『金正恩の「ペレストロイカ」は 北朝鮮の「シンガポール化」を目指す 日本が直面する試練! 「虎穴に入らずんば虎子を得ず」 「蚊帳の外!」OR「蚊帳の中?」』 - 田中康夫公式まとめサイト
「明るい北朝鮮」と呼ばれてきたシンガポールで、2018年6月12日に開催された米朝首脳会談。Y’assyは浅田彰氏との「憂国呆談」でも昨秋から終始一貫、“米朝関係は雪解けする”と語ってきました。ドナルド・J・トランプ大統領が金正恩委員長との首脳会談を即決したのは3月9日。その前日に出演のTOKYO MX「モーニングCROSS」でも、「朝鮮半島“置いてけ堀”っぽいニッポン外交&経済」と題して今回の首脳会談を“予測”しています。
他方、「ならず者・北朝鮮」を和平交渉の舞台に、と唱和していた自称「リベラル派」wも含めた「意識高い系」は「左右」の別なく、いざ実際に進展し始めると足を引っ張り始め、会談が実現後も“懐疑的”発言を、したり顔で語っています。
朝鮮半島を巡って交錯する膨大なる情報の中から、どれを取捨選択すべきか、羅針盤としての「まとめサイト」を開設しました。
【Y’assyメッセージ】田中康夫の「だから、言わんこっちゃない!」いつもご視聴有難う御座います。
米朝首脳会談を受けての第3弾 待望のVol.332 一体全体、何を以て「拉致問題は解決した!」と宣言し得るのか!?は、申し訳ない!「鬼の霍乱かくらん」状態な風邪引きY’assyのお聞き苦しい声が恢復する(であろう)今週半ばにアップします。それまでの間、
朝鮮半島まとめサイト
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で予習・復習をお願いします。田中康夫の「だから、言わんこっちゃない!」Vol.330『これぞ21世紀の地殻変動! 情弱wな日本の「誤送船団」記者クラブには到底 理解不能な「米朝首脳会談」を徹底解説!Part1』
田中康夫の「だから、言わんこっちゃない!」Vol.331『これぞ21世紀の地殻変動! 情弱wな日本の「誤送船団」記者クラブには到底 理解不能な「米朝首脳会談」を徹底解説!Part2』
「オピニオンCROSS」は首都圏以外の全国・全世界の方々も以下、エムキャス「見逃しヴィデオ・オン・デマンド」ページにて放送後3日間ご視聴頂けます。
[堀潤]田中さん、日朝首脳会談に向けての準備を始めたということなんですが、どうご覧になってますか?
[田中康夫]前から言っているように「虎穴に入らずんば虎子を得ず」「隗より始めよ」だと思います。
「下地があったとは言え、初顔合わせにしては相当上出来でしょ」とわたしは思ってるから、今日の田中さんのオピは思うところが近いものがいくつかあった。 #クロス
— ゆうり JAPAN (@maniaxxx) June 14, 2018
田中さんの話しももう少し聞きたいけれど…風邪で喉が辛そう(T-T) #クロス
— GinsunagO (@Kirashyan) June 14, 2018
田中さん大丈夫ですか? しぶくてすてきですが。 #クロス
— A big bonsai しいがし (@shiigashi) June 14, 2018
[堀]そうですね。
[田中]河野太郎外相が「新たなフェーズに入った」とおっしゃったんで、「新たなフェーズ」とは何なのか?抽象的でよく分からん。ついこないだまで、(圧力一辺倒で)コロンビア大学の(昨秋の)講演でも「(国交関係のある世界174ヶ国は)北朝鮮と国交断絶せよ」って(日本の外務大臣として)世界中の(独立)国に(ドヤ顔で稽古付けて)言ってたわけでしょ。
[堀]そうですね。
[田中]そうやって考えてみると、トランプ氏が述べたという伝聞推定の言葉(として記者クラブ・メディアが伝える)「メイン・プレイヤーとして活躍してくれ」、(これも実は)「メイン・プレイヤーは、韓国も日本もお金を出してください」って明確に言ってるからね。そこをどう捉えるか?ですね。
軍事アナリスト 小川和久氏 @kazuhisa_ogawa 2018年6月11日ツイート
「多くの研究者、外交官、政治家は「自分たちの立場でいえば、トランプの手法に懸念を抱かざるを得ない」「ギャンブルだ」という。しかし、ビジネスパースンは懸念を抱くことはない。ギャンブルとも思わない。ハイリスク・ハイリターンは常識だから。成功したら懸念をどう説明するのか見ものだ。」
多くの研究者、外交官、政治家は「自分たちの立場でいえば、トランプの手法に懸念を抱かざるを得ない」「ギャンブルだ」という。しかし、ビジネスパースンは懸念を抱くことはない。ギャンブルとも思わない。ハイリスク・ハイリターンは常識だから。成功したら懸念をどう説明するのか見ものだ。
— 軍事アナリスト 小川和久 (@kazuhisa_ogawa) June 11, 2018
[堀]そうですね。ベンジャミンさん。
[古歩道・ベンジャミン]前に僕はチャールズ・ジェンキンスという脱走兵を取材したことがあるんですけれど。
[堀]曽我ひとみさんのね。
[古歩道]彼曰くね、「拉致被害者と言われる多くの人たち、実は2重スパイだった」と。「だから自ら行った」と本人が言ってましたのでそういう「事実」もこれから出てくるかどうかを僕は見たいところなんですよ。
[堀]ジェンキンスさんがそうやって証言されていたと。
[古歩道]そういうことですね。もう一つ大事なことを言いたいんだけれども、「その映像」でアメリカの旗があったんですよね。その旗の周りに黄色い枠が無かった。オバマの時代、黄色い枠があったんですよ。
[堀]へー?!
[古歩道]要は、アメリカの裏の基本的な権力が変わったからこういうことが可能になったことをまだ公にあまり認識されていないけれども、すごく大きいです。
[田中]うんうん。
[堀]ちょっと気になりますね。
*
[堀]さあワールド・カップも始まりました。一方でスポーツ界ではパワハラの問題やセクハラの問題など含めてさまざま言われています。ブラック・ボックス、どうでしょうね。田中さんまずはいかがですか。
[田中]まずレスリングの方は、そりゃセクハラはきちんと解明しなきゃいけない。でも実は、日大の(田中英壽)理事長のいろんな「不適切」な「暗い」お付き合いと同じように、日本レスリング協会のトップ(福田富昭会長)もどうなのか?ということもメディアでは言われてますからね。そこまで洗わないと、目をくらますための話じゃ困っちゃう。
[田中]サッカーの方は私、自分のホームページにサッカー特集サイトも作っているので皆さんに読んで頂いてんだけど。
[堀]え?!田中さん、サッカー・・・。
[田中]え?!私、だって・・・、読んでよちゃんと(笑)。
[堀]ははは。
[田中]「朝鮮問題まとめサイト」と「オレ様本田鼻高サイト(『ナンボのもんじゃい本田圭佑 「W敗」「忖度JAPAN」まとめサイト』」、今評判なのよ。
[堀]失礼いたしました。
田中さん、たまに告知(*≧∀≦*) #クロス
— Domino (@DominoTheSky) June 14, 2018
サッカーファンで作家の田中康夫さんhttps://t.co/gBLz6IxiCB #クロス
— 堀 潤 JUN HORI (@8bit_HORIJUN) June 14, 2018
[田中]まあだから是非、さっきのロシアの、みなさんツイッターで「あなおそロシア」って書いてたけど、これを是非「鼻高本田さま」にご意見聞きたい、キボンヌ。
ロシア サウジさっき見た!
— yone (@MYonechin) June 15, 2018
ロシアつえぇぇぇぇ
サウジが弱すぎ?
マジおそロシア😱😂
おそロシア サッカーのピッチにクマが出現 ボールを選手に手渡す驚愕の映像 動画開始1分頃からクマが登場
https://rocketnews24.com/2018/04/20/1048192/
[堀]そうか・・・。みなさんからのハッシュタグ、#クロスで今日もご意見お待ちしております。
*
[堀]ベンジャミンさん、どうですか?米朝首脳会談はどのようにご覧になりましたか?
[古歩道]やっぱりね、70年間続いた状況が根本的に変わろうとしているから、かなり大きな変化で次はイランも同じようなことがあると僕は思ってる。
[堀]そうですか??
[古歩道]うん、はい。
[堀]いやぁあのー、ベンジャミンさんはモーニングCROSSがはじまって以来、ずっと世界の秩序が変わってることに気が付いてほしいって話をずっとされてこられましたもんね。
[古歩道]それがやっと見えてきたんですよね。
[堀]なるほど。韓国文在寅大統領もそうでした。そしてアメリカでは中間選挙を控えていましたから、トランプさんも一つの一定の成果は、これはまあご自身にとっても追い風。世論調査の結果、トランプ大統領の北朝鮮対応を支持するという声が半数以上にのぼっていますから、両政治家たち、どの政治家たちも一応、首脳たちは韓国、北朝鮮、アメリカは今回の会談は「勝ち」だったのかもしれませんね。いかがですか。
[田中]でも文在寅という人は大変な人だと思うよ。だってトランプ氏が「やーめよ」って(日本時間で5月24日夜に)言った時にも(再考を求める談話を北朝鮮の金桂冠第1外務次官が25日早朝に出すや、透かさず翌26日に板門店で金正恩と会談し、米国との連絡ルートのない北朝鮮とホワイトハウスの伝令役として)動いたわけでしょ。常に両者をたてながら、彼がいなければ同時通訳はいなくて。
安倍晋三首相「次は私の番だ」「私はだまされない」「拙速にはやらない。被害者すべて帰すならば行く」とも
「必読モーメント」T.Katsumi @tkatsumi06jさん作成 #米朝首脳会談 合意文書で明示的に合意された4つのポイントと評価
⚡️ “2018.6.12 #米朝首脳会談 合意文書で明示的に合意された4つのポイントと評価 via @WhiteHouse” by @tkatsumi06j https://t.co/XoYwrVgMkk @hibikiyuko さんとのやりとのなかで綴った所感も追加しました。
— 💫T.Katsumi🎸 (@tkatsumi06j) June 12, 2018
[堀]そうか・・・。
[田中]「6月12日」は無かったわけですよ。
[堀]そうですね。
[田中]だから日本はなんか、「リベラル=柔(やわ)」とかね、思っているけれど・・・。
[堀]「お花畑」とか揶揄されますけれども。
[田中]それは日本のリベラルを見てるからで、これは新たな、すごい人だと僕は思っていますよ。
[堀]実行力があって成果をこうして出しますからね。
[古歩道]あのね、ビリー・グラハム(Billy Graham、1918年11月7日 - 2018年2月21日 は、現代アメリカの最も著名なキリスト教(南部バプテスト教会)の福音伝道師、牧師、神学校教師、福音派キリスト者。1950年に「ビリー・グラハム福音伝道協会」を設立した。20世紀中ごろのリバイバル運動(信仰復興運動)聖霊運動の主力となった一人である。-wikipedia)というキリスト教の宣教師がいて、彼関連の学校に実は金正恩氏はスイスで留学してたんですよ。そのビリー・グラハムはトランプ一族とも親しくあったからそういう裏事情もありましてこの会談ができたと僕は思っています。
田中康夫さんの意見に賛同だなぁ 昨日同じように指摘をしているネット番組を見ました #クロス
— masu (@kmsk29) June 14, 2018
[堀]さあ参りましょう。田中さんテーマの発表をお願いいたします。「どうして日米の「意識高い系」はドナルド・トランプ大統領に相変わらず批判的なのか!?」。
[宮瀬茉祐子]アメリカのトランプ大統領は12日、北朝鮮の金正恩委員長と史上初の米朝首脳会談を行いました。朝鮮半島の完全な非核化への決意を確認したとする一方、その具体的な行動や検証方法では合意できませんでした。今回の合意をめぐってアメリカのメディアからはアメリカが長年求めてきたはずの、完全で検証可能かつ不可逆的な非核化を実現させるプロセスはほぼ含まれていないという指摘や、これまでの声明と比べても驚くほど内容が弱いといった声があがるなど、トランプ大統領の成果を疑問視する報道が相次いでいます。
[堀]さあちょっと皆さんの意識調査の結果を見ていきましょうか。「トランプ大統領の印象について」ですが、「評価変わらない」が1041票、「状況としては良くなった」255票、「悪くなった」396票、「わからない」が117票ということで、視聴者のみなさん、冷静に状況をまずは見ようということなんでしょうね。
[田中]うーん・・・、か。
[堀]・・・か。
[田中]さきほど宮瀬さんに読んで頂いた文章は、堀さんが昔いたNHKがこの問題に関してアナウンサーが読み上げた(ニュースの)文章をそのまま実は読んで頂いたんですよ。
[堀]あっ、そうなんですね。
[田中]ということは、如何にネガティブに伝えているか。
[堀]うんうん。
[田中]日本(の政治と外交)に関してはポジティブに伝える岩田明子さまがいらっしゃる(笑)。
[堀]バイアスがかかってますね(笑)。(安倍首相の)番記者ね。岡山局の先輩です。
[田中]あっそうなの?
[堀]岡山局の先輩です、岩田明子さんは。残り香を岡山局では感じましたけどね。丁度入れ替えだったんですよ。
[田中]個人的なお付き合いはなく??
[堀]まああのー、直接はえっと・・・。
「残り香」ってなんかエロいですね。堀さん #クロス
— chibipan (@chibipan0201) June 14, 2018
[田中]まあ、あんまり訊くと汗が出てくるからやめよう(笑)。
[堀]いえいえいえ(笑)。
[田中]あのー「意識高い系」って、実は本当の意識高い系っていうのは僕はやっぱり「地頭」がある人だと思うんですよ、偏差値じゃなくて。で、「感覚」(の感性)じゃなくて「勘所・勘性」があるってことだと思うの。で、中途半端ないわゆる「意識高い系」の人ってのはアルゴリズム(与えられた方程式のまま)で動いてっちゃうから。
— 治療室えがお (@egao894) June 14, 2018
2016年11月の米大統領選の翌週のオピニオン #クロス で #田中康夫 さんが用いたフリップ pic.twitter.com/wQ7tTNT6Rs
— 意識低めの文化系 (@bunkakei1971) June 14, 2018
[堀]そうか・・・。
[田中]それ(過去のマニュアル的方程式)を「読ま」ないと駄目みたいなところがある。で、実はおもしろいことにね、(これ)トランプ氏、帰りの飛行機の機内でのツイートなの。
[堀]・・・というのはこれは翻訳は田中さんがつけて下さったんですね。
[田中]はい。そうです。
[堀]という趣旨ですね。確か帰りの機内でいきなりスマートフォンを開いてツイッターをしてる様子が遠目に撮られてましたけど。
[田中]ね。今まで散々、北朝鮮の脅威を煽ってきた人々はね、マスコミやいわゆる「国際弁護士」みたいなコメンテーターにとっては平和になるとオマンマの食い上げなわけでしょ?だから今までなんかほら、「ただいつも抗議すんのが仕事かよ?!」って「プロ市民」をdisってた人たちが、実は壮大なブーメランとして今戻ってきちゃうっていうことだと僕は思っているわけ。
[堀]そうかなるほど(笑)。
[田中]で、私はベンジャミンさんと同じように去年の9月の段階でこの3人(ウラジミール・プーチン露大統領、習中国国家主席、アンゲラ・メルケル独首相)が皆、「対話しかないんだよ」と、「軍事的解決なんて無いんだよ」と。メルケル氏も「そういう考えにアメリカがなってくれることが大事だ」って言ってる。これを見た時に、そしてあるいはジェームズ・マティス合衆国国防長官も同じようなことを言っていた。「戦わずして勝つ」という孫子の『兵法』だ、と。僕はもう、今回のような着地点、行きつ戻りつしても「来る」ということは明らかだったと思うんですよ。(掲出した3枚のフリップは昨年9月18日「モーニングCROSS」で使用したもの)
[堀]確かにおっしゃってましたよね。
[田中]ところが日本のまあ、コメンテーターやキャスターや、まさにトランプ氏が言うように、アメリカも「(米朝首脳会談があるなんて)そんな事ねーよ」って言ってたんですよ。平和が来ないのを望むのかよ?っていう、愉快犯かよ?って話だったわけね。
[堀]メディアを通じての発信は、それ(米朝首脳会談否定派)がマジョリティでした。
[古歩道]アメリカの大手マスコミのトランプの報道は9割以上非難的ですよ。完全に偏っている。
[堀]そうね。
[田中]韓国もそうで、韓国の初めてのハングル世代の新聞といわれるハンギョレ新聞だけは非常に気配りが効いていた。
「ハングル世代」の新しいメディア「ハンギョレ」とは - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%82%AE%E3%83%A7%E3%83%AC
[堀]確かに、韓国のメディアを見てても文在寅政権に対して厳しい論調が目立った。
[田中]ところで今回ね、いわゆる「CVID」、「CVIDを(シンガポールで署名した合意文書で)説明してねーじゃねーか?」皆様がおっしゃった。じゃあ、北朝鮮は何を言ってたかというと「完全かつ検証可能で不可逆的な体制保証」という「CVIG」(G=ギャランティー)を言っていたわけです。で、実はジェームズ・マティス合衆国国防長官はこないだシンガポールで(米韓日)三国防衛大臣会議の時も「完全」という言葉を抜いていたんですよね。それは私こないだ説明しました。
[田中]今回、着地をしたのはどこかというと、「SCSP」なんです。これはマイク・ポンペオ合衆国国務長官がキム・ヨンチョル(金英哲)統一戦線部長とニューヨークで5月30日に会いました。その後に彼が会見をしたのは「我々は北朝鮮が非核化に向かっていくならば、強くて(Strong)て連結した(Connected)安全で(Secure)繁栄した(Prosperous)北朝鮮というものを想像できる」ということを言ってるんですよ。だから今回の(米朝会談声明)が「C(Complete)」が無い云々なんて・・・、「完全」って何ですか?つまり、戦争って終わればその日から貧しくても鉄砲の弾は飛んでこない。でも、福島第一原子力発電所があれだけこれから毎日6000人が廃炉作業をして何年掛かるか分からない、あれだけの核の施設を、もちろん止めることはできてもそれを完璧に、完全に(廃炉に)なるのに何年掛かるのだということは、まさにポンペオ氏もマティス氏もトランプ氏も分かってるってことなんです。
[堀]トランプさん、そういう意味で言うと非常に現実的なサインをしたということなんでしょうね。
[田中]だから彼はずっとこの間、5月に既に文在寅氏と会った時に「迅速な非核化のロードマップがあれば、その中である程度の『段階』があるのはやむを得ない」って言ってるんで、今回日和ったんじゃなくて一括妥結ではなくて、結局北朝鮮と同じ意識で段階的・同時的措置、それが現実的だってことです。じゃあ北朝鮮は今何をしようかとしてるかというと、「明るいシンガポール」を目指すということは前回申し上げました。まさに(* ノーメンクラトゥーラ - Wikipedia)≒既得権者と2人(金正恩氏とトランプ氏)は戦っているんです。
[堀]ノーメンクラトゥーラ≒既得権者。
[田中](* ペレストロイカ - Wikipedia)の時にミハイル・ゴルバチョフ氏が言ったように。
[古歩道]その具体例は、今、軍事株が暴落してるんですよ。
[田中]はい。いやだからまずね、北朝鮮は4月20日の朝鮮労働党中央委員会総会で「先軍政治(軍が先だ)じゃない」と。「先党政治」ってことを言ったんです。そして「経済建設と核開発の併進路線を終了します」と、「核開発ではないよ」ってことを明確に言った。そしてその1ヵ月後に、ここで人事をしたんだけれどもさらに1ヵ月後に朝鮮人民軍の3要役職(軍総政治局長・参謀総長・人民武力相)を全員変えたんですよ。これを「身も凍る恐ろしさ」と言うのか、彼が非常に、ペレストロイカをやろうとしている。軍という既得権者、アメリカもまさに(ワシントンに巣食う巨大製薬会社や軍需産業、金融機関の)ロビイストという既得権者をトランプ氏は(* グラスノスチ - Wikipedia)で情報公開で排除していこうと。
[堀]確かに。
[田中]もう1個、こないだのG7で「G8にしようよ」ってトランプ氏が言った。で、イタリアのみしか賛成しなかったって言うけど、あれは実は何かと言うと、あの時同様に上海協力機構が青島(チンタオ)で開かれていたわけですね。
[堀]そうでした。
[田中]上海協力機構、他にも一杯、実はイスラエルまでオブザーバーで入ってるような組織。この8カ国だけで面積も人口もGDPもG7よりも多いわけですよ。
✽メンバー国計8ヶ国 中国・ロシア・カザフスタン・キルギス・タジキスタン・ウズベキスタン
✽今回から参加 インド・パキスタン
✽オブザーバー国 モンゴル・イラン・ベラルーシ・アフガニスタン
✽対話パートナー スリランカ・トルコ・アゼルバイジャン・アルメニア・カンボジア・ネパール
✽参加申請国 バングラデシュ・モルディブ・イスラエル・エジプト・シリア・カタール・バーレーン
✽客員参加国 トルクメニスタン・独立国家共同体(バルト3国を除くロシアを含む計12ヶ国 モルドバ・ジョージア・ウクライナ)ASEAN10ヶ国(カンボジア重複)
[堀]そうですね。
[田中]ということはトランプ氏の意図は「もうG8どころかG10にしないと中国、ロシア、インドまで入れないと、そんなG7なんて貴族の会議やっててしょーがねーじゃねーかよ」と。「それが世界の経済の話だよ」って。
[古歩道]要は今はとにかくG6に格下げになってるからね。
[堀]そうね。
[田中]だから、「そんな名誉白人クラブに入ってて良いの?」話だったわけ。じゃ今後どうなるか?7月27日に朝鮮戦争の休戦協定が結ばれて65周年です。もしかするとこの時に文在寅氏と金正恩氏とドナルド・トランプ氏がここで戦争終結を言うかもしれません。
[堀]3者会談。
[田中]こないだシンガポールには文在寅氏は、出てくと中国を刺激すると思ったからあえて行かなかった。そういう心配りがあります。9月9日は朝鮮民主主義人民共和国の建国70年です。9月11日には日本が「北朝鮮代表と会えるかもしれない」と思っている東方経済フォーラム@ウラジオストクがある。あるいは9月の中下旬には国連総会がある。
[堀]ここで接触があるかもしれない。
[田中]もしかすると金正恩氏が国連総会で講演をするかもしれない。そして来年の4月15日が北朝鮮の建国の父と呼べるかどうかってのはあるけれど、金日成氏の誕生日にまた何かあるかもしれない。そして最終的には来年の11月(9日)がベルリンの壁崩壊30年。もしかすると「ゆっくりやりましょう」とトランプ氏は言っている。1年後の(ベルリンの壁崩壊30年)ここで本当の全てが終わって、「みんなでノーベル平和賞だよ~ん」って言うのかもしれない。
[堀]んーん、そうか。トランプさんがね「1年後の自分は後悔してるかもしれないよ」なんて言っていたけれども・・・。
[田中]実は、「蚊帳の中」にいてなかなか出てこれない日本がどうか?って話もしようと思ったんだけれども、「もう時間だ」って言われて。
[堀]今日はね、この辺りは番組の後半でやりますからそこでやりましょう。ありがとうございました。
*
[堀]北朝鮮の人権問題、山口真由さんの解説に触れる前に田中さんどう思われますか?
[田中]トランプ氏はFOXニュースで「アメリカだってチリのアジェンデ政権(転覆)等をいっぱいやっちまったり、どこの国もそういう事をしてるじゃないか?」と。「だからそれも我々は反省した上でなければ北朝鮮と話せないよ」ってことを言ってるわけでしょ。
[堀]んーん、全体の状況も見てからだという話なんですね。山口真由さんはこう言ってます。「体制保証には金正恩委員長の独裁体制の保証も含まれてしまう」と。「人権問題の解決へ向かわない」と。じゃあどうすれば良いの?「まず第一に北朝鮮に対しての経済制裁を解除。経済の安定を図るのが必要だ。その上で人権問題を解決すべきだ。」ということで、「国が豊かになって開かれてくればそのうち段々段々人権意識や情報公開の透明性なども高めていく必要があるからだ」と。ただこれ、体制維持をしながら国民の皆さんの人権を守るというのは独裁国家に対してはなかなか・・・。
[古歩道]昔からね、アメリカの同盟国がどんなに人権侵害しても「知らない」と。
[堀]おっしゃる通り。
[古歩道]サウジアラビアが良い例。
[堀]欧米の人権侵害を見よと。
[田中](パレスチナ人に対する)イスラエルどうだ?(ロヒンギャ族に対する)ミャンマーどうだ?みたいなね。
[堀]そうね。
[古歩道]全くそれを見ないで敵国だけは細かいところを指摘するっていう癖があったからね。
[堀]ちょっと国は変わりますけれども、国連でアメリカに対して日本側がNOと言ったのは実を言うとパレスチナ問題なんですよ。イスラエルによる人権侵害を抗議して欲しいということをいろんなNGOがリクエストしました。日本政府はそれには応えましてイスラエルの非人道的行いに対しては国連でNOと言いました。日本はどうするか?さて日朝首脳会談、本格調整へとことです。安倍総理「日本がしっかりと北朝鮮と向き合っい2国間で解決していかなければいけない」、北朝鮮側「安倍総理と会ってもよい。日本とも対話を進めたい」拉致問題についてはこれまで解決済みだと言っていたものは考えは示さなかった。ここのわずかな望みがあります。何時日朝会談は行われるんでしょうか?また継続してウォッチしていきたいと思います。
米朝首脳会談の際に米国側が上映した4分間の映像「A STORY OF OPPORTUNITY FOR NORTH KOREA」
一番最後に「The future remains to be written」と表示されます。
『金正恩の「ペレストロイカ」は 北朝鮮の「シンガポール化」を目指す 日本が直面する試練! 「虎穴に入らずんば虎子を得ず」 「蚊帳の外!」OR「蚊帳の中?」』 - 田中康夫公式まとめサイト
TOKYO MX「モーニングCROSS」(07:00~08:30)は首都圏以外の全国・全世界の方々も以下、エムキャス配信ページ・スマートフォン専用アプリにてご視聴頂けます。