2011年03月05日 BS11 田中康夫のにっぽんサイコー! 宇沢弘文が語る「TPP」
「未来への提言 ~コモンズから始まる、信州ルネッサンス革命~」-宇沢弘文・東京大学名誉教授が手掛けた「新しい社会」の在り方- 画像クリックで全文表示
「現代思想」2015年3月臨時増刊号「宇沢弘文 人間のための経済」田中康夫「怯まず・屈せず・逃げず」宇沢弘文さんとの想い出 画像クリックで全文表示
田中康夫の「だから、言わんこっちゃない!」Vol.342『書き下ろし「ひとつの新たな長い註」を加えて7月4日リリース! 「記憶の円盤」に乗って80年代! 文庫版『33年後のなんとなく、クリスタル』 「註の更なる註」サイトも同時アップ!』
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[田中康夫]お待たせを致しました。「田中康夫のニッポンサイコー! ニッポン再興へのシーズ seeds」の時間がやって参りました。本日は私が大変に敬愛をするですね世界的な経済学者、というよりも私は思想家であるという風に思っておりますが、宇沢弘文さんをお迎えをしてTPP、またこのTPPは「第三の開国」などとですね胸を張ってる方がいますが、この「開国」は私が述べてるような国を壊す「壊国」のみならずですね奈落の底に落とす、そして第一と第二の開国というものも実は日本の歴史の上においてですね多くの無辜な民というものを傷つけたのではないか、こうした鋭い洞察力をお持ちの宇沢弘文さんにお越しを頂きました。先生宜しくどうぞお願いを申し上げます。実はですねこの収録をしております日にはですね「TPPを考える国民会議」という会が発足を致しましてこの代表の世話人になられたのが宇沢先生であります。私は元々宇沢先生は一面識も無い時に先生の仕事場に出掛けさせて頂いて、私が当時「山国の」知事をしておりましたので、まぁ「中期五ヵ年計画」とか「十ヵ年計画」とか時代が目まぐるしく変わるのに相変わらず机上の空論の計画経済をですね、国が言うから地方も作る・・・などという時にそうでは無く壮大な私達の目指すべき願うべき社会と言うものをですね一つの物語のような形で描いて頂くと。その物語を読んだ人間が職員や県民や多くの人々がですね、それを共有してそして「社会的共通資本=コモンズ」というものをどう育むのかという「~コモンズから始まる、信州ルネッサンス革命~」というのを、こちらを「未来への提言」という形で先生にお書き頂いたんです。今日はこの話では無くですねTPPというよりも「第三の開国」と言ってる事に関してちょっと先生のお考えをまずはお聞かせ頂けたらなと。
[宇沢弘文]実はですねTPPというのは皆さんあんまり馴染みが無いと思うんですね。あれはですね英語で言うと「Trans Pacific Partnership」っていうね、つまり環太平洋連携協定って言うんでしょうか。それは太平洋・環太平洋全体を含んでね同じルールで同じ条件でね貿易をしたりしようという試みでそれはねアメリカがアメリカの力に拠るアメリカの為の平和をね東アジアにもたらす為の一種のストラテジーというか・・・なんですね。その中心になるのがやはり関税とかねそういうものを一切無くして自由貿易の論理を貫こうと。で、一見良く聞こえるんですね。それを菅直人首相はね「平成の改革」と言ってね宣伝して歩いている。実はね彼が平成の改革というときにねその前に二つの改革があったんですね。第一が安政の改革・・・。
[宇沢]その次は「昭和の改革」っていう。それは敗戦の事を言ってんですね。それでね安政の改革・開国っていうのはどういう事かって言うとね列強っていうかイギリス・アメリカ、列強ヨーロッパの最後の、こう、日本を求めて、それまでインド・中国すべて「開国」してそして最後に残ったのが日本だったんですね。
[田中]ジパングというかですね・・・。
[宇沢]日本をどうやって開国させるかと。つまり列強の支配下に置いてね列強の言う通りに日本が行動するという事を求めてね、そこで幕末、ペリーの来航に始まって日本中が騒然とした状況になるわけですね。そこで尊皇攘夷と、日本古来の日本の伝統を守ろうという尊皇と、開国はね西洋の新しい文明とかなんかを積極的に導入しようという形でね始まるわけですね。そのプレッシャーがねピークに達した時にね当時の大老井伊直弼がですね決断するわけですね。決断ってもねなんていうかな「鳩山的決断」って言った方が良いと思うんですけどね、開国を決定してそしてまずアメリカと日米修好通商条約っていうのを結ぶんです。それは1858年です。でその「修好」っていうのは修身の「修」に好きになる・・・。
[田中]好き嫌いの「好」。
[宇沢]うん。それはね元々はあれ古い言葉でね、国と国との関係を修めて仲良くしていきましょうという言葉なの。ところが井伊直弼の調印した条約はね大体3つの部分があるんですね。第一はねアメリカ人が日本で日本人を殺したと、その時のね裁判権はアメリカの領事にあると。でアメリカの国法に従って処分すると。
[田中]なるほど。日本でアメリカ人が人を、日本人を殺してもそれはアメリカの法律に従って・・・。
[宇沢]そう。
[田中]領事が行うと。
[宇沢]えぇ。それが第一ですね。第二はねどの国もね関税を掛けるわけですね、その国にとって大事なものは守っていこうと。で、その関税をね日本はね掛ける権利は無いと。関税はアメリカとか列強がね決めるという自主権の喪失と。それは最初の治外法権とそれから関税。三番目はね特恵国待遇ってね、日本はアメリカ人に、最恵の最大の待遇を与えると。でも日本はアメリカ行ってもね全くそういうのは無いんですね。その3つがね中心だったんですね。それを天皇の、朝廷の了解無しに始めたっていうんで尊皇攘夷の運動は激しくなっていくわけですね。そして倒幕への動きになる。そこで井伊直弼はねまずね公家・大名・幕府の役人を徹底的にね処罰するんですね。それから吉田松陰をはじめとした所謂志士、藩を辞めて闘ってる人達を捕らえてそして処刑するわけですね。それが安政の大獄。でそこで騒然と。で、それまでの開国かどうかという問題がね、幕府を倒すという大きな流れになってそして明治維新が起こるわけですね。その前に井伊直弼は桜田門外で1860年に3月3日に暗殺されるわけですね。そういう騒然としたのが安政の開国なんですね。それを菅直人さんがねいかにもねなんか素晴らしいこととね「第一の開国!」という風に言ってるのは信じられないですね、でしかもね安政の開国によってねどういう事が起こったと。農村がね徹底的に疲弊して失業者っていうよりも生きられない人が大勢出ると。それが結局明治維新に繋がるんですね。だけど不平等条約はねずっと残るわけです。で、不平等条約をね強制されたという意識がね日本人の、に非常に強く残るんですね。それで信じられないのは暴虐なね軍国主義が起こった時もね被害者意識が残っててそれを認めてその後日本が今度は逆にアジアの隣国を侵略して、最後にはねアメリカと戦争を始めてそして悲惨な敗戦。で、菅直人はねその悲惨な敗戦をね「第二の改革」って言ってるんですね。国一国の総理がね、こんなね事を言うてのは信じられませんね。でしかもね民主党はね私達のね非常に大きな期待を以ってね誕生した歴史的な政権交代があったわけですね、それまで自民党政権がね完全にアメリカの子分になって傀儡になって日本の利益だけでなくてアジアの平和を脅かし、忠実なね下僕として働・・・、それがどれだけねアジアあるいは世界の平和をね壊してきた・・・。そういう事を忘れてねほんで日本の敗戦をね第二の開国。で今度ね、TPP、これはね最悪の国際的な取引なんですよ。つまり全てアメリカの支配下に置いてアメリカのルールに従ってアメリカの都合の良いような形で日本を、特にねやはり一番問題なのは日本の農業が壊滅的な状況に陥ることになると思うんですね。そういうことをね第三の開国と言ってそしてしかも自民党政権に対して私達の持ってた怒りそれを受け継いだ民主党の政権がね考え方によるとね自民党よりもっとひどいね・・・。
[田中]もっとアメリカにとって都合の良い国になって・・・。
[宇沢]なってるんですね。それ許せますか?もう私はもう我慢できないというね気がしてるんですね。まぁちょっと墓場から・・・。
[田中]えっ。
[宇沢]出てね闘おうという。いやぁよくね棺桶に片足突っ込んでって、僕はね実はあることがあってね棺桶から這い出して闘おうと。
[田中]いやぁでも棺桶から這い出してまさに今や「棺桶内閣」になりつつある内閣と・・・。
[宇沢]ふっふっふ(笑)。
[田中]闘うという頼もしき宇沢弘文ですけど。
[宇沢]いやぁあれを倒す為にね棺桶から這い出してきた、という感じもしてるんです。で僕、田中さんはね長野県知事をされてる時にね・・・。
[田中]はい。
[宇沢]田中さんの長野県のね長期ビジョンっていうかな、「将来ビジョン」をつくるというね非常に大切な委員会を仰せ付かって三年ぐらい苦労してね、これは私一生を通じてね考えて考えてきた事をね実際に政治的なプログラムとしてね位置づけにして頂いたという。
[田中]いえいえ。
[宇沢]ただあの、田中さんがね再選されなくてね・・・。
[田中]えぇ三選目はえぇ、「追い出され」ましたので(笑)。
[宇沢]もう残念でしたね。
[田中]んー。
[宇沢]で、僕それ知らないでね、田中さんが再選されなかったって知らないでね委員会に出てったんですよ、(そしたら)誰も居ないのね。んで頭にきてね、そしたら田中さんが再選されなかったからあの委員会もね無くなったっていうの。
[田中]でまぁ、その後に私が副知事で登用した総務省出身の人間はもうダムを、止めた筈のダムをですね自民党民主党地元の民主党社民党に阿って作るという立派な・・・。
[宇沢]彼はね田中さんが知事の時はね「うまいこと」言ってたんですよ、僕すごくそれでね信用してたの。そうしたらねとんでもないね、いやぁ僕は信じられない。やっぱり日本の官僚はホントに駄目ですね。
[田中]でもこの中で宇沢さんは「社会的共通資本」というものがあるんだ、と。それは森や川や水や土もそうだしあるいは教育や福祉もそうだし同時に金融とか医療とか教育というのもこれはみんなの・・・。
[宇沢]医療もそうですね。
[田中]えぇ。・・・って仰ってますよね。
[宇沢]社会的共通資本という考え方はね実はね経済学のね歴史をねよく読んでみるとねアダム・スミスに返ってね、つまり自分が生まれた国育った国、その歴史と文化と自然を大事にしてねそして全ての人がね人間的な生き方が出来るようなそういう制度を作るそれが経済学の目的だ、というのはアダム・スミス以来ジョン・スチュアート・ミルもソースティン・ヴェブレンもそれをね新古典派経済学っていうねそれは日本の占領と共に始まるんですけどね、基本的な考え方はね企業の自由がね最大限に保証されている時に一人一人の人間、能力もね最大限に発揮できると。で、全てのモノをね私有化して全てのモノをねマーケットを通じて取引しようと。そういう考え方で社会的共通資本を真正面から否定してそれをね実は1970年代、ポスト-ベトナムのねアメリカが非常に苦しい時にねミルトン・フリードマンがねもっと極端な形になって儲ける為には何やっても良いと。法律が邪魔だったら制度が邪魔だったら改革しろと。でその極限まで・・・。それがね小泉内閣の時に全面的に日本に導入され「改革」の名の下にそして日本の社会をね徹底的に壊してしまったんですね。今その苦痛・苦しみのなかに居る。それでTPPに参加すればですね日本はどうなってしまうのか、私は本当に棺桶から這い出して頑張りたいっていう。
[田中]こちらの「~コモンズから始まる、信州ルネッサンス革命~」もホームページの中でPDFでお読み頂くことが出来ますしこの間私も衆議院の予算委員会や本会議等でですねTPPは羊の皮を被った狼だと。つまりインドやブラジルという国も勃興してきて相対的に覇権が持てなくなったアメリカがアジアで覇権を日本をダシに使ってやろうと。しかし中国もロシアも韓国も台湾も環太平洋なのに誰も入ると言って無いんですね。
[宇沢]あのねやはり極東のね戦後の不安定、それはねアメリカがね日本をね完全に支配下に置いたっていう。朝鮮戦争もそうです、その後の、それはねそれほどね極東のね政治的な状況を不安定にするものは無いんですね。やっぱり今度のTPPでもそうですけどアメリカのね、と日本の存在感もの凄く大きいわけですね。で、なんとかしてアメリカの力から圧力からねアジアの東アジアのね歴史と自然と平和・・・、心を守ろうとしている。それはね日本がねアメリカの子分になってアメリカの言うなりに動くと、働くと。下僕になって奉仕してる、と。それほどね極東、東アジアの平和を脅かすものは無いんですね。ここでやはり日本はねちゃんとね日本の古来の歴史文化社会を大事にしてねそれを私は「社会的共通資本」という形で表現してるんですね。で、田中さんのところでね長野県の長期ビジョンをつくった時はねなんとかして田中さん、「『脱ダム』宣言」で表現されたね今の気持ちをね実際の計画としてね実現する、という為にね努力しました。
[田中]いやぁありがとうございます。
[宇沢]その時ねやっぱりそういうのをインスパイアーっていうか、したのは田中さんなんですね。田中さんはね、学者として大したこと無いんですよ。
[田中](笑)、まぁ書く者として・・・。
[宇沢]だけどね、そういうビジョンをね実際の政治実際の制度にインプリメントって難しい言葉に・・・、要するに実現していくというね、そういう点で最高ですね。
[田中]んー、アンガージュマンのまぁ駆け出しみたいなもんですね。
[宇沢]で今度久しぶりにお目に掛かってね偉くなってね衆議院議員として・・・。
[田中]偉くないですよ、それはだって税金で飯喰ってる人間は最もサービス精神を持たなきゃいけないんです。
[宇沢]偉くなって、って意味はね長野県知事の時よりもねちょっとひと回り人間的なスケールが大きくなってね、それで日本の将来のね、私達はね実現できないようなね夢物語。田中さんはねそれ実際にね現実にね実現できるような形で頑張ってらっしゃる、ということはね非常に嬉しかったですね。
[田中]とんでもない、有り難いですけど。多分ご覧なってる方、宇沢さんの著書をですね何冊かお読みの方もいらっしゃると思いますが宇沢さんは今アメリカを批判してるのでは無くてアメリカでも学ばれ、そして教鞭を執られ、そのなかで私は以前お聞きした時にチリのアジェンデ政権が失墜する時に逆に、夜パーティか何かの会合ん時にその他の人達が狂喜乱舞をしたのを見て、宇沢さんはある意味では今までモヤモヤとしていたものがそこですべて憑き物が取れたように分かったってことを仰ってて。
[宇沢]基本的には大体そうなんですけどね、ちょっと違ってね僕はアメリカで学んだ事無いんですよ。独立した研究者として呼ばれてね幾つかの大学を経て最後にフリードマン、シカゴ大学の教授になってそこでね市場原理主義者ミルトン・フリードマンとね、まぁ今考えるとかなり強烈なね対決をしたんですね。で、フリードマンって人はね人間としての良心が全く無い人なんですね。架空のね論理的な構造を作ってそれだけでいろんな事を考える。例えばね、学生の博士論文を審査する時もねそれがね結論がねミルトン・フリードマンの市場原理主義的な結論にね合ってるかどうかで判断するんですね。論文ってのはねどういう前提を置いてどういう論理あるいは実証的な研究、そしてどういう結論に達したかと。結論が最初にあるんじゃないんですね。その全体のプロセス、でフリードマンはそれをね執拗に主張していくわけですね。それがあの市場原理主義ですから。丁度シカゴに移った時にね1964年なんですけどねその時にジョンソンとゴールドウォーターのね選挙の、大統領選挙の、戦ってたんですね。その時にゴールドウォーターがねこういう事を言ったの。共産主義のベトナムはね水素爆弾を使ってねすぐね解決しよう、っていう。それに対してね猛然としたね反発が、フリードマンは一人立ち上がって、共産主義者は一人でも多すぎる、と。この地球から共産主義者を抹殺する為にね水素爆弾、どれだけ犠牲があってもかまわない、という事をね。ところがゴールドウォーターって人はね政治家なんですよ。だからね反発を恐れて撤回をするんですね。で、フリードマン、最後までねその主張を貫く。でね大学の教授ってのはね自分が何を信じてるかと学問的なことじゃ無くてねやっぱり若い人達を育てて若い人達がこれからどうやって生きていくかその時のね基本的なね生き方を私達はね伝えなきゃいけない。フリードマンのようにね儲ける為になんでもやっても良いというねそういう事をね主張しちゃ絶対いけないんですね。で、フリードマンのね一番忠実に跡を継いだ教授が居るんですけどね、彼はねある時、一週間前に家に帰ったら奥さんが飛び降り・・・、屋上から飛び降りて死んでた・・・。雪、シカゴの2月は寒いんですね、そしたらまだ温かかったって、でそいつがね今度は自分はね自殺の経済学をやるって。みんな唖然としました。それからしばらくして彼はね今度はね犯罪の経済学っていうのを・・・。
[田中]犯罪ね。
宇沢弘文さんを知っていますか!? ~昭和天皇・ローマ教皇に一目置かれた人物~ 田中康夫の「だから、言わんこっちゃない!」Vol.79
田中康夫の「だから、言わんこっちゃない!」Vol.187『ちょっぴし真面目なお話(涙)Part3 今や行政の「民営化」は錦の御旗に非ず!』
公共インフラの民間売却容易に 自治体の負担軽く 日本経済新聞
民間への下水道運営権売却、東京都が検討 日本経済新聞
http://globe.asahi.com/feature/090525/04_1.html
「社交主義的公共性」を目指して 「公益資本主義」という捉え方
「構想の庭」Vol.2 ロングインタヴュー「微力だけど、無力じゃない。」
週末Y’assy塾 「公」と「私」のホントの原義 田中康夫の「だから、言わんこっちゃない!」Vol.23
これぞ究極の規制改革~パン屋の呼称・パン屋の標示~ 田中康夫の「だから、言わんこっちゃない!」Vol.66
[宇沢]犯罪。それはね人を殺したときの楽しみと捕まって死刑になったときの痛み、それを確率論的に比較してね楽しみが大きければ殺す、痛みが大きければ殺さないと。これが実はね金融恐慌、今度の起こした金融工学の基本的な考え方。
[田中]そうですね。
[宇沢]それがねフリードマン市場原理主義。今度のTPPの根幹を貫いてるんですね。
[田中]サンクコストなんてのもそうですよね。
[宇沢]そう。
[田中]このままあとダム作る方が安上がりだったらダム壊すよりもダムだ!っていう。数字が全てという。
[宇沢]もう時間無いけどね田中さんのねやっぱり「『脱ダム』宣言」がね、僕らはねあそこで目が覚めたんですよ。ね。これまで経済学がねいかにね非人間的な、半文明的なね考え方を持ってたかって、あれを真正面から挑戦したのはあなたのね・・・。
[田中]いえいえ。
[宇沢]「『脱ダム』宣言」だったんですね。
[田中]まぁ私はその市場原理主義では無くて、市場ってのはコンピューターの上の数字でそれが実は打ち間違えてるかもしれない、ウイルスに汚染されてるかもしれないのに科学を信じて技術を疑わずと。しかし我々は科学を用いて技術を乗り越える、ということが考える葦であってだからやっぱり「いちば」、人の顔が見える一人のおばあちゃんが魚買いにきたらおばあちゃん一人暮らしだから30円割り引いとくよ、とお魚、というのはこれは別に原価計算してないわけでもなんでもない、と人間のやっぱり「いちば」の人間社会にするってのは多分おそらくずっと宇沢さんが仰ってきたことであると。
[宇沢]あのね、田中さんの今のね考えがね実はあなたが知事の時にね圧倒的な支持を得たその原点なんですよね。
[田中]しかしそのことを「脱ダム」を表層的に支持していた筈のその日暮らし内閣の菅直人さんはTPPだと仰ってんでこれに宇沢さんがまさに棺桶から這い出してでもですね、これをしなくてはですね日本はホントに滅亡しちゃうと。世界が滅亡しちゃうと。やはり私は宇沢弘文という人は経済学という数字を超えた哲学者である、ということで今日は大変にお忙しいなかをお招きをして素晴らしいお話がお聞きできたとこのように思います。是非一緒に本当に信じられる社会に、を取り戻すべく宇沢弘文さんと一緒に歩ませて頂きたいと思います。というわけで今週は宇沢弘文さんにお越しを頂きました。「ニッポンサイコー!」如何でございましたでしょうか?それではまたどうぞ来週お楽しみに。ありがとうございます。
[宇沢]どうも。
✽参考資料・映像
田中康夫有楽町街頭演説映像2011/11/05TPPは私達の生活の問題
https://www.youtube.com/watch?v=uQglWeHoQm4
TPPに関する衆議院本会議に於ける代表質問2011/11/01&2012/01/2
http://www.nippon-dream.com/?page_id=10531
11/11/01 衆議院本会議 代表質問◆本会議
http://www.nippon-dream.com/?p=5831
12/01/27 衆議院本会議 代表質問:大増税・TPP・放射能について◆本会議
http://www.nippon-dream.com/?p=6854
現代思想 2015年3月臨時増刊号 総特集 宇沢弘文「宇沢弘文 人間のための経済」>>>「怯まず・屈せず・逃げず」宇沢弘文さんとの想い出
http://www.nippon-dream.com/?p=13762