[土屋伸之]土曜ワイドラジオTOKYO ナイツのちゃきちゃき大放送、ここからは一週間を雑談で振り返る『常連さんに聞いてみよう』のお時間です。今日の常連さんは田中康夫さんです。おはようございます。
[田中康夫]おはようございます。
[出水麻衣]よろしくおねがいいたします。
[塙宣之]ここに資料がありますね。
[田中]いえいえ、別にたまたま。今日もちゃんと三宿にあるブーランジュリー・ボネダンヌの。
[塙]ありがとうございます。
[田中]ジャンボン・フロマージュ。
[土屋]ありがとうございます。おいしいサンドウィッチ。
[田中]店主がいつも番組で紹介してくれてありがとう、と仰ってましたけど。
[土屋]あっ、そうですか。聴いてくださってるんですね。
[出水]おいしいですよね。ありがとうございます。
[田中]今週もまたニュース多いね。なんか月末に私出るから月末はニュース多いんですか?
[土屋]そうなんですかね。
[出水]語り尽くせないぐらいありますね。では一週間、主な出来事を早速振り返ってみましょう。
[土屋]さあ田中さんが気になったニュースですが。
[田中]昨日(9月27日)会見があった関西電力、関電。なんか自分で「感電」しちゃったような話なんだけどさ(笑)。
[出水]あらっ(笑)。
[土屋]ありがとうございます(笑)。
[出水]ふふふふ(笑)。
[田中]すいません、林家三平さん(笑)。
[土屋]はっはっは(笑)。
[田中]でもこれ、早い話が万引きしたんだけど返せばOK!無罪放免社会というのをみんなで認めましょうっていう、すごい話だよね。
[塙]んーん。
[田中]だって20人で3億2000万円?現金だったり商品券だったりお歳暮やお中元のものです、と。でも返すと角が立つのでとりあえず個人の判断でみんなで保管していたんだけども、国税局からそれはおかしいよ、課税するよと言われたのでお返ししましたので一件落着って、ホントに今冒頭で言ったようにね。
[出水]ちょっとあり得ないですね。
[田中]盗んだけど「預かってた」から指摘を受けたのでって。
[土屋]課税されるからっていうのでね。
[田中]で、これがね、各紙さすがにみんな「20人に3.2億円」。あとこの、発表した社長という人、なんかこの社長の面立ちが、いや、面立ちで言っちゃいけないけれど、なんかこの人は元助役のような風貌っていうかね(笑)。関西電力社長かな?っていう。だって産経新聞だってほら、「関電八木会長ら20人に3.2億円」って書いてんだけど、読売新聞だけは大見出しがね、全然違うの(笑)。
[出水]はい?!
[田中]「関電 便宜供与を否定」って(笑)。
[一同]へぇー?!?
[田中]やっぱり読売新聞は読んでみるべきだね(笑)。ホントに。はっはっは(笑)。
[塙]元助役って人はなんなんですかね?
[田中]元助役はずっとこの町の叩き上げ。でもこれだけのお金が流れているってことでしょ?まあ、お隣の敦賀市は『(高速増殖炉)もんじゅ』があるんで1974年から2010年までだから30年ちょっとで462億円、『もんじゅ』があると国からお金が来ちゃうわけよ。この助役は、地元の原発関連の企業がたくさんあるじゃないですか、地元でやってる、ここと懇意であることは、この岩根茂樹社長は十分存じ上げていた、と。でも、貰ったものを返せないので「保管」してた、って(笑)、だから日本の学校の道徳の授業とか全部改めた方が良いね。
[土屋]なるほどね。
[田中]すごいじゃない?で、しかも、もう一個が、じゃあ普通辞めるんですか?って、さすがに関西の記者はみんな若いけども、責任はどうなんですか?って訊いたら、再発防止が私と八木誠会長の責務だから辞任せずに一蓮托生でいきます、ってこの論理って日本郵政でもあったよね。あるいは日産自動車でもそうだったよね。
[土屋]そういうことですよね。
[田中]で、今回はたぶん、日産自動車なんか例の西川廣人サマはCEOを辞めたけどまだ取締役なんだよね。取締役まで辞めると社内が混乱するって、あれだけ社員がいて優秀であるはずの人がいて、一人が辞めたら会社が傾くんだったらそんなの組織の体をなしてないよね。
[土屋]たしかに。
[田中]だからなんか、これが普通に通ってくってことになると…。で、違法性無しって言ったんだよね。でも違法性ってなんなの?だってつまり、法律だって頭でっかちな役人だったり政治家だったり、我々が作ってそれをより良くするのに、今の法律で違法性が無いからお咎め無しってことになると、ホントに法治国家が、なんか認知症の字の「呆痴」国家になっちゃってるし、もっと言えば、逆に言うとこうなると本当に一刀両断やってくる大岡裁き、マトモな大岡裁きなら良いけどもマトモじゃないような、N国みたいな大岡裁きみたいなものになりかねないっていう。
[塙]なんかね、そういうところがあるんじゃないですか。初め20人って言ってなかったですもんね。何人かって。
[田中]しかもこの20人に関して、社長の私、岩根と会長の八木以外は個人情報なので明らかにしませんて、歴代の役員でしょ?この個人情報って言葉もそろそろ考えた方が良いよね。
[土屋]こういう時に使う言葉じゃないですよね。
[田中]PTAの名簿すら作れないでみんな四苦八苦してる時に。
[塙]そうですよね。
[田中]だからそうやって考えるとね、この間ずっと思ってたの。イギリスのボリス・ジョンソンちゃんって…。
[出水]ふふふ(笑)。
[田中]困った首相が…。
[出水]「ちゃん付け」ですね(笑)。
[田中]もう議会なんか開かねーぞって言ったら、イギリスの最高裁判所は全員一致で議会を開かないのは違法だって言ったわけよ。あるいはアメリカだってドナルド・トランプちゃまがウクライナの件、まああれは民主党のジョー・バイデン氏の息子もウクライナで悪さしてた感じもあるから、ブーメランになる可能性もあるけれど、あれをホワイト・ハウスの中の人が、確かに「そういう発言」を電話でしてるって情報を出すわけじゃないですか。あるいはもっと言うと皆様が「大好き」な韓国だって、韓国、今まで歴代のトップはみんなその後捕まっちゃってたけども、今の大統領と検察が戦って法務大臣まで調べる。こうなると他の国の方が三権分立あるのだなと。
[塙]なるほど、ちゃんとしたね。
[田中]日本は10月2日まで国会お休みなのに、野党の人も開けって言わないしメディアも開けって言わないし、なんかスゴイね。ドイツもフォルクス・ワーゲンが排ガス規制の機械を故意的に間違えてたってことを、正に意図的に発表しなかったことで株価が下がったからって言って歴代の会長社長3人が起訴されたんだよ?そうすると東京電力は、皆さんいろんなご意見あるかもしれないけれど、あの判決は、そういうことを想像できなかったんだから無罪放免って、そんなこと言ったら航空事故だって列車事故だって経営トップが想像できなかったから無罪放免ってなったら、ホントに人々を「放置」しちゃう放置国家。今日も一杯しゃべっちゃってんだけど…。
[塙]いや良いんですよ。
[田中]だけどねもう一個がね、千葉県の件、いまだに政府は災害対策…。
[出水]停電ですよ。
[田中]いまだに停電の場所がある。
[塙]自衛隊の派遣が遅かったですね、今回ね。
[田中]千葉の県知事はほら、俺は男だ!って言うから自分でやろうと思ったのかな?
[出水]ふふふふ(笑)。
[田中]だって9日の月曜日に台風が明け方来たわけじゃない。自衛隊に来てちょうだいよってお願いしたのが10日の午前4時だからね。で、もう一個、皆さんが各役場に、持っていける電源器が届かないって、役場から連絡が無かったって、だって電源切れてんだもん。防災無線だって切れてんだもん。上に立つものこそね御用聞きの精神を持たないといけないと思うんだよね。職員に全部見に行って来いと。車は少なくとも動くんだからさって思うんだけど。
[土屋]そうですね。
[田中]よくわからないね。
[塙]ホントそうですよ。『なつぞら』の草刈正雄さんを見習って欲しいですよ。
[田中]そう、ホント。昨日もね、あれドラマの展開、やっぱり今回の台風で最後を変えたのかな?
[塙]やっぱり牛を守るっつってね。牛が病気になっちゃうって乳が出ないからってね。そういうことだよ。
[田中]ホントにこれ、大きな問題なのにだけど、災害対策本部を死者が少ないから作らない。関係閣僚会議も開かない。でもマスコミの人がおずおず訊くと、関係省庁連絡会議は開いたから問題無いって、そういうこっちゃねーだろ?と。やっぱり役人の世界とかって自衛隊だって命令があって初めて動けるわけじゃない。そうすると命令を出すそういう会議を開かないってことは、あっこの程度で良いのか?と。役人てほら、先走って人を救おうと思ったら、前例の無いことをお前はやったって怒られちゃう人たちだからね。もう一個、東京電力に私も多々言いたいことはたくさんあるが、よくやってるわけよ。しかも全国の電力会社が、沖縄電力まで翌日には飛行機で来て機材もフェリーで運んで手伝ったわけ。ところが9日に起きたんだから、翌週か、官房長官会見で沖縄電力以外の全電力会社が手伝ってますって答えたんだけど、これってね菅さんの顔に逆に泥を塗るって話だよ。だって菅さんは台本読んだんだから、つまり官邸にいる経済産業省出身の役人達が、沖縄電力も手伝いに来てるのに「沖縄電力を除く全電力会社が手伝ってます」ってドヤ顔の文章を書いたってことでしょ。
[土屋]そうですね。
[出水]把握してなかったってことですよね?
[田中]だってこれ、産経新聞がデカデカ載っけてたの。官邸の人の愛読紙である産経新聞が沖縄電力も手伝ってますって前の週に書いてるのに、週明けの連休明けの会見で「沖縄電力も除く」って、これさ、こういう役所はやっぱり処分しないといけないんじゃないの?(笑)。なんだけどもう一個ね、今回、ずっと停電が続いてるのはやっぱり国策の失敗だとずっと思ってるの。
[塙]環境とかってことですよね。
[田中]環境ではなくてね、だって木が倒れてそれで電柱が引っ掛かっちゃったとか、そんなの電力会社の人、木をどうやってどけるかなんて分からないよ。で、日本の森林面積って国土のどのくらいかご存知ですか?
[塙]日本の森林面積は6、7割くらいじゃないですか?
[田中]あっ、鋭い。あのね、世界で一番森林面積があるのがフィンランドなの。3番目がスウェーデン、例の国連で発表した、あんた方お金の話しかしてねぇって一括したグレタ・トゥンベリちゃんの。で、日本は世界2番目で68.2パーセント森林なんですよ。ところがね、日本の森林の面積の中でいわゆる戦後に植えられた、戦中に山を切っちゃったんで、人工林って針葉樹なんですよ。針葉樹ってのは保水力が無いし、広葉樹・針葉樹があるじゃないですか。広葉樹は冬になると葉っぱが落ちる、だから逆に広葉樹は保水力があるし、葉っぱが下に落ちて用土になる。針葉樹は落ちない、で、杉の木をどんどん植えてったわけよ。でも杉の木売れねーよっていうんで、間伐って必要なんですよ。これは私、たまたま山国で知事をやってたんで、2残1伐って、2列木を残して1列削ると光があたるし、もやしっ子の木が、20年以上経った木が大きくなる、でもそのまま放置してたら、木はそのままもやしっ子なんですよ。だから千葉で起きたことも、あそこは山武杉(サンブスギ)という山武郡という郡だったかな、山の、武士の武っていう郡なんですね。あそこ、(電線が)切れた(原因)は杉でしょ?根腐れじゃなくて杉の溝腐病(すぎのみぞくされ病)と言って、間伐もしてないしもやしっ子の木だったから中が空洞になってて倒れちゃったわけですよ。昔の人は、あの辺りの山武郡の人たちも、戦前戦中、明治、江戸時代は杉だけじゃなくてクロマツやアカマツや、あるいはヒノキも植えて、針広混交林って言うんだけど、両方合わせましょうってことをしてたわけ。今日本はですね、予算だけでも…、だって国土面積の68.2パーセントよ?で、国土交通省の予算ってのがね、今年ね7兆3241億円あるの。この中には3・11関連もあるんだけど、だから7兆3000億円。農水省の予算が3兆0316億円。で、国土面積の68.2パーセントを占めている林野庁の予算は、少し増えたんだけれど4661億円だから、国土交通省の、土木建設大事なことです、でも、造るんじゃなくて治す、橋を治さなきゃ落ちちゃうんだけど、国土交通省の予算の16分の1だよ。で、林野庁って言うから、これはさすがに森のことやってんだろって思うでしょ?林野庁の予算の中で今言った間伐をしたり植樹をしたりという予算は全体の8パーセントなんですよ。
[塙]え、そうなんだ。
[出水]他は何に?
[田中]他はですね、ダムにもならない小さな沢にコンクリや鉄を打ち込む谷止工っていう公共事業や、あるいはこれも言うとね、林道必要だよって言う人が来たんだけど、作業道と言って間伐をした後、またそこが森に戻るような道路の作り方もあるのに、そうでなく山肌を削っちゃう大規模林道なわけですよ。これでまた自慢だって言われるかもしれないけれど、とにかく予算が少ないので僕、2.5倍に長野県の森林整備の予算を増やしたの。で、これ、森林組合だけじゃ駄目だって言って、公共事業をやっている土木建設業の山間の人に100時間で「信州きこり講座」っていう間伐の資格を無料で取ってもらったわけ。で、2.5倍の予算を増やすじゃない、で、間伐を5年間で全部計画的にやりましょうと。でもねこの時ね一番ね抵抗したのが誰かっていうと、実は森林組合なんですよ。
[一同]へー?!
[田中]予算2.5倍になって、森林組合はその2.5倍になった予算の6割取ってんだから、2倍になってるのに、よそ者の土木建設が来るのはおかしいって…。だからこの島国根性山国根性、まあ関係ねーんだけど、とにかくね今回のは東電の問題とかじゃなくて、戦後の国策の大失敗。
[土屋]戦後の国策なんだね、これが。
[田中]なんだけど、あとはそうだトゥンベリちゃん。トゥンベリちゃんってグレタ、とかグレテ、スウェーデンはねかわいい女の子は結構、グレタとかグレテって名前が付くんですけどね、別にこれ、ヤンキーなわけじゃないんですよ。
[土屋]キラキラネームじゃないと(笑)。
[田中]林家三平ですいません。名前です、グレテとかグレタとか。だからゆかりちゃんとかまいちゃん、ていう名前なんだけど。
[塙]でも彼女もすごいですよね。
[田中]だけど、これに対して彼女が言ってるのは左翼だとか、どっからお金が出てボートに乗ってきたとか言うけど、そんなこと言ったらさ、ニューヨークで『いきなりステーキ』潰れたのに、ステーキに行った人も税金からお金出てんだからね(笑)。だからなんか大事なことで、今は困ったもんだけどアウンサンスーチー女史だって最初、ミャンマーのこと、今はもうロヒンギャのことを知らぬ存ぜずだけど、やっぱり彼女のやってることは大事なことでしょ?でも彼女が言ってることは本当にあんた方は会議ばっかりしてるけどお金の話だと。これね、日経新聞だけが載っけたんだけど、これに大してやっぱり全世界がインドまでロシアまで発言をして、こういう風にしましょうって言ったのに、日本とアメリカはこの件に関して発言をしなかったって一覧表が世界中にいっちゃってるって。
[塙]科学が政治だみたいに言われ始めてね、科学者がこれは違うとかってね。アメリカでこのグレタさんを潰そうとしてね。だからホント、大人のなんかやなところが。
[田中]やだよね。だからそれに対してちゃんと言えないってのは民度がやっぱり眠る眠度になっちゃいかんと。
[塙]思いますね。
[田中]でも万引きやっても返せばOKな国になっちゃったんだから(笑)。
[土屋]以上、一週間のニュースを田中康夫さんと一緒に振り返って参りました。
[田中]あ、そうだ、消費税の話が…(笑)。
*
[土屋]時刻は9時56分です。TBSラジオ土曜ワイドTOKYO ナイツのちゃきちゃき大放送 この時間は常連さんの田中康夫さんと一緒にお送りしております。今日はメッセージテーマが10パーセントの話ということで、消費税の話も伺ってなくて、ちょっと時間があんまり無いんですけど。
[田中]僕ね、すごい心配なのが経済産業省がまたほら、例の、キャッシュレス決済のポイント還元を中小の商店も50万軒導入しましたって大本営発表してんだけど、中小の商店って全国に200万軒あるんですよ。でね、もしかしたらこの50万軒にはフランチャイズのコンビニも含まれてるかもしれない。そうすると残りの150万軒はキャッシュレス決済できないわけよ。今回の増税は国民だけじゃなくて中小の商店も店畳みなさいって話になってきちゃうという。
[土屋]ただの2パーセントじゃないんですね。
[塙]現金くれよって話ですよね。
[田中]だから日本は一番キャッシュレス決済が遅れてるんだけどね。これは次回お話しますよ。でないと私が全部時間取ったって言われる(笑)。
[土屋]言わないから大丈夫ですよ(笑)。
[田中]中国はキャッシュレス決済が3000兆円あるんですよ。で、世界中でクレジットカードの決済が2700兆円あんの。で、日本、鐘や太鼓を叩いて1.1兆円なの。これ言うと中国は国家が信用できねーし、現金が信用できねーってウヨの人言うけど、じゃあ日本の人口の3000倍いるか?って話で、だから中国はなんでそうなったかっていうと露天商の人も紙でQRコードをぶら下げてる八百屋の露天で…。日本もそうすれば良いのに、機械を入れさせましょうってこれも小さなハコモノ行政だよ。150万軒の方どうした?ってみんな行かなくなっちゃうとさ、良いのか?と。弱気を挫き強気を助すくという。
[出水]また次回、田中康夫さんよろしくお願いいたします。
[塙]明日29日はロッタちゃんの誕生日です!
Vol.616「「思想・信条」がYa‘ssyと異なると「日経」で「告解」学習院大学長もシャッポを脱いだ「サンデー毎日」実践的「治水・治山」原論!ダム脳なリバーフロント研究所が登場の痛い「文藝春秋」w」
19/12月号 憂国呆談 season2 volume113◆ソトコト
消費税の軽減税率から、
台風15号の対応、
グレタ・トゥンベリさん、
日本の環境政策と農畜産品の行方まで。
水害は脱ダムのせいなのか!?
田中康夫の『実践的治水・治山』原論 まとめサイト始動しました!
「サンデー毎日」2019年11月17日号
「水害は『脱ダム』のせいなのか❣田中康夫の実践的『治水・治山』原論」(※画像をクリック!)
✽治水・治山のあるべき姿を更に具体的に加筆した原稿はこちらです。
水害は『脱ダム』のせいなのか!? 田中康夫の実践的『治水・治山』原論「サンデー毎日」2019年11月17日号(11月6日発売)
リード文「しなやかな是々非々」
甚大な被害をもたらし、河川氾濫の恐ろしさを知らしめた台風19号。安倍晋三首相は防災の観点から八ッ場ダムを称賛し、また、「脱ダム」が水害を招いたという声もある。だが果たしてそうか? 長野県知事時代から、河川のネットワークを見極めた「治水」を思索、実践してきた田中康夫による真の国土強靱化論。
本文
「『土堤(どてい)原則』は、断じて譲れません」。
河川局を改組して2011年7月、国土交通省に誕生した水管理・国土保全局の官僚は拒み続けました。土と砂利以外の「不純物」が堤防内に混じるのは馴染(なじ)まない、と真顔で。
鋼鉄(スチール)も混凝土(コンクリート)も他の公共事業では「不純物」どころか必須の素材。コンクリート壁の隙間(すきま)から水が浸潤(しんじゅん)して平時から内部が“液状化現象”に陥りがちな堤防を補強すべく、両肩から基礎まで鋼矢板(こうやいた)を縦に2枚打ち込む護岸工法の事業化に向け、僕が求め続けた調査費が2011年度=平成23年度予算に初計上された後の遣り取りが冒頭の発言。
「決壊した箇所に仮堤防を設置する緊急復旧工事と、本格復旧工事の工法の違いを、河川行政に疎(うと)い我々に説明頂けますか?」。
民主党政権の一翼(いちよく)を担っていた国民新党代表の亀井静香氏と共に新党日本代表の僕が尋ねるや、“論理的で科学的な講釈”を垂れました。「緊急時には鋼鉄の使用も止むを得ないが、恒常的に駆体(くたい)として採用するのは好ましくない」。
翌2012年12月の総選挙で僕は敗退。複数の製鉄会社が導入に向け勉強会を立ち上げていた「鋼矢板工法」の調査費を、国交省は打ち切ります。
本誌の連載「ささやかだけど、たしかなこと。」(2015年10月11日号)で僕は、「鬼怒川(きぬがわ)決壊の「真犯人」は誰か!? 予防医学としての治水こそ新しい公共事業」と題し、新聞の「大本営(こくどこうつうしょう)発表」“コピペ”記事を再録しています。
「関東・東北豪雨」の2週間後、「締切堤防」と称し決壊箇所200mに「高さ4mの鉄製の矢板」「2枚の間に土砂を敷き詰め」、「鋼矢板工法」で仮堤防を設置した関東地方整備局はその1ヶ月半後、「土堤原則」に基づく「本格復旧の堤防建設工事に着手」と。
堤防を越えて川の水が溢(あふ)れ出る「越水(えっすい)」。堤防そのものが壊れる「破堤(はてい)」。一度(ひとたび)決壊するや溢れる量と流れの速さは激変し、物的被害も人的被害も桁違いとなります。破堤に至る原因の8割は越水です。河川の猛威の悲劇は、同じ場所で繰り返される蓋然性(がいぜんせい)が極めて高いと理解する米国や欧州、そして韓国では過去の決壊箇所の護岸強化に鋼矢板工法、或(ある)いは土砂とセメントを混合して固めたソイルセメント工法を導入済み。
翻(ひるがえ)って日本。今回の台風19号ハギビス襲来で堤防決壊が71河川140箇所に及んでも猶(なお)、後述する千曲川の決壊箇所を筆頭に鋼矢板工法は飽く迄(あくまで)も「応急復旧」の位置付けです。謂(い)わば「天動説」に胡座(あぐら)を搔(か)いて、「地動説」を小馬鹿にする浮かれポンチ状態。
「意識高い系」な面々が「首都圏の救世主」と称揚する、総事業費5320億円の八ツ場(やんば)ダムが利根川水系で役割分担するのは、全体の僅(わず)か1%に過ぎません。利根川支流の吾妻川(あがつまがわ)に巨大ダムを建造せねば2千名近いカスリーン台風の御霊(みたま)は報(むく)われず、と計画が発表されたのは今から67年前の1952年=昭和27年。
一万歩譲って八ツ場ダム建設が「必要悪」だったとして、河道掘削(かどうくっさく)と呼ばれる川底の浚渫(しゅんせつ)に投じた67年間の費用は如何程(いかほど)かと河川管理者に質(ただ)しても、該当する記録は見当たらずと言葉を濁すでしょう。
我々が手足の爪を切るのと同様、「減災」の肝心要(かんじんかなめ)は維持修繕。なのに財務省が「部・款・項・目・節(ぶ・かん・こう・もく・せつ)」と細分類する予算体系の治水の項目に「浚渫」は存在せず。
重機を用いて1㎡1万円強で実施可能な浚渫こそ、地元の土木建設業者が胸を張って従事可能な地域密着型公共事業。なのに国も大半の自治体も予算を別立てせず、現場の建設事務所の人件費等を「維持修繕費」に一括(ひとくく)り。護岸の補強、上流域の森林整備と並んで治水の基本たる浚渫は全国津々浦々で滞っています。
世界的趨勢を踏まえての「脱ダム」宣言
県土面積が全国4位の信州・長野県の知事時代、台風一過の秋季(しゅうき)に土木部・農政部・林務部の技術系職員を総動員して県管理の河川を総点検。浚渫の補正予算を県独自に組みました。3千万円にも満たぬ金額なれど、確実に治水に寄与。
「長野冬季五輪」から2年8ヶ月後の2000年10月に就任した僕は翌年2月、「長期的な視点に立てば、日本の背骨に位置し、数多(あまた)の水源を擁する長野県に於いては出来得る限り、コンクリートのダムを造るべきではない」と「脱ダム」宣言で9つの県営ダム計画の中止を打ち出します。
「治水・治山に王道なし」。「河川こそ、ネットワーク社会の象徴的存在」。「造るから治す・護る、そして創るへ。」と主張したのは、世界的趨勢(すうせい)を踏まえての決断でした。
1993年にミシシッピ川流域に甚大な被害を齎(もたら)した洪水を分析した米国陸軍工兵隊(アーミー・コープス・オブ・エンジニアズ)は、「洪水調節用構造物」としてのダムが却(かえ)って被害を増大させた側面を指摘し、避難プログラムの作成、氾濫原(はんらんげん)での土地利用の制限を含む総合的な洪水対策への大転換を促します。その翌年、ダニエル・ビアード内務省開墾局長が、「合衆国に於けるダム開発の時代は終わった」と日本も加盟する「国際かんがい排水委員会」で講演。
佐久間ダムを始めとして世界中のダム建設に資金提供してきた世界銀行も、「大規模ダム建設の巨額予算は往々にして当初計画を超過。調査対象81ダムでは堆砂(たいさ)が原因で当初の半分以下に保水機能が低下。ダムの耐久性の見直しは必至。洪水対策のあり方も抜本的な変更を迫られている」と知事就任直後に発表。
日本国内でも同年8月、宍道湖(しんじこ)・中海(なかうみ)の淡水化に851億円を投じた干拓事業を始め、計223の公共事業の中止を自由民主党政務調査会長が発表。採択後5年以上経過しても未(いま)だ着工せぬ事業。完成予定を20年以上経過しても竣工(しゅんこう)に至らぬ事業。実施計画調査に着手後10年以上経過するも未採択の事業。現在、休止=凍結中の事業。その4条件に基づく合理的判断です。
決断した亀井静香氏は、後(のち)に僕に述懐します。「方針を発表後、大抵抗する組織の中にも、これを入れて下さいと駆け込んで来る、心ある役人が居て、中止箇所数が増えたんだよ」。仮に後輩が、先輩の起案した事業に疑問を抱いても、中断・中止・廃止を進言する風土は霞が関に存在しません。官僚を闇雲(やみくも)に萎縮(いしゅく)させるのでなく、公僕(パブリック・サーヴァント)としての良心を覚醒させる触媒役の哲学が、政事屋(ポリティシャン)ならぬ政治家(ステーツマン)に求められています。
「脱ダム」宣言を発する3ヶ月前に僕は、美ヶ原に源を発する薄川(すすきがわ)の大仏(おおぼとけ)ダム建設計画を中止します。ダムなしでは松本駅前が水浸しになると旧建設省から出向の土木部長は力説。が、市街地を流れる薄川の夥(おびただ)しい分量の堆砂は“放置”された儘(まま)でした。
四半世紀も計画に翻弄(ほんろう)された建設予定地・入山辺(いりやまべ)地区での地元住民との車座集会後に即断するも、「素人知事」は些(いささ)か拍子抜けします。
「県政の停滞と混乱」を理由に知事不信任を1年8ヶ月後に決議する長野県議会、「民主主義の手続き」を重んじる記者クラブ加盟各社の誰1人として、強権的・独裁的だと抗(あらが)う素振(そぶ)りすら見せなかったのです。理由は簡単。前述の223箇所に含まれていたから。
河川はネットワーク社会の象徴的存在
他方、死者8千名の善光寺地震(江戸後期・弘化4年=1847年)の震央(しんおう)、1985年=昭和60年に26名の命を奪った地附山(ぢづきやま)地すべり災害の現場に近接する、活断層(かつだんそう)の真上に位置する浅川ダム計画を中止するお前は、無責任な「口舌(こうぜつ)の徒(と)」だと猛反発を食らいます。
冬季五輪のボブスレー・リュージュ会場へのループ橋と隧道(トンネル)の建設費を捻出(ねんしゅつ)すべく、眠っていたダム計画が“ゾンビ”の如(ごと)く復活。本体工事は未着工なのに総事業費380億円の半分以上を「転用」していた摩訶不思議(まかふしぎ)な公共事業。しかも驚く勿(なか)れ、「ダムを造っても千曲川と浅川の合流部一帯の洪水は防げない」と件(くだん)の土木部長は県議会で答弁するではありませんか。
その直截(ちょくさい)な答弁に補足すると、千曲川との合流地点には3基の排水機場が存在。増水時にはポンプで浅川から千曲川へと汲み出しますが、好事魔(こうじま)多し。国管理の千曲川の河川改修は遅々として進まず、千曲川の増水時には浅川への逆流を防ぐ為に樋門(ひもん)を閉鎖せねばなりません。行き場を失った浅川の水は「内水氾濫(ないすいはんらん)」と呼ばれる浸水を住宅地や耕作地に及ぼします。「洪水調節用構造物」は必要十分条件たり得ず。優(すぐ)れて河川は、ネットワーク社会の象徴的存在なのです。
閑話休題。首相官邸下の溜池(ためいけ)一帯はハザードマップで2m超の浸水深(しんすいしん)。今回浸水した長野新幹線車両センター一帯は長沼地区大字(おおあざ)赤沼(あかぬま)。千曲川の決壊地点は大字穂保(ほやす)。何(いず)れも水害の歴史を反映する地名です。
故(ゆえ)に、鉄建公団(日本鉄道建設公団=鉄道建設・運輸施設整備支援機構)とJR東日本(東日本旅客鉄道)の計画に住民は反対します。この田畑は、洪水になると1週間は水が引かない赤沼の遊水機能なのだと。長野市防災マップは車両センターの浸水を5m以上と表示。想定よりも低い4・3mに今回は留まったにも拘らず、羽田・成田から千歳へ機材を移動させた航空各社と異なり、上田、高崎等の高架駅どころか車両センター構内を走る本線の高架部分へと車両を移送させる鉄オタとしての愛情すら、JRという“疾走する駅前不動産屋”には希薄でした。
五輪前年の1997年10月開業が至上命令だった旧運輸省、旧建設省と長野県は、上流域に治水ダムを造れば解決すると甘言(かんげん)。それは地域住民を愚弄(ぐろう)する巧言(こうげん)に他ならず。有為(ゆうい)な県職員と共に僕は、浅川改修計画の優先順位を立案します。
先(ま)ずは浅川全域での河道掘削。天井川状態で信越本線の上を流れていた3km区間の河床を最大11m掘り下げ。完了後に現実的提案を行います。川幅が1000mを超える穂保地点で今回決壊したのは、下流5km地点の川幅210mと狭窄(きょうさく)な立ヶ花(たてがはな)での“糞(ふん)詰まり”が原因。その立ヶ花よりも下流に浅川から放水路、地下導水路を建設。車両センター地下に調節池を設置。一旦緩急(いったんかんきゅう)あればリンゴ畑を遊水地として活用する事前契約を農家と結ぶ。伝統的治水工法として濃尾(のうび)平野の木曽三川(きそさんせん)=木曽川・長良(ながら)川・揖斐(いび)川下流域に見られる輪中堤(わじゅうてい)、越水・破堤した場合にも被害の拡大を防ぐべく住宅地側に第2堤防=二線堤(にせんてい)を設けるetc. 国交省は尽(ことごと)く拒否しました。
僕の在任中に副知事を務め、浅川ダムの欺瞞(ぎまん)を熟知していた筈(はず)な総務省出身で現在の阿部守一知事は、「ダムなし」よりも「ダムあり」は浸水時間が1時間半も長引き、赤沼地区の浸水深は「ダムあり」で5cm上昇すると記された「報告書」を土木部から受け取ったにも拘らず浅川ダム建設に着手。3年前に竣工するも哀しい哉(かな)、浅川の内水氾濫は回避出来ませんでした。
河川管理者に、緊急放流の判断ミスや堤防決壊の監理(かんり)責任を刑事罰で問うた事例は皆無な「放置国家」日本。
「防災の日」に奇(く)しくも堤防が決壊し、翌日未明に民家19戸が濁流に呑(の)み込まれた1974年=昭和49年9月の多摩川水害。『岸辺のアルバム』(原作・山田太一、主演・八千草薫)が描いた不条理の「決着」も、地域住民が費用と時間を「自己責任」で負担する民事訴訟に委ねられたのです。
デジタル・データなど存在しなかった往時、マイホームと共に失った家族の絆(きずな)の写真は2度と戻って来ない。遣る瀬無い(やるせない)思いで狛江(こまえ)市猪方(いのがた)の市民が河川管理者の国を相手取った損害賠償請求訴訟。一審は原告の勝訴。控訴審で逆転するも最高裁が破棄。差戻控訴審で住民が勝訴し、判決が確定したのは1992年=平成4年12月。18年3ヶ月の歳月を要しています。
星霜(せいそう)を経て、国交省の外局に当たる気象庁が「平成30年7月豪雨」と命名した昨年の「西日本豪雨」。同省四国地方整備局は「大雨特別警報」発令後、愛媛県内の肱川(ひじかわ)に位置する野村ダムと鹿野川(かのがわ)ダムからの放流量を敢(あ)えて減らしてダム湖の貯水量を増やした後、満水状態となった両ダムから安全基準の6倍もの「緊急放流」を実施。下流域の西予(せいよ)市、大洲(おおす)市で9名が犠牲となりました。
名は体を表す。全長103kmの源流から伊予灘(いよなだ)の河口まで直線で僅か18km。蛇行する肱川の護岸補強も儘ならぬ中、前述の自民党・公明党・保守党連立政権時代の公共事業見直し勧告に含まれていた同水系の山鳥坂(やまとざか)ダム計画を、加計学園岡山理科大学獣医学部新設問題で耳目(じもく)を集めた、旧文部省官房長の加戸守行前知事を筆頭に今猶(いまなお)、切望する向きが存在します。
今回の台風19号水害でも、ダム湖に流入の全水量をそのまま下流へ流す緊急放流に至った東日本の6ダムは何れも、降雨前にダム湖の水位を下げる「事前調節」を実施せず。「その理由は現時点では答えられない」と同省河川環境課は取材に対して居直りました。「天動説」総本山の面目躍如(めんもくやくじょ)です。
戦後の森林政策の不作為を問う
一方、台風15号ファクサイが齎(もたら)した「千葉県豪雨災害」は、戦後の森林政策の不作為を体現しています。
江戸時代までは杉と赤松、黒松、そして檜(ひのき)を程良き塩梅(あんばい)で植栽し、手入れも怠らなかった山武(さんむ)市一帯。戦後造林の「山武杉(さんぶすぎ)」は荒廃し、根腐れならぬ溝腐れ病に見舞われていました。その倒木が大規模停電の原因です。
日本の国土の68・2%は森林。フィンランドに次いで世界第2位の森林率。その45%は戦後造林された針葉樹。間伐(かんばつ)が急務なのです。樹齢45年から60年の間に針葉樹は、2列残して1列伐採(ばっさい)する「2残1伐」列状(れつじょう)間伐を行なわねば、根元に太陽光が差し込まず、幹が太くならず、ひ弱な“萌(も)やしっ子”の儘。
森林が県土の8割を占める信州・長野県。森林整備の技術者を養成すべく僕は、「信州きこり講座」と銘打った100時限の無料講習会を開設します。間伐資格を取得した土木建設業者には入札参加資格を与え、森林整備予算も県独自に2・5倍へと増やし、旧態依然たる森林組合が牛耳っていた分野に切磋琢磨の精神を吹き込みます。
就任時、利息の返済だけでも1日に1億5千万円と破綻寸前だった県財政を、県民の理解と職員の協力を得て47都道府県で唯一、在任6年間連続で起債残高を減少させ、基礎的財政収支=プライマリー・バランスを連続黒字化させる一方、「地球温暖化を防ぐ森林づくりは百年の計」と「森林ニューディール」を掲げます。と同時に、人が人のお世話をして初めて成り立つ21世紀の労働集約型産業としての福祉・医療・教育の充実も図りました。
鋼鉄製ガードレールと同じ強度認証を受けた信州型木製ガードレールも、「森林ニューディール」の象徴的政策でした。
都道府県道も市町村道も、「造る」際には事業費の65%を国が負担。けれども舗装等の「治す・護る」費用は全額、地元自治体の負担です。大手製鉄会社の関連企業3社が製造する、行政用語で車両用防護柵と呼ばれるガードレールも全額地元が費用負担。地元への経済的還元は設置時の人足(にんそく)費用のみです。ならば、伐採・搬出・製造・設置の全工程を地域で賄う県産材のガードレールを実現出来ないだろうか?
八重洲、日比谷同様、嘗ては海の入江(いりえ)の湿地帯だった丸の内で1920年=大正9年に着工された旧丸ビル=丸ノ内ビルヂング。スギ科の落葉針葉高木メタセコイアが、9階建てビルを支える基礎でした。その一つが塩尻市の県林業総合センターに展示されており、僕は驚愕。つい先程まで生きていた樹木かと見紛う、光沢のある切株だったのです。
何れも県内業者が開発を担当した3タイプの信州型木製ガードレールは、HPに貼り付けた動画でご確認頂ける、つくば市の国土技術政策総合研究所での大型貨物車と乗用車の実車衝突試験を経て、2004年に実用化。知事を退任する2006年まで毎年、設置経費2億円で6箇所ずつ、木の温もりを感じさせる信州の新たな道路景観を生み出します。
「これぞ我々も胸を張れる公共事業」と現在は自民党参議院議員を務める、道路畑出身の佐藤信秋氏も国交省事務次官として予算化に尽力下さいました。
「田中県政の全否定」が基本方針な現在の長野県でも、軽井沢町の中軽井沢から千ヶ滝を経て鬼押出へと向かう県管理の国道146号線、上信越自動車道の群馬県に位置する碓氷軽井沢(うすいかるいざわ)インターチェンジから県境を跨いで県道92号線に入った場所を始めとする幾つかの地点で、地元紙「信濃毎日新聞」が黙殺し続けた県政改革の残滓(ざんし)に触れる事は可能です。
再び閑話休題。「減災」の肝心要(かんじんかなめ)は維持修繕。その「地動説」を、国交省の河川畑と同様に理解出来ないらしい農林水産省の外局に当たる林野庁。予算の92%は小さな沢に、「不純物」と国交省水管理・国土保全局が唾棄(だき)するコンクリートや鋼鉄を打ち込む谷止工(たにどめこう)、間伐完了後には再び下草が生い茂る作業道と異なり、山肌を抉(えぐ)り取る大規模林道に投じられています。
人件費が経費の7割を占める間伐や植樹の森林整備こそは疲弊した中山間地域に雇用と活力を生むのに、その予算額は全体の僅(わず)か8%。しかも今年度4661億円の林野庁予算は、「3・11」関連も含めて7兆3241億円もの国交省予算の16分の1。詰まり国交省の公共事業予算は森林整備費の195倍、と改めて知ると暗澹(あんたん)たる思いに駆られます。
とは言え、成功事例が無い訳ではありません。2013年の台風18号で京都市を流れる桂川(かつらがわ)の嵐山(あらしやま)周辺が氾濫し、両岸の10ha近くが浸水したのを教訓に近畿地方整備局は、こまめな浚渫や護岸の補強に加えて、渡月橋(とげつきょう)付近の河道掘削を観光客が減少する冬場の3ヶ月間に集中的に実施。上流の日吉ダムが1997年の運用以来初めて緊急放水ゲートを全開した昨年7月の豪雨でも事なきを得ています。
「真の文明は 山を荒らさず 川を荒らさず 村を荒らさず 人を殺さざるべし」の気概を抱いて田中正造翁が、渡良瀬(わたらせ)川流域住民の為に足尾銅山の鉱毒問題を明治天皇に直訴したのは今から118年前の1901年=明治34年12月10日。彼が還暦を迎えた年です。
千万人と雖(いえど)も吾(われ)往(い)かん。その「愛民心(あいみんしん)」に基づく彼の苦闘を忘れる勿(なか)れ。
人間の智能がAI=artificial intelligenceに優る唯一無比の心智(メンタリティ)は、「悟る」という営為。
それは、「科学を信じて・技術を疑わぬ」自称「意識高い系」な面々のアルゴリズム的思考では凡そ到達し得ぬ、「科学を用いて・技術を超える」心智でもあります。
「治水・治山に王道なし」。「造るから治す・護る、そして創るへ。」「『天動説』から『地動説』へ。」
富国強兵ならぬ富国裕民(ふこくゆうみん)の心智に基づく社会的共通資本のあり方が今、改めて問われているのです。
「水害は『脱ダム』のせいなのか」サイト
~ただ単にやめれば良いのでなく、新しい治水のあり方を示す~「脱ダム政策の哲学と実践」サイト
「間違いだらけの日本の治水・治山」サイト
田中康夫アドレス yassy@tanakayasuo.me
Vol.613「これぞ実践的「治水・治山」原論の決定版!「水害は脱ダムが原因!」と「天動説」を妄信するダム脳w反論できない「堀江貴文とNewsPicks」「上念司と虎ノ門ニュース」浮かれポンチな仲間達!」
田中康夫YouTube公式チャンネル「だから、言わんこっちゃない!」
Vol.610 治水・治山総集編Part2 森林率68・2%世界第2位 経費7割が人件費の間伐こそ地域雇用 なのに林野庁予算は国交省の16分の1 しかも間伐は林野庁予算の僅か8%
Vol.609「河川こそネットワーク社会の象徴的存在!「ローマは一日にして成らず」を勘違いする国土交通省水管理・国土保全局の唯我独尊な天動説w 間違いだらけの日本の治水・治山総集編Part1」
NEW!
田中康夫YouTube公式チャンネル「だから、言わんこっちゃない!」
9月30日(月)Vol.601
議会を閉会したら「違法」宣告されたボリス・ジョンソン
メディアも国民も「眠度」が高い日本は外遊三昧で国会は長期休暇中!
🍗🐔破綻しまくり大言壮語@Ajitamaitreyaちゃんを可愛がったら速攻削除&ブロック逃走した件🐓#chaki954https://t.co/YXnCiOZPYA
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脊髄反射を誘発したらしい番組の文字起こし✍
一番最後に意味不なキャッシュレス決済ポイント還元に言及🎙
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必読‼️関電3億2千万円“裏金”🤑疑惑の”影の町長・Mさん”が生前、記者に語った言葉 (1/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)今西憲之記者の独占スクープ🖋 https://t.co/g3p1CRHd5f
— 田中康夫 (@loveyassy) September 29, 2019
必読 関電3億2千万円“裏金”
疑惑の”影の町長・Mさん”が生前、記者に語った言葉 (1/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)今西憲之記者の独占スクープ
関西電力3億2千万円“裏金” 今年3月に出回った告発文書
田中康夫YouTube公式チャンネル「だから、言わんこっちゃない!」
Vol.595
千葉停電問題「真の理由」はこれだ!
国土の66・5%を占める日本の森林は荒れ放題!
3千億円ポッキリ林野庁予算で森林整備は僅か8%
国交省6.9兆円、農水省3兆円ハコモノ大盤振る舞いニッポン
Vol.599
「辞任せずに再発防止が責務」キリッ
おバカな大将、敵より怖い!
そんなに社会的地位が欲しいなら製造物責任法=PL法の適用で、
死ぬまで給与ゼロ円のトップで酷使しちゃおうぜ!
Vol.600
「見果てぬ夢」の砲血国家を目指して呆痴国家の酷民を放置国家なインパール日本w「いきなり!ステーキ」なポエム意識高い系はグレテ・トゥンベリちゃんの爪の垢を煎じて飲め!
[土屋伸之]土曜ワイドラジオTOKYO ナイツのちゃきちゃき大放送、ここからは一週間を雑談で振り返る『常連さんに聞いてみよう』のお時間です。今日の常連さんは田中康夫さんです。おはようございます。
[田中康夫]おはようございます。
[出水麻衣]よろしくおねがいいたします。
[塙宣之]ここに資料がありますね。
[田中]いえいえ、別にたまたま。今日もちゃんと三宿にあるブーランジュリー・ボネダンヌの。
[塙]ありがとうございます。
[田中]ジャンボン・フロマージュ。
[土屋]ありがとうございます。おいしいサンドウィッチ。
[田中]店主がいつも番組で紹介してくれてありがとう、と仰ってましたけど。
[土屋]あっ、そうですか。聴いてくださってるんですね。
[出水]おいしいですよね。ありがとうございます。
[田中]今週もまたニュース多いね。なんか月末に私出るから月末はニュース多いんですか?
[土屋]そうなんですかね。
[出水]語り尽くせないぐらいありますね。では一週間、主な出来事を早速振り返ってみましょう。
[土屋]さあ田中さんが気になったニュースですが。
[田中]昨日(9月27日)会見があった関西電力、関電。なんか自分で「感電」しちゃったような話なんだけどさ(笑)。
🐶我が家のLottaもお怒り仮面Part3💢
— 田中康夫 (@loveyassy) September 27, 2019
☢社長岩根茂樹ちゃま⚡
「(金品受領に関する)見返り行為がなく(原発関連工事の)発注プロセスに問題がないことを確認したから💰報酬減を受けた会長八木誠と自分以外の処分人数と内容の詳細は明らかにしない(のが法治国家😜誤植w呆痴国家の常識)」キリッ🕺🏼 pic.twitter.com/LJlwDIqTcd
関電、20人が3.2億円受領 岩根社長は辞任否定
その昔の関電感電の大言壮語
蛇足:見出しの引用元はそれぞれ以下の通りhttps://t.co/yjvowluwfP
— hato (@hato) September 29, 2019
2012/4/27 21:02 日本経済新聞 電子版
八木誠 関電社長「原発再稼働なければ4000億円のコスト増」https://t.co/Q1qs6F25N8
2015/01/31 6:00 東洋経済ONLINE
八木誠 電事連会長「何としても原発再稼働実現へ」
[出水]あらっ(笑)。
[土屋]ありがとうございます(笑)。
[出水]ふふふふ(笑)。
[田中]すいません、林家三平さん(笑)。
[土屋]はっはっは(笑)。
[田中]でもこれ、早い話が万引きしたんだけど返せばOK!無罪放免社会というのをみんなで認めましょうっていう、すごい話だよね。
[塙]んーん。
[田中]だって20人で3億2000万円?現金だったり商品券だったりお歳暮やお中元のものです、と。でも返すと角が立つのでとりあえず個人の判断でみんなで保管していたんだけども、国税局からそれはおかしいよ、課税するよと言われたのでお返ししましたので一件落着って、ホントに今冒頭で言ったようにね。
[出水]ちょっとあり得ないですね。
[田中]盗んだけど「預かってた」から指摘を受けたのでって。
[土屋]課税されるからっていうのでね。
[田中]で、これがね、各紙さすがにみんな「20人に3.2億円」。あとこの、発表した社長という人、なんかこの社長の面立ちが、いや、面立ちで言っちゃいけないけれど、なんかこの人は元助役のような風貌っていうかね(笑)。関西電力社長かな?っていう。だって産経新聞だってほら、「関電八木会長ら20人に3.2億円」って書いてんだけど、読売新聞だけは大見出しがね、全然違うの(笑)。
[出水]はい?!
[田中]「関電 便宜供与を否定」って(笑)。
脳味噌の具合を母校の京大病院でMRIキボンヌ💉
— 田中康夫 (@loveyassy) September 27, 2019
感電⚡関電社長🔌京大法卒👨⚖️岩根茂樹ちゃん
中元や歳暮の商品券を20人が3億2千万円🤑
貰ったお金を突き返すと原発事業に支障を来すので手元でキープ🤑
(同罪の)会長八木昭彦ちゃんと一緒に辞任せず再発防止が責務🕺🏼キリッ
元助役かと見紛う痛い風貌😱 pic.twitter.com/d2DSEgtElr
関電 便宜供与を否定…高浜町元助役 20人に3・2億円 原発立地
関電 元社長首相に毎年献金 間違いだったと証言
今回税務調査で発覚した3億円は氷山の一角でしょう。1978年時点で「「当時、助役をしていた森山栄治氏が落とした手帳には、関電から受け取った金額は9億円ではなく24億円と書いてあった」https://t.co/rAnijwFGHX
— junko (@junko1958) September 27, 2019
それまでは毎年首相に2000万円献金していた関電でそれは副社長の仕事だったそうで、今回も一番多く助役から金受け取ってたのは副社長。このマネーのルートが慣例行事だったのがまさかの国税となって動けなくなったのかも。https://t.co/uYtXNMILB6
— junko (@junko1958) September 27, 2019
シリーズ 原発の深層 第一部・原発マネー②&③ カラ工事の疑惑&一億ずつ頂いた カラ工事の疑惑も
今回税務調査で発覚した3億円は氷山の一角でしょう。1978年時点で「「当時、助役をしていた森山栄治氏が落とした手帳には、関電から受け取った金額は9億円ではなく24億円と書いてあった」
[一同]へぇー?!?
[田中]やっぱり読売新聞は読んでみるべきだね(笑)。ホントに。はっはっは(笑)。
[塙]元助役って人はなんなんですかね?
[田中]元助役はずっとこの町の叩き上げ。でもこれだけのお金が流れているってことでしょ?まあ、お隣の敦賀市は『(高速増殖炉)もんじゅ』があるんで1974年から2010年までだから30年ちょっとで462億円、『もんじゅ』があると国からお金が来ちゃうわけよ。この助役は、地元の原発関連の企業がたくさんあるじゃないですか、地元でやってる、ここと懇意であることは、この岩根茂樹社長は十分存じ上げていた、と。でも、貰ったものを返せないので「保管」してた、って(笑)、だから日本の学校の道徳の授業とか全部改めた方が良いね。
[土屋]なるほどね。
[田中]すごいじゃない?で、しかも、もう一個が、じゃあ普通辞めるんですか?って、さすがに関西の記者はみんな若いけども、責任はどうなんですか?って訊いたら、再発防止が私と八木誠会長の責務だから辞任せずに一蓮托生でいきます、ってこの論理って日本郵政でもあったよね。あるいは日産自動車でもそうだったよね。
[土屋]そういうことですよね。
[田中]で、今回はたぶん、日産自動車なんか例の西川廣人サマはCEOを辞めたけどまだ取締役なんだよね。取締役まで辞めると社内が混乱するって、あれだけ社員がいて優秀であるはずの人がいて、一人が辞めたら会社が傾くんだったらそんなの組織の体をなしてないよね。
[土屋]たしかに。
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[田中]だからなんか、これが普通に通ってくってことになると…。で、違法性無しって言ったんだよね。でも違法性ってなんなの?だってつまり、法律だって頭でっかちな役人だったり政治家だったり、我々が作ってそれをより良くするのに、今の法律で違法性が無いからお咎め無しってことになると、ホントに法治国家が、なんか認知症の字の「呆痴」国家になっちゃってるし、もっと言えば、逆に言うとこうなると本当に一刀両断やってくる大岡裁き、マトモな大岡裁きなら良いけどもマトモじゃないような、N国みたいな大岡裁きみたいなものになりかねないっていう。
[塙]なんかね、そういうところがあるんじゃないですか。初め20人って言ってなかったですもんね。何人かって。
[田中]しかもこの20人に関して、社長の私、岩根と会長の八木以外は個人情報なので明らかにしませんて、歴代の役員でしょ?この個人情報って言葉もそろそろ考えた方が良いよね。
[土屋]こういう時に使う言葉じゃないですよね。
[田中]PTAの名簿すら作れないでみんな四苦八苦してる時に。
[塙]そうですよね。
[田中]だからそうやって考えるとね、この間ずっと思ってたの。イギリスのボリス・ジョンソンちゃんって…。
[出水]ふふふ(笑)。
[田中]困った首相が…。
[出水]「ちゃん付け」ですね(笑)。
[田中]もう議会なんか開かねーぞって言ったら、イギリスの最高裁判所は全員一致で議会を開かないのは違法だって言ったわけよ。
[田中]あるいはアメリカだってドナルド・トランプちゃまがウクライナの件、まああれは民主党のジョー・バイデン氏の息子もウクライナで悪さしてた感じもあるから、ブーメランになる可能性もあるけれど、あれをホワイト・ハウスの中の人が、確かに「そういう発言」を電話でしてるって情報を出すわけじゃないですか。あるいはもっと言うと皆様が「大好き」な韓国だって、韓国、今まで歴代のトップはみんなその後捕まっちゃってたけども、今の大統領と検察が戦って法務大臣まで調べる。こうなると他の国の方が三権分立あるのだなと。
[塙]なるほど、ちゃんとしたね。
[田中]日本は10月2日まで国会お休みなのに、野党の人も開けって言わないしメディアも開けって言わないし、なんかスゴイね。ドイツもフォルクス・ワーゲンが排ガス規制の機械を故意的に間違えてたってことを、正に意図的に発表しなかったことで株価が下がったからって言って歴代の会長社長3人が起訴されたんだよ?そうすると東京電力は、皆さんいろんなご意見あるかもしれないけれど、あの判決は、そういうことを想像できなかったんだから無罪放免って、そんなこと言ったら航空事故だって列車事故だって経営トップが想像できなかったから無罪放免ってなったら、ホントに人々を「放置」しちゃう放置国家。今日も一杯しゃべっちゃってんだけど…。
[塙]いや良いんですよ。
[田中]だけどねもう一個がね、千葉県の件、いまだに政府は災害対策…。
[出水]停電ですよ。
[田中]いまだに停電の場所がある。
[塙]自衛隊の派遣が遅かったですね、今回ね。
[田中]千葉の県知事はほら、俺は男だ!って言うから自分でやろうと思ったのかな?
[出水]ふふふふ(笑)。
[田中]だって9日の月曜日に台風が明け方来たわけじゃない。自衛隊に来てちょうだいよってお願いしたのが10日の午前4時だからね。で、もう一個、皆さんが各役場に、持っていける電源器が届かないって、役場から連絡が無かったって、だって電源切れてんだもん。防災無線だって切れてんだもん。上に立つものこそね御用聞きの精神を持たないといけないと思うんだよね。職員に全部見に行って来いと。車は少なくとも動くんだからさって思うんだけど。
[土屋]そうですね。
[田中]よくわからないね。
[塙]ホントそうですよ。『なつぞら』の草刈正雄さんを見習って欲しいですよ。
[田中]そう、ホント。昨日もね、あれドラマの展開、やっぱり今回の台風で最後を変えたのかな?
[塙]やっぱり牛を守るっつってね。牛が病気になっちゃうって乳が出ないからってね。そういうことだよ。
[田中]ホントにこれ、大きな問題なのにだけど、災害対策本部を死者が少ないから作らない。関係閣僚会議も開かない。でもマスコミの人がおずおず訊くと、関係省庁連絡会議は開いたから問題無いって、そういうこっちゃねーだろ?と。やっぱり役人の世界とかって自衛隊だって命令があって初めて動けるわけじゃない。そうすると命令を出すそういう会議を開かないってことは、あっこの程度で良いのか?と。役人てほら、先走って人を救おうと思ったら、前例の無いことをお前はやったって怒られちゃう人たちだからね。もう一個、東京電力に私も多々言いたいことはたくさんあるが、よくやってるわけよ。しかも全国の電力会社が、沖縄電力まで翌日には飛行機で来て機材もフェリーで運んで手伝ったわけ。ところが9日に起きたんだから、翌週か、官房長官会見で沖縄電力以外の全電力会社が手伝ってますって答えたんだけど、これってね菅さんの顔に逆に泥を塗るって話だよ。だって菅さんは台本読んだんだから、つまり官邸にいる経済産業省出身の役人達が、沖縄電力も手伝いに来てるのに「沖縄電力を除く全電力会社が手伝ってます」ってドヤ顔の文章を書いたってことでしょ。
[土屋]そうですね。
[出水]把握してなかったってことですよね?
[田中]だってこれ、産経新聞がデカデカ載っけてたの。官邸の人の愛読紙である産経新聞が沖縄電力も手伝ってますって前の週に書いてるのに、週明けの連休明けの会見で「沖縄電力も除く」って、これさ、こういう役所はやっぱり処分しないといけないんじゃないの?(笑)。なんだけどもう一個ね、今回、ずっと停電が続いてるのはやっぱり国策の失敗だとずっと思ってるの。
[塙]環境とかってことですよね。
[田中]環境ではなくてね、だって木が倒れてそれで電柱が引っ掛かっちゃったとか、そんなの電力会社の人、木をどうやってどけるかなんて分からないよ。で、日本の森林面積って国土のどのくらいかご存知ですか?
[塙]日本の森林面積は6、7割くらいじゃないですか?
[田中]あっ、鋭い。あのね、世界で一番森林面積があるのがフィンランドなの。3番目がスウェーデン、例の国連で発表した、あんた方お金の話しかしてねぇって一括したグレタ・トゥンベリちゃんの。で、日本は世界2番目で68.2パーセント森林なんですよ。ところがね、日本の森林の面積の中でいわゆる戦後に植えられた、戦中に山を切っちゃったんで、人工林って針葉樹なんですよ。針葉樹ってのは保水力が無いし、広葉樹・針葉樹があるじゃないですか。広葉樹は冬になると葉っぱが落ちる、だから逆に広葉樹は保水力があるし、葉っぱが下に落ちて用土になる。針葉樹は落ちない、で、杉の木をどんどん植えてったわけよ。でも杉の木売れねーよっていうんで、間伐って必要なんですよ。これは私、たまたま山国で知事をやってたんで、2残1伐って、2列木を残して1列削ると光があたるし、もやしっ子の木が、20年以上経った木が大きくなる、でもそのまま放置してたら、木はそのままもやしっ子なんですよ。だから千葉で起きたことも、あそこは山武杉(サンブスギ)という山武郡という郡だったかな、山の、武士の武っていう郡なんですね。あそこ、(電線が)切れた(原因)は杉でしょ?根腐れじゃなくて杉の溝腐病(すぎのみぞくされ病)と言って、間伐もしてないしもやしっ子の木だったから中が空洞になってて倒れちゃったわけですよ。昔の人は、あの辺りの山武郡の人たちも、戦前戦中、明治、江戸時代は杉だけじゃなくてクロマツやアカマツや、あるいはヒノキも植えて、針広混交林って言うんだけど、両方合わせましょうってことをしてたわけ。今日本はですね、予算だけでも…、だって国土面積の68.2パーセントよ?で、国土交通省の予算ってのがね、今年ね7兆3241億円あるの。この中には3・11関連もあるんだけど、だから7兆3000億円。農水省の予算が3兆0316億円。で、国土面積の68.2パーセントを占めている林野庁の予算は、少し増えたんだけれど4661億円だから、国土交通省の、土木建設大事なことです、でも、造るんじゃなくて治す、橋を治さなきゃ落ちちゃうんだけど、国土交通省の予算の16分の1だよ。で、林野庁って言うから、これはさすがに森のことやってんだろって思うでしょ?林野庁の予算の中で今言った間伐をしたり植樹をしたりという予算は全体の8パーセントなんですよ。
[塙]え、そうなんだ。
2019年9月23日 TOKYO MX モーニングCROSS 田中康夫 国土の68・2%を占める日本の森林は荒れ放題🌳千葉停電問題「真の理由」はこれだ❣ もはや「夜警国家」ですらないオワコン国家🎌「自己責任論」
[出水]他は何に?
[田中]他はですね、ダムにもならない小さな沢にコンクリや鉄を打ち込む谷止工っていう公共事業や、あるいはこれも言うとね、林道必要だよって言う人が来たんだけど、作業道と言って間伐をした後、またそこが森に戻るような道路の作り方もあるのに、そうでなく山肌を削っちゃう大規模林道なわけですよ。これでまた自慢だって言われるかもしれないけれど、とにかく予算が少ないので僕、2.5倍に長野県の森林整備の予算を増やしたの。で、これ、森林組合だけじゃ駄目だって言って、公共事業をやっている土木建設業の山間の人に100時間で「信州きこり講座」っていう間伐の資格を無料で取ってもらったわけ。で、2.5倍の予算を増やすじゃない、で、間伐を5年間で全部計画的にやりましょうと。でもねこの時ね一番ね抵抗したのが誰かっていうと、実は森林組合なんですよ。
[一同]へー?!
[田中]予算2.5倍になって、森林組合はその2.5倍になった予算の6割取ってんだから、2倍になってるのに、よそ者の土木建設が来るのはおかしいって…。だからこの島国根性山国根性、まあ関係ねーんだけど、とにかくね今回のは東電の問題とかじゃなくて、戦後の国策の大失敗。
[土屋]戦後の国策なんだね、これが。
[田中]なんだけど、あとはそうだトゥンベリちゃん。トゥンベリちゃんってグレタ、とかグレテ、スウェーデンはねかわいい女の子は結構、グレタとかグレテって名前が付くんですけどね、別にこれ、ヤンキーなわけじゃないんですよ。
[土屋]キラキラネームじゃないと(笑)。
[田中]林家三平ですいません。名前です、グレテとかグレタとか。だからゆかりちゃんとかまいちゃん、ていう名前なんだけど。
[塙]でも彼女もすごいですよね。
[田中]だけど、これに対して彼女が言ってるのは左翼だとか、どっからお金が出てボートに乗ってきたとか言うけど、そんなこと言ったらさ、ニューヨークで『いきなりステーキ』潰れたのに、ステーキに行った人も税金からお金出てんだからね(笑)。だからなんか大事なことで、今は困ったもんだけどアウンサンスーチー女史だって最初、ミャンマーのこと、今はもうロヒンギャのことを知らぬ存ぜずだけど、やっぱり彼女のやってることは大事なことでしょ?でも彼女が言ってることは本当にあんた方は会議ばっかりしてるけどお金の話だと。これね、日経新聞だけが載っけたんだけど、これに大してやっぱり全世界がインドまでロシアまで発言をして、こういう風にしましょうって言ったのに、日本とアメリカはこの件に関して発言をしなかったって一覧表が世界中にいっちゃってるって。
[塙]科学が政治だみたいに言われ始めてね、科学者がこれは違うとかってね。アメリカでこのグレタさんを潰そうとしてね。だからホント、大人のなんかやなところが。
[田中]やだよね。だからそれに対してちゃんと言えないってのは民度がやっぱり眠る眠度になっちゃいかんと。
[塙]思いますね。
[田中]でも万引きやっても返せばOKな国になっちゃったんだから(笑)。
[土屋]以上、一週間のニュースを田中康夫さんと一緒に振り返って参りました。
[田中]あ、そうだ、消費税の話が…(笑)。
*
[土屋]時刻は9時56分です。TBSラジオ土曜ワイドTOKYO ナイツのちゃきちゃき大放送 この時間は常連さんの田中康夫さんと一緒にお送りしております。今日はメッセージテーマが10パーセントの話ということで、消費税の話も伺ってなくて、ちょっと時間があんまり無いんですけど。
[田中]僕ね、すごい心配なのが経済産業省がまたほら、例の、キャッシュレス決済のポイント還元を中小の商店も50万軒導入しましたって大本営発表してんだけど、中小の商店って全国に200万軒あるんですよ。でね、もしかしたらこの50万軒にはフランチャイズのコンビニも含まれてるかもしれない。そうすると残りの150万軒はキャッシュレス決済できないわけよ。今回の増税は国民だけじゃなくて中小の商店も店畳みなさいって話になってきちゃうという。
[土屋]ただの2パーセントじゃないんですね。
[塙]現金くれよって話ですよね。
[田中]だから日本は一番キャッシュレス決済が遅れてるんだけどね。これは次回お話しますよ。でないと私が全部時間取ったって言われる(笑)。
[土屋]言わないから大丈夫ですよ(笑)。
[田中]中国はキャッシュレス決済が3000兆円あるんですよ。
中国スマホ決済、止まらぬ進化 年3000兆円規模に
3000兆円近くに拡大した中国のスマートフォン決済が進化を続けている。支払いにとどまらず、医療や金融など重要な個人情報を扱うサービスにも広がる。それぞれ10億人規模の利用者を抱えるアリババ集団と騰訊控股(テンセント)は無数のビジネスを生んだ。あらゆる決済を捕捉する情報管理社会は先進国のビジネスと折り合えない部分もあるが、雇用を創り利便性を高めたとして中国人の信頼は高い。
アリババが本社を置く浙江省杭州。余杭第一人民医院では診察を待つ患者の姿が大きく減り、会計窓口でも人影はまばらだ。顔認証による予約から診察、支払いまで「手ぶらサービス」を導入したためだ。
スマホ決済の支付宝(アリペイ)から発展した。保険証とスマホ決済、顔データをひも付ければ診療予約はスマホで30秒で済む。診察室に顔認証用カメラを据え、診療結果の保存からアリペイを通じた支払いまでほぼ自動だ。
技術的には個人を見分ける顔認証や、銀行と資金をやり取りするアリペイを結びつけた程度だ。だがアリババは「看病難(医者にかかるのが難しい)」といわれた光景を一変させた。医療データを収集し、人工知能(AI)を活用した自動診断の新事業も探る。
民間調査では過去1年のスマホ決済は178兆元(約2700兆円)に達しなお伸びる。英調査会社RBRによると、世界のカード決済は2017年に25兆ドル(約2700兆円)強で、単純比較はできないが、ほぼ同規模に当たる。ICT総研(東京・千代田)によると日本のスマホを使ったキャッシュレス決済は18年度で1.1兆円にとどまる。
アリババが生んだ就業機会は関連産業を含め4千万に達したとの調査もある。10日に会長を退いた馬雲(ジャック・マー)氏はこの規模を1億人に広げ「アリババ経済圏を国内総生産とみなした場合、世界5位の『経済大国』を目指す」と語る。
絵空事ではない。日本経済新聞社が上海や江蘇省、浙江省などの50人余に実施したアンケートでは、過去1カ月に現金を一度も使わなかったとの回答が4割に上った。
江蘇省南京のソフトウエアエンジニア、胡明強さん(28)は7月に独フォルクスワーゲン(VW)のセダン「ラヴィーダ」を購入した。頭金の6万元はアリペイで決済した。胡さんが過去1カ月に現金を使ったのは「飲み物5元と駐車料金20元」という。
集まるデータは無数の新たなビジネスを生み出す。「利用限度額は8万元、利息は1日当たり残高の0.05%です」。アリペイのアプリで何回かタップすると「借唄」の画面に着く。傘下の金融会社を通じて手がける小口融資だ。
限度額や金利はAIが判断する。スマホ通販の淘宝網(タオバオ)で代金の踏み倒しはないか。アリペイで公共料金やスマホ利用料を滞納していないか。決済行動すべてが評価対象だ。与信枠を設け、利用者がクレジットカードのように後払いできる「花唄」というサービスも展開する。
AI融資の正確さは一般の金融機関をしのぐ。アリババは小口融資を数十億元ごとに一束にまとめ、投資家に売却して資金を回収する。その資料によると、融資が不良債権となる比率は17年6月時点で0.47%で、中国の商業銀行の平均の1.8%を下回る。
個人情報の保護を重んじる日米などの先進国とは異なり、薄気味悪さをしのぐ利便性や経済面のメリットがあれば受け入れるというのが中国を包む空気だ。日経のアンケートで現金主体の決済を貫いているとの答えは1人だけだった。スマホ決済の急激な拡大は中国特有の事情に支えられている面もある。
[田中]で、世界中でクレジットカードの決済が2700兆円あんの。で、日本、鐘や太鼓を叩いて1.1兆円なの。これ言うと中国は国家が信用できねーし、現金が信用できねーってウヨの人言うけど、じゃあ日本の人口の3000倍いるか?って話で、だから中国はなんでそうなったかっていうと露天商の人も紙でQRコードをぶら下げてる八百屋の露天で…。日本もそうすれば良いのに、機械を入れさせましょうってこれも小さなハコモノ行政だよ。150万軒の方どうした?ってみんな行かなくなっちゃうとさ、良いのか?と。弱気を挫き強気を助すくという。
[出水]また次回、田中康夫さんよろしくお願いいたします。
[塙]明日29日はロッタちゃんの誕生日です!
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