2014年2月13日 TBSラジオ 「生島ヒロシのおはよう一直線 今朝のニュースピックアップ 『33年後のなんとなく、クリスタル』上梓・診療報酬問題」 電話ゲスト 田中康夫
「註の新たな註」
「いまクリ」と「もとクリ」、その記憶の円盤が舞い続ける時空。
ようこそ現在から1980年の東京、そして日本へ❣
「✽文庫本化に際しての、ひとつの新たな長い註。」でお約束した「註の新たな註」は、
両書に登場する「字句の解釈」に留まらず、
高度消費社会の幕開けから現在に至る時代背景を、
関連する僕の拙稿等も紹介しながら絵解きしていくサイトです。
[生島ヒロシ]さぁー、6時5分にまもなくなるところですね、えー今日のニュースピックアップ、久方ぶりにですね、えー、作家の田中康夫さんにご登場頂きましてニュースに触れて頂きます。田中さーん。
[田中康夫]おはようございまーす。
[生島]お久しぶりでございます。
[田中]はい、どうもよろしくお願い致しまーす。
[生島]どうですか?また作家生活に戻られて。
[田中]え、いや今、私はねあのー、新しい小説を、あの、『33年後のなんとなく、クリスタル』って・・・。
[生島]おぉ。
[田中]これはね、今日のテーマにも繋がるけども、まさに少子高齢化で、実はあのー、あれはカタログ小説って言われたけど一番最後にね日本の高齢化率と出生率を書いたんですよ、予測を。
[生島]そうだったんだ...
[田中]政府が出してたのを。その時には政府はね、いやあのー、1980年、丁度書いた年にはあの、出生率は1.77だけども今後上昇するんだよ、っつってたの。
[生島]えぇ?!
[田中]でも現実には、その、2003年には1.3になっっちゃってるしあるいは2000年には高齢化率65歳以上の人は、まぁ約14.3パーセントでしょう、って言ってたんだけど、現実には2000年、私が丁度知事になった年には17.4で、今や日本はその、4人に1人は高齢者で。
[生島]そう。そう。
[田中]あるいはその、東京もね今そのー、舛添さん、その、まぁ「東京世界一!」って言ってるんだけど、でも逆に言うと日本の人口ってもう4年前から減少してきてる
わけですよ。
[生島]はい。
[田中]で、そうすると2020年までは東京の人口は増えます、って政府が言ってんだけどそれはすなわち全国がもっとね、人口が減ってく過疎になってしまうということで、ましてや2060年には日本の高齢化率は39.9パーセントになんだけど、東京も39.1になっちゃうんですよ。
[生島]はい。はい。
[田中]てことはもう東京と全国変わらなくなってきちゃう、そのなかで今回の診療報酬の問題もね少子高齢ということで、あのー、例えばそのー、今度新しく多摩ニュータウンとかを建物を直した時には下に、その、特養を入れましょう、ていうけど、何年掛かるんだって話になってきちゃってね。
[生島]うん。うん。うん。うん。
[田中]だから僕は逆に言うと、東京でも杉並区あたりは、その、南伊豆町が元々姉妹提携してたからそこに高齢な人達が一緒に住めるような街を作ろう、ってのをやってた、これ大事な事だと思うんですよ、つまりどんなに立派な施設が出来たとしても今までのコミュニティーの隣近所の人、よく震災が起きたとき神戸でも全然コミュニティーが壊れて仮設住宅に入るとそれだけでお年寄りは認知症になってったりしてしまうんだよね。
[生島]はい。
[田中]だからその意味で言うと、東京も、まぁあのこれ富山とかあるいは私も知事の時にやったんだけど、駅前の空いた商店街のお店とかね住宅の中の空いたお家、ここを使って、その、えー、デイサービスやあのー、特養をやる、そうしてそこにあのー乳幼児の待機児童を一緒に入れる宅幼老所っていうんだけど、これだと300万400万でお家直すだけですぐに翌日から意欲のあるNPOの人達が出来るんですよね。
[生島]んー。
[田中]だから、横浜も例えば、ね、この間、3年間で370億円掛けて待機児童減らしましょう、って言って企業が参入したんだけど企業は企業の論理があるし、建物作ったんだけどまだ潜在待機児童っていうのは2000人近くいたりするわけですよね。
[生島]はい。はい。
[田中]この辺の発想の転換がね、今回のそのー、診療報酬改定のところでも必要かな、って私は思いますね。
[生島]なるほどね。まぁまさに超高齢、まぁホントに多く方がお亡くなり、社会になってきてるわけですから、現実問題、それに対応するような対策をホントにあの、行政側もですねー可及的速やかにね、変化対応力を付けて欲しいですね。
[田中]そう思います、だから例えば今回言ってんのが、その、掛かりつけ医を設けましょう、と。これ自体はね、発想は良いんですよ。でもね大事な事は例えば今もうほら、胃瘻になると胃瘻から早く逆に胃瘻でなくなるようにしましょう、と。・・・様な医療機関は、よりもねむしろ胃瘻のままずっといってしまう方、つまりその、医者の側、医療機関が患者の囲い込みになってしまうと、この、ホームドクター制も大きな問題で、だから僕は逆に言うと、そのなんてのかな、ホームドクターもね、二人くらい自分が選べる、と。このお医者さんの意見、だってセカンド・オピニオン取ろうと言ってるんだから、そうでないと医療機関がなんか独占的にね随意契約のようになってしまうと。
[生島]なるほど。
[田中]入札の問題と一緒になってきちゃうんですよね。
[生島]なるほど。なるほど。
[田中]それとあと、その、在宅の医療をしましょう、と。それは大事な事なんだけど、でもその看護士さんがいくら来てくれたとしても在宅で診てる家族の人ってのはやっぱり精神的に大変な訳ですよ。
[生島]そうですね。
[田中]で、実は僕はこれあの、今までだとね、介護慰労金ってのを自治体がね、年に2万円3万円払います、とかやってたんだけど、僕最後の頃、タイムケアってのをやったんですよ。
[生島]ほう。ほう。ほう。
[田中]っと言うのは、その所謂、在宅で居る人達あるいは障害をお持ちの人んところに来る、そういうあの、ケアをする人が、あの国が決めてる制度とは別に、1時間単位で、例えば家族の人が美容院に髪の毛行きたい2時間、あるいは年に一回だけ家族が一泊温泉に行きたい時、これ最後、年間200時間県の独自の事業として一時間単位で在宅をやっている人達にほっとして頂ける為に、あのー、スタッフが派遣されるって制度を設けたんですよ。
[生島]おー、良いですね、それは。
[田中]うん。だからそれはね、やっぱり看護士、あの、えーっと在宅医療の充実の為に、あの、看護士が沢山いる所に診療報酬出しますってのは、これ供給側への発想なんですよね。
[生島]うーん。
[田中]だけど、そうじゃなくて受けての側の立場になっての発想。だからそういう皆が在宅をやりましょう、ても精神論になっちゃうから、ほっとする時間を与えるっての、僕大事だと思うんですよね。まぁ多分今、長野はやめちゃったのかもしれないんだけど(笑。
[生島]あぁー、そっか。
[田中]こういう発想が今回のにもまだ足りないなぁっと、いう気はしますね。
[生島]なるほど。
[田中]診療報酬改定。
[生島]いやぁその辺りの意見もね、是非とも声を拾って欲しいなと思いますね。
[田中]うーん。
[生島]はい。どうもありがとうございました。
[田中]どうもありがとうございました、はい。
[生島]えー今朝は、作家の田中康夫さんにお話をお伺いしました。
- 作者: マイケル・ジャクソン,田中康夫
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