2018年7月28日 TBSラジオ ナイツのちゃきちゃき大放送 伝説の最強力士「雷電」以来の…長野出身の御嶽海V🏆政治の国民離れ?or国民の政治離れ?無名28歳女性活動家当選で激震のアメリカ予備選🇺🇸周回遅れな島国ニッポン🇯🇵不毛なカジノ是非論争🎰Part 2 ゲスト 田中康夫

[土屋伸之]時刻は9時25分です。TBSラジオがお送りする「土曜ワイド ラジオ東京ナイツのちゃきちゃき大放送」、ここからは一週間を雑談で振り返る「常連さんに聞いてみよう」のお時間です。今日の常連さんは田中康夫さんです。よろしくお願いします。

[田中康夫]はい。よろしくお願いいたします。いつもの三宿にあるブーランジュリー・ボネダンヌ、前回はねご主人がちょっと体を壊されてたんだけれども。

[土屋]おっしゃってましたね。

[田中]無事復帰されて。

[土屋]そうですか。

[田中]また美味しいのを。

[塙宣之]なんか今日雨降ってるからね大丈夫かなってちょっと心配になって。

[田中]ご主人ね長野県の伊那谷のご出身なの。

[塙]長野の方なんですか。

[田中]奥さまは三重で。

[土屋]それがきっかけだったりするんですか。

[田中]いえいえ全然、僕が行ってる(金多楼という)お寿司屋さん(の若旦那)に「ここ、美味しいよ」って(薦められて)わざわざ買いに行ったんです。

[土屋]そうなんですね。

[田中]朝8時からやってるから丁度8時前に車で行って開店と同時にいただくという。

[出水麻衣]さあ康夫さん、今週、長野の話題入っております。

[田中]そうだそうだそうだ。

[出水]1週間を見出しで振り返ってみます。

[田中]御嶽海、木曽谷のご出身なんですね。私が知事の頃に(面積では北海道・岩手・福島に続いて全国で4番目の)長野県って220万人くらい人口があって、(大阪府や香川県と同じ面積の)木曽谷には4万5000人くらいなんですよ。だから(愛知県と接する下伊那郡の泰阜村の村長の部屋をお金を払って間借りして村の行事も出て住民にもなった僕とじゃ違って)いわゆる(永田町や霞ヶ関の)上を向いてる政治の人たちからすると「有権者が少ない(から税金を投入しても見返りが少ないな)」みたいな(存在として扱われていた)。で、御嶽山(おんたけさん)が(2014年9月に)爆発したでしょ。それで彼(が育った上松・あげまつ町の隣の木曽町・当時は木曽福島町の中学に)は元々、相撲部があるんですね。(彼は木曽少年相撲クラブに小学1年から入って(福島)中学、(僕が知事時代に県立木曽山林高校の農業科を森林環境科に、家具生産を学ぶ生徒が他県からも入学する木工科をデザイン科に名称変更して、同じ町内の県立木曽高校と合体して木曽清峰高校となった)高校に、木曽のそこに(彼は学んだ)。それから東京の大学を出られて(出羽海)親方から是非ウチの部屋に入ってくれって言われて、就職が決まってたのを(蹴って出羽海部屋に)入られたんですね。ちょうど噴火があった(翌年の入門だった)ので地元の御嶽山の御嶽を四股名に(自分で)付けて、「海無し県」から海に漕ぎ出すぞっていう。

[土屋]そういう意味なんですか。

[田中]お父さまは木曽の方でお母さまはフィリピンで生まれられた方で、立派な人ですよね。もちろん、それぞれ(今場所は)横綱も事情があったと思うけど、横綱とか上の方がみなさん休場されてる中で、最後感動して泣きながらも、でもすごく理知的に喋ってましたよね。

[出水]そうですね。

[田中]雷電(雷電為右衛門)って昔、すごい背の高い伝説の力士ってのがいたんだけれど、当時は横綱って言葉が無かったんだって。まあ、(同じく当番組の常連さんの)やくみつるさん辺りに聞いたらお前間違ってるよって言われるかもしれないけれど。だからその意味じゃ初めてなんですよ。

[塙]長野ですからね雷電って。

[田中]うん。そうそうそう。上田市と小諸市の間くらいの人だったと言うけどね。

[土屋]優勝制度ができてからは初めての長野出身の。

[田中]だから(ノーヒット・ノーランを達成した巨人の投手で父親は元幕内力士の山口俊さんと同じように)こういう諦めない人たちがいるのに、なんかよくほら「国民の政治離れ」って言われてたのが、ここのところの一連の話を聞くとなんか「政治の国民離れ」って感じしません?

[塙]はぁー上手い表現ですね。

[田中]いやいやいや(笑)。

[塙]政治家の方が離れてると。

[田中]雲上人になってて。

[土屋]国民を向いてないということですね。

[田中]うん。選挙の時だけ。

[塙]それ、何でそうなっちゃったんですか原因は。

[田中]これ僕、小選挙区制ってことだけじゃないと思うんですね。実はアメリカも2大政党制で小選挙区だと。で、選挙区もその時の与党が有利なようにゲリマンダー的に1つの街の中で向かいが違う選挙区とか言われるけれど、今回ねアメリカのブロンクスとかかな(ニューヨークの第14議会地区 クイーンズ&ブロンクス)、アレクサンドリア・オカシオ・コルテスさんという28歳の、多分、プエルトリコとかイタリアとかギリシャのDNAが入った方。この方が28歳で、民主党の予備選ってのがあるんですね、僕、今までね小選挙区制って意味ないなって思ってたんだけど、実はアメリカは共和党も民主党も予備選が中であるわけ、その選挙区で。そこで今回も現職がずっといて当選間違いなしって言われてたんだけれど結局、選挙の時だけ来て選挙区よりも、そりゃワシントンから世界の政治が、地球儀俯瞰が大事だって思ってたような人で、それに対して彼女はバーニー・サンダースって人がいて、この人はヒラリー・クリントン女史と(2016年のアメリカ合衆国大統領選挙を)戦おうとした、70代のお歳。彼は実は民主党員じゃないんだよね。無所属で出てきていて、だけどその人にみんなやっぱり、アメリカちゃんとまともに変えようよって。その運動の女の子だったの、ごく普通の子。でも彼女の言ったことが、やっぱり移民の人たちが多い地区だから圧倒的に勝つんですよね。ところがアメリカのメディアは『The New York Times』も含めて、そういう女性が勝ったっていうけど、一方では(記事の見出しに)名前すら無くて「民主党の幹部が落ちた」みたいに書かれてるのね。でもこれもやっぱりメディアの側も政治の国民離れみたいなとこがあって、だからそうやって考えると日本って小選挙区だからその政党の中でそこの座席を与えられればずっと平気になっちゃってるじゃないですか。無風みたいなもんでみんなやるせなさを感じてる、野党が弱いとか言うだけじゃなくて。だけどアメリカも実は2大政党と言いながら予備選が選挙区で政党の中であるってことで政策論争になってんだっていうね。私もうかつだったんだけれどもこの辺りをちゃんと政治評論家とか政治学者は判り易く言って欲しいよね。

[塙]同じ2大政党の形にしたいんだったらね。

[土屋]日本ではそれすらもね、予備選もちゃんと無いという。

[田中]うん。政治の中で今日是非お話をしようと思ったのが世論調査とかすると世論調査当たらないよっていう人たちも含めて、総じて7割の人が今回のカジノ法案ってヘンじゃないの?と。

[塙]IR法案。

[田中]うん。カジノでIR法案って「IR」ってだいたいそんなね、カジノ法案って名乗ったのはメディアが勝手に名乗ったとか言ってるけど、判り易い名前を付けない方がおかしいでしょ(笑)。これだけで作戦ミスだと僕は思うんですよ。大前研一さんてみなさんご存じの、彼も僕も同じ考えで「カジノはもう斜陽産業だ」と。だからカジノで経済効果は無いって思ってたのね。多分みなさんは、カジノはギャンブル依存症になるからいけませんって言う人がいると、一方の人たちは日本にだって公営ギャンブルいっぱいあるじゃん?と。だって競馬の競輪も競艇も全部役所の人が監督してて(中央競馬は農水省・地方競馬は総務省・競輪は経産省・競艇は国交省・オートレースは経産省)オートレースに至るまでって言う人たちがいるじゃない。実は私昔、「『脱ダム』宣言」ってのを出して、今回ダムがあっても(西日本豪雨災害を)防げなかったとか、放水を間違えたじゃんってことでやっと10数年経って理解してくれる人が出てきて、私は出来うる限りダムに拠らない方が良い・・・。

[塙]公共事業ってことですよね。

[田中]うん。話がぴょんと飛ぶように聞こえるかもしれないけれど、八ッ場ダムが66年前からダム造らないと洪水になって人が死んじゃうって。でも63年間造らないできてて、今造り始めて完成まで68年掛かるって。だったら(その間に鋼矢板工法で)護岸の補修した方が良いでしょ、浚渫(しゅんせつ)した方が良いでしょだったわけ。カジノも神学論争になっちゃってると思うんですよ。カジノが良い悪いって言うけど、現実にはみんなが(既に)パチンコ屋さんも含めて楽しみにいける所があるじゃない?ってなってる。実は(和製英語の)カジノって2種類あるんですよ。昨日もモーニングCROSSというちっちゃな東京の番組でやったんで私のホームページに全部文字起こしもあります。多分みなさんが思うのはカジノってマカオを思い出すと思うんですよ。マカオとか・・・。

[塙]ラスベガスとかじゃないんですか?

[田中]ラスベガスはね、ちょっとこれはカジノから変わってきたんです。今のラスベガスの収入というのはカジノの経済効果というのは4割以下なんです。

[塙]ラスベガスってそうなんですか?!

[田中]ラスベガスって何だったか?と言うと元々西海岸のゴールド・ラッシュがあると。その中継点であの砂漠の何も無い所に突如街ができて、まあそりゃゴールド・ラッシュで一攫千金に行く人たちはそこで楽しもうってことから始まったの。でもラスベガスの人たちはこのままでは衰退すると。だってカジノだけの街ってアメリカにもご存じのようにアトランティック・シティってのがあって、トランプさんのホテルとかもあったんだけど、ここは全部もう店が閉めちゃってるんですよ。

[出水]ね。廃業してしまって。

[田中]実は今、ラスベガスは「ファミリー・ディスティネーション」って呼ばれてるんです。「家族で訪れる場所」と。

[塙]へー。治安が良いんですね。

[田中]何かと言うと、ラスベガスは全米家電見本市という、日本の企業も出す世界一大きなフェア、あるいはIBMがワトソンっていう人工知能を造ったんですよね。そういうGoogleとかAppleとかの発表会、つまりいわゆる展示会、見本市、あるいはそこにホテルもできるから、色んな学術会議の学会とか大会とか、あるいは色んな企業が例えば営業の人が良い成績を取ると家族と一緒に、あるいは企業で旅行に行くよって、インセンティブ・ツアーって言うんですけど、それから色んなミーティング・・・。

[塙]脱カジノみたいになっちゃってるんですね、メインじゃなくなった。

[田中]そうなんですよ。むしろこちらの収入が多くて。

[土屋]ビッグサイトがあるお台場とかあの辺のような感じ。

[田中]それがもっと大きな形で。実は今回ね面白いのは、色んな所でカジノを造るとか言って住民の多くの人はそれって何よ?って。もしかしたらおじいちゃんおばあちゃんのタンス預金持ってちゃうだけじゃないの?って思ってるでしょ。カジノ(の興業を)やる人ってアメリカの企業なんだよね。

[出水]そうですね。ラスベガスを牛耳ってる方々が来るという。

[田中]一番簡単に言うと、私も知り合いの井川意高(いかわもとたか)さんて、以前、大王製紙の経営者でシンガポールとかマカオのカジノに行って100億以上スッてしまった彼が、日本でやろうと思ったって日本の人が今までいくらアミューズメント産業やってたような人がやったって向こうから来る人は「赤児(あかご)の手をひねるようなもんだ」って言ってるんですよ。何を言ってるかというとカジノは実は2種類あるんです。2種類ってのはさっき彼が言ってたようなマカオとかこういった所はロンダリングなんですよね。マネーロンダリング。カジノってスロット・マシーンは私たち、観光客が行けばやるけどこれだけで採算取れるわけじゃないじゃないですか。そうするとどうなってるかって言うと例えば中国も、いわゆる中国は良くも悪くも賄賂社会って言われてるじゃないですか。そうすると官僚の人を「招待」するわけですよ。民間で免許を貰いたいような企業の人が。で、一緒に自分も入る。あるいは別の「プロ」に入って貰う。そして最初は招待した人が負けててもあるところからその人がどんどんどんどん「勝って」っちゃうわけですよ。

[土屋・塙]えぇー!?

[田中]というのはつまり、招待した側が「負け」れば良いわけでしょ。あるいは招待した側が依頼したプロのギャンブラーが。

[土屋]え?そんなことができるんだ!?

[塙]インチキじゃないですか。

[出水]ディーラーの方と「デキ」てると、裏話ができてるってことですか。

[田中]そうするとこれは、合法的なロンダリングじゃないですか。

[出水]資金洗浄になるわけですね。

[田中]今マカオが少し斜陽だって言われてるのは何故かと言うと、習近平氏が、自分が国家主席までなったらそういう場所は許さんと。で、官僚は行っちゃいかんと言ったことで閑古鳥が鳴いているわけ。あるいはね、(ソビエト社会主義共和国連邦の解体で生まれた)アゼルバイジャンって国があって、カスピ海に面してて。そこにバクーという街があるんですけどね、『007』で『007 ワールド・イズ・ノット・イナフ』っていう「世界は俺のものになってもまだまだ足りねえぞ」っていうタイトルのこの映画の舞台がこのバクーだった。いわゆるソヴィエトが分かれた後ここにはアメリカ系のホテルをはじめ、ホテルの中にカジノがいっぱいあるんですよ。ここは『007』がなんで舞台にしたかっていうと、これもまたマネーロンダリングとしてカジノが使われるという形だったの。これだけみるととんでもないって思うでしょ?とんでもないの。だけど一方で、例えばヴェネチアとかドイツの温泉町でバーデン=バーデンっていう黒い森という所のカジノもあるのね。これは何かって言うとロンダリングじゃなくてサロンなんですよ。

[出水]社交場ですか?

[田中]バーデン=バーデンとかはマレーネ・ディートリッヒが「こんなに美しくて高貴な場所はない」って言ったような温泉がありコンサート・ホールもあり、そして老人が保養に来てその中の一角にとても素敵な建物で(カジノが)ある。ヴェニスも我々が行ってヴェニスはやっぱりゴンドラがあったり、そういう全体の街がある中で小さな(カジノが)ある。これは1つのサロンですよね。応接間みたいなもの。じゃあどっちを造るのか?と。でも多分、日本で今、手を挙げてるところはなんかね、例えば京都が手を挙げたとかいうと日本の、数字に換算できない蓄積の場所って話かもしれないけれど、そうじゃないじゃない?そうするとこれはまさに・・・。

[土屋]・・・ロンダリングの場所じゃないか?と。

[田中]ね。それでね実は(一時期は女性市長がカジノを打ち上げた)横浜も手を挙げていると言われていた。商工会議所も横浜市役所も。

[塙]横浜にあるんですか?

[出水]一時期そういう話もあったですよね、横浜誘致をという。

[田中]そしたらねこないだの横浜の港運協会って港湾ってのは船の荷を下ろしたりとか港を管理する、ここの会長を務めている藤木幸夫さんっていう方がいらっしゃって、立派な方なんだけれども彼はやっぱり最初カジノかと思ったけれども、どうも違うと(「むしろ恒常的な経済にしよう」ということで彼は「MICE(マイス)こそ持続的な経済効果だ」と)。こういうコンベンション、見本市とか展示会、これが日本の会場ってのはあれなんですよ、東京ビッグサイトでも世界の(会場面積順位で)77位で低いんですよ。で、1番がハノーバーとか上海とかフランクフルトとかミラノで、みんな大体30万㎡とか25万㎡くらいあるのに、日本はビッグサイトでも10万㎡も無いんですよ。

[出水]そうかみんな3、4倍の規模があるんですね。

[田中]で、官僚が造ったから立派な建物だけど空調も維持費掛かるみたいな。そしたら横浜は本牧ふ頭とか新本牧とか大黒ふ頭とか、既にコンテナが来る場所はあるから、むしろ山下ふ頭という山下公園の横のところにカジノを造るって言ってたのを、とんでもないと。むしろ市民が不安になるしそこでお金までアレしますよって話になってタンス預金取られてっちゃったら元も子もないと。だからここで世界で初めて船が直接着けられる、っていうことは保税区だから、見本市に持ってくるモノも保税のまま置けるから、ここを47万㎡あるので25万㎡レベルで展示会場を造ろうと。

[出水]良い案ですね。

[田中]でしょ?僕はそれ、すごくそうだねって大前さんと言ってたの。そしたら今ね、新しい国難が日本に生まれているんですよ。

[出水]なんでしょうか?!

[土屋]国難?!

[田中]知ってます?もちろん、オリンピック、まあ温度が高くならないことを望むばかりだけれども、ビッグサイトと幕張メッセってオリンピックで色んなことで使うと。事務機構で。最大20ヶ月閉まっちゃうんですよ。

[出水]20ヶ月?!

[土屋]20ヶ月?!

[塙]何に使うんですか?

[田中]さまざまなオリンピックの管理運営のところで使うと言ってるから。

[土屋]もうボチボチそういう期間に入るということですね。

[田中]そうするとね、コミケができないだけじゃなくてあそこで色んな、まさに日本が海外流出したとは言っても、ものづくり産業の国じゃないですか。色んな展示会ができなくなる。これが今、どこが狙ってるかというと中国の上海とか広州とか、ホントに30万、40万㎡の展示会場がウチでやりましょうと。これこそ日本に戻ってこないかもしれない国難だと。やっぱりそれをね港で横浜でやろうってのを今、商工会議所とか市役所は、いやカジノって言ってるらしいんだけれど、横浜港運協会ってところが(展示会場移転を)やろうって言ってるの。この藤木さんが言ってる言葉ですごいなと思ったのは、こないだシンポジウムがあって伺ったら、いや、波止場だと。私たち波止場食堂とか波止場って言葉使うけれども、波止場って波を止める場って書くでしょ。悪い波を止めて、外からの、自分たちの街をモンロー主義じゃなくて自分たちで守るのが波止場の心意気だって。

[塙]まさに波止場なんだと。

[田中]それは何かって言ったら、宿泊だけじゃなくてそこにラスベガスと同じように、ラスベガスもおじいちゃんおばあちゃんはそこでショーを見る、アーティストの。

[出水]家族も楽しめる場所。

[田中]子供たちはショッピングができる。お父さんはそこの展示会に行く。そういう場所になってきてる。

[土屋]カジノと一言で言ってもそういう色んな種類があって。

[塙]東洋館(浅草フランス座演芸場東洋館)狭過ぎるかな。

[土屋]東洋館に誘致するかどうかだね(笑)。

[田中]カジノさえ来れば千客万来ってのはほら、バブルな頃に立派なコンサートホール造りゃおらの街も人来るかな?って言ってたのと同じじゃないかって。

[土屋]そういう不安もあるという。

[田中]その辺りはこないだ『報道特集』でも流してたけど大事な視点だなっていう。

[塙]面白い角度でございますね。

[土屋]わかりました。ありがとうございます。1週間のニュースをですね田中さんと一緒に振り返って参りました。

[土屋伸之]時刻は9時25分です。TBSラジオがお送りする「土曜ワイド ラジオ東京ナイツのちゃきちゃき大放送」、ここからは一週間を雑談で振り返る「常連さんに聞いてみよう」のお時間です。今日の常連さんは田中康夫さんです。よろしくお願いします。

[田中康夫]はい。よろしくお願いいたします。いつもの三宿にあるブーランジュリー・ボネダンヌ、前回はねご主人がちょっと体を壊されてたんだけれども。

[土屋]おっしゃってましたね。

[田中]無事復帰されて。

[土屋]そうですか。

[田中]また美味しいのを。

[塙宣之]なんか今日雨降ってるからね大丈夫かなってちょっと心配になって。

[田中]ご主人ね長野県の伊那谷のご出身なの。

f:id:nippon2014be:20161124173419j:plain

[塙]長野の方なんですか。

[田中]奥さまは三重で。

[土屋]それがきっかけだったりするんですか。

[田中]いえいえ全然、僕が行ってる(金多楼という)お寿司屋さん(の若旦那)に「ここ、美味しいよ」って(薦められて)わざわざ買いに行ったんです。

[土屋]そうなんですね。

[田中]朝8時からやってるから丁度8時前に車で行って開店と同時にいただくという。

[出水麻衣]さあ康夫さん、今週、長野の話題入っております。

[田中]そうだそうだそうだ。

[出水]1週間を見出しで振り返ってみます。

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御嶽海久司

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BE%A1%E5%B6%BD%E6%B5%B7%E4%B9%85%E5%8F%B8

[田中]御嶽海、木曽谷のご出身なんですね。私が知事の頃に(面積では北海道・岩手・福島に続いて全国で4番目の)長野県って220万人くらい人口があって、(大阪府や香川県と同じ面積の)木曽谷には4万5000人くらいなんですよ。だから(愛知県と接する下伊那郡の泰阜村の村長の部屋をお金を払って間借りして村の行事も出て住民にもなった僕とじゃ違って)いわゆる(永田町や霞ヶ関の)上を向いてる政治の人たちからすると「有権者が少ない(から税金を投入しても見返りが少ないな)」みたいな(存在として扱われていた)。で、御嶽山(おんたけさん)が(2014年9月に)爆発したでしょ。それで彼(が育った上松・あげまつ町の隣の木曽町・当時は木曽福島町の中学に)は元々、相撲部があるんですね。(彼は木曽少年相撲クラブに小学1年から入って(福島)中学、(僕が知事時代に県立木曽山林高校の農業科を森林環境科に、家具生産を学ぶ生徒が他県からも入学する木工科をデザイン科に名称変更して、同じ町内の県立木曽高校と合体してwikipedia:長野県木曽青峰高等学校となった)高校に、木曽のそこに(彼は学んだ)。それから東京の大学を出られて(出羽海)親方から是非ウチの部屋に入ってくれって言われて、就職が決まってたのを(蹴って出羽海部屋に)入られたんですね。ちょうど噴火があった(翌年の入門だった)ので地元の御嶽山の御嶽を四股名に(自分で)付けて、「海無し県」から海に漕ぎ出すぞっていう。

[土屋]そういう意味なんですか。

[田中]お父さまは木曽の方でお母さまはフィリピンで生まれられた方で、立派な人ですよね。もちろん、それぞれ(今場所は)横綱も事情があったと思うけど、横綱とか上の方がみなさん休場されてる中で、最後感動して泣きながらも、でもすごく理知的に喋ってましたよね。

[出水]そうですね。

[田中]雷電(wikipedia:雷電為右衛門)って昔、すごい背の高い伝説の力士って昔、すごい背の高い伝説の力士ってのがいたんだけれど、当時は横綱って言葉が無かったんだって。まあ、(同じく当番組の常連さんの)やくみつるさん辺りに聞いたらお前間違ってるよって言われるかもしれないけれど。だからその意味じゃ初めてなんですよ。

[塙]長野ですからね雷電って。

[田中]うん。そうそうそう。上田市と小諸市の間くらいの人だったと言うけどね。

[土屋]優勝制度ができてからは初めての長野出身の。

[田中]だから(ノーヒット・ノーランを達成した巨人の投手で父親は元幕内力士のwikipedia:山口俊さんと同じように)こういう諦めない人たちがいるのに、なんかよくほら「国民の政治離れ」って言われてたのが、ここのところの一連の話を聞くとなんか「政治の国民離れ」って感じしません?

[塙]はぁー上手い表現ですね。

[田中]いやいやいや(笑)。

[塙]政治家の方が離れてると。

[田中]雲上人になってて。

[土屋]国民を向いてないということですね。

[田中]うん。選挙の時だけ。

[塙]それ、何でそうなっちゃったんですか原因は。

[田中]これ僕、小選挙区制ってことだけじゃないと思うんですね。実はアメリカも2大政党制で小選挙区だと。で、選挙区もその時の与党が有利なようにゲリマンダー的に1つの街の中で向かいが違う選挙区とか言われるけれど、今回ねアメリカのブロンクスとかかな(ニューヨークの第14議会地区 クイーンズ&ブロンクス)、アレクサンドリア・オカシオ・コルテスさんという28歳の、多分、プエルトリコとかイタリアとかギリシャのDNAが入った方、この方が28歳で。

田中康夫YouTube公式チャンネル「だから、言わんこっちゃない!」 Vol.356『日本のヘタレ野党とは大違い! 既得権益・労働組合をぶっ飛ばせ! 28歳のアレキサンドリア・オカシオ・コルテス嬢が アメリカ民主党で巻き起こす旋風!』動画と共に関連記事へのリンクあり

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[田中]民主党の予備選ってのがあるんですね、僕、今までね小選挙区制って意味ないなって思ってたんだけど、実はアメリカは共和党も民主党も予備選が中であるわけ、その選挙区で。そこで今回も現職がずっといて当選間違いなしって言われてたんだけれど結局、選挙の時だけ来て選挙区よりも、そりゃワシントンから世界の政治が、地球儀俯瞰が大事だって思ってたような人で、それに対して彼女はバーニー・サンダースって人がいて、この人はヒラリー・クリントン女史と(2016年のアメリカ合衆国大統領選挙を)戦おうとした、70代のお歳。彼は実は民主党員じゃないんだよね。無所属で出てきていて、だけどその人にみんなやっぱり、アメリカちゃんとまともに変えようよって。その運動の女の子だったの、ごく普通の子。でも彼女の言ったことが、やっぱり移民の人たちが多い地区だから圧倒的に勝つんですよね。ところがアメリカのメディアは『The New York Times』も含めて、そういう女性が勝ったっていうけど、一方では(記事の見出しに)名前すら無くて「民主党の幹部が落ちた」みたいに書かれてるのね。でもこれもやっぱりメディアの側も政治の国民離れみたいなとこがあって、だからそうやって考えると日本って小選挙区だからその政党の中でそこの座席を与えられればずっと平気になっちゃってるじゃないですか。無風みたいなもんでみんなやるせなさを感じてる、野党が弱いとか言うだけじゃなくて。だけどアメリカも実は2大政党と言いながら予備選が選挙区で政党の中であるってことで政策論争になってんだっていうね。私もうかつだったんだけれどもこの辺りをちゃんと政治評論家とか政治学者は判り易く言って欲しいよね。

[塙]同じ2大政党の形にしたいんだったらね。

[土屋]日本ではそれすらもね、予備選もちゃんと無いという。

[田中]うん。政治の中で今日是非お話をしようと思ったのが世論調査とかすると世論調査当たらないよっていう人たちも含めて、総じて7割の人が今回のカジノ法案ってヘンじゃないの?と。

[塙]IR法案。

必読!

独占インタヴュー 井川意高氏

カジノ法案成立も… 106億円スった「大王製紙元会長」は“日本ではうまく行かない”

 

NEW! 2018年7月27日 TOKYO MX モーニングCROSS 田中康夫 周回遅れな島国ニッポン🇯🇵不毛なカジノ是々非々論争🎰オウム真理教残る6人の刑執行 文科省に集中?官僚逮捕😱

NEW!「不毛なカジノ論争を超えて」まとめサイト

月刊「VERDAD」田中康夫の新ニッポン論61 カジノという「コンテンツ」加筆版

偉大な発明の電気やガスも、そのまま山中や街中に置くと樹木は焼け、人は死にます。それらを活用して如何なる利便や充実を生み出せるか。コンテンツ(中身)が問われているのです。なのに物体(オブジェクト)や話題(サブジェクト)が即ちコンテンツ、と勘違いし続ける“お子ちゃまニッポン”。

2016年12月施行の特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律=「カジノ解禁法」に続き、今年7月20日成立の特定複合観光施設区域整備法=「カジノ実施法」を巡り、相も変わらぬ神学論争が展開中です。

中内㓛(なかうち・いさお)氏と80年代の高度消費社会を牽引した堤清二(つじい・たかし)氏は「武器と麻薬と売春だけは決して扱わない」と事ある毎に発言しました。他方、辻井喬(つつみ・せいじ)氏と同じく作家のフョードル・ドストエフスキーは賭博(とばく)に嵌(は)まる性格が『罪と罰』を生み出しました。泥棒と娼婦という人類最古の職業に博徒(ばくと)も連なるのです。

日本のメディアが報じるお約束の“三大都市”はラスベガス、シンガポール、マカオ。が、それ以外にも東京都港湾局がHPに記載する「合法カジノ」設置国は140ヶ国。イタリアのヴェネチア、ドイツのバーデン=バーデンにも由緒正しきカジノが存在します。ゴンドラで夙(つと)に知られる前者は元より街全体が比類なきコンテンツ。黒い森(シュヴァルツヴァルト)の一廓の、街の名称自体も“入浴=沐浴(もくよく)”を意味する後者のクアハウス(複合温泉施設)は、マレーネ・ディートリヒが風光を称揚し、ルーネットで身を滅ぼす『賭博者』の着想をドストエフスキーが得た時空。

西海岸での一攫千金(ゴールドラッシュ)の中継点としてネバダ砂漠に忽然(こつぜん)と誕生し、エルヴィス・プレスリーも舞台に立ったラスベガスは、1973年の為替レートで約5億円を浜田幸一氏が擦(す)った往時とは一変。世界最大のCES=全米家電見本市、IBMの人工知能=ワトソンやアップルの新製品発表会等々。同僚や家族とともにミーティング(会議・研修)、インセンティヴ・ツアー(報奨旅行)、コンファランス(大会・学会)、エキシビション(展示会)即ちMICEに参加する人々が、ショーのステージやカジノにも足を運ぶ街へと変貌しました。

「外界からの悪い波を止め、自分達の街は自分達で護り育むのが波止場の矜恃」。藤木幸夫氏が会長を務める横浜港運協会は7月18日、公開講演会を開催。東京五輪や大阪万博に象徴される経済効果の「一過性」から脱却し、宿泊・飲食・運送・観光等の多岐に亘る経済効果の「恒常性」を創出するMICE中核施設として、フランクフルトや上海と伍する規模の国際見本市が開催可能な25万平米以上の国際展示場を47万平米の山下ふ頭に民設・民営で実現を、とコペルニクス的転回を宣言したのです。

47万平米のハノーバーを筆頭に上海、フランクフルト、ミラノ、光州、昆明、ケルン、デュッセルドルフ、パリ、シカゴ。展示会場ベスト10は25万平米以上。日本最大ビッグサイトは10万平米に満たず世界77位。加えて「国策」東京五輪メディア・センターに用いる準備で来年4月から20ヶ月間、利用不可。虎視眈々(こしたんたん)と狙う中国勢。これぞ嘘偽りなき「国難」です。

返還後もスタンレー・ホー氏が君臨するマカオのカジノは『007 ワールド・イズ・ノット・イナフ』に登場したアゼルバイジャンのバクーと同様、中国やロシアの高官(シロヴィキ)&富豪(オリガルヒ)にとっての「資金洗浄(マネーロンダリング)場」。ラスベガスやシンガポールとて、スロットマシンに興じる観光客のみで「採算」が取れる訳もありません。

「日本のIR構想なんて、童貞と処女がAVの脚本を書いてるレベルで赤子(あかご)の手を捻(ひね)るが如し」。知己(ちき)で大王製紙創業家三代目の井川意高(いかわ・もとたか)氏がインタヴューで微苦笑していたのを想起します。

http://tanakayasuo.me/top/wp-content/uploads/2018/07/7b49766a2ec4f0c438eb17c3c692e791.pdf

反対・横浜港運協会の藤木幸夫会長(87)「カジノは街を壊す」

田中康夫YouTube公式チャンネル「だから、言わんこっちゃない!」

Vol.357『間違いだらけな日本のカジノ論争 「IR」の意味も知らずにハシャギまくる「カジノ」至上主義者!』

Vol.358『「迷走日本」を憂えるヨコハマの真っ当なる国士! まもなく米寿を迎える藤木幸夫・横浜港運協会会長に敬服!』

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NEW! Vol.359『日本を再興するのは「天動説」⁉それとも「地動説」⁉ 「不毛なカジノ論争」を超えられるのは、「地頭」と「勘性」の持ち主だ!』

 

藤木幸夫氏インタヴュー 神奈川新聞 

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[田中]うん。カジノでIR法案って「IR」ってだいたいそんなね、カジノ法案って名乗ったのはメディアが勝手に名乗ったとか言ってるけど、判り易い名前を付けない方がおかしいでしょ(笑)。これだけで作戦ミスだと僕は思うんですよ。大前研一さんてみなさんご存じの、彼も僕も同じ考えで「カジノはもう斜陽産業だ」と。

大前研一氏「カジノは斜陽産業。経済活性化はあり得ない」

[田中]だからカジノで経済効果は無いって思ってたのね。多分みなさんは、カジノはギャンブル依存症になるからいけませんって言う人がいると、一方の人たちは日本にだって公営ギャンブルいっぱいあるじゃん?と。だって競馬の競輪も競艇も全部役所の人が監督してて(中央競馬は農水省・地方競馬は総務省・競輪は経産省・競艇は国交省・オートレースは経産省)オートレースに至るまでって言う人たちがいるじゃない。実は私昔、「『脱ダム』宣言」ってのを出して、今回ダムがあっても(西日本豪雨災害を)防げなかったとか、放水を間違えたじゃんってことでやっと10数年経って理解してくれる人が出てきて、私は出来うる限りダムに拠らない方が良い・・・。

[塙]公共事業ってことですよね。

[田中]うん。話がぴょんと飛ぶように聞こえるかもしれないけれど、八ッ場ダムが66年前からダム造らないと洪水になって人が死んじゃうって。でも63年間造らないできてて、今造り始めて完成まで68年掛かるって。だったら(その間に鋼矢板工法で)護岸の補修した方が良いでしょ、浚渫(しゅんせつ)した方が良いでしょだったわけ。カジノも神学論争になっちゃってると思うんですよ。カジノが良い悪いって言うけど、現実にはみんなが(既に)パチンコ屋さんも含めて楽しみにいける所があるじゃない?ってなってる。実は(和製英語の)カジノって2種類あるんですよ。昨日もモーニングCROSSというちっちゃな東京の番組でやったんで私のホームページに全部文字起こしもあります。多分みなさんが思うのはカジノってマカオを思い出すと思うんですよ。マカオとか・・・。

[塙]ラスベガスとかじゃないんですか?

[田中]ラスベガスはね、ちょっとこれはカジノから変わってきたんです。今のラスベガスの収入というのはカジノの経済効果というのは4割以下なんです。

[塙]ラスベガスってそうなんですか?!

[田中]ラスベガスって何だったか?と言うと元々西海岸のゴールド・ラッシュがあると。その中継点であの砂漠の何も無い所に突如街ができて、まあそりゃゴールド・ラッシュで一攫千金に行く人たちはそこで楽しもうってことから始まったの。でもラスベガスの人たちはこのままでは衰退すると。だってカジノだけの街ってアメリカにもご存じのようにアトランティック・シティってのがあって、トランプさんのホテルとかもあったんだけど、ここは全部もう店が閉めちゃってるんですよ。

[出水]ね。廃業してしまって。

[田中]実は今、ラスベガスは「ファミリー・ディスティネーション」って呼ばれてるんです。「家族で訪れる場所」と。

[塙]へー。治安が良いんですね。

[田中]何かと言うと、ラスベガスは全米家電見本市という、日本の企業も出す世界一大きなフェア、あるいはIBMがwikipedia:ワトソン (コンピュータ)っていう人工知能を造ったんですよね。そういうGoogleとかAppleとかの発表会、つまりいわゆる展示会、見本市、あるいはそこにホテルもできるから、色んな学術会議の学会とか大会とか、あるいは色んな企業が例えば営業の人が良い成績を取ると家族と一緒に、あるいは企業で旅行に行くよって、インセンティブ・ツアーって言うんですけど、それから色んなミーティング・・・。

[塙]脱カジノみたいになっちゃってるんですね、メインじゃなくなった。

[田中]そうなんですよ。むしろこちらの収入が多くて。

[土屋]ビッグサイトがあるお台場とかあの辺のような感じ。

[田中]それがもっと大きな形で。実は今回ね面白いのは、色んな所でカジノを造るとか言って住民の多くの人はそれって何よ?って。もしかしたらおじいちゃんおばあちゃんのタンス預金持ってちゃうだけじゃないの?って思ってるでしょ。カジノ(の興業を)やる人ってアメリカの企業なんだよね。

[出水]そうですね。ラスベガスを牛耳ってる方々が来るという。

 外資カジノが"1兆円投資"を発表した思惑 それ以上に"日本の富"を食い荒らす

カジノ解禁に暗躍"パチンコ業界"の政治力 安倍首相、野田総務相らも推進派

[田中]一番簡単に言うと、私も知り合いの井川意高(いかわもとたか)さんて、以前、大王製紙の経営者でシンガポールとかマカオのカジノに行って100億以上スッてしまった彼が、日本でやろうと思ったって日本の人が今までいくらアミューズメント産業やってたような人がやったって向こうから来る人は「赤児(あかご)の手をひねるようなもんだ」って言ってるんですよ。

元大王製紙・井川意高氏「日本のカジノ法案は処女と童貞が作ったAVの脚本」

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必読!

独占インタヴュー 井川意高氏

カジノ法案成立も… 106億円スった「大王製紙元会長」は“日本ではうまく行かない”

[田中]何を言ってるかというとカジノは実は2種類あるんです。2種類ってのはさっき彼が言ってたようなマカオとかこういった所はロンダリングなんですよね。マネーロンダリング(資金洗浄)。カジノってスロットマシンは私たち、観光客が行けばやるけどこれだけで採算取れるわけじゃないじゃないですか。そうするとどうなってるかって言うと例えば中国も、いわゆる中国は良くも悪くも賄賂社会って言われてるじゃないですか。そうすると官僚の人を「招待」するわけですよ。民間で免許を貰いたいような企業の人が。で、一緒に自分も入る。あるいは別の「プロ」に入って貰う。そして最初は招待した人が負けててもあるところからその人がどんどんどんどん「勝って」っちゃうわけですよ。

[土屋・塙]えぇー!?

[田中]というのはつまり、招待した側が「負け」れば良いわけでしょ。あるいは招待した側が依頼したプロのギャンブラーが。

[土屋]え?そんなことができるんだ!?

[塙]インチキじゃないですか。

[出水]ディーラーの方と「デキ」てると、裏話ができてるってことですか。

[田中]そうするとこれは、合法的なロンダリングじゃないですか。

[出水]資金洗浄になるわけですね。

[田中]今マカオが少し斜陽だって言われてるのは何故かと言うと、習近平氏が、自分が国家主席までなったらそういう場所は許さんと。で、官僚は行っちゃいかんと言ったことで閑古鳥が鳴いているわけ。あるいはね、(ソビエト社会主義共和国連邦の解体で生まれた)アゼルバイジャンって国があって、カスピ海に面してて。そこにバクーという街があるんですけどね、『007』で『007 ワールド・イズ・ノット・イナフ』っていう「世界は俺のものになってもまだまだ足りねえぞ」っていうタイトルのこの映画の舞台がこのバクーだった。いわゆるソヴィエトが分かれた後ここにはアメリカ系のホテルをはじめ、ホテルの中にカジノがいっぱいあるんですよ。ここは『007』がなんで舞台にしたかっていうと、これもまたマネーロンダリングとしてカジノが使われるという形だったの。これだけみるととんでもないって思うでしょ?とんでもないの。だけど一方で、例えばヴェネチアとかドイツの温泉町でバーデン=バーデンっていう黒い森という所のカジノもあるのね。これは何かって言うとロンダリングじゃなくてサロンなんですよ。

[出水]社交場ですか?

Saloneの意味

バーデン=バーデン

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ヴェネチア

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[田中]バーデン=バーデンとかはマレーネ・ディートリッヒが「こんなに美しくて高貴な場所はない」って言ったような温泉がありコンサート・ホールもあり、そして老人が保養に来てその中の一角にとても素敵な建物で(カジノが)ある。ヴェニスも我々が行ってヴェニスはやっぱりゴンドラがあったり、そういう全体の街がある中で小さな(カジノが)ある。これは1つのサロンですよね。応接間みたいなもの。じゃあどっちを造るのか?と。でも多分、日本で今、手を挙げてるところはなんかね、例えば京都が手を挙げたとかいうと日本の、数字に換算できない蓄積の場所って話かもしれないけれど、そうじゃないじゃない?そうするとこれはまさに・・・。

[土屋]・・・ロンダリングの場所じゃないか?と。

[田中]ね。それでね実は(一時期は女性市長がカジノを打ち上げた)横浜も手を挙げていると言われていた。商工会議所も横浜市役所も。

[塙]横浜にあるんですか?

[出水]一時期そういう話もあったですよね、横浜誘致をという。

[田中]そしたらねこないだの横浜の港運協会って港湾ってのは船の荷を下ろしたりとか港を管理する、ここの会長を務めている藤木幸夫さんっていう方がいらっしゃって、立派な方なんだけれども彼はやっぱり最初カジノかと思ったけれども、どうも違うと(「むしろ恒常的な経済にしよう」ということで彼は「MICE(マイス)こそ持続的な経済効果だ」と)。

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[田中]こういうコンベンション、見本市とか展示会、これが日本の会場ってのはあれなんですよ、東京ビッグサイトでも世界の(会場面積順位で)77位で低いんですよ。で、1番がハノーバーとか上海とかフランクフルトとかミラノで、みんな大体30万㎡とか25万㎡くらいあるのに、日本はビッグサイトでも10万㎡も無いんですよ。

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資料:(一社)日本展示会協会

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[出水]そうかみんな3、4倍の規模があるんですね。

[田中]で、官僚が造ったから立派な建物だけど空調も維持費掛かるみたいな。そしたら横浜は本牧ふ頭とか新本牧とか大黒ふ頭とか、既にコンテナが来る場所はあるから、むしろ山下ふ頭という山下公園の横のところにカジノを造るって言ってたのを、とんでもないと。むしろ市民が不安になるしそこでお金までアレしますよって話になってタンス預金取られてっちゃったら元も子もないと。だからここで世界で初めて船が直接着けられる、っていうことは保税区だから、見本市に持ってくるモノも保税のまま置けるから、ここを47万㎡あるので25万㎡レベルで展示会場を造ろうと。

[出水]良い案ですね。

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資料:(一社)日本展示会協会                 

[田中]でしょ?僕はそれ、すごくそうだねって大前さんと言ってたの。そしたら今ね、新しい国難が日本に生まれているんですよ。

[出水]なんでしょうか?!

[土屋]国難?!

[田中]知ってます?もちろん、オリンピック、まあ温度が高くならないことを望むばかりだけれども、ビッグサイトと幕張メッセってオリンピックで色んなことで使うと。事務機構で。最大20ヶ月閉まっちゃうんですよ。

[出水]20ヶ月?!

[土屋]20ヶ月?!

[塙]何に使うんですか?

[田中]さまざまなオリンピックの管理運営のところで使うと言ってるから。

[土屋]もうボチボチそういう期間に入るということですね。

[田中]そうするとね、コミケができないだけじゃなくてあそこで色んな、まさに日本が海外流出したとは言っても、ものづくり産業の国じゃないですか。色んな展示会ができなくなる。これが今、どこが狙ってるかというと中国の上海とか広州とか(床面積では続いて広州・昆明こんめい・重慶・上海の別会場・武漢・青島ちんたお・義鳥ぎう・成都・北京・瀋陽しんよう・深圳しんせん・済南さいなん・長春・新疆しんきょう・東莞とうかん・順徳・蘇州・厦門あもい・香港・上海の更に別会場・大連・南京・寧波ねいは・マカオ・昆明の別会場・広州の別会場・鄭州ていしゅう・香港の別会場・北京の別会場とベスト120に30もの見本市会場がランクイン)、ホントに30万、40万㎡の展示会場がウチでやりましょうと。これこそ日本に戻ってこないかもしれない国難だと。やっぱりそれをね港で横浜でやろうってのを今、商工会議所とか市役所は、いやカジノって言ってるらしいんだけれど、横浜港運協会ってところが(展示会場移転を)やろうって言ってるの。この藤木さんが言ってる言葉ですごいなと思ったのは、こないだシンポジウムがあって伺ったら、いや、波止場だと。私たち波止場食堂とか波止場って言葉使うけれども、波止場って波を止める場って書くでしょ。悪い波を止めて、外からの、自分たちの街をモンロー主義じゃなくて自分たちで守るのが波止場の心意気だって。

[塙]まさに波止場なんだと。

[田中]それは何かって言ったら、宿泊だけじゃなくてそこにラスベガスと同じように、ラスベガスもおじいちゃんおばあちゃんはそこで(バリー・マニロウのステージ)ショーを見る、アーティストの。

[出水]家族も楽しめる場所。

[田中]子供たちはショッピングができる。お父さんはそこの展示会に行く。そういう場所になってきてる。

[土屋]カジノと一言で言ってもそういう色んな種類があって。

[塙]東洋館(浅草フランス座演芸場東洋館)狭過ぎるかな。

[土屋]東洋館に誘致するかどうかだね(笑)。

[田中]カジノさえ来れば千客万来ってのはほら、バブルな頃に立派なコンサートホール造りゃおらの街も人来るかな?って言ってたのと同じじゃないかって。

[土屋]そういう不安もあるという。

[田中]その辺りはこないだ『報道特集』でも流してたけど大事な視点だなっていう。

[塙]面白い角度でございますね。

[土屋]わかりました。ありがとうございます。1週間のニュースをですね田中さんと一緒に振り返って参りました。

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「註の新たな註」

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