2018年7月24日 TBSラジオ 生島ヒロシのおはよう一直線 文科省の「行政指導」で中止となった本日の祇園祭花笠巡行 奇しくも2年後の今日はTOKYO「頭狂」五輪開会式 間違いだらけ治水・治山の改善点 電話ゲスト 田中康夫

f:id:nippon2014be:20180724171302p:plain

文字だけ早読みボタン クリック!

[生島]さて今日は作家の田中康夫さんに気になるニュースに触れていただきましょう。康夫ちゃん。

[田中]はい。おはようございます。

[生島]おはようございます。「猛暑41.1度 2020年東京オリンピックはどうなっちゃうの?」と今日は一般紙も社説で随分取り上げてますね。

[田中]ちょうど奇しくも2年後の今日が開会式なんですね。

[生島]おぉあらま。

[田中]僕は驚いたのは、こないだワールドカップがあったじゃないですか。で、ワールドカップは今度はカタールという、生島さんも行かれた中近東で、「こんな暑いところで平気なのかな?」と思ったら実はね、ヨーロッパの主要リーグの試合を全部調整をして11月下旬から12月中旬にかけて開くんですよ。そうすると僕も知らなかったんだけれど、実はこの時はね平均温度が20度くらいで平均の高い温度でも24度なんですよ。

[生島]なるほど。

[田中]なるほどそうやって考えてみると2011年のアジアカップもね、あれは1月に行ったんですよ。そうするとみんな言ってるのは「アメリカのテレビ局がちょうどゴルフや野球が無い夏の時期に放送したいからオリンピックも夏になっちゃってる」って言われてるじゃないですか。

[生島]うんうん。

[田中]だけど確かに前回の1964年の東京オリンピックはね、10月10日から10月24日だったと。

[生島]そうですよ。

[田中]で、みんなロスの1984年のロサンゼルス大会から商業主義になってったって言われてたんで、この時期からなのかな?と思ったら、なんと東京の次のパリもね(2024年)8月26日から9月11日なんですよ。(オンエア後にツイートでご指摘を頂き確認した所、月を見間違えており、1ヶ月前倒しの7月26日〜8月11日でした。但し、商業主義に大転換した1984年のロサンゼルス大会(7月28日〜8月12日)の次の1988年のソウル大会は9月17日〜10月2日に開催しており、IOCとの交渉次第で柔軟に対応可能とも思われます)

[生島]あー、ちょっとずらしてる。

[田中]9月にかけてやるんですよ。そうするとね、なんかまあ日本はもちろん、国際貢献するんでいろいろお金を出すのは良いかもしれないけれど、お金と我々の汗は国内で出してるけど、口も手も出せないっていうのは・・・。

[生島]・・・ねえ。

[田中]しかもね、カタールはちゃんとエアコン・スタジアムに全部するわけ。お金持ちの国だから・・・っていうんじゃないけれど、じゃあ千駄ヶ谷のスタジアムだってね、VIP席以外はみなさんどうなっちゃう?って話でしょ。

[生島]そうだね。

[田中]しかも、関西(のラジオ大阪)でお聴きの方もいらっしゃるけれど、(京都の)祇園祭もね花傘巡行って(祇園町の)綺麗どころの人(芸妓・舞妓)とか(地元の)子供たちが歩くのは、これはもう暑さなので異例の中止になるんですよね。

[生島]そうそうそう。

[田中]24日、今日ですよ。

[生島]そうですよ。

[田中]しかもこれはね、八坂神社が「文部科学省が校外学習や部活動については気温や湿度が高い日は中止や延期などの柔軟な処置を取るよう通知してきた」って、じゃあオリンピックの時は子供たちやマラソンを見に沿道に出たお年寄りは・・・。いやだからこれ、イギリスの『TIMES』っていう非常に伝統のある新聞も「こんな時期に日本はやってて平気か?」と。

[生島]そうだよね。これ、スケジュールずらせないんですかね?

[田中]いやだから、なんでカタールのワールドカップは(日程調整を)できるし、次のオリンピック・パリ大会も9月にやれるのに日本はこんな時期にやるのか?っていうね。

[生島]ね。ちょっと心配ですね。

[田中]まさにこれこそやっぱり日本外交の、ちゃんとモノを言えるところになって欲しいと私は思いますよ。

[生島]言えてないんだな。

[田中]んーん・・・。

[生島]さて、昨日のね東京新聞にですね「西日本並みの雨量になれば54万人孤立 東京の豪雨対策進まず」とありました。東京大丈夫なんですかね?

[田中]いやいやだから、これはもちろん・・・、でもこれが危機を煽る形になってるじゃないですか。

[生島]うん。

[田中]だって西日本豪雨の時に愛媛県で亡くなられた方が発生した肱川(ひじかわ)っていうのも103km長さがあるのに河口まで(直線で僅か)18kmって蛇行の川なんですよね。あれも結局、「ダムが必要か?必要じゃないか?」の神学論争じゃなくて、あの時、気象庁が警告をしていたのにあえてダムの流水量を通常より減らしてたんですよね。減らして溜めてて、最後直前にあんなふうに一気に流れちゃったから、「これは判断ミスじゃないか?」ってことをだいぶんね産経新聞あたりも書くようになってきたけれども。それで1つね、桂川って皆さんご存じの京都の嵐山の渡月橋(とげつきょう)のところ、あそこも2013年の台風ではね増水してお店とかが浸水したんですよ。

[生島]そうですそうです。

[田中]それに対してね(国土交通省の)近畿地方整備局ってのは、ここは割合とね新しい治水をやろうという部署で、「観光の場所だからお客さんの少ない1月から3月に限ってあの地区を2015年からずっと3年間、浚渫(しゅんせつ)をしたんですよ。つまり、地球は生きてるから砂や砂利が落ちてきますでしょ川に。それをちゃんとあの場所を浚渫したんで今回の西日本豪雨では同じような降雨量だったのに無事だったんですよね。

[生島]んーん・・・。

[田中]だからそうやって考えるとね、八ッ場ダムも1952年、僕が生まれる前に計画されて66年経ってもまだできてない。工事が始まったのが3年前でしょ。そうするとこういうこまめな浚渫、これ1平米で1万円で機械でできますからね、地元の業者の人ができる。あるいは堤防も、日本の堤防は(内部が)土と砂だけですから、アメリカや韓国とかヨーロッパは決壊するような場所には鉄板を2枚入れてるんですよね。そうするとすぐに決壊しない。これこそ製鉄メーカーもハッピー。地元の建設業の人も胸を張れる。だからやっぱりみんなで治水やそういうことを考えないと「東京、大変ですよ」って「スーパー堤防を造りますよ」って400年かかるっていうんでしょ?万里の長城のような話ね。

[生島]ふふふ(笑)。

[田中]しかも、江戸川区の人たちに「土地の買収をしないで進めます」って言うけど、土地をかさ上げするんだからその間いったいどこに家を移ってれば良いのか?っていうね。だからやっぱり治水のあり方が、いろんな意見があるけれどもやっぱり今できることは何か?そして長期的できることは、でないとね。「今後、何百人何千人死んじゃいますよ」って言われて、「じゃあ今やってることは何ですか?」と。「今は浚渫をどのくらいやってるんですか?」っていうことをメディアもね問いただしていただきたいなと私は思いますね。

[生島]それは良いポイントですね。了解しました。ありがとうございました。

[田中]どうもありがとうございました。

[生島]田中康夫さんでした。

*

「脱ダム」アーカイブ・参考資料
http://www.nippon-dream.com/?p=6773

10/07/15 ああ、ダムありきの“恥水”対策よ
http://www.nippon-dream.com/?p=403

サンデー毎日」連載「ささやかだけど、たしかなこと。」第5回 鬼怒川決壊の「真犯人」はだれか!?予防医学としての治水こそ新しい公共事業
http://www.nippon-dream.com/?p=15069

脱ダム政策の哲学と実践
http://www.nippon-dream.com/wp-content/uploads/nodams.pdf

しなやかな国土強靱化
http://www.nippon-dream.com/wp-content/uploads/56b252dcd6798974c9eb9ce7789e6ae72.pdf

巨大公共事業で地元は潤わない 
http://www.nippon-dream.com/wp-content/uploads/b90708120d9bd21e7b86863a8b31a25a.pdf

「間違いだらけの日本の治水・治山」まとめサイト

「脱ダム政策の哲学と実践」まとめサイト

【モーメント】田中康夫羊頭狗肉な水管理・国土保全 造るから治す・護る、そして創るへ。」+社虫太郎(@kabutoyama_taro)さん「脱ダム」論考

2018年7月12日 TOKYO MX モーニングCROSS 田中康夫 羊頭狗肉な水管理・国土保全 造るから治す・護る、そして創るへ。松本元死刑囚四女遺骨は”海に散骨”発言をめぐって

[生島]さて今日は作家の田中康夫さんに気になるニュースに触れていただきましょう。康夫ちゃん。

[田中]はい。おはようございます。

[生島]おはようございます。「猛暑41.1度 2020年東京オリンピックはどうなっちゃうの?」と今日は一般紙も社説で随分取り上げてますね。

埼玉・熊谷で41.1度 国内観測史上最高

[田中]ちょうど奇しくも2年後の今日が開会式なんですね。

[生島]おぉあらま。

[田中]僕は驚いたのは、こないだワールドカップがあったじゃないですか。で、ワールドカップは今度はカタールという、生島さんも行かれた中近東で、「こんな暑いところで平気なのかな?」と思ったら実はね、ヨーロッパの主要リーグの試合を全部調整をして11月下旬から12月中旬にかけて開くんですよ。そうすると僕も知らなかったんだけれど、実はこの時はね平均温度が20度くらいで平均の高い温度でも24度なんですよ。

カタールの取り組みwiki 五輪開催時期一覧
https://ja.wikipedia.org/wiki/2022_FIFA%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%89%E3%82%AB%E3%83%83%E3%83%97

[生島]なるほど。

[田中]なるほどそうやって考えてみると2011年のアジアカップもね、あれは1月に行ったんですよ。そうするとみんな言ってるのは「アメリカのテレビ局がちょうどゴルフや野球が無い夏の時期に放送したいからオリンピックも夏になっちゃってる」って言われてるじゃないですか。

[生島]うんうん。

[田中]だけど確かに前回の1964年の東京オリンピックはね、10月10日から10月24日だったと。

[生島]そうですよ。

[田中]で、みんなロスの1984年のロサンゼルス大会から商業主義になってったって言われてたんで、この時期からなのかな?と思ったら、なんと東京の次のパリもね(2024年)8月26日から9月11日なんですよ。(オンエア後にツイートでご指摘を頂き確認した所、月を見間違えており、1ヶ月前倒しの7月26日〜8月11日でした。但し、商業主義に大転換した1984年のロサンゼルス大会(7月28日〜8月12日)の次の1988年のソウル大会は9月17日〜10月2日に開催しており、IOCとの交渉次第で柔軟に対応可能とも思われます)

「まあパリは東京より夏涼しかったり・・・なんてのもあります」

f:id:nippon2014be:20180724125015j:plain

[生島]あー、ちょっとずらしてる。

[田中]9月にかけてやるんですよ。そうするとね、なんかまあ日本はもちろん、国際貢献するんでいろいろお金を出すのは良いかもしれないけれど、お金と我々の汗は国内で出してるけど、口も手も出せないっていうのは・・・。

[生島]・・・ねえ。

[田中]しかもね、カタールはちゃんとエアコン・スタジアムに全部するわけ。お金持ちの国だから・・・っていうんじゃないけれど、じゃあ千駄ヶ谷のスタジアムだってね、VIP席以外はみなさんどうなっちゃう?って話でしょ。

[生島]そうだね。

[田中]しかも、関西(のラジオ大阪)でお聴きの方もいらっしゃるけれど、(京都の)祇園祭もね花傘巡行って(祇園町の)綺麗どころの人(芸妓・舞妓)とか(地元の)子供たちが歩くのは、これはもう暑さなので異例の中止になるんですよね。

[生島]そうそうそう。

[田中]24日、今日ですよ。

[生島]そうですよ。

[田中]しかもこれはね、八坂神社が「文部科学省が校外学習や部活動については気温や湿度が高い日は中止や延期などの柔軟な処置を取るよう通知してきた」って、じゃあオリンピックの時は子供たちやマラソンを見に沿道に出たお年寄りは・・・。いやだからこれ、イギリスの『TIMES』っていう非常に伝統のある新聞も「こんな時期に日本はやってて平気か?」と。

f:id:nippon2014be:20180724122140j:plain

京都 祇園祭「花傘巡行」 猛暑で中止

猛暑で花傘巡行中止 「参加者が熱中症の危険」 京都・祇園祭

英紙も警告 2020年の東京五輪は“殺人オリンピック”になる

「悪名高い高温多湿」 日本の猛暑、海外メディアも速報

猛暑:「命に危険」列島異常高温 生活にも影響

暑さ猛烈、災害レベル 熊谷、東京消防庁、高校球児ら…記録的な1日に悲鳴「まるでサウナ」

'Unprecedented' Japan heatwave kills 65 people in a week

[生島]そうだよね。これ、スケジュールずらせないんですかね?

[田中]いやだから、なんでカタールのワールドカップは(日程調整を)できるし、次のオリンピック・パリ大会も9月にやれるのに日本はこんな時期にやるのか?っていうね。

[生島]ね。ちょっと心配ですね。

[田中]まさにこれこそやっぱり日本外交の、ちゃんとモノを言えるところになって欲しいと私は思いますよ。

[生島]言えてないんだな。

[田中]んーん・・・。

[生島]さて、昨日のね東京新聞にですね「西日本並みの雨量になれば54万人孤立 東京の豪雨対策進まず」とありました。東京大丈夫なんですかね?

西日本並み雨量なら54万人孤立 東京の豪雨対策進まず

[田中]いやいやだから、これはもちろん・・・、でもこれが危機を煽る形になってるじゃないですか。

[生島]うん。

[田中]だって西日本豪雨の時に愛媛県で亡くなられた方が発生した肱川(ひじかわ)っていうのも103km長さがあるのに河口まで(直線で僅か)18kmって蛇行の川なんですよね。あれも結局、「ダムが必要か?必要じゃないか?」の神学論争じゃなくて、あの時、気象庁が警告をしていたのにあえてダムの流水量を通常より減らしてたんですよね。減らして溜めてて、最後直前にあんなふうに一気に流れちゃったから、「これは判断ミスじゃないか?」ってことをだいぶんね産経新聞あたりも書くようになってきたけれども。

ダム放流5分前 避難指示 大規模浸水の愛媛・大洲

ダム放流「徹底的に検証する」と首相

安倍晋三首相は13日、西日本豪雨の際にダムの放流により愛媛県肱川が氾濫し、犠牲者が出たことに関し「国土交通省で徹底的に検証し、改善点があれば改善していく」と述べた。視察先の同県宇和島市で記者団に語った。

愛媛 ダム放流「下流域の被害は予想もやむをえず」

大雨の際、洪水調節機能を失った肘川水系の野村ダムと鹿野川ダム

野村ダムと鹿野川ダムの放流による肘川の水害

4人犠牲の愛媛・大洲、ダム放流量は安全基準の6倍だった…

[田中]それで1つね、桂川って皆さんご存じの京都の嵐山の渡月橋(とげつきょう)のところ、あそこも2013年の台風ではね増水してお店とかが浸水したんですよ。

[生島]そうですそうです。

[田中]それに対してね(国土交通省の)近畿地方整備局ってのは、ここは割合とね新しい治水をやろうという部署で、「観光の場所だからお客さんの少ない1月から3月に限ってあの地区を2015年からずっと3年間、浚渫(しゅんせつ)をしたんですよ。つまり、地球は生きてるから砂や砂利が落ちてきますでしょ川に。それをちゃんとあの場所を浚渫したんで今回の西日本豪雨では同じような降雨量だったのに無事だったんですよね。

[生島]んーん・・・。

世界的景勝地で初の水害対策 京都・桂川の災害復旧工事

f:id:nippon2014be:20180712162451p:plain

f:id:nippon2014be:20180724124431j:plain

f:id:nippon2014be:20180714180600j:plain

[田中]だからそうやって考えるとね、八ッ場ダムも1952年、僕が生まれる前に計画されて66年経ってもまだできてない。工事が始まったのが3年前でしょ。そうするとこういうこまめな浚渫、これ1平米で1万円で機械でできますからね、地元の業者の人ができる。あるいは堤防も、日本の堤防は(内部が)土と砂だけですから、アメリカや韓国とかヨーロッパは決壊するような場所には鉄板を2枚入れてるんですよね。そうするとすぐに決壊しない。これこそ製鉄メーカーもハッピー。地元の建設業の人も胸を張れる。
だからやっぱりみんなで治水やそういうことを考えないと「東京、大変ですよ」って「スーパー堤防を造りますよ」って400年かかるっていうんでしょ?万里の長城のような話ね。

[生島]ふふふ(笑)。

f:id:nippon2014be:20180714180758j:plain

f:id:nippon2014be:20180714180842j:plain

f:id:nippon2014be:20180714180825j:plain

[田中]しかも、江戸川区の人たちに「土地の買収をしないで進めます」って言うけど、土地をかさ上げするんだからその間いったいどこに家を移ってれば良いのか?っていうね。だからやっぱり治水のあり方が、いろんな意見があるけれどもやっぱり今できることは何か?そして長期的できることは、でないとね。「今後、何百人何千人死んじゃいますよ」って言われて、「じゃあ今やってることは何ですか?」と。「今は浚渫をどのくらいやってるんですか?」っていうことをメディアもね問いただしていただきたいなと私は思いますね。

[生島]それは良いポイントですね。了解しました。ありがとうございました。

[田中]どうもありがとうございました。

[生島]田中康夫さんでした。 

NEW!「不毛なカジノ論争を超えて」まとめサイト

月刊「VERDAD田中康夫の新ニッポン論61 カジノという「コンテンツ」加筆版

偉大な発明の電気やガスも、そのまま山中や街中に置くと樹木は焼け、人は死にます。それらを活用して如何なる利便や充実を生み出せるか。コンテンツ(中身)が問われているのです。なのに物体(オブジェクト)や話題(サブジェクト)が即ちコンテンツ、と勘違いし続ける“お子ちゃまニッポン”。

2016年12月施行の特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律=「カジノ解禁法」に続き、今年7月20日成立の特定複合観光施設区域整備法=「カジノ実施法」を巡り、相も変わらぬ神学論争が展開中です。

中内㓛(なかうち・いさお)氏と80年代の高度消費社会を牽引した堤清二(つじい・たかし)氏は「武器と麻薬と売春だけは決して扱わない」と事ある毎に発言しました。他方、辻井喬(つつみ・せいじ)氏と同じく作家のフョードル・ドストエフスキーは賭博(とばく)に嵌(は)まる性格が『罪と罰』を生み出しました。泥棒と娼婦という人類最古の職業に博徒(ばくと)も連なるのです。

日本のメディアが報じるお約束の“三大都市”はラスベガス、シンガポールマカオ。が、それ以外にも東京都港湾局がHPに記載する「合法カジノ」設置国は140ヶ国。イタリアのヴェネチア、ドイツのバーデン=バーデンにも由緒正しきカジノが存在します。ゴンドラで夙(つと)に知られる前者は元より街全体が比類なきコンテンツ。黒い森(シュヴァルツヴァルト)の一廓の、街の名称自体も“入浴=沐浴(もくよく)”を意味する後者のクアハウス(複合温泉施設)は、マレーネ・ディートリヒが風光を称揚し、ルーネットで身を滅ぼす『賭博者』の着想をドストエフスキーが得た時空。

西海岸での一攫千金(ゴールドラッシュ)の中継点としてネバダ砂漠に忽然(こつぜん)と誕生し、エルヴィス・プレスリーも舞台に立ったラスベガスは、1973年の為替レートで約5億円を浜田幸一氏が擦(す)った往時とは一変。世界最大のCES=全米家電見本市、IBM人工知能=ワトソンやアップルの新製品発表会等々。同僚や家族とともにミーティング(会議・研修)、インセンティヴ・ツアー(報奨旅行)、コンファランス(大会・学会)、エキシビション(展示会)即ちMICEに参加する人々が、ショーのステージやカジノにも足を運ぶ街へと変貌しました。

「外界からの悪い波を止め、自分達の街は自分達で護り育むのが波止場の矜恃」。藤木幸夫氏が会長を務める横浜港運協会は7月18日、公開講演会を開催。東京五輪大阪万博に象徴される経済効果の「一過性」から脱却し、宿泊・飲食・運送・観光等の多岐に亘る経済効果の「恒常性」を創出するMICE中核施設として、フランクフルトや上海と伍する規模の国際見本市が開催可能な25万平米以上の国際展示場を47万平米の山下ふ頭に民設・民営で実現を、とコペルニクス的転回を宣言したのです。

47万平米のハノーバーを筆頭に上海、フランクフルト、ミラノ、光州、昆明、ケルン、デュッセルドルフ、パリ、シカゴ。展示会場ベスト10は25万平米以上。日本最大ビッグサイトは10万平米に満たず世界77位。加えて「国策」東京五輪メディア・センターに用いる準備で来年4月から20ヶ月間、利用不可。虎視眈々(こしたんたん)と狙う中国勢。これぞ嘘偽りなき「国難」です。

返還後もスタンレー・ホー氏が君臨するマカオのカジノは『007 ワールド・イズ・ノット・イナフ』に登場したアゼルバイジャンのバクーと同様、中国やロシアの高官(シロヴィキ)&富豪(オリガルヒ)にとっての「資金洗浄マネーロンダリング)場」。ラスベガスやシンガポールとて、スロットマシンに興じる観光客のみで「採算」が取れる訳もありません。

「日本のIR構想なんて、童貞と処女がAVの脚本を書いてるレベルで赤子(あかご)の手を捻(ひね)るが如し」。知己(ちき)で大王製紙創業家三代目の井川意高(いかわ・もとたか)氏がインタヴューで微苦笑していたのを想起します。

http://tanakayasuo.me/top/wp-content/uploads/2018/07/7b49766a2ec4f0c438eb17c3c692e791.pdf

✽Ya’ssyメッセージ

今回の原稿「カジノという「コンテンツ」」は、

初校段階で10行ほど超過していた為、

幾度か編集部と行数を削減すべく遣り取りする中で、

藤木幸夫氏と井川意高氏の肩書を誤って落としてしまいました(汗)

「脱ダム」アーカイブ・参考資料
http://www.nippon-dream.com/?p=6773

10/07/15 ああ、ダムありきの“恥水”対策よ
http://www.nippon-dream.com/?p=403

サンデー毎日」連載「ささやかだけど、たしかなこと。」第5回 鬼怒川決壊の「真犯人」はだれか!?予防医学としての治水こそ新しい公共事業
http://www.nippon-dream.com/?p=15069

脱ダム政策の哲学と実践
http://www.nippon-dream.com/wp-content/uploads/nodams.pdf

しなやかな国土強靱化
http://www.nippon-dream.com/wp-content/uploads/56b252dcd6798974c9eb9ce7789e6ae72.pdf

巨大公共事業で地元は潤わない 
http://www.nippon-dream.com/wp-content/uploads/b90708120d9bd21e7b86863a8b31a25a.pdf

「間違いだらけの日本の治水・治山」まとめサイト

「脱ダム政策の哲学と実践」まとめサイト

【モーメント】田中康夫羊頭狗肉な水管理・国土保全 造るから治す・護る、そして創るへ。」+社虫太郎(@kabutoyama_taro)さん「脱ダム」論考

2018年7月12日 TOKYO MX モーニングCROSS 田中康夫 羊頭狗肉な水管理・国土保全 造るから治す・護る、そして創るへ。松本元死刑囚四女遺骨は”海に散骨”発言をめぐって

f:id:nippon2014be:20180714180354j:plain

「註の新たな註」
「いまクリ」と「もとクリ」、その記憶の円盤が舞い続ける時空。

ようこそ現在から1980年の東京、そして日本へ❣
「✽文庫本化に際しての、ひとつの新たな長い註。」でお約束した「註の新たな註」は、
両書に登場する「字句の解釈」に留まらず、
高度消費社会の幕開けから現在に至る時代背景を、
関連する僕の拙稿等も紹介しながら絵解きしていくサイトです。

Amazon田中康夫公式著者ページは以下のバナーからアクセスできます。
ぜひご利用下さい!

f:id:nippon2014be:20180703001233j:plain