2019年12月21日 TBSラジオ ナイツのちゃきちゃき大放送 田中康夫🎙話題満載👯総務省・日本郵政・山口敬之・伊藤詩織・小泉進次郎・秋元司・池江璃花子etc.

[土屋伸之]土曜ワイドラジオ東京 ナイツのチャキチャキ大放送、ここからは一週間を雑談で振り返る常連さんに聞いてみようのお時間です。今日の常連さんは作家の田中康夫さんです。

[一同]よろしくお願いいたします。

[田中康夫]もうじき、「親が苦しみます」の時期なんで(笑)。

[土屋]「クルシミマス」のクリスマスですね。

[田中]今日は以前に一回お持ちしたLOLA'Sのケーキを。

[出水麻衣]カップケーキを差し入れして頂きました。

[田中]インスタに載るかな?番組のインスタに。サンタの奴とか。

[土屋]めちゃくちゃきれいですよね。

[塙宣之]食べるのがもったいないぐらいの、すばらしいですね。

[田中]あれ?!一個無くなってるぞ?!

[出水]わたくしです(笑)。

[田中]ははは(笑)。

[出水]いち早く手を付けさせて頂きました(笑)。トナカイの柄のカップケーキを頂きました。ごちそうさまでした。

[田中]あとロッタのカレンダーもお持ちしたんでご愛用下さいませ。

[土屋]ありがとうございます。来年のカレンダー、ロッタちゃん。

[出水]もう年末ですね。

[土屋]そうですね。

[出水]さあでは、康夫さんをお迎えしまして一週間の主な出来事をお伝えします。

[土屋]田中さん、気になったニュースは?

[田中]最後に入ってきた、(総務省事務次官の)事実上更迭って言って、それで自分から辞職してるんで、そうすると民間人になっちゃうから説明責任は無いのかよ?って話だし、W鈴木さんなんだけど、鈴木茂樹事務次官の先輩が2010年まで総務次官を務めた鈴木康雄さんという日本郵政の上級副社長。でこれ、覚えてると思うけども、この方は国会で「NHKはまるで暴力団だ」って言った人ですよ。

[土屋]鈴木康雄さんの方ですね。

[田中]「おまいう」のブーメランになってんだけれども、こうやって考えると、小泉純一郎さんと竹中平蔵さんが行った郵政改革って一体なんだったのかな?っていう話になってくるよね。一方で、その時に、いや、アメリカも実は効率的であったり、良いサーヴィスをするってのは大前提だけど、実はアメリカはいまだに郵便は国営なんだよね。

[一同]んーん。

[田中]UPS(United Parcel Service Inc.) とかFedEx(FedEx Corporation)とか、そういう民間の、日本でいう佐川急便やヤマトみたいな会社もあるけれども、どんな田舎にも郵便はお金の問題じゃなくて届くというのがユニヴァーサル・サーヴィスだっていう形になってはいるわけですよ。そうするとその時にね、郵政民営化大反対って言ってたのが、今参議院議員を務めている、わたしもよく存じ上げてる柘植芳文(つげよしふみ)さんっていう人なの。この人は全国郵便局長会の会長を務めてて、断固許さんって言ってた人が、今や(郵政民営化)素晴らしかったって言ってんだけど(笑)、この人の意見とかやっぱりメディアは「どうよ?これ」って・・・。で、結局高市早苗総務大臣は、これ立派だと思うんだけども、やっぱり監督官庁からこういうところのトップに行って副社長にいて牛耳ってる人のところに流れるってのはおかしいって言ってるわけだからね。是非そこらへんを考えるべきだと思うんだけれども。もう一個、カジノの問題、これどういう風になるんですかね?よく分からんが。

[塙]秋元司議員のことですか。

[田中]うん。カジノ大賛成だって人たちも、この手の人が「アメリカの企業だったらOK」っていうところが「中国の」企業だったっていうことになると(笑)、なかなか暗礁に乗り上げていくよね。カジノ問題は以前から横浜の藤木幸夫さんの話をしてるので改めては言いませんが、お手並み拝見で。あと水曜日のご存知笠井信輔さんのね、本当に・・・。でもちゃんとああやって全部公開を、私達はみんなのことを扱ってた人間だから、私のことも全て公開しますというのは、これは立派なジャーナリズム精神で。

[出水]番組を担当されてましたからね、ワイドショーを。

[田中]そうだよね。是非ね、しなやかに踏ん張って頂きたいと思う。

[出水]そうですね。エネルギーに溢れている方でしたからね。

[田中]池江璃花子選手はね良かったけど、東京五輪には出れないってのがねちょっと残念だけれども、若いからね。そういうことで言うと、同じジャーナリストでこの山口敬之(のりゆき)さんていう人、日本外国特派員協会で伊藤詩織さんが会見をする前に会見をしたわけよ。で、伊藤詩織さんは山口敬之さんの会見場に居たのね、彼女もフリーランスのジャーナリストだから。そこでなんて言ったかっていうと、彼は、「彼女は嘘つきの常習犯です」って言ってるわけよ。それはもちろん、彼が万が一冤罪かもしれないし、いわゆる高裁で判断を仰ぐってこと自体は、二百歩ゆずってそうかもしんないけど、本人が居るところで嘘つきの常習犯ですって・・・。でもこの方って皆さんご存知のようにメディアも、いや逆にここ、TBSだけど、元TBS社員ってことばっかり書くの。でもね彼がねご存知のようにTBSを不祥事で自ら辞めた後に2016年に『総理』っていう本を見城徹さんの幻冬舎から出してるわけだ。で、その表紙の写真は首相執務室で安倍さんと一緒に撮った写真なわけですよ。だからね、日本のメディアって非常に・・・、セカンド・レイプはもちろんいけないんだけど、なんか奥歯に挟まってる気がするの。で、今日ね海外のメディアはみんな書いてます、BBCもすごいとかニューヨーク・タイムスもすごい!とか言ってるんだけれど、日本にもジャパン・タイムスって新聞があって、英字新聞ですけども、ジャパン・タイムスは一面で彼女が勝訴の札を持ってる写真を載せて、他のメディアは一面では扱ってねぇんだ。で、実はこのジャパン・タイムスが最初のリードの文章、ってのが私はとても良く出来てる文章だと思うんで英語の達人のネイティブ・スピーカーの出水さんに読んで頂こうと思うの。

[出水]これを和訳すれば良いですか?

[田中]英語でまず読んで頂いて。

[出水]英語で、大丈夫ですか。

[田中]和訳してください。

[出水]わかりました。”Japan journalist Shiori Ito awarded ¥3.3 million in damages in high-profile rape case from Noriyuki Yamaguchi, a former TV reporter with close links to Prime Minister Shinzo Abe”

[田中]訳すと「伊藤詩織さんという日本の、女性とは書いてないけれども、ジャーナリストが非常に大変なレイプの問題のダメージを受けて330万円を勝ち取ったと。でもその後に"Noriyuki Yamaguchi, a former TV reporter with close links to Prime Minister Shinzo Abe”って書いてあるわけですよ。非常に、日本の、時の首相と密接な関係にある元TVレポーターに支払いを命じたと、淡々と書いてるの。でもこういう書き方が日本のメディアには無いんですよ。客観的な事実が、これ、恣意的でも無いし扇情的でもないわけね。で、これはなんでかっていうと外国特派員協会で、まあ外国人記者っていう言い方がおかしくて、なんだけれども、「安倍さんや菅さんの力を借りたんですか?」って彼に質問をしているのが出ました、と日本のメディアってそういう書き方をするの。お前自身がどう思うか書けよっていう感じなのね。で、なんでみんなも疑問かと言うと、国家安全保障局長を務めている北村滋さんていう、私も存じ上げてる方は当時、内閣情報官だったわけ。で、第一次安倍政権の総理大臣秘書官だったわけ。で、この人に宛てたのではないかという山口さんのメールがあって、それを週刊新潮が書いたわけ。今回の問題って週刊新潮と週刊文春という、本来、「右寄り」ではないか保守寄りではないかっていうメディアが、この問題はおかしいと。伊藤詩織さんに関しての日本のメディアはおかしいってことを書いてるわけね。で、この時も逮捕状を実は高輪署は警視庁もOKをして、逮捕状を持って成田空港に居たわけよ。なのに、今は警察庁の官房長を務めている(当時は警視庁刑事部長だった)中村格(いたる)さんという人が、それはする必要が無いと(逮捕状執行の停止を要請した)。これは複数の報道をされている、言って・・・。でもそうするとこれってね、いやいや(一般論としては)現場の暴走はあるかもしれない、現場が暴走して戦争やるぞって準備してたのを、こら!ってやめろ、そりゃリーダーだよ。でも、手続きを踏んで逮捕状を持って成田空港に居たのに、突如上からって、これって組織として逆に現場が萎縮どころか現場が機能しなくなってちゃう話じゃないですか。でまあ、そこのところは長くて書けないかもしれない。でもこのジャパン・タイムスはわずか、まあ一行というか数行の最初のリードで全てを隠喩というか暗喩してるんだよね。僕、これがやっぱりジャーナリズムの力でないといけないんじゃないかなという気はしますけどね。

あとはなんだっけ、ポエマー小泉進次郎さんは、お相撲の好きなここのレギュラー(コメンテーターで進次郎ウォッチャーの能町みね子さんが出番の際)にお話頂いた方が良いかもしれないけれど、僕が一番驚いたのは、COP21でどうだったの?言われたのに対して「政治人生を積み重ねる上であれがあったから今があるというような経験を積んだ」って・・・、いやポエムだよね(笑)。

[塙]あれがあるから・・・。

[田中]だからなんか・・・。

[塙]考えさせられますもんね。

[一同](笑)。

[田中]いやだから、「アレ」があったから今があるってじゃあ、具体的に自分が、今は日本はまだできないんですと、でも自分はこう考えてるんですと。でもなかなかこう考えられない省庁の人や内閣もありますって言うならともかく、だからグレタ・トゥーンベリちゃんに関してもほら、若者のトゥーンベリちゃんへの思いは共感してるけれども、これすごいよね、昨日も(閣議後の会見で)言ったの。「トゥーンベリさんの後を追うのでは無く別の方法もあると発信をする。大人を糾弾するので無く前世代を巻き込むような日本発のアプローチの後押しをしたい」って言うんだけれど、中身何も・・・いやいや、いじめてんじゃなくて期待すればこそポエムではやっぱり会社も政治も動かないので、ちょっと残念だなっていう気もします。

[土屋]なるほど。

[塙]具体的に何も無いですもんね、毎回ね。確かにね。

[土屋]そういうことですね。

[田中](笑)。だけど、あともう一個、ちょうど15日に国立競技場っていうIKEA的な建物が隈研吾さんの。

[塙]あー、はいはい。

[田中]あそこに安倍さんが行かれたんだよね。でも僕、すごく残念だったのは、「中村哲医師の亡骸は出迎えずIKEA的建造物の式典には出席」ってツイッターに書いたの。安倍さんが一生懸命やってることは一杯あると思う。これからやんなきゃいけないことや、これからも出来ないことがあるかもしれないけど、ここんところすごくイタいなと思うのは、「サクラを呼ぶ会」とか「桜が散る会」の問題じゃなくて、もしかして人間の体温ってどこにあんのかな?って。政治家だけじゃなくてどんな会社の人だって、だって、中村哲さん、逆に言えばアシュラフ・ガニーというアフガニスタンの大統領も汚職があるかもしれない、でも一応、棺を担いで準国葬的に、政治って全部パフォーマンスじゃないですか。でもパフォーマンスに実体があるかどうかですよ。相手国が大統領が棺を担いでエミレーツ航空の飛行機に乗せたものを、成田にも羽田にも誰も行かない、政務官はいったのかもしれないけど、でもプロトコール上違うしさ。それともう一個は11日に葬儀があった時に、その前に皇后雅子さまが、自分の誕生日の時に中村哲さんのメッセージを言ってるわけでしょ。

[出水]はい。

[田中]で、上皇、上皇后もお花を出してるわけです、弔意を伝えてるわけですよ。でも、そこには政府からのお花も弔電も何も無いっていうのはね、哲さんにいろいろ言う人もいるかもしれない。でも、アフガニスタンと付き合っていく上で、大統領が棺を担いだのに、日本は誰も出迎えに行かないってのは、僕はここにやっぱり人間の血が通う政治とか経済でないと、私達の国ってどうなんのかなってことをみなさんは感じるから、これは僕はある意味では一個ずつの不祥事を越えて根底のところかなっていう。期待すればこそと思います。

[土屋]わかりました。一週間のニュース、田中康夫さんと一緒に振り返って参りました。

Vol.636「ニャンともこそばゆいぜ!畏兄・亀井静香氏が大日本雄辯会講談社の「週刊現代」連載「政界交差点」で Ya‘ssyを2ページに亘って取り上げて下さいました(汗)

 Vol.635 「お前は既に詰んでいる」下一桁9の年には何かが起こる! 山口敬之、横浜カジノ、セブンイレブン、日本郵政、楽天etc. 年内最後「モニクロ」で伝えたかったのは「偶像崇拝はイケナイ」って歴史の教訓

Vol.632 山口敬之ちゃんが「市民運動家」御用達・神保町の日本出版クラブ会議室で会見とは草  警察共済組合グランアーク半蔵門で「桜の代紋」を笠に着て控訴宣言してこそエセ「保守」の鑑なのにね!

Vol.627 「シンクライアント」を紙面で解説した日本の新聞は皆無w 電子版有料会員300万人突破のNYタイムズとは大違い! 「公文書」永年保存義務すら言えない間違いだらけの誤送船団・記者クラブw

[土屋伸之]土曜ワイドラジオ東京 ナイツのチャキチャキ大放送、ここからは一週間を雑談で振り返る常連さんに聞いてみようのお時間です。今日の常連さんは作家の田中康夫さんです。

[一同]よろしくお願いいたします。

[田中康夫]もうじき、「親が苦しみます」の時期なんで(笑)。

[土屋]「クルシミマス」のクリスマスですね。

[田中]今日は以前に一回お持ちしたLOLA'Sのケーキを。

[出水麻衣]カップケーキを差し入れして頂きました。

[田中]インスタに載るかな?番組のインスタに。サンタの奴とか。

[土屋]めちゃくちゃきれいですよね。

[塙宣之]食べるのがもったいないぐらいの、すばらしいですね。

[田中]あれ?!一個無くなってるぞ?!

[出水]わたくしです(笑)。

[田中]ははは(笑)。

[出水]いち早く手を付けさせて頂きました(笑)。トナカイの柄のカップケーキを頂きました。ごちそうさまでした。

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[田中]あとロッタのカレンダーもお持ちしたんでご愛用下さいませ。

[土屋]ありがとうございます。来年のカレンダー、ロッタちゃん。

[出水]もう年末ですね。

[土屋]そうですね。

[出水]さあでは、康夫さんをお迎えしまして一週間の主な出来事をお伝えします。

[土屋]田中さん、気になったニュースは?

[田中]最後に入ってきた、(総務省事務次官の)事実上更迭って言って、それで自分から辞職してるんで、そうすると民間人になっちゃうから説明責任は無いのかよ?って話だし、W鈴木さんなんだけど、鈴木茂樹事務次官の先輩が2010年まで総務次官を務めた鈴木康雄さんという日本郵政の上級副社長。でこれ、覚えてると思うけども、この方は国会で「NHKはまるで暴力団だ」って言った人ですよ。

[土屋]鈴木康雄さんの方ですね。

[田中]「おまいう」のブーメランになってんだけれども、こうやって考えると、小泉純一郎さんと竹中平蔵さんが行った郵政改革って一体なんだったのかな?っていう話になってくるよね。一方で、その時に、いや、アメリカも実は効率的であったり、良いサーヴィスをするってのは大前提だけど、実はアメリカはいまだに郵便は国営なんだよね。

[一同]んーん。

[田中]UPS(United Parcel Service Inc.) とかFedEx(FedEx Corporation)とか、そういう民間の、日本でいう佐川急便やヤマトみたいな会社もあるけれども、どんな田舎にも郵便はお金の問題じゃなくて届くというのがユニヴァーサル・サーヴィスだっていう形になってはいるわけですよ。そうするとその時にね、郵政民営化大反対って言ってたのが、今参議院議員を務めている、わたしもよく存じ上げてる柘植芳文(つげよしふみ)さんっていう人なの。この人は全国郵便局長会の会長を務めてて、断固許さんって言ってた人が、今や(郵政民営化)素晴らしかったって言ってんだけど(笑)、この人の意見とかやっぱりメディアは「どうよ?これ」って・・・。で、結局高市早苗総務大臣は、これ立派だと思うんだけども、やっぱり監督官庁からこういうところのトップに行って副社長にいて牛耳ってる人のところに流れるってのはおかしいって言ってるわけだからね。是非そこらへんを考えるべきだと思うんだけれども。もう一個、カジノの問題、これどういう風になるんですかね?よく分からんが。

[塙]秋元司議員のことですか。

[田中]うん。カジノ大賛成だって人たちも、この手の人が「アメリカの企業だったらOK」っていうところが「中国の」企業だったっていうことになると(笑)、なかなか暗礁に乗り上げていくよね。カジノ問題は以前から横浜の藤木幸夫さんの話をしてるので改めては言いませんが、お手並み拝見で。

[田中]あと水曜日のご存知笠井信輔さんのね、本当に・・・。でもちゃんとああやって全部公開を、私達はみんなのことを扱ってた人間だから、私のことも全て公開しますというのは、これは立派なジャーナリズム精神で。

[出水]番組を担当されてましたからね、ワイドショーを。

[田中]そうだよね。是非ね、しなやかに踏ん張って頂きたいと思う。

[出水]そうですね。エネルギーに溢れている方でしたからね。

[田中]池江璃花子選手はね良かったけど、東京五輪には出れないってのがねちょっと残念だけれども、若いからね。そういうことで言うと、同じジャーナリストでこの山口敬之(のりゆき)さんていう人、日本外国特派員協会で伊藤詩織さんが会見をする前に会見をしたわけよ。で、伊藤詩織さんは山口敬之さんの会見場に居たのね、彼女もフリーランスのジャーナリストだから。そこでなんて言ったかっていうと、彼は、「彼女は嘘つきの常習犯です」って言ってるわけよ。それはもちろん、彼が万が一冤罪かもしれないし、いわゆる高裁で判断を仰ぐってこと自体は、二百歩ゆずってそうかもしんないけど、本人が居るところで嘘つきの常習犯ですって・・・。でもこの方って皆さんご存知のようにメディアも、いや逆にここ、TBSだけど、元TBS社員ってことばっかり書くの。でもね彼がねご存知のようにTBSを不祥事で自ら辞めた後に2016年に『総理』っていう本を見城徹さんの幻冬舎から出してるわけだ。で、その表紙の写真は首相執務室で安倍さんと一緒に撮った写真なわけですよ。だからね、日本のメディアって非常に・・・、セカンド・レイプはもちろんいけないんだけど、なんか奥歯に挟まってる気がするの。で、今日ね海外のメディアはみんな書いてます、BBCもすごいとかニューヨーク・タイムスもすごい!とか言ってるんだけれど、日本にもジャパン・タイムスって新聞があって、英字新聞ですけども、ジャパン・タイムスは一面で彼女が勝訴の札を持ってる写真を載せて、他のメディアは一面では扱ってねぇんだ。で、実はこのジャパン・タイムスが最初のリードの文章、ってのが私はとても良く出来てる文章だと思うんで英語の達人のネイティブ・スピーカーの出水さんに読んで頂こうと思うの。

[出水]これを和訳すれば良いですか?

[田中]英語でまず読んで頂いて。

[出水]英語で、大丈夫ですか。

[田中]和訳してください。

[出水]わかりました。”Japan journalist Shiori Ito awarded ¥3.3 million in damages in high-profile rape case from Noriyuki Yamaguchi, a former TV reporter with close links to Prime Minister Shinzo Abe”

[田中]訳すと「伊藤詩織さんという日本の、女性とは書いてないけれども、ジャーナリストが非常に大変なレイプの問題のダメージを受けて330万円を勝ち取った」と。でもその後に"Noriyuki Yamaguchi, a former TV reporter with close links to Prime Minister Shinzo Abe”って書いてあるわけですよ。「非常に、日本の、時の首相と密接な関係にある元TVレポーターに支払いを命じた」と、淡々と書いてるの。でもこういう書き方が日本のメディアには無いんですよ。客観的な事実が、これ、恣意的でも無いし扇情的でもないわけね。で、これはなんでかっていうと外国特派員協会で、まあ外国人記者っていう言い方がおかしくて、なんだけれども、「安倍さんや菅さんの力を借りたんですか?」って彼に質問をしているのが出ました、と日本のメディアってそういう書き方をするの。お前自身がどう思うか書けよっていう感じなのね。で、なんでみんなも疑問かと言うと、国家安全保障局長を務めている北村滋さんていう、私も存じ上げてる方は当時、内閣情報官だったわけ。で、第一次安倍政権の総理大臣秘書官だったわけ。で、この人に宛てたのではないかという山口さんのメールがあって、それを週刊新潮が書いたわけ。今回の問題って週刊新潮と週刊文春という、本来、「右寄り」ではないか保守寄りではないかっていうメディアが、この問題はおかしいと。伊藤詩織さんに関しての日本のメディアはおかしいってことを書いてるわけね。で、この時も逮捕状を実は高輪署は警視庁もOKをして、逮捕状を持って成田空港に居たわけよ。なのに、今は警察庁の官房長を務めている(当時は警視庁刑事部長だった)中村格(いたる)さんという人が、それはする必要が無いと(逮捕状執行の停止を要請した)。これは複数の報道をされている、言って・・・。でもそうするとこれってね、いやいや(一般論としては)現場の暴走はあるかもしれない、現場が暴走して戦争やるぞって準備してたのを、こら!ってやめろ、そりゃリーダーだよ。でも、手続きを踏んで逮捕状を持って成田空港に居たのに、突如上からって、これって組織として逆に現場が萎縮どころか現場が機能しなくなってちゃう話じゃないですか。でまあ、そこのところは長くて書けないかもしれない。でもこのジャパン・タイムスはわずか、まあ一行というか数行の最初のリードで全てを隠喩というか暗喩してるんだよね。僕、これがやっぱりジャーナリズムの力でないといけないんじゃないかなという気はしますけどね。

[田中]あとはなんだっけ、ポエマー小泉進次郎さんは、お相撲の好きなここのレギュラー(コメンテーターで進次郎ウォッチャーの能町みね子さんが出番の際)にお話頂いた方が良いかもしれないけれど、僕が一番驚いたのは、COP21でどうだったの?言われたのに対して「政治人生を積み重ねる上であれがあったから今があるというような経験を積んだ」って・・・、いやポエムだよね(笑)。

[塙]あれがあるから・・・。

[田中]だからなんか・・・。

[塙]考えさせられますもんね。

[一同](笑)。

[田中]いやだから、「アレ」があったから今があるってじゃあ、具体的に自分が、今は日本はまだできないんですと、でも自分はこう考えてるんですと。でもなかなかこう考えられない省庁の人や内閣もありますって言うならともかく、だからグレタ・トゥーンベリちゃんに関してもほら、若者のトゥーンベリちゃんへの思いは共感してるけれども、これすごいよね、昨日も(閣議後の会見で)言ったの。「トゥーンベリさんの後を追うのでは無く別の方法もあると発信をする。大人を糾弾するので無く前世代を巻き込むような日本発のアプローチの後押しをしたい」って言うんだけれど、中身何も・・・いやいや、いじめてんじゃなくて期待すればこそポエムではやっぱり会社も政治も動かないので、ちょっと残念だなっていう気もします。

[土屋]なるほど。

[塙]具体的に何も無いですもんね、毎回ね。確かにね。

[土屋]そういうことですね。

[田中](笑)。だけど、あともう一個、ちょうど15日に国立競技場っていうIKEA的な建物が隈研吾さんの。

[塙]あー、はいはい。

[田中]あそこに安倍さんが行かれたんだよね。でも僕、すごく残念だったのは、「中村哲医師の亡骸は出迎えずIKEA的建造物の式典には出席」ってツイッターに書いたの。安倍さんが一生懸命やってることは一杯あると思う。これからやんなきゃいけないことや、これからも出来ないことがあるかもしれないけど、ここんところすごくイタいなと思うのは、「サクラを呼ぶ会」とか「桜が散る会」の問題じゃなくて、もしかして人間の体温ってどこにあんのかな?って。政治家だけじゃなくてどんな会社の人だって、だって、中村哲さん、逆に言えばアシュラフ・ガニーというアフガニスタンの大統領も汚職があるかもしれない、でも一応、棺を担いで準国葬的に、政治って全部パフォーマンスじゃないですか。でもパフォーマンスに実体があるかどうかですよ。相手国が大統領が棺を担いでエミレーツ航空の飛行機に乗せたものを、成田にも羽田にも誰も行かない、政務官はいったのかもしれないけど、でもプロトコール上違うしさ。それともう一個は11日に葬儀があった時に、その前に皇后雅子さまが、自分の誕生日の時に中村哲さんのメッセージを言ってるわけでしょ。

[出水]はい。

[田中]で、上皇、上皇后もお花を出してるわけです、弔意を伝えてるわけですよ。でも、そこには政府からのお花も弔電も何も無いっていうのはね、哲さんにいろいろ言う人もいるかもしれない。でも、アフガニスタンと付き合っていく上で、大統領が棺を担いだのに、日本は誰も出迎えに行かないってのは、僕はここにやっぱり人間の血が通う政治とか経済でないと、私達の国ってどうなんのかなってことをみなさんは感じるから、これは僕はある意味では一個ずつの不祥事を越えて根底のところかなっていう。期待すればこそと思います。

[土屋]わかりました。一週間のニュース、田中康夫さんと一緒に振り返って参りました。

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「註の新たな註」
「いまクリ」と「もとクリ」、その記憶の円盤が舞い続ける時空。

ようこそ現在から1980年の東京、そして日本へ❣
「✽文庫本化に際しての、ひとつの新たな長い註。」でお約束した「註の新たな註」は、
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