報」と。政治、官僚、つまり永田町、霞ヶ関、大手町と。で、そこに「学報」と。御用学者と、そして報道機関と。これは結局、現状追認だし自分達にとって都合の良い事をやってる。それに対しての反発が今回のトランプが選ばれた事でね。「トランプもそうじゃねーか」って言うかもしれないけれど、まさに「毒をもって毒を制す」っていうくらいな事までしなくちゃならないっていうのが、今のアメリカになるって事で。じゃあ、日本も早晩そうなるのか、ならないのかって。日本はね、民度ってのが「眠度」って書くからね(笑)。というところなんで、だから、これは全部にブーメランで戻ってくるっていう事なんですよね。つまり、お貸し下げ情報を貰っている。ヤッシー「脱・記者クラブ」宣言をした時に「なんで会見の主催権が知事側にあるんだ」って言ったけれども、「警察は県警本部長に、検察は検事正に会見の主催権があるってのはなんでそれが良いんですか?」って話でしょ。

これは司会の人がこうやって映ってるの?この人は、司会の人はやっぱりあれだね、お給料、ボーナス上げてあげなきゃね、こんな顔を晒されちゃって(笑)。

[大森]ははは(笑)。

[田中]「お前もDeNA」って(笑)。「じいちゃんばあちゃんは知らねーけど、良い給料の会社に入って良かったな」っていうのがね、多分、四国か九州のじいさんばあさんは今頃驚いてるよね、これ(笑)。

[大森]まあ、(会見を生中継しているのが)ニコニコですからね(笑)。

[田中]いや、だけど、ニコニコだけど・・・。

[大森]13000人見てますしね。

[田中]うん。ニコニコだけどやっぱりあれでしょ。ウチにもお客・・・、これ両方、ウチも中継しますかね(笑)。

[大森]してほしいですね(笑)。せっかくしてるんですから。

[田中]本当だよ。そういうわけなんでござって。さて、もう一回記事に戻りますけども。そんな事なんで、この辺は皆さん、「グーグル検索は本当に有益か?」。つまりそれはね「なんでも利用する」って事よ。極論すれば、我々が新聞を見るのだって何したって。ヤッシーが昔、『いまどき真っ当な料理店』を書いた時だって、俺がどこにも行かないで、部屋で天井を見てて「ここに美味い飯屋が出来た」なんて分かるわけないんだから(笑)。当時まだ、ネットの社会じゃない頃だって、雑誌に載ってました、あるいは運転してて通った時に行列が出来てる、行列が出来てなくたって、店が営業前の時間だって「なんかクンクン匂うなと、この店の出で立ちは」と。すごい金掛けてる場合も、掛けてない場合だって匂いってあるわけじゃないですか。匂いってのは料理の作ってる匂いって事じゃなくて、それがヤッシーの言ってる勘所の「勘性」でね。「勘性」というものが無ければ、ネット社会になればなる程みんな、「霊感商法」に引っ掛かってっちゃうっていう。

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